東日本大震災復興特別区域法


公布:平成23年12月14日法律第122号
施行:平成23年12月26日(附則第1条第1号:平成23年12月14日,同条第2号:平成23年12月27日)
改正:平成23年5月2日法律第37号
施行:平成24年4月1日
改正:平成23年12月16日法律第125号
施行:平成24年2月10日

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 復興特別区域基本方針(第三条)
 第三章 復興推進計画に係る特別の措置
  第一節 復興推進計画の認定等(第四条−第十三条)
  第二節 認定復興推進計画に基づく事業に対する特別の措置
   第一款 規制の特例措置(第十四条−第三十六条)
   第二款 課税の特例(第三十七条−第四十二条)
   第三款 地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置(第四十三条)
   第四款 復興特区支援利子補給金の支給(第四十四条)
   第五款 財産の処分の制限に係る承認の手続の特例(第四十五条)
 第四章 復興整備計画等に係る特別の措置
  第一節 復興整備計画の作成等(第四十六条−第五十六条)
  第二節 復興一体事業(第五十七条−第六十三条)
  第三節 復興整備計画の実施に係る特別の措置(第六十四条−第七十六条)
 第五章 復興交付金事業計画に係る特別の措置
  第一節 復興交付金事業計画の作成等(第七十七条)
  第二節 復興交付金(第七十八条−第八十四条)
 第六章 雑則(第八十五条−第九十条)
 第七章 罰則(第九十一条−第九十三条)
 附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、東日本大震災からの復興が、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の連携協力が確保され、かつ、被災地域の住民の意向が尊重され、地域における創意工夫を生かして行われるべきものであることに鑑み、東日本大震災復興基本法(平成二十三年法律第七十六号)第十条の規定の趣旨にのっとり、復興特別区域基本方針、復興推進計画の認定及び特別の措置、復興整備計画の実施に係る特別の措置、復興交付金事業計画に係る復興交付金の交付等について定めることにより、東日本大震災からの復興に向けた取組の推進を図り、もって同法第二条の基本理念に則した東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進と活力ある日本の再生に資することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「東日本大震災」とは、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。
2 この法律において「復興特別区域」とは、第四条第一項に規定する復興推進計画(次項において単に「復興推進計画」という。)の区域、第四十六条第一項に規定する復興整備計画の区域及び第七十七条第一項に規定する復興交付金事業計画の区域をいう。
3 この法律において「復興推進事業」とは、次に掲げる事業をいう。
 一 別表に掲げる事業で、第三章第二節第一款の規定による規制の特例措置の適用を受けるもの
 二 次に掲げる事業であって個人事業者又は法人により行われるもの
  イ 産業集積の形成及び活性化を図ることを通じて東日本大震災により多数の被災者が離職を余儀なくされ、又は生産活動の基盤に著しい被害を受けた地域における雇用機会の確保に寄与する事業(ロに掲げるものを除く。)
  ロ イに規定する地域において建築物の建築及び賃貸をする事業であって産業集積の形成及び活性化に寄与するもの
  ハ 東日本大震災により相当数の住宅が滅失した地域において賃貸住宅の供給を行う事業であって居住の安定の確保に寄与するもの
  ニ 農林水産業、社会福祉、環境の保全その他の分野における各般の課題の解決を図ることを通じて復興推進計画の区域における東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する経済的社会的効果を及ぼすものとして政令で定める事業
 三 復興推進計画の区域における雇用機会の創出その他の東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する経済的社会的効果を及ぼすものとして内閣府令で定める事業のうち復興推進計画の目標を達成する上で中核となるものを行うのに必要な資金を貸し付ける事業(第四十四条第一項において「復興特区支援貸付事業」という。)であって銀行その他の内閣府令で定める金融機関(同項において単に「金融機関」という。)により行われるもの
 四 復興推進計画の区域における東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進に資する事業(第一号に掲げる事業又は当該事業と併せて実施する事業に限る。)の活動の基盤を充実するため、補助金等交付財産(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)第二十二条に規定する財産をいう。)を当該補助金等交付財産に充てられた補助金等(同法第二条第一項に規定する補助金等をいう。)の交付の目的以外の目的に使用し、譲渡し、交換し、貸し付け、又は担保に供することにより行う事業
4 この法律において「規制の特例措置」とは、法律により規定された規制についての第十四条から第三十四条までに規定する法律の特例に関する措置及び政令又は主務省令(以下この項において「政令等」という。)により規定された規制についての第三十五条の規定による政令若しくは内閣府令(告示を含む。)・主務省令(第八十七条ただし書に規定する規制にあっては、主務省令。第三十五条及び第三十六条において「内閣府令・主務省令」という。)又は第三十六条の規定による条例で規定する政令等の特例に関する措置をいい、これらの措置の適用を受ける場合において当該規制の趣旨に照らし地方公共団体がこれらの措置と併せて実施し又はその実施を促進することが必要となる措置を含むものとする。
5 この法律において「改良住宅」とは、住宅地区改良法(昭和三十五年法律第八十四号)第二条第六項に規定する改良住宅をいう。
6 この法律において「農地」とは、耕作の目的に供される土地をいう。
7 この法律において「海岸保全区域」とは、海岸法(昭和三十一年法律第百一号)第三条の規定により指定された海岸保全区域をいう。
8 この法律において「森林」とは、森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第二条第一項に規定する森林をいう。
9 この法律において「農用地区域」とは、農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)第八条第二項第一号に規定する農用地区域をいう。
10 この法律において「一級河川」とは、河川法(昭和三十九年法律第百六十七号)第四条第一項に規定する一級河川をいう。
11 この法律において「土地改良事業」とは、土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業(同項第一号から第三号まで及び第七号に掲げる事業に限る。)をいう。
12 この法律において「集団移転促進事業」とは、防災のための集団移転促進事業に係る国の財政上の特別措置等に関する法律(昭和四十七年法律第百三十二号。第五十三条において「集団移転促進法」という。)第二条第二項に規定する集団移転促進事業をいう。
13 この法律において「漁港漁場整備事業」とは、漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第四条第一項に規定する漁港漁場整備事業をいう。
14 この法律において「土地区画整理事業」とは、土地区画整理法(昭和二十九年法律第百十九号)第二条第一項に規定する土地区画整理事業をいう。

第二章 復興特別区域基本方針

第三条 政府は、東日本大震災復興基本法第二条の基本理念にのっとり、かつ、同法第三条に規定する東日本大震災復興基本方針に基づき、復興特別区域における復興推進事業、第四十六条第二項第四号に規定する復興整備事業及び第七十八条第一項に規定する復興交付金事業等の実施による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進(次項において「復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進」という。)に関する基本的な方針(以下「復興特別区域基本方針」という。)を定めなければならない。
2 復興特別区域基本方針には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進の意義に関する事項
 二 復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進のために政府が着実に実施すべき地方公共団体に対する支援その他の施策に関する基本的な方針
 三 次条第一項に規定する復興推進計画の同条第九項の認定に関する基本的な事項
 四 復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進に関し政府が講ずべき措置についての計画
 五 前各号に掲げるもののほか、復興特別区域における復興の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
3 内閣総理大臣は、復興特別区域基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、復興特別区域基本方針を公表しなければならない。
5 政府は、情勢の推移により必要が生じた場合には、復興特別区域基本方針を変更しなければならない。
6 第三項及び第四項の規定は、前項の規定による復興特別区域基本方針の変更について準用する。

第三章 復興推進計画に係る特別の措置

第一節 復興推進計画の認定等

(復興推進計画の認定)
第四条 その全部又は一部の区域が東日本大震災に際し災害救助法(昭和二十二年法律第百十八号)が適用された同法第二条に規定する市町村の区域(政令で定めるものを除く。)又はこれに準ずる区域として政令で定めるもの(以下この項及び第四十六条第一項において「特定被災区域」という。)である地方公共団体(以下「特定地方公共団体」という。)は、単独で又は共同して、復興特別区域基本方針に即して、当該特定地方公共団体に係る特定被災区域内の区域について、内閣府令で定めるところにより、復興推進事業の実施又はその実施の促進その他の復興に向けた取組による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進(以下この節において「復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進」という。)を図るための計画(以下「復興推進計画」という。)を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができる。
2 復興推進計画には、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 復興推進計画の区域
 二 復興推進計画の目標
 三 前号の目標を達成するために推進しようとする取組の内容
 四 第一号の区域内において次に掲げる区域を定める場合にあっては、当該区域
  イ 第二号の目標を達成するために産業集積の形成及び活性化の取組を推進すべき区域(以下「復興産業集積区域」という。)
  ロ 第二号の目標を達成するために居住の安定の確保及び居住者の利便の増進の取組を推進すべき区域(以下「復興居住区域」という。)
  ハ イ及びロに掲げるもののほか、第二号の目標を達成するために社会福祉、環境の保全その他の分野における地域の課題の解決を図る取組を推進すべき区域(第十五条第一項及び第十六条第一項において「復興特定区域」という。)
 五 第二号の目標を達成するために実施し又はその実施を促進しようとする復興推進事業の内容及び実施主体に関する事項
 六 前号に規定する復興推進事業ごとの次節の規定による特別の措置の内容
 七 前各号に掲げるもののほか、第五号に規定する復興推進事業に関する事項その他復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関し必要な事項
3 特定地方公共団体は、復興推進計画を作成しようとするときは、関係地方公共団体及び前項第五号に規定する実施主体(以下この章において単に「実施主体」という。)の意見を聴かなければならない。
4 次に掲げる者は、特定地方公共団体に対して、第一項の規定による申請(以下この節において単に「申請」という。)をすることについての提案をすることができる。
 一 当該提案に係る区域において復興推進事業を実施しようとする者
 二 前号に掲げる者のほか、当該提案に係る区域における復興推進事業の実施に関し密接な関係を有する者
5 前項の提案を受けた特定地方公共団体は、当該提案に基づき申請をするか否かについて、遅滞なく、当該提案をした者に通知しなければならない。この場合において、申請をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
6 特定地方公共団体は、復興推進計画を作成しようとする場合において、第十三条第一項の復興推進協議会(以下この項、第十一条第一項及び第十二条第四項第二号において「地域協議会」という。)が組織されているときは、当該復興推進計画に定める事項について当該地域協議会における協議をしなければならない。
7 申請には、次に掲げる事項を記載した書面を添付しなければならない。
 一 第三項の規定により聴いた関係地方公共団体及び実施主体の意見の概要
 二 第四項の提案を踏まえた申請をする場合にあっては、当該提案の概要
 三 前項の規定による協議をした場合にあっては、当該協議の概要
8 特定地方公共団体は、申請に当たっては、当該申請に係る復興推進計画の区域において実施し、又はその実施を促進しようとする復興推進事業及びこれに関連する事業に関する規制について規定する法律及び法律に基づく命令(告示を含む。)の規定の解釈について、関係行政機関の長(当該行政機関が合議制の機関である場合にあっては、当該行政機関。以下同じ。)に対し、その確認を求めることができる。この場合において、当該確認を求められた関係行政機関の長は、当該特定地方公共団体に対し、速やかに回答しなければならない。
9 内閣総理大臣は、申請があった復興推進計画が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、その認定をするものとする。
 一 復興特別区域基本方針に適合するものであること。
 二 当該復興推進計画の実施が当該復興推進計画の区域における復興の円滑かつ迅速な推進と当該復興推進計画の区域の活力の再生に寄与するものであると認められること。
 三 円滑かつ確実に実施されると見込まれるものであること。
10 内閣総理大臣は、前項の認定(以下この条から第六条までにおいて単に「認定」という。)をしようとするときは、復興推進計画に定められた復興推進事業に関する事項について、当該復興推進事業に係る関係行政機関の長(以下この章において単に「関係行政機関の長」という。)の同意を得なければならない。
11 内閣総理大臣は、認定をしたときは、遅滞なく、その旨を公示しなければならない。

(認定に関する処理期間)
第五条 内閣総理大臣は、申請を受理した日から三月以内において速やかに、認定に関する処分を行わなければならない。
2 関係行政機関の長は、内閣総理大臣が前項の処理期間中に認定に関する処分を行うことができるよう、速やかに、前条第十項の同意について同意又は不同意の旨を通知しなければならない。

(認定復興推進計画の変更)
第六条 認定を受けた特定地方公共団体は、認定を受けた復興推進計画(以下「認定復興推進計画」という。)の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、内閣総理大臣の認定を受けなければならない。
2 第四条第三項から第十一項まで及び前条の規定は、前項の認定復興推進計画の変更について準用する。

(報告の徴収)
第七条 内閣総理大臣は、第四条第九項の認定(前条第一項の変更の認定を含む。以下この章において単に「認定」という。)を受けた特定地方公共団体(以下「認定地方公共団体」という。)に対し、認定復興推進計画(認定復興推進計画の変更があったときは、その変更後のもの。以下同じ。)の実施の状況について報告を求めることができる。
2 関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定復興推進計画に定められた復興推進事業の実施の状況について報告を求めることができる。

(措置の要求)
第八条 内閣総理大臣は、認定復興推進計画の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該認定復興推進計画の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。
2 関係行政機関の長は、認定復興推進計画に定められた復興推進事業の適正な実施のため必要があると認めるときは、認定地方公共団体に対し、当該復興推進事業の実施に関し必要な措置を講ずることを求めることができる。

(認定の取消し)
第九条 内閣総理大臣は、認定復興推進計画が第四条第九項各号のいずれかに適合しなくなったと認めるときは、その認定を取り消すことができる。この場合において、内閣総理大臣は、あらかじめ関係行政機関の長にその旨を通知しなければならない。
2 関係行政機関の長は、内閣総理大臣に対し、前項の規定による認定の取消しに関し必要と認める意見を申し出ることができる。
3 第四条第十一項の規定は、第一項の規定による認定復興推進計画の認定の取消しについて準用する。

(認定地方公共団体への援助等)
第十条 内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、認定地方公共団体に対し、認定復興推進計画の円滑かつ確実な実施に関し必要な情報の提供、助言その他の援助を行うように努めなければならない。
2 関係行政機関の長及び関係地方公共団体の長その他の執行機関は、認定復興推進計画に係る復興推進事業の実施に関し、法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該復興推進事業が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。
3 前二項に定めるもののほか、内閣総理大臣、関係行政機関の長、認定地方公共団体、関係地方公共団体及び実施主体は、認定復興推進計画の円滑かつ確実な実施が促進されるよう、相互に連携を図りながら協力しなければならない。

(新たな規制の特例措置等に関する提案及び復興特別意見書の提出)
第十一条 申請をしようとする特定地方公共団体(地域協議会を組織するものに限る。)又は認定地方公共団体(以下この条及び次条において「認定地方公共団体等」という。)は、内閣総理大臣に対して、新たな規制の特例措置その他の特別の措置(次項及び第八項並びに次条第一項において「新たな規制の特例措置等」という。)の整備その他の申請に係る復興推進計画の区域における復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関し政府が講ずべき新たな措置に関する提案(以下この条において単に「提案」という。)をすることができる。
2 復興推進計画の区域において新たな規制の特例措置等の適用を受けて事業を実施しようとする者は、認定地方公共団体等に対して、当該新たな規制の特例措置等の整備について提案をするよう要請することができる。
3 前項の規定による要請を受けた認定地方公共団体等は、当該要請に基づき提案をするか否かについて、遅滞なく、当該要請をした者に通知しなければならない。この場合において、当該提案をしないこととするときは、その理由を明らかにしなければならない。
4 内閣総理大臣は、提案がされた場合において、関係行政機関の長の意見を聴いて、当該提案を踏まえた新たな措置を講ずる必要があると認めるときは、遅滞なく、復興特別区域基本方針の変更の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
5 内閣総理大臣は、前項の規定による閣議の決定があったときは、遅滞なく、復興特別区域基本方針を公表しなければならない。
6 内閣総理大臣は、提案がされた場合において、関係行政機関の長の意見を聴いて、当該提案を踏まえた新たな措置を講ずる必要がないと認めるときは、その旨及びその理由を当該提案をした認定地方公共団体等に通知しなければならない。
7 内閣総理大臣は、提案がされた場合において、次条第一項に規定する協議会(当該提案をした認定地方公共団体等を構成員とするものに限る。)が組織されているときは、第四項の規定により閣議の決定を求め、又は前項の規定により通知する前に、当該提案について当該協議会における協議をしなければならない。
8 認定地方公共団体等は、新たな規制の特例措置等の整備その他の申請に係る復興推進計画の区域における復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関する措置について、国会に対して意見書(次項において「復興特別意見書」という。)を提出することができる。
9 国会は、復興特別意見書の提出を受けた場合において、当該復興特別意見書に係る措置の円滑かつ確実な実施のために必要があると認めるときは、所要の法制上の措置を講ずるものとする。

(国と地方の協議会)
第十二条 内閣総理大臣、国務大臣のうちから内閣総理大臣の指定する者及び認定地方公共団体等の長(以下この条において「内閣総理大臣等」という。)は、都道県の区域ごとに、復興推進計画の区域において当該認定地方公共団体等が推進しようとする取組、当該取組を推進するために必要な新たな規制の特例措置等の整備その他の復興推進事業の実施等による復興の円滑かつ迅速な推進に関する施策の推進に関し必要な協議を行うための協議会(以下この条において単に「協議会」という。)を組織することができる。
2 認定地方公共団体等の長は、協議会が組織されていないときは、内閣総理大臣に対して、協議会を組織するよう要請することができる。
3 前項の規定による要請を受けた内閣総理大臣は、正当な理由がある場合を除き、当該要請に応じなければならない。
4 内閣総理大臣等は、必要と認めるときは、協議して、協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
 一 地方公共団体の長その他の執行機関(第一項の認定地方公共団体等の長を除く。)
 二 当該都道県内の特定地方公共団体が組織した地域協議会を代表する者(地域協議会が二以上ある場合にあっては、各地域協議会を代表する者)
 三 当該都道県の区域内において復興推進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者
 四 その他当該都道県の区域内における復興推進事業の実施に関し密接な関係を有する者
5 第一項の協議を行うための会議(以下この条において単に「会議」という。)は、内閣総理大臣等及び前項の規定により加わった者又はこれらの指名する者をもって構成する。
6 協議会は、会議において協議を行うため必要があると認めるときは、国の行政機関の長及び地方公共団体の長その他の執行機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
7 協議会は、会議において協議を行うため特に必要があると認めるときは、前項に規定する者以外の者に対しても、必要な協力を依頼することができる。
8 会議において協議が調った事項については、協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。この場合において、認定地方公共団体等の講ずる措置の円滑かつ確実な実施のために必要があるときは、内閣総理大臣等(認定地方公共団体等の長を除く。)は、速やかに、所要の法制上の措置その他の措置を講じなければならないものとする。
9 協議会の庶務は、内閣府において処理する。
10 内閣総理大臣は、会議における協議の経過及び内容を、適時に(会議において協議が調わなかった場合には、遅滞なく)、かつ、適切な方法で、国会に報告するものとする。
11 前条第九項の規定は、国会が前項の報告を受けた場合について準用する。
12 前各項に定めるもののほか、協議会の運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

(復興推進協議会)
第十三条 特定地方公共団体は、第四条第一項の規定により作成しようとする復興推進計画並びに認定復興推進計画及びその実施に関し必要な事項について協議するため、復興推進協議会(以下この条及び次節において「地域協議会」という。)を組織することができる。
2 地域協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
 一 前項の特定地方公共団体
 二 復興推進事業を実施し、又は実施すると見込まれる者
3 第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる者のほか、地域協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
 一 当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
 二 その他当該特定地方公共団体が必要と認める者
4 特定地方公共団体は、前項の規定により地域協議会の構成員を加えるに当たっては、地域協議会の構成員の構成が、当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関する多様な意見が適切に反映されるものとなるよう配慮しなければならない。
5 次に掲げる者は、地域協議会が組織されていない場合にあっては、特定地方公共団体に対して、地域協議会を組織するよう要請することができる。
 一 復興推進事業を実施し、又は実施しようとする者
 二 前号に掲げる者のほか、当該特定地方公共団体が作成しようとする復興推進計画又は認定復興推進計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
6 前項の規定による要請を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該要請に応じなければならない。
7 特定地方公共団体は、第一項の規定により地域協議会を組織したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
8 第五項各号に掲げる者であって地域協議会の構成員でないものは、第一項の規定により地域協議会を組織する特定地方公共団体に対して、自己を地域協議会の構成員として加えるよう申し出ることができる。
9 前項の規定による申出を受けた特定地方公共団体は、正当な理由がある場合を除き、当該申出に応じなければならない。
10 第一項の協議を行うための会議において協議が調った事項については、地域協議会の構成員は、その協議の結果を尊重しなければならない。
11 前各項に定めるもののほか、地域協議会の運営に関し必要な事項は、地域協議会が定める。

第二節 認定復興推進計画に基づく事業に対する特別の措置

第一款 規制の特例措置

(漁業法の特例)
第十四条 特定地方公共団体である県が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特定区画漁業権免許事業(復興推進計画の区域内の特定区画漁業権(漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第七条に規定する特定区画漁業権をいう。以下この条において同じ。)に係る地元地区(同法第十一条に規定する地元地区をいう。以下この条において同じ。)における経済活動が東日本大震災の影響のため停滞し、かつ、当該地元地区内に住所を有する漁業者のみでは水産動植物の養殖の事業のために必要な施設の整備、人材の確保その他の措置を行うことが困難であると認められるときに、当該事業を行うことを通じて当該地元地区の復興の円滑かつ迅速な推進を図るのにふさわしい者に特定区画漁業権の内容たる区画漁業(同法第六条第四項に規定する区画漁業をいう。)の免許をする事業をいう。以下この条及び別表の一の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた県の知事は、同法第十八条の規定にかかわらず、同法第十六条第六項又は第八項に規定する者であって、次に掲げる要件に該当し、かつ、水産動植物の養殖の事業を最も適切に行うことができると認められるものを第一順位として認定復興推進計画に定められた特定区画漁業権免許事業に係る免許をすることができる。
 一 当該免許を受けた後速やかに水産動植物の養殖の事業を開始する具体的な計画を有する者であること。
 二 水産動植物の養殖の事業を適確に行うに足りる経理的基礎及び技術的能力を有する者であること。
 三 十分な社会的信用を有する者であること。
 四 その者の行う当該免許に係る水産動植物の養殖の事業が漁業生産の増大、当該免許に係る地元地区内に住所を有する漁民の生業の維持、雇用機会の創出その他の当該地元地区の活性化に資する経済的社会的効果を及ぼすことが確実であると認められること。
 五 その者の行う当該免許に係る水産動植物の養殖の事業が当該免許を受けようとする漁場の属する水面において操業する他の漁業との協調その他当該水面の総合的利用に支障を及ぼすおそれがないこと。

(建築基準法の特例)
第十五条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興建築物整備事業(復興産業集積区域、復興居住区域又は復興特定区域の区域内において復興の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項及び別表の二の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該復興推進計画に定められたこれらの区域内の建築物に対する建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)第四十八条第一項から第十二項まで(これらの規定を同法第八十七条第二項又は第三項において準用する場合を含む。)の規定の適用については、同法第四十八条第一項ただし書中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第十五条第一項の認定を受けた同項に規定する復興推進計画に定められた同条第二項に規定する基本方針(以下この条において「認定計画基本方針」という。)に適合すると認めて許可した場合その他」と、同項から同条第十項まで及び同条第十二項の規定のただし書の規定中「認め、」とあるのは「認めて許可した場合、」と、同条第二項から第十二項までの規定のただし書の規定中「特定行政庁が」とあるのは「特定行政庁が、認定計画基本方針に適合すると認めて許可した場合その他」とする。
2 前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該復興推進計画において定められた復興建築物整備事業に係る建築物の整備に関する基本方針を定めるものとする。この場合において、当該基本方針は、当該区域内の用途地域(建築基準法第四十八条第十三項に規定する用途地域をいう。)の指定の目的に反することのないよう定めなければならない。

第十六条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特別用途地区復興建築物整備事業(建築基準法第四十九条第二項の規定に基づく条例で同法第四十八条第一項から第十二項までの規定による制限を緩和することにより、復興産業集積区域、復興居住区域又は復興特定区域の区域内の特別用途地区(都市計画法(昭和四十三年法律第百号)第八条第一項第二号に掲げる特別用途地区をいう。次項において同じ。)内において、復興の円滑かつ迅速な推進のために必要な建築物の整備を促進する事業をいう。次項及び別表の三の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた特定地方公共団体については、当該認定を建築基準法第四十九条第二項の承認とみなして、同項の規定を適用する。
2 前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該特別用途地区復興建築物整備事業に係る特別用途地区について建築基準法第四十九条第二項の規定に基づく条例で定めようとする同法第四十八条第一項から第十二項までの規定による制限の緩和の内容を定めるものとする。

第十七条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、応急仮設建築物活用事業(復興推進計画の区域内の区域であって、東日本大震災からの復興の状況からみて地域住民の生活に必要な建築物で当該震災により被害を受けたものの再建に相当の期間を要すると見込まれる区域において、建築基準法第八十五条第四項に規定する期間を超えて、当該建築物に替えて必要な同条第二項の応急仮設建築物(住宅を除く。以下この条において単に「応急仮設建築物」という。)を存続させ、復興の推進に当たって活用する事業をいう。以下この条及び別表の四の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該復興推進計画の区域内の当該応急仮設建築物活用事業に係る応急仮設建築物について、同法第二条第三十五号の特定行政庁は、安全上、防火上及び衛生上支障がないと認める場合には、同法第八十五条第四項の規定にかかわらず、次項の期間内において、更に一年を超えない範囲内において同条第四項の許可の期間を延長することができる。当該延長に係る期間が満了した場合において、これを更に延長しようとするときも、同様とする。
2 前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、当該応急仮設建築物活用事業に係る応急仮設建築物の所在地及び用途並びに当該応急仮設建築物ごとの当該応急仮設建築物活用事業の期間を定めるものとする。

(道路運送法の特例)
第十八条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、被災区域道路運送確保事業(その全部又は一部の区間が復興推進計画の区域内に存する路線に係る一般乗合旅客自動車運送事業(道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第三条第一号イに掲げる一般乗合旅客自動車運送事業をいう。)を経営する者が当該事業の利用者の利便の増進を図るために実施する事業をいう。以下この条及び別表の五の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、当該復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業に関する国土交通省令で定める書類を添付して、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業のうち、同法第十五条第一項の認可を受け、又は同条第三項若しくは第四項の規定による届出をしなければならないものについては、当該認定の日において、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
2 特定地方公共団体は、前項の認定を申請しようとするときは、第四条第三項の規定にかかわらず、当該申請に係る復興推進計画に定めようとする被災区域道路運送確保事業の内容について、当該被災区域道路運送確保事業の実施主体として当該復興推進計画に定めようとする者の同意を得なければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の同意を求められたときは、当該申請に係る復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業のうち、道路運送法第十五条第一項の認可を受けなければならないものについて、その内容が同条第二項において準用する同法第六条各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、第四条第十項の同意をしてはならない。
4 国土交通大臣は、特定地方公共団体及び第一項の認定の申請に係る復興推進計画に定められた被災区域道路運送確保事業の実施主体に対して、第四条第十項の同意に必要な情報の提供を求めることができる。
5 国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項の同意を求められたときは、国土交通省令で定めるところにより関係する道路管理者(道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第十八条第一項に規定する道路管理者をいう。以下この項において同じ。)に、国土交通省令・内閣府令で定めるところにより関係する都道府県公安委員会に、それぞれ意見を聴くものとする。ただし、道路管理者の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令で定める場合、又は都道府県公安委員会の意見を聴く必要がないものとして国土交通省令・内閣府令で定める場合は、この限りでない。

(公営住宅法等の特例)
第十九条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、罹災者公営住宅等供給事業(復興推進計画の区域内において次に掲げる全ての事業を行う事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該罹災者公営住宅等供給事業については、次条及び第二十一条の規定を適用する。
 一 公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第八条第一項又は激甚災害に対処するための特別の財政援助等に関する法律(昭和三十七年法律第百五十号)第二十二条第一項の規定による国の補助を受けて公営住宅法第二条第五号に規定する公営住宅の建設等をする事業
 二 当該復興推進計画の区域内において東日本大震災により滅失した住宅に居住していた者又は当該復興推進計画の区域内において実施される都市計画事業その他国土交通省令で定める事業の実施に伴い移転が必要になった者(次条において「被災者等」という。)に、公営住宅又は改良住宅を賃貸する事業
2 前項の復興推進計画には、第四条第二項第七号に掲げる事項として、前項第一号に掲げる事業の期間を定めるものとする。

第二十条 前条第一項の認定を受けた復興推進計画に定められた罹災者公営住宅等供給事業に係る公営住宅又は改良住宅に入居しようとする被災者等については、当該復興推進計画に記載された同条第二項の期間が満了する日(その日が平成三十三年三月十一日後の日であるときは、同月十一日)までの間、公営住宅法第二十三条第二号(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる条件を具備する者を公営住宅法第二十三条各号(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。)に掲げる条件を具備する者とみなす。

第二十一条 第十九条第一項の認定を受けた復興推進計画に定められた罹災者公営住宅等供給事業に係る公営住宅若しくは当該公営住宅に係る公営住宅法第二条第九号に規定する共同施設又は改良住宅(次条において「公営住宅等」という。)に対する同法第四十四条第一項及び第二項(これらの規定を住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)並びに公営住宅法附則第十五項の規定の適用については、同法第四十四条第一項中「四分の一」とあるのは「六分の一」と、同条第二項中「公営住宅の整備若しくは共同施設の整備又はこれらの修繕若しくは改良に要する費用に」とあるのは「公営住宅の整備若しくは共同施設の整備若しくはこれらの修繕若しくは改良に要する費用又は地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法(平成十七年法律第七十九号)第六条の地域住宅計画に基づく事業若しくは事務の実施に要する費用に」と、同法附則第十五項中「その耐用年限の四分の一を経過した場合においては」とあるのは「その耐用年限の六分の一を経過した場合において特別の事由のあるとき、又は耐用年限の四分の一を経過した場合においては」とする。

第二十二条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興推進公営住宅等管理等事業(復興推進計画の区域内において公営住宅等の適切な管理及び処分による東日本大震災からの復興の円滑かつ迅速な推進を図るために実施される次に掲げる事業をいう。以下この項及び別表の七の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定を受けた復興推進公営住宅等管理等事業については、当該認定の日において、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める規定による国土交通大臣の承認を受けたものとみなす。
 一 公営住宅法第四十四条第三項(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に基づき、東日本大震災により被害を受けた公営住宅等の用途を廃止する事業 公営住宅法第四十四条第三項
 二 公営住宅法第四十五条第一項に基づき、同項に規定する社会福祉法人等に公営住宅を住宅として使用させる事業 同項
 三 公営住宅法第四十六条第一項(住宅地区改良法第二十九条第一項において準用する場合を含む。以下この号において同じ。)に基づき、公営住宅等を他の地方公共団体に譲渡する事業 公営住宅法第四十六条第一項
2 国土交通大臣は、前項(第一号又は第三号に係る部分に限る。)の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。)の同意を求められたときは、厚生労働大臣に協議しなければならない。
3 特定地方公共団体である市町村(特別区を含む。以下同じ。)は、第一項の認定を受けたときは、その旨を当該市町村の存する都道県の知事に通知するものとする。

(農地法等の特例)
第二十三条 特定地方公共団体である市町村(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震の津波による被害を受けたものに限る。)が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、食料供給等施設整備事業(農林水産物の生産又は加工のための施設その他の食料の安定供給の確保又は当該市町村における農林水産業の復興に資する施設として農林水産省令で定めるもの(以下「食料供給等施設」という。)を復興推進計画の区域内において整備する事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該食料供給等施設整備事業については、次条から第二十七条までの規定を適用する。

第二十四条 前条の認定を受けた市町村(以下この条において「認定市町村」という。)は、地域協議会における協議を経て、当該認定を受けた復興推進計画に定められた食料供給等施設整備事業に係る食料供給等施設の整備に関する計画(次の各号のいずれかに該当するものに限る。以下「食料供給等施設整備計画」という。)を作成することができる。
 一 当該食料供給等施設の用に供する土地が農地又は採草放牧地(農地以外の土地で、主として耕作又は養畜の事業のための採草又は家畜の放牧の目的に供されるものをいう。以下この条及び次条第二項において同じ。)であり、当該食料供給等施設の用に供することを目的として、農地である当該土地を農地以外のものにし、又は農地である当該土地若しくは採草放牧地である当該土地を農地若しくは採草放牧地以外のものにするため当該土地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得するに当たり、農地法(昭和二十七年法律第二百二十九号)第四条第一項又は第五条第一項の許可(農林水産大臣の許可並びに同法附則第二項第一号及び第三号に規定する許可を除く。)を受けなければならないものに係るものであること。
 二 森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画の対象となっている同項に規定する民有林(同法第二十五条又は第二十五条の二の規定により指定された保安林並びに同法第四十一条の規定により指定された保安施設地区の区域内及び海岸保全区域内の森林を除く。第四項第六号及び第二十七条において「対象民有林」という。)において当該食料供給等施設を整備するため開発行為(同法第十条の二第一項に規定する開発行為をいう。以下この条及び第二十七条において同じ。)を行うものであり、当該開発行為を行うに当たり、同法第十条の二第一項の許可を受けなければならないものに係るものであること。
2 認定市町村は、前項の協議を行う場合には、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める者を地域協議会の構成員として加えるものとする。
 一 食料供給等施設整備計画が前項第一号に該当する場合 道県知事、都道府県農業会議その他農林水産省令で定める者
 二 食料供給等施設整備計画が前項第二号に該当する場合 道県知事並びに森林及び林業に関し学識経験を有する者
3 食料供給等施設整備計画には、食料供給等施設整備事業の実施主体、食料供給等施設の種類及び規模、当該食料供給等施設の用に供する土地の所在及び面積その他農林水産省令で定める事項を記載しなければならない。
4 認定市町村は、第一項の規定により食料供給等施設整備計画を作成しようとするときは、当該食料供給等施設整備計画について、道県知事の同意を得なければならない。この場合において、当該道県知事は、当該食料供給等施設整備計画が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、同意をするものとする。
 一 農地を農地以外のものにする場合にあっては、農地法第四条第二項(第一号に係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
 二 農地法第四条第二項第一号イ又はロに掲げる農地を農地以外のものにする場合にあっては、当該農地に代えて周辺の他の土地を供することにより食料供給等施設整備事業の目的を達成することができると認められないこと。
 三 農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあっては、農地法第五条第二項(第一号に係る部分を除く。)の規定により同条第一項の許可をすることができない場合に該当しないこと。
 四 農地法第五条第二項第一号イ又はロに掲げる農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合にあっては、これらの土地に代えて周辺の他の土地を供することにより食料供給等施設整備事業の目的を達成することができると認められないこと。
 五 食料供給等施設の用に供する土地が農用地区域内の土地である場合にあっては、その周辺の土地の農業上の効率的かつ総合的な利用に支障を及ぼすおそれがないと認められることその他の農林水産省令で定める要件に該当すること。
 六 対象民有林において食料供給等施設を整備するため開発行為を行う場合にあっては、当該開発行為が森林法第十条の二第二項各号のいずれにも該当しないこと。

第二十五条 前条第一項の規定により作成された食料供給等施設整備計画に記載された食料供給等施設整備事業の実施主体(次項及び第二十七条において「食料供給等施設整備事業者」という。)が、当該食料供給等施設整備計画に従って食料供給等施設の用に供することを目的として農地を農地以外のものにする場合には、農地法第四条第一項の許可があったものとみなす。
2 食料供給等施設整備事業者が、食料供給等施設整備計画に従って食料供給等施設の用に供することを目的として農地又は採草放牧地を農地又は採草放牧地以外のものにするためこれらの土地について所有権又は使用及び収益を目的とする権利を取得する場合には、農地法第五条第一項の許可があったものとみなす。

第二十六条 第二十四条第一項の規定により作成された食料供給等施設整備計画に記載された食料供給等施設の用に供する土地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更については、農業振興地域の整備に関する法律第十三条第二項の規定は、適用しない。

第二十七条 食料供給等施設整備事業者が、食料供給等施設整備計画に従って対象民有林において食料供給等施設を整備するため開発行為を行う場合には、森林法第十条の二第一項の許可があったものとみなす。

(工場立地法及び企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律の特例)
第二十八条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、復興産業集積事業(復興産業集積区域内において製造業等(工場立地法(昭和三十四年法律第二十四号)第二条第三項に規定する製造業等をいう。以下この項において同じ。)を営む者がその事業の用に供する工場又は事業場(以下この項において「工場等」という。)の新増設を行うことを促進する事業をいう。第五項第一号及び別表の九の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該認定を受けた特定地方公共団体(市町村に限る。以下この条において「認定市町村」という。)は、当該復興推進計画に定められた復興産業集積区域における製造業等に係る工場等の緑地(同法第四条第一項第一号に規定する緑地をいう。)及び環境施設(同法第四条第一項第一号に規定する環境施設をいう。)のそれぞれの面積の敷地面積に対する割合に関する事項について、条例で、同法第四条第一項の規定により公表され、又は同法第四条の二第一項の規定により定められた準則(第十一項において「工場立地法準則」といい、企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律(平成十九年法律第四十号。以下この条において「地域産業集積形成法」という。)第十条第一項の規定により準則が定められた場合又は地域産業集積形成法第十一条第一項の規定により条例が定められた場合にあっては、その準則又はその条例(以下この条において「地域産業集積形成法準則等」という。)を含む。)に代えて適用すべき準則を定めることができる。
2 前項の規定により準則を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等条例」という。)が施行されている間は、工場立地法の規定により都道県知事の権限に属するものとされている事務であって、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例に係る復興産業集積区域に係るものは、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例を定めた認定市町村の長が行うものとする。
3 前項の規定により認定市町村の長が事務を行う場合においては、工場立地法の規定及び工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律(昭和四十八年法律第百八号)附則第三条第一項の規定中都道府県知事に関する規定は、当該復興産業集積区域については、市町村の長に関する規定として当該認定市町村の長に適用があるものとする。この場合において、工場立地法第九条第二項第一号中「第四条の二第一項の規定により地域準則が定められた場合にあつては、その地域準則」とあるのは、「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二十八条第一項の規定により準則が定められた場合にあつては、その準則」とする。
4 復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行により地域産業集積形成法準則等の適用を受けないこととなった特定工場(工場立地法第六条第一項に規定する特定工場をいう。以下この条において同じ。)については、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例が施行されている間は、地域産業集積形成法第十二条第三項の規定は、適用しない。
5 復興産業集積区域緑地面積率等条例を定めた市町村は、次に掲げる事由が生じた場合においては、当該事由の発生により当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の適用を受けないこととなった区域において当該事由の発生前に当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の適用を受けた特定工場について、条例で、当該事由の発生に伴い合理的に必要と判断される範囲内で、所要の経過措置を定めることができる。
 一 第六条第一項の規定による認定復興推進計画の変更(復興産業集積区域の区域を変更することとするもの又は第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として復興産業集積事業を定めないこととするものに限る。)の認定
 二 第九条第一項の規定による第一項の認定の取消し
6 前項の規定により経過措置を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例」という。)が施行されている間は、工場立地法の規定により都道県知事の権限に属するものとされている事務であって、同項の特定工場に係るものは、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例を定めた市町村の長が行うものとする。
7 前項の規定により市町村の長が事務を行う場合においては、第三項の規定を準用する。この場合において、同項中「第二十八条第一項の規定により準則が定められた場合にあつては、その準則」とあるのは、「第二十八条第五項の規定により条例が定められた場合にあつては、その条例」と読み替えるものとする。
8 復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の施行により地域産業集積形成法準則等の適用を受けないこととなった特定工場については、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が施行されている間は、地域産業集積形成法第十二条第三項の規定は、適用しない。
9 復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行前に都道県知事にされた工場立地法第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項又は工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律附則第三条第一項の規定による届出であって復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行の日において勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮の処理がされていないものについての勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮については、なお従前の例による。
10 前項の規定によりなお従前の例によることとされる場合における復興産業集積区域緑地面積率等条例の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
11 復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、第五項各号に掲げる事由の発生又は復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例(復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が定められている場合にあっては、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例)で定めた準則の適用を受けないこととなった特定工場(当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、同項各号に掲げる事由の発生又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により工場立地法準則の適用を受けることとなったものに限る。)について、それぞれ当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効の日、同項各号に掲げる事由の発生の日又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効の日(以下この項及び次項において「特定日」という。)前に第二項又は第六項の規定によりこれらの規定に規定する事務を行うものとされた市町村の長(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)にされた工場立地法第六条第一項、第七条第一項若しくは第八条第一項又は工場立地の調査等に関する法律の一部を改正する法律附則第三条第一項の規定による届出は、特定日以後においては、当該市町村の存する都道県の知事にされたものとみなす。ただし、当該届出であって特定日において勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮の処理がされていないものについての勧告、勧告に係る事項を変更すべき旨の命令又は実施の制限の期間の短縮については、なお従前の例による。
12 前項ただし書の規定によりなお従前の例によることとされる場合における特定日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
13 前二項の規定は、復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、第五項各号に掲げる事由の発生又は復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例(復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例が定められている場合にあっては、当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例)で定めた準則の適用を受けないこととなった特定工場(当該復興産業集積区域緑地面積率等条例の廃止若しくは失効、同項各号に掲げる事由の発生又は当該復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例の廃止若しくは失効により地域産業集積形成法準則等の適用を受けることとなったものに限る。)について準用する。この場合において、第十一項中「市町村の長(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)」とあるのは「市町村の長」と、「当該市町村の存する都道県の知事」とあるのは「地域産業集積形成法第十条第三項又は第十一条第二項の規定によりこれらの規定に規定する事務を行うものとされた当該市町村の長」と読み替えるものとする。

(河川法及び電気事業法の特例等)
第二十九条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、特定水力発電事業(復興推進計画の区域内において、河川法第二十三条、第二十四条又は第二十六条第一項(これらの規定を同法第百条第一項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の規定による許可(以下この条から第三十二条までにおいて「河川法第二十三条等の許可」という。)を受けた水利使用(流水の占用又は同法第二十六条第一項に規定する工作物で流水の占用のためのものの新築若しくは改築をいう。以下同じ。)のために取水した流水のみを利用して行う水力発電事業をいう。以下同じ。)を定めた復興推進計画について、次に掲げるところにより内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、当該特定水力発電事業については、次条から第三十二条までの規定を適用する。
 一 当該認定の申請に、第四条第七項(第六条第二項において準用する場合を含む。)に規定する書面のほか、次に掲げる事項を記載した書面を添付するものであること。
  イ 当該特定水力発電事業に係る水利使用に関する計画(国土交通省令で定める事項が定められたものに限る。次号並びに次条第一項及び第三項において「特定水利使用計画」という。)
  ロ 当該特定水力発電事業が利用する流水に係る河川法第二十三条等の許可を受けた水利使用の内容(国土交通省令で定める事項が記載されたものに限る。)
 二 特定地方公共団体が、当該認定の申請に先立ち、地域協議会(当該特定水力発電事業に係る水利使用に関し河川法第二十三条等の許可を行う河川管理者(河川法第七条(同法第百条第一項において準用する場合を含む。)に規定する河川管理者(同法第九条第二項又は第五項の規定により都道県知事又は指定都市の長が同条第二項に規定する指定区間内の一級河川の管理の一部を行う場合にあっては、当該都道県知事又は当該指定都市の長)をいう。以下同じ。)を構成員とするものに限る。以下この号及び次条において同じ。)を組織し、当該地域協議会において当該特定水力発電事業に係る特定水利使用計画が協議されていること。

第三十条 国土交通大臣は、一級河川の特定水力発電事業に係る水利使用(前条の認定を受けた復興推進計画に係る特定水利使用計画に定められた水利使用と同一の内容のものに限る。以下この条から第三十二条までにおいて「特定発電水利使用」という。)に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、河川法第三十五条第一項の規定にかかわらず、同項に規定する関係行政機関の長に協議することを要しない。
2 国土交通大臣、都道県知事又は指定都市の長は、一級河川又は二級河川(河川法第五条第一項に規定する二級河川をいう。以下この条及び次条において同じ。)の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、同法第三十六条第一項から第四項までの規定にかかわらず、地域協議会を構成する都道県知事又は市町村長の意見を聴くことを要しない。
3 河川管理者は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条又は第二十六条第一項の許可の申請があったときは、同法第三十八条の規定にかかわらず、地域協議会を構成する者であって当該地域協議会において当該特定発電水利使用に係る特定水利使用計画について同意したものに対しては、同条に規定する通知をすることを要しない。
4 都道県知事は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があった場合において、その申請に対する処分をしようとするときは、河川法第七十九条の規定にかかわらず、国土交通大臣の認可を受け、又は国土交通大臣に協議してその同意を得ることを要しない。
5 準用河川(河川法第百条第一項に規定する準用河川をいう。)の特定発電水利使用に関する同項において準用する同法の規定の特例については、前三項の規定に準じて政令で定める。

第三十一条 都道県知事又は指定都市の長は、一級河川又は二級河川の特定発電水利使用に関し河川法第二十三条等の許可の申請があったときは、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百三条第一項の規定にかかわらず、意見を付して経済産業大臣に報告し、及びその意見を求めることを要しない。

第三十二条 河川管理者は、水利使用に関する河川法第二十三条等の許可の申請に係る行政手続法(平成五年法律第八十八号)第六条に規定する通常要すべき標準的な期間(以下この条において「標準処理期間」という。)を定めるときは、特定発電水利使用に係る標準処理期間について、他の水利使用(総合特別区域法(平成二十三年法律第八十一号)第五十条第一項に規定する特定発電水利使用を除く。)に係る標準処理期間に比して相当程度短い期間を定めるものとする。

(鉄道事業法の特例)
第三十三条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、被災鉄道移設事業(東日本大震災によって被害を受けた鉄道線路、停車場その他の鉄道事業(鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)第二条第一項に規定する鉄道事業をいう。)の用に供する施設について、当該施設に係る鉄道事業を経営する者が復興推進計画の区域内において実施する移設の事業をいう。以下この条及び別表の十一の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、当該復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業に関する国土交通省令で定める書類を添付して、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業のうち、同法第七条第一項の認可を受け、又は同条第三項の規定による届出をしなければならないものについては、当該認定の日において、これらの規定により認可を受け、又は届出をしたものとみなす。
2 特定地方公共団体は、前項の認定を申請しようとするときは、第四条第三項の規定にかかわらず、当該申請に係る復興推進計画に定めようとする被災鉄道移設事業の内容について、当該被災鉄道移設事業の実施主体として当該復興推進計画に定めようとする者の同意を得なければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の認定の申請に係る第四条第十項(第六条第二項において準用する場合を含む。以下この条において同じ。)の同意を求められたときは、当該申請に係る復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業のうち、鉄道事業法第七条第一項の認可を受けなければならないものについて、その内容が同条第二項において準用する同法第五条第一項各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、第四条第十項の同意をしてはならない。
4 国土交通大臣は、特定地方公共団体及び第一項の認定の申請に係る復興推進計画に定められた被災鉄道移設事業の実施主体に対して、第四条第十項の同意に必要な情報の提供を求めることができる。

(確定拠出年金法の特例)
第三十四条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、地域振興事業(復興推進計画の区域内において実施される地域社会の活性化、地域文化の振興その他特色ある地域の振興に資する事業であって、連合会(確定拠出年金法(平成十三年法律第八十八号)第二条第五項に規定する連合会をいう。)が支給する同法附則第三条第一項の脱退一時金を活用することが見込まれるものをいう。別表の十二の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該認定の日以後は、平成二十三年三月十一日に
おいて復興推進計画の区域内に住所を有していた者に対する同法附則第三条第一項の規定の適用については、当該認定を受けた日から平成二十八年三月三十一日までの間、同項中
「一 六十歳未満であること。
 二 企業型年金加入者でないこと。
 三 第六十二条第一項各号に掲げる者に該当しないこと。」
とあるのは
「一 東日本大震災(東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二条第一項に規定する東日本大震災をいう。以下同じ。)により政令で定める相当程度の住居又は家財の損害を受けた者であって、次のいずれかに該当するものであること。
  イ 平成二十三年三月十一日において企業型年金加入者であった者であって、実施事業所が東日本大震災による被害を受けたため同日から平成二十五年三月十日までの間に当該実施事業所に使用されなくなり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
  ロ 平成二十三年三月十一日において個人型年金加入者であった者(同日において第六十二条第一項第一号に掲げる者であった者に限る。)であって、同日から平成二十五年三月十日までの間に個人型年金運用指図者となり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
  ハ 平成二十三年三月十一日において個人型年金加入者であった者(同日において第六十二条第一項第二号に掲げる者であった者に限る。)であって、その者が雇用されていた事業所が東日本大震災による被害を受けたため同日から平成二十五年三月十日までの間に当該事業所に使用されなくなり、かつ、当該請求した日の属する月の前月までの六月間のうちに個人型年金加入者掛金の拠出がないこと。
 二 六十歳未満であること。
 三 国民年金法第七条第一項第二号に規定する第二号被保険者及び個人型年金加入者でないこと。」
と、「その者の通算拠出期間(企業型年金加入者期間(第五十四条第二項及び第五十四条の二第二項の規定により第三十三条第一項の通算加入者等期間に算入された期間がある者にあっては、当該期間を含む。)及び個人型年金加入者期間(個人型年金加入者が納付した掛金に係る個人型年金加入者期間に限るものとし、第七十四条の二第二項の規定により算入された第七十三条の規定により準用する第三十三条第一項の通算加入者等期間がある者にあっては、当該期間を含む。)を合算した期間をいう。)が一月以上三年以下であること又は」とあるのは「当該」と、
「六 最後に企業型年金加入者又は個人型年金加入者の資格を喪失した日から起算して二年を経過していないこと。
 七 前条第一項の規定による脱退一時金の支給を受けていないこと。」
とあるのは
「六 前条第一項の規定による脱退一時金の支給を受けていないこと。
 七 当該請求に係る脱退一時金を東日本大震災復興特別区域法第三十四条の認定を受けた復興推進計画(同法第四条第一項に規定する復興推進計画をいう。)に定められた同法第三十四条に規定する地域振興事業のうち厚生労働省令で定めるもののために使用すると見込まれる者として同条の認定を受けた特定地方公共団体(同項に規定する特定地方公共団体をいう。)の長が認めた者であること。」
とする。

(政令等で規定された規制の特例措置)
第三十五条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、政令等規制事業(政令又は主務省令により規定された規制に係る事業であって復興推進計画の区域内において実施されるものをいう。以下この条及び別表の十三の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該政令等規制事業については、政令により規定された規制に係るものにあっては政令で、主務省令により規定された規制に係るものにあっては内閣府令・主務省令で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。

(地方公共団体の事務に関する規制についての条例による特例措置)
第三十六条 特定地方公共団体が、第四条第二項第五号に規定する復興推進事業として、地方公共団体事務政令等規制事業(政令又は主務省令により規定された規制(特定地方公共団体の事務に関するものに限る。以下この条において同じ。)に係る事業であって復興推進計画の区域内において実施されるものをいう。以下この条及び別表の十四の項において同じ。)を定めた復興推進計画について、内閣総理大臣の認定を申請し、その認定を受けたときは、当該地方公共団体事務政令等規制事業については、政令により規定された規制に係るものにあっては政令で定めるところにより条例で、主務省令により規定された規制に係るものにあっては内閣府令・主務省令で定めるところにより条例で、それぞれ定めるところにより、規制の特例措置を適用する。

第二款 課税の特例

第三十七条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イ又はロに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。以下この条において「指定事業者」という。)であって、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において当該事業の用に供する施設又は設備を新設し、又は増設したものが、当該新設又は増設に伴い新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した機械及び装置、建物及びその附属設備並びに構築物については、東日本大震災の被災者等に係る国税関係法律の臨時特例に関する法律(平成二十三年法律第二十九号。以下この款において「震災特例法」という。)で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 指定事業者は、内閣府令で定めるところにより、その指定に係る事業の実施の状況を前項の認定地方公共団体に報告しなければならない。
3 第一項の認定地方公共団体は、指定事業者が同項の内閣府令で定める要件を欠くに至ったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。
4 第一項の認定地方公共団体は、同項の規定による指定をしたとき、又は前項の規定による指定の取消しをしたときは、遅滞なく、その旨を公表しなければならない。
5 指定事業者の指定及びその取消しの手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

第三十八条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。以下この条において「指定事業者」という。)が、東日本大震災の被災者である労働者を、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内に所在する事業所において雇用している場合には、当該指定事業者に対する所得税及び法人税の課税については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 前条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「次条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第三十九条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定事業者」という。)であって当該事業に関連する開発研究を行うものが、当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において、当該開発研究の用に供する減価償却資産を新たに取得し、又は製作し、若しくは建設した場合には、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第三十九条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イに掲げる事業のみを実施する法人であって、第四条第九項の規定による当該認定復興推進計画の認定の日以後に設立されたもの(当該認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域(その全部又は一部が、その全部又は一部の区域が同号イに規定する地域である市町村の区域に含まれるものに限る。)の区域内に本店又は主たる事務所を有する法人であることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定法人」という。)については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定法人について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十一条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号ハに掲げる事業を実施する個人事業者又は法人(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定事業者」という。)が、当該認定復興推進計画に定められた復興居住区域の区域内において新たに取得し、又は建設した当該事業の用に供する賃貸住宅については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定事業者について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十一条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第四十二条 認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号ニに掲げる事業を実施する株式会社(当該事業を行うことについて適正かつ確実な計画を有すると認められることその他の内閣府令で定める要件に該当するものとして当該認定復興推進計画を作成した認定地方公共団体が指定するものに限る。次項において「指定会社」という。)により発行される株式を払込みにより個人が取得した場合には、当該個人に対する所得税の課税については、震災特例法で定めるところにより、課税の特例の適用があるものとする。
2 第三十七条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による指定を受けた指定会社について準用する。この場合において、同条第二項中「前項」とあり、並びに同条第三項及び第四項中「第一項」とあるのは「第四十二条第一項」と、同項中「前項」とあるのは「同条第二項において準用する前項」と読み替えるものとする。

第三款 地方税の課税免除又は不均一課税に伴う措置

第四十三条 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第六条の規定により、地方公共団体が、認定復興推進計画に定められた復興産業集積区域の区域内において当該認定復興推進計画に定められた第二条第三項第二号イ又はロに掲げる事業の用に供する施設又は設備を新設し、又は増設した者(当該事業を実施する個人事業者又は法人で第三十七条第一項若しくは第三十九条第一項に規定する指定事業者又は第四十条第一項に規定する指定法人に該当するものに限る。)について、当該事業に対する事業税、当該事業の用に供する建物若しくはその敷地である土地の取得に対する不動産取得税若しくは当該事業の用に供する機械及び装置、建物若しくは構築物若しくはこれらの敷地である土地に対する固定資産税を課さなかった場合又はこれらの地方税に係る不均一の課税をした場合において、これらの措置が総務省令で定める場合に該当するものと認められるときは、当該地方公共団体のこれらの措置による減収額(事業税又は固定資産税に関するこれらの措置による減収額にあっては、これらの措置がされた最初の年度以降五箇年度におけるものに限る。)は、地方交付税法(昭和二十五年法律第二百十一号)の定めるところにより、当該地方公共団体に対して交付すべき特別交付税の算定の基礎に算入するものとする。

第四款 復興特区支援利子補給金の支給

第四十四条 政府は、認定復興推進計画に定められた復興特区支援貸付事業を行う金融機関であって、当該認定復興推進計画に係る地域協議会の構成員であり、かつ、当該復興特区支援貸付事業の適正な実施の確保を考慮して内閣府令で定める要件に該当するものとして内閣総理大臣が指定するもの(以下この条において「指定金融機関」という。)が、当該認定復興推進計画に定められた第二条第三項第三号の内閣府令で定める事業を行うのに必要な資金を貸し付けるときは、当該貸付けについて利子補給金(以下この条において「復興特区支援利子補給金」という。)を支給する旨の契約(以下この条において「利子補給契約」という。)を当該指定金融機関と結ぶことができる。
2 政府は、毎年度、利子補給契約を結ぶ場合には、各利子補給契約により当該年度において支給することとする復興特区支援利子補給金の額の合計額が、当該年度の予算で定める額を超えることとならないようにしなければならない。
3 政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、当該利子補給契約により支給することとする復興特区支援利子補給金の総額が、当該利子補給契約に係る貸付けが最初に行われた日から起算して五年間について、内閣府令で定める償還方法により償還するものとして計算した当該利子補給契約に係る貸付けの貸付残高に、内閣総理大臣が定める利子補給率を乗じて計算した額を超えることとならないようにしなければならない。
4 政府は、利子補給契約を結ぶ場合には、復興特区支援利子補給金を支給すべき当該利子補給契約に係る貸付けの貸付残高は、当該貸付けが最初に行われた日から起算して五年間における当該貸付けの貸付残高としなければならない。
5 政府は、利子補給契約により復興特区支援利子補給金を支給する場合には、当該利子補給契約において定められた復興特区支援利子補給金の総額の範囲内において、内閣府令で定める期間ごとに、当該期間における当該利子補給契約に係る貸付けの実際の貸付残高(当該貸付残高が第三項の規定により計算した貸付残高を超えるときは、その計算した貸付残高)に同項の利子補給率を乗じて計算した額を、内閣府令で定めるところにより、支給するものとする。
6 利子補給契約により政府が復興特区支援利子補給金を支給することができる年限は、当該利子補給契約をした会計年度以降七年度以内とする。
7 内閣総理大臣は、指定金融機関が第一項に規定する指定の要件を欠くに至ったと認めるときは、その指定を取り消すことができる。
8 指定金融機関の指定及びその取消しの手続に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

第五款 財産の処分の制限に係る承認の手続の特例

第四十五条 認定地方公共団体が認定復興推進計画に基づき第二条第三項第四号に掲げる事業を行う場合においては、当該認定地方公共団体がその認定を受けたことをもって、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十二条に規定する各省各庁の長の承認を受けたものとみなす。

第四章 復興整備計画等に係る特別の措置

第一節 復興整備計画の作成等

(復興整備計画)
第四十六条 特定被災区域内の次の各号に掲げる地域のいずれかに該当する地域であって、市街地の整備に関する事業、農業生産の基盤の整備に関する事業その他の地域の円滑かつ迅速な復興を図るための事業を実施する必要がある地域をその区域とする市町村(以下「被災関連市町村」という。)は、内閣府令で定めるところにより、単独で又は当該被災関連市町村の存する都道県(以下「被災関連都道県」という。)と共同して、当該事業の実施を通じた地域の整備に関する計画(以下「復興整備計画」という。)を作成することができる。
 一 東日本大震災による被害により土地利用の状況が相当程度変化した地域又はこれに隣接し、若しくは近接する地域
 二 東日本大震災の影響により多数の住民が避難し、若しくは住所を移転することを余儀なくされた地域又はこれに隣接し、若しくは近接する地域(前号に掲げる地域を除く。)
 三 前二号に掲げる地域と自然、経済、社会、文化等において密接な関係が認められる地域であって、前二号に掲げる地域の住民の生活の再建を図るための整備を図ることが適切であると認められる地域
 四 前三号に掲げる地域のほか、東日本大震災による被害を受けた地域であって、市街地の円滑かつ迅速な復興を図ることが必要であると認められる地域
2 復興整備計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
 一 復興整備計画の区域(以下「計画区域」という。)
 二 復興整備計画の目標
 三 計画区域における土地利用に関する基本方針(土地の用途の概要その他内閣府令で定める事項を記載したものをいう。第四十九条及び第五十条第一項において「土地利用方針」という。)
 四 第二号の目標を達成するために必要な次に掲げる事業(以下「復興整備事業」という。)に係る実施主体、実施区域その他の内閣府令で定める事項
  イ 市街地開発事業(都市計画法第四条第七項に規定する市街地開発事業をいう。)
  ロ 土地改良事業
  ハ 復興一体事業(第五十七条第一項に規定する復興一体事業をいう。第五十一条において同じ。)
  ニ 集団移転促進事業
  ホ 住宅地区改良事業(住宅地区改良法第二条第一項に規定する住宅地区改良事業をいう。第五十四条において同じ。)
  ヘ 都市計画法第十一条第一項各号に掲げる施設の整備に関する事業
  ト 津波防護施設(津波防災地域づくりに関する法律(平成二十三年法律第百二十三号)第二条第十項に規定する津波防護施設をいう。第七十六条第一項において同じ。)の整備に関する事業
  チ 漁港漁場整備事業
  リ 保安施設事業(森林法第四十一条第三項に規定する保安施設事業をいう。)
  ヌ 液状化対策事業(地盤の液状化により被害を受けた市街地の土地において再度災害を防止し、又は軽減するために施行する事業をいう。)
  ル 造成宅地滑動崩落対策事業(地盤の滑動又は崩落により被害を受けた造成宅地(宅地造成に関する工事が施行された宅地をいう。)において、再度災害を防止するために施行する事業をいう。)
  ヲ 地籍調査事業(地籍調査(国土調査法(昭和二十六年法律第百八十号)第二条第五項に規定する地籍調査をいう。第五十六条第一項において同じ。)を行う事業をいう。)
  ワ イからヲまでに掲げるもののほか、住宅施設、水産物加工施設その他の地域の円滑かつ迅速な復興を図るために必要となる施設の整備に関する事業
 五 復興整備計画の期間
 六 その他復興整備事業の実施に関し必要な事項
3 前項第四号に掲げる事項には、被災関連市町村(当該被災関連市町村が被災関連都道県と共同して復興整備計画を作成する場合(以下「共同作成の場合」という。)にあっては、当該被災関連市町村及び被災関連都道県。以下「被災関連市町村等」という。)が実施する事業に係るものを記載するほか、必要に応じ、被災関連市町村等以外の者が実施する事業に係るものを記載することができる。
4 被災関連市町村等は、復興整備計画に当該被災関連市町村等以外の者が実施する復興整備事業に係る事項を記載しようとするときは、当該事項について、あらかじめ、その者の同意を得なければならない。
5 被災関連市町村等は、復興整備計画を作成しようとするときは、あらかじめ、公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。
6 被災関連市町村等は、復興整備計画を作成したときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
7 前三項の規定は、復興整備計画の変更(内閣府令で定める軽微な変更を除く。)について準用する。

(復興整備協議会)
第四十七条 被災関連市町村等は、復興整備計画及びその実施に関し必要な事項について協議(第四項各号に掲げる協議を含む。)を行うため、復興整備協議会(以下「協議会」という。)を組織することができる。
2 協議会は、次に掲げる者をもって構成する。
 一 被災関連市町村の長(以下「被災関連市町村長」という。)
 二 被災関連都道県の知事(以下「被災関連都道県知事」という。)
3 被災関連市町村等は、必要があると認めるときは、前項各号に掲げる者のほか、協議会に、次に掲げる者を構成員として加えることができる。
 一 国の関係行政機関の長
 二 復興整備計画及びその実施に関し密接な関係を有する者
 三 その他被災関連市町村等が必要と認める者
4 被災関連市町村等は、次の各号に掲げる協議を行う場合には、当該各号に定める者を協議会の構成員として加えるものとする。ただし、やむを得ない事由によりそれらの者を構成員として加えることが困難な場合は、この限りでない。
 一 次条第一項第一号に定める事項に係る同条第二項の協議 国土の利用及び土地利用に関し学識経験を有する者並びに国土交通大臣
 二 次条第一項第二号に定める事項に係る同条第二項の協議 都市計画(都市計画法第四条第一項に規定する都市計画をいう。以下同じ。)に関し学識経験を有する者その他の国土交通省令で定める者及び国土交通大臣
 三 次条第一項第三号に定める事項(都道府県が定める都市計画(都市計画法第十八条第三項に規定する都市計画に限る。)に係るものに限る。)に係る次条第二項の協議 国土交通大臣
 四 次条第一項第五号に定める事項に係る同条第二項の協議 当該事項に関し密接な関係を有する者として農林水産省令で定める者
 五 次条第一項第六号に定める事項に係る同条第二項の協議 森林及び林業に関し学識経験を有する者、被災関連市町村等を管轄する森林管理局長並びに農林水産大臣
 六 次条第一項第七号に定める事項(森林法第二十六条の二第四項各号のいずれかに該当する保安林(同法第二十五条の二第一項又は第二項の規定により指定された保安林をいう。次条において同じ。)の解除に係るものに限る。)に係る次条第二項の協議 農林水産大臣
 七 次条第一項第八号に定める事項(河川法第六条第一項に規定する河川区域(一級河川に係るものに限る。)に係るものに限る。)に係る次条第二項の協議 国土交通大臣
 八 第四十九条第一項の協議 農林水産大臣
 九 第四十九条第五項第一号に掲げる事項に係る同項の協議 国土交通大臣
 十 第四十九条第五項第二号に掲げる事項に係る同項の協議 環境大臣
 十一 第四十九条第四項第三号に掲げる事項(都市計画法第五十九条第六項に規定する公共の用に供する施設を管理する者の意見の聴取を要する場合における認可又は承認に関する事項に限る。)に係る第四十九条第五項又は第七項の協議 当該公共の用に供する施設を管理する者
 十二 第四十九条第四項第三号に掲げる事項(都市計画法第五十九条第六項に規定する土地改良事業計画による事業を行う者の意見の聴取を要する場合における認可又は承認に関する事項に限る。)に係る第四十九条第五項又は第七項の協議 当該土地改良事業計画による事業を行う者
 十三 第四十九条第四項第一号に掲げる事項(都市計画法第三十二条第一項の同意を要する場合における許可に関する事項に限る。)に係る第四十九条第七項の協議 同法第三十二条第一項に規定する公共施設の管理者(第四十九条において「公共施設管理者」という。)
 十四 第四十九条第四項第一号に掲げる事項(都市計画法第三十二条第二項の協議を要する場合における許可に関する事項に限る。)に係る第四十九条第七項の協議 同法第三十二条第二項に規定する公共施設を管理することとなる者その他同項の政令で定める者
 十五 第四十九条第四項第四号に掲げる事項に係る同条第七項の協議 都道府県農業会議その他当該事項に関し密接な関係を有する者として農林水産省令で定める者
 十六 第四十九条第四項第五号に掲げる事項に係る同条第七項の協議 都道府県農業会議
 十七 第四十九条第四項第六号に掲げる事項に係る同条第七項の協議 森林及び林業に関し学識経験を有する者
 十八 第五十二条第四項の規定による会議における協議 土地改良法第八十七条の二第六項に規定する土地改良施設の管理者
 十九 第五十三条第四項の協議 国土交通大臣
 二十 第五十四条第三項の協議 国土交通大臣
 二十一 第五十四条第九項の規定による会議における協議 住宅地区改良法第七条各号に掲げる者及び国土交通大臣
 二十二 第五十五条第二項の規定による会議における協議 農林水産大臣
 二十三 第五十六条第二項の協議 国土交通大臣
5 第一項の協議を行うための会議(以下この節において単に「会議」という。)は、被災関連市町村長及び被災関連都道県知事並びに前二項の規定により加わった者又はこれらの指名する職員をもって構成する。
6 協議会は、会議において協議を行うため必要があると認めるときは、国の行政機関の長、被災関連市町村長及び被災関連都道県知事その他の執行機関に対して、資料の提供、意見の表明、説明その他必要な協力を求めることができる。
7 被災関連市町村等は、第一項の規定により協議会を組織したときは、遅滞なく、内閣府令で定めるところにより、その旨を公表しなければならない。
8 協議会の構成員は、この法律によりその権限に属させられた協議又は同意を行うに当たっては、復興整備事業の円滑な実施が図られるよう適切な配慮をするものとする。
9 前各項に定めるもののほか、協議会の組織及び運営に関し必要な事項は、協議会が定める。

(土地利用基本計画の変更等に関する特例)
第四十八条 第四十六条第二項第四号に掲げる事項には、復興整備事業の実施に関連して行う次の各号に掲げる変更、指定、廃止、決定、解除又は指定の取消し(第九項において「土地利用基本計画の変更等」という。)に係る当該各号に定める事項を記載することができる。ただし、第一号から第四号まで及び第六号から第八号までに定める事項(第三号に定める事項にあっては都道府県が定める都市計画の決定又は変更に係るものに限り、第八号に定める事項にあっては漁港漁場整備法第六条第二項に規定する漁港区域(同条第一項又は第二項の規定により指定された漁港の区域をいう。以下この条において同じ。)の指定、変更又は指定の取消しに係るものに限る。)については、共同作成の場合に限り、記載することができる。
 一 土地利用基本計画(国土利用計画法(昭和四十九年法律第九十二号)第九条第一項に規定する土地利用基本計画をいう。)の変更 当該変更に係る国土利用計画法第九条第二項各号に掲げる地域及び同条第三項に規定する土地利用の調整等に関する事項
 二 都市計画区域(都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域であって、同法第五条第四項に規定する都市計画区域を除く。以下この号において同じ。)の指定、変更又は廃止 当該指定、変更又は廃止に係る都市計画区域の名称及び区域
 三 都市計画(国土交通大臣が定める都市計画を除く。以下この条において同じ。)の決定又は変更 当該決定又は変更に係る都市計画に定めるべき事項
 四 農業振興地域(農業振興地域の整備に関する法律第六条第一項に規定する農業振興地域をいう。以下この号において同じ。)の変更 当該変更に係る農業振興地域の区域
 五 農用地利用計画(農業振興地域の整備に関する法律第八条第四項に規定する農用地利用計画をいう。)の変更 当該変更に係る農用地区域及びその区域内にある土地の農業上の用途区分
 六 地域森林計画区域(森林法第五条第一項の規定によりたてられた地域森林計画の対象とする森林の区域をいう。)の変更 当該変更に係る森林の区域
 七 保安林の指定又は解除 その保安林の所在場所及び指定の目的並びに保安林の指定に係る事項を記載しようとする場合にあっては指定施業要件(森林法第三十三条第一項に規定する指定施業要件をいう。)
 八 漁港区域の指定、変更又は指定の取消し 当該指定、変更又は指定の取消しに係る漁港の名称及び区域
2 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に前項各号に定める事項を記載しようとするときは、当該事項について、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、同項各号に定める事項が次の各号に掲げる事項であるときは、それぞれ当該各号に定める者の同意を得なければならない。ただし、内閣府令で定める理由により会議における協議が困難な場合(以下単に「会議における協議が困難な場合」という。)は、この限りでない。
 一 前項第二号に定める事項 国土交通大臣
 二 前項第三号に定める事項(都道府県が定める都市計画(都市計画法第十八条第三項に規定する都市計画に限る。)の決定又は変更に係るものに限る。) 国土交通大臣
 三 前項第三号に定める事項(市町村が定める都市計画(都市計画法第十九条第三項に規定する都市計画のうち町村が定めるものに限る。)の決定又は変更に係るものに限る。) 被災関連都道県知事(共同作成の場合を除く。)
 四 前項第五号に定める事項 被災関連都道県知事(共同作成の場合を除く。)
 五 前項第七号に定める事項(森林法第二十六条の二第四項各号のいずれかに該当する保安林の解除に係るものに限る。) 農林水産大臣
3 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に次の各号に掲げる事項を記載しようとするときは、当該事項について、内閣府令・農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める手続を経なければならない。
 一 第一項第一号に定める事項 国土利用計画法第三十八条第一項に規定する審議会等の意見を聴くこと及び内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をすること。
 二 第一項第二号に定める事項 都道府県都市計画審議会の意見を聴くこと及び内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をし、その同意を得ること。
 三 第一項第三号に定める事項(都道府県が定める都市計画(都市計画法第十八条第三項に規定する都市計画に限る。)の決定又は変更に係るものに限る。) 内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をし、その同意を得ること。
 四 第一項第三号に定める事項(市町村が定める都市計画(都市計画法第十九条第三項に規定する都市計画のうち市が定めるものに限る。)の決定又は変更に係るものに限る。) 被災関連都道県知事に協議をすること(共同作成の場合を除く。)。
 五 第一項第三号に定める事項(市町村が定める都市計画(都市計画法第十九条第三項に規定する都市計画のうち町村が定めるものに限る。)の決定又は変更に係るものに限る。) 被災関連都道県知事の同意を得ること(共同作成の場合を除く。)。
 六 第一項第五号に定める事項 被災関連都道県知事の同意を得ること(共同作成の場合を除く。)及び当該事項に関し密接な関係を有する者として農林水産省令で定める者の意見を聴くこと。
 七 第一項第六号に定める事項 都道府県森林審議会及び被災関連市町村等を管轄する森林管理局長の意見を聴くこと並びに内閣総理大臣を経由して農林水産大臣に協議をすること。
 八 第一項第七号に定める事項(海岸保全区域内の森林を保安林として指定する場合に限る。) 当該海岸保全区域を管理する海岸管理者(海岸法第二条第三項に規定する海岸管理者をいう。第十一号において同じ。)に協議をすること。
 九 第一項第七号に定める事項(森林法第二十六条の二第四項各号のいずれかに該当する保安林の解除に係るものに限る。) 内閣総理大臣を経由して農林水産大臣に協議をし、その同意を得ること。
 十 第一項第八号に定める事項(漁港漁場整備法第六条第一項に規定する漁港区域に係るものに限る。) 被災関連都道県の意見を聴くこと(共同作成の場合を除く。)。
 十一 第一項第八号に定める事項(河川法第三条第一項に規定する河川に係る同法第六条第一項に規定する河川区域に係るもの又は海岸保全区域に係るものに限る。) 当該河川を管理する河川管理者又は当該海岸保全区域を管理する海岸管理者に協議をすること。
4 被災関連市町村等は、復興整備計画に第一項第三号又は第五号から第七号までのいずれかに定める事項を記載しようとするときは、当該事項について、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、その旨を公告し、当該事項の案を、当該事項を復興整備計画に記載しようとする理由を記載した書面を添えて、当該公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
5 前項の規定による公告があったときは、被災関連市町村の住民及び利害関係人は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供された当該事項の案について、被災関連市町村等に、意見書を提出することができる。
6 被災関連市町村等は、前項の規定により提出された意見書(第一項第六号に掲げる事項に係るものに限る。)の要旨を、第二項の協議をするときは協議会に、第三項に規定する手続(同項第七号に定める手続に限る。)を経るときは都道府県森林審議会に、それぞれ提出しなければならない。
7 被災関連市町村等は、復興整備計画に第一項第三号に定める事項を記載しようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、次の各号に掲げる事項ごとに、それぞれ当該各号に定める者に第五項の規定により提出された意見書(当該事項に係るものに限る。)の要旨を提出し、当該事項について、それぞれ当該各号に定める者に付議し、その議を経なければならない。
 一 第一項第三号に定める事項(都道府県が定める都市計画の決定又は変更に係るものに限る。) 都道府県都市計画審議会
 二 第一項第三号に定める事項(市町村が定める都市計画の決定又は変更に係るものに限る。) 市町村都市計画審議会(当該被災関連市町村に市町村都市計画審議会が置かれていないときは、被災関連都道県の都道府県都市計画審議会。第五十四条第五項第一号において同じ。)
8 復興整備計画に第一項第三号に定める事項を記載しようとするときの手続については、この法律に定めるもののほか、都市計画法(同法第十六条第一項並びに第十七条第一項及び第二項、第十八条第一項から第三項まで並びに第十九条第一項及び第二項(これらの規定を同法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)を除く。)その他の法令の規定による都市計画の決定又は変更に係る手続の例による。
9 第一項各号に定める事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る土地利用基本計画の変更等がされたものとみなす。

(復興整備事業に係る許認可等の特例)
第四十九条 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に、当該土地利用方針に沿って復興整備事業を実施した場合には計画区域において二ヘクタールを超える農地を農地以外のものにすることとなることが明らかである土地利用方針を記載しようとするときは、当該土地利用方針について、農林水産省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、農林水産大臣の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合は、この限りでない。
2 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、前項に規定する土地利用方針を記載しようとするときは、当該土地利用方針について、内閣府令・農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して農林水産大臣に協議をし、その同意を得なければならない。
3 農林水産大臣は、第一項又は前項の協議に係る土地利用方針が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、これらの規定の同意をするものとする。
 一 第四十六条第一項第一号に掲げる地域をその区域とする被災関連市町村等が作成する復興整備計画に係るものであること。
 二 被災関連市町村の復興のため必要かつ適当であると認められること。
 三 被災関連市町村の農業の健全な発展に支障を及ぼすおそれがないと認められること。
4 第四十六条第二項第四号に掲げる事項には、復興整備事業の実施に係る次に掲げる事項(復興整備計画に第一項に規定する土地利用方針を記載する場合にあっては、第四号に掲げる事項を除く。)を記載することができる。
 一 都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可に関する事項
 二 都市計画法第四十三条第一項の許可に関する事項
 三 都市計画法第五十九条第一項から第四項までの認可又は承認に関する事項
 四 農地法第四条第一項又は第五条第一項の許可(農林水産大臣の許可を除く。)に関する事項
 五 農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項の許可に関する事項
 六 森林法第十条の二第一項の許可に関する事項
 七 森林法第三十四条第一項又は第二項の許可に関する事項
 八 自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)第二十条第三項の許可又は同法第三十三条第一項の届出に関する事項
 九 漁港漁場整備法第三十九条第一項の許可に関する事項(被災関連都道県が管理する漁港に係るものに限る。)
 十 港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第三十七条第一項の許可若しくは同条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項の協議又は同法第三十八条の二第一項の規定による届出若しくは同条第九項の規定による通知に関する事項(被災関連都道県が管理する港湾に係るものに限る。)
5 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に次の各号に掲げる事項を記載しようとするときは、当該事項について、国土交通省令・環境省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、それぞれ当該各号に定める者の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合は、この限りでない。
 一 前項第三号に掲げる事項(都市計画法第五十九条第一項から第三項までの国土交通大臣の認可又は承認に関する事項に限る。) 国土交通大臣
 二 前項第八号に掲げる事項(国立公園(自然公園法第二条第二号に規定する国立公園をいう。)に係る許可又は届出に関する事項に限る。) 環境大臣
6 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に前項各号に掲げる事項を記載しようとするときは、当該事項について、内閣府令・国土交通省令・環境省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して、それぞれ同項各号に定める者に協議をし、その同意を得なければならない。この場合において、同項第一号に掲げる事項が第八項第三号又は第四号に掲げる事項であるときは、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める者に協議をしなければならない。
7 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に第四項各号に掲げる事項(第五項各号に掲げる事項を除く。)を記載しようとするときは、当該事項について、農林水産省令・国土交通省令・環境省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、被災関連都道県知事(次項第一号に掲げる事項にあっては、被災関連都道県知事及び公共施設管理者)の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合は、この限りでない。
8 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に前項に規定する事項を記載しようとするときは、当該事項について、農林水産省令・国土交通省令・環境省令で定めるところにより、あらかじめ、被災関連都道県知事(次の各号に掲げる事項にあっては、被災関連都道県知事及びそれぞれ当該各号に定める者)に協議をし、被災関連都道県知事(第一号に掲げる事項にあっては、被災関連都道県知事及び公共施設管理者)の同意を得なければならない。
 一 第四項第一号に掲げる事項(都市計画法第三十二条第一項の同意を要する場合における許可に関する事項に限る。) 公共施設管理者
 二 第四項第一号に掲げる事項(都市計画法第三十二条第二項の協議を要する場合における許可に関する事項に限る。) 同法第三十二条第二項に規定する公共施設を管理することとなる者その他同項の政令で定める者
 三 第四項第三号に掲げる事項(都市計画法第五十九条第六項に規定する公共の用に供する施設を管理する者の意見の聴取を要する場合における認可又は承認に関する事項に限る。) 当該公共の用に供する施設を管理する者
 四 第四項第三号に掲げる事項(都市計画法第五十九条第六項に規定する土地改良事業計画による事業を行う者の意見の聴取を要する場合における認可又は承認に関する事項に限る。) 当該土地改良事業計画による事業を行う者
 五 第四項第四号に掲げる事項 都道府県農業会議その他当該事項に関し密接な関係を有する者として農林水産省令で定める者
 六 第四項第五号に掲げる事項 都道府県農業会議
 七 第四項第六号に掲げる事項 都道府県森林審議会
9 共同作成の場合において被災関連市町村等が復興整備計画に第七項に規定する事項を記載しようとするとき、被災関連市町村が都市計画法第二十九条第一項に規定する指定都市等である場合において復興整備計画に第四項第一号若しくは第二号に掲げる事項を記載しようとするとき、又は被災関連市町村等が公共施設管理者である場合において復興整備計画に第四項第一号に掲げる事項を記載しようとするときは、これらの事項について第七項又は前項の同意を得ることを要しない。
10 被災関連都道県知事は、第七項又は第八項の協議に係る第四項第一号に掲げる事項が都市計画法第三十三条(当該事項が市街化調整区域(同法第七条第一項に規定する市街化調整区域をいう。以下この条及び第五十一条において同じ。)内において行う開発行為(同法第四条第十二項に規定する開発行為をいう。)に係る許可に関する事項である場合においては、同法第三十三条及び第三十四条)に規定する基準に適合するものであると認めるときは、第七項又は第八項の同意をするものとする。
11 被災関連都道県知事は、第七項又は第八項の協議に係る第四項第二号に掲げる事項が都市計画法第三十三条及び第三十四条に規定する基準の例に準じて国土交通省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、第七項又は第八項の同意をするものとする。
12 被災関連都道県知事は、第七項又は第八項の協議に係る第四項第一号又は第二号に掲げる事項に係る復興整備事業が、第四十六条第一項第一号若しくは第二号に掲げる地域の円滑かつ迅速な復興又はこれらの地域の住民の生活の再建を図るため同項第一号から第三号までに掲げる地域内の市街化調整区域において実施することが必要であると認められる場合においては、前二項の規定にかかわらず、第四項第一号に掲げる事項にあっては都市計画法第三十三条に規定する基準に、同項第二号に掲げる事項にあっては当該基準の例に準じて国土交通省令で定める基準に適合するものであると認めるときは、第七項又は第八項の同意をするものとする。
13 前三項の規定は、被災関連市町村等が、第九項の規定により同意を得ないで復興整備計画に第四項第一号又は第二号に掲げる事項を記載する場合について準用する。この場合において、前三項中「第七項又は第八項の同意をするものとする」とあるのは、「復興整備計画に記載することができる」と読み替えるものとする。
14 被災関連都道県知事は、第七項又は第八項の協議に係る第四項第四号又は第五号に掲げる事項が次に掲げる要件に該当するものであると認めるときは、第七項又は第八項の同意をするものとする。
 一 第四十六条第一項第一号に掲げる地域をその区域とする被災関連市町村等が作成する復興整備計画に係るものであること。
 二 被災関連市町村の復興のため必要かつ適当であると認められること。
 三 被災関連市町村の農業の健全な発展に支障を及ぼすおそれがないと認められること。

第五十条 前条第一項又は第二項の同意を得た土地利用方針に係る復興整備事業に関する事項(当該復興整備事業を実施するため、農地を農地以外のものにし、又は農地を農地以外のものにするため当該農地について所有権若しくは使用及び収益を目的とする権利を取得するに当たり、農地法第四条第一項又は第五条第一項の許可を受けなければならないものに係るものに限る。)が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該復興整備事業に係る同法第四条第一項又は第五条第一項の規定により許可を受けるべき者に対するこれらの許可があったものとみなす。
2 次の表の上欄に掲げる事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る復興整備事業の実施主体に対する同表下欄に掲げる許可、認可又は承認があったものとみなす。
前条第四項第一号に掲げる事項都市計画法第二十九条第一項又は第二項の許可
前条第四項第二号に掲げる事項都市計画法第四十三条第一項の許可
前条第四項第三号に掲げる事項都市計画法第五十九条第一項から第四項までの認可又は承認
前条第四項第五号に掲げる事項農業振興地域の整備に関する法律第十五条の二第一項の許可
前条第四項第六号に掲げる事項森林法第十条の二第一項の許可
前条第四項第七号に掲げる事項森林法第三十四条第一項又は第二項の許可
前条第四項第八号に掲げる事項(自然公園法第二十条第三項の許可に係るものに限る。)自然公園法第二十条第三項の許可
前条第四項第九号に掲げる事項漁港漁場整備法第三十九条第一項の許可
前条第四項第十号に掲げる事項(港湾法第三十七条第一項の許可に係るものに限る。)港湾法第三十七条第一項の許可

3 前条第四項第四号に掲げる事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る農地法第四条第一項又は第五条第一項の規定により許可を受けるべき者に対するこれらの許可があったものとみなす。
4 前条第四項第八号に掲げる事項(自然公園法第三十三条第一項の届出に係るものに限る。)が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該事項に係る復興整備事業については、同法第三十三条第一項及び第二項の規定は、適用しない。
5 前条第四項第十号に掲げる事項(港湾法第三十七条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項の協議に係るものに限る。)が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、同法第三十七条第三項の規定により読み替えて適用する同条第一項の協議があったものとみなす。
6 前条第四項第十号に掲げる事項(港湾法第三十八条の二第一項の規定による届出又は同条第九項の規定による通知に係るものに限る。)が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、同法第三十八条の二第一項の規定による届出又は同条第九項の規定による通知があったものとみなす。

(土地区画整理事業等の特例)
第五十一条 第四十六条第二項第四号イ又はハに掲げる事項には、同条第一項第一号から第三号までに掲げる地域内の市街化調整区域をその施行地区(土地区画整理法第二条第四項に規定する施行地区又は第五十七条第二項第一号に規定する施行地区をいう。)に含む土地区画整理事業又は復興一体事業に関する事項を記載することができる。
2 前項の規定により復興整備計画に記載された土地区画整理事業(土地区画整理法第三条第四項の規定により施行するものに限る。)又は復興一体事業に係る都市計画法第十三条第一項第十二号の規定の適用については、同号中「市街地開発事業」とあるのは「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第五十一条第一項の規定により同法第四十六条第一項に規定する復興整備計画に記載された土地区画整理事業又は同法第五十七条第一項に規定する復興一体事業に係る土地区画整理事業」と、「市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において、一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域」とあるのは「一体的に開発し、又は整備する必要がある土地の区域」とする。

(土地改良事業の特例)
第五十二条 被災関連都道県は、復興整備計画に記載された土地改良事業(政令で定める要件に適合するものに限る。以下この条において同じ。)を行うことができる。
2 前項の規定により行う土地改良事業は、土地改良法第八十七条の二第一項の規定により行うことができる同項第二号に掲げる土地改良事業とみなす。この場合において、同条第十項及び同法第八十七条の三第二項の規定の適用については、同法第八十七条の二第十項中「第五条第六項及び第七項、第七条第三項」とあるのは「第五条第四項から第七項まで、第七条第三項及び第四項」と、「同条第五項」とあるのは「同条第四項」と、同法第八十七条の三第二項中「第八十五条第一項、第八十五条の二第一項若しくは第八十五条の三第六項の規定による申請に基づいて行う農用地造成事業等」とあるのは「農用地造成事業等」と、「これらの規定による申請に基づいて行う土地改良事業」とあるのは「土地改良事業」とする。
3 共同作成の場合には、第四十六条第二項第四号ロに掲げる事項に、被災関連都道県が復興整備事業として行う土地改良事業に関する事項(土地改良法第五条第四項から第七項まで、第七条第三項及び第四項、第八条第二項及び第三項、第八十七条第三項及び第四項並びに第八十七条の二第三項から第五項までの規定に準じて記載するものに限る。)を記載することができる。
4 被災関連市町村等は、復興整備計画に前項に規定する土地改良事業に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、農林水産省令で定めるところにより、協議会が組織されている場合(会議における協議が困難な場合を除く。)にあっては会議における協議をし、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合にあっては、あらかじめ、土地改良法第八十七条の二第六項に規定する土地改良施設の管理者に協議をしなければならない。
5 第三項に規定する土地改良事業に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る土地改良法第八十七条の二第一項の土地改良事業計画が定められたものとみなす。

(集団移転促進事業の特例)
第五十三条 被災関連都道県は、被災関連市町村から特定集団移転促進事業(復興整備計画に記載された集団移転促進事業をいう。以下この条において同じ。)に係る集団移転促進事業計画(集団移転促進法第三条第一項に規定する集団移転促進事業計画をいう。以下この条において同じ。)を定めることが困難である旨の申出を受けた場合においては、当該申出に係る集団移転促進事業計画を定めることができる。この場合における集団移転促進法第三条第一項、第四項及び第七項並びに第四条(見出しを含む。)の規定の適用については、これらの規定中「市町村」とあるのは「都道県」と、集団移転促進法第三条第一項中「集団移転促進事業を実施しようとするときは、」とあるのは「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第五十三条第一項の規定により同項の申出に係る」と、「定めなければならない。この場合においては」とあるのは「定める場合においては」と、同条第四項中「第一項後段」とあるのは「第一項」と、「都道府県知事を経由して、集団移転促進事業計画を」とあるのは「集団移転促進事業計画を」と、「当該都道府県知事は、当該集団移転促進事業計画についてその意見を国土交通大臣に申し出ることができる」とあるのは「当該都道県は、当該集団移転促進事業計画について、あらかじめ、関係市町村の意見を聴かなければならない」と、同条第七項中「都道府県知事を経由して、国土交通大臣に」とあるのは「国土交通大臣に」とし、同条第八項の規定は、適用しない。
2 特定集団移転促進事業を実施する場合における集団移転促進法第三条第二項第三号及び第七条第一号の規定の適用については、集団移転促進法第三条第二項第三号中「住宅団地の」とあるのは「住宅団地(移転者の住居の移転に関連して必要と認められる医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で、居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものの用に供する土地を含む。第五号並びに第七条第一号及び第三号において同じ。)の」と、集団移転促進法第七条第一号中「場合を除く」とあるのは「場合であって、当該譲渡に係る対価の額が当該経費の額以上となる場合を除く」とする。
3 第四十六条第二項第四号ニに掲げる事項には、集団移転促進事業に関する事項(集団移転促進法第三条第二項各号に掲げる事項(前項の規定により読み替えて適用する同条第二項各号に掲げる事項を含む。)を併せて記載するものに限る。)を記載することができる。
4 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に前項に規定する集団移転促進事業に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、国土交通省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、国土交通大臣の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合は、この限りでない。
5 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に第三項に規定する集団移転促進事業に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をし、その同意を得なければならない。
6 前項の規定により被災関連市町村が第三項に規定する集団移転促進事業に関する事項について国土交通大臣に協議をしようとするときは、あらかじめ、当該事項を被災関連都道県知事に通知しなければならない。この場合において、通知を受けた被災関連都道県知事は、当該事項を復興整備計画に記載することについて、その意見を国土交通大臣に申し出ることができる。
7 国土交通大臣は、第四項又は第五項の同意をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議をしなければならない。
8 第三項に規定する集団移転促進事業に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る集団移転促進事業計画が集団移転促進法第三条第一項の規定により同項の同意を得て定められたものとみなす。
9 前各項に定めるもののほか、特定集団移転促進事業の実施に関し必要な事項は、政令で定める。

(住宅地区改良事業の特例)
第五十四条 第四十六条第二項第四号ホに掲げる事項には、住宅地区改良法第四条第二項の申出に係る地区(以下この条において「申出地区」という。)に関する事項を記載することができる。この場合において、当該事項には、申出地区内において主として居住の用に供される建築物であったもので、東日本大震災により損壊したため、建築物でなくなったものが存する区域を含む地区に関する事項を併せて記載することができる。
2 申出地区に関する事項のうち、被災関連都道県が実施主体となる住宅地区改良事業に関する事項については、共同作成の場合に限り、記載することができるものとする。
3 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に第一項に規定する申出地区に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、国土交通省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、国土交通大臣の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合には、この限りでない。
4 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に第一項に規定する申出地区に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をし、その同意を得なければならない。
5 被災関連市町村等は、復興整備計画に次の各号に掲げる事項を記載しようとするときは、当該事項について、国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、それぞれ当該各号に定める手続を経なければならない。
 一 都市計画区域(都市計画法第四条第二項に規定する都市計画区域をいう。次号において同じ。)内において市町村が施行する住宅地区改良事業に係る申出地区に関する事項 市町村都市計画審議会の議を経ること。
 二 都市計画区域内において都道県が施行する住宅地区改良事業に係る申出地区に関する事項 都道府県都市計画審議会の議を経ること。
6 国土交通大臣は、第三項又は第四項の同意をしようとするときは、あらかじめ、厚生労働大臣に協議をしなければならない。
7 第一項に規定する申出地区に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る住宅地区改良法第四条第一項の規定による改良地区の指定があったものとみなす。この場合において、当該事項が第一項に規定する建築物であったものが存する区域を含む地区に関する事項であるときは、当該建築物であったものを同法第二条第四項に規定する不良住宅とみなして、同法の規定を適用する。
8 第四十六条第二項第四号ホに掲げる事項には、住宅地区改良事業に関する事項(住宅地区改良法第六条第二項各号及び第三項各号に掲げる事項を併せて記載するものに限る。)を記載することができる。ただし、被災関連都道県が実施主体となる住宅地区改良事業に関する事項については、共同作成の場合に限り、記載することができる。
9 被災関連市町村等は、復興整備計画に前項に規定する住宅地区改良事業に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、協議会が組織されている場合(会議における協議が困難な場合を除く。)にあっては、国土交通省令で定めるところにより、会議における協議をし、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合にあっては、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、住宅地区改良法第七条各号に掲げる者に協議をし、及び内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をしなければならない。
10 第八項に規定する住宅地区改良事業に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る住宅地区改良法第五条第一項の事業計画が定められたものとみなす。

(漁港漁場整備事業の特例)
第五十五条 第四十六条第二項第四号チに掲げる事項には、漁港漁場整備事業に関する事項(農林水産省令で定める要件に該当する漁港漁場整備事業(漁港漁場整備法第十九条の三第一項に規定する特定第三種漁港に係るものを除く。)に係るものであり、かつ、同法第十七条第二項に規定する事項を併せて記載するものに限る。)を記載することができる。
2 被災関連市町村等は、復興整備計画に前項に規定する漁港漁場整備事業に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、協議会が組織されている場合(会議における協議が困難な場合を除く。)にあっては、農林水産省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、農林水産大臣の同意を得、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合にあっては、内閣府令・農林水産省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して農林水産大臣に協議をし、その同意を得なければならない。
3 被災関連市町村は、前項の規定により第一項に規定する漁港漁場整備事業に関する事項について、農林水産大臣に協議をしようとするときは、あらかじめ、被災関連都道県知事に協議をしなければならない。
4 第一項に規定する漁港漁場整備事業に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、当該公表の日に当該事項に係る漁港漁場整備法第十七条第一項の特定漁港漁場整備事業計画が定められ、かつ、当該計画について、同項の規定による届出及び公表がされたものとみなす。この場合において、同条第七項から第九項までの規定は、適用しない。

(地籍調査事業の特例)
第五十六条 第四十六条第二項第四号ヲに掲げる事項には、国土交通省が行う地籍調査(国土調査法第六条の三第二項の規定により同項の事業計画に定められるものに限る。以下この条において同じ。)に関する事項を記載することができる。
2 被災関連市町村等は、協議会が組織されている場合において、復興整備計画に前項に規定する国土交通省が行う地籍調査に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、国土交通省令で定めるところにより、会議における協議をするとともに、国土交通大臣の同意を得なければならない。ただし、会議における協議が困難な場合は、この限りでない。
3 被災関連市町村等は、協議会が組織されていない場合又は会議における協議が困難な場合において、復興整備計画に第一項に規定する国土交通省が行う地籍調査に関する事項を記載しようとするときは、当該事項について、内閣府令・国土交通省令で定めるところにより、あらかじめ、内閣総理大臣を経由して国土交通大臣に協議をし、その同意を得なければならない。
4 被災関連市町村は、前二項の規定により、第一項に規定する国土交通省が行う地籍調査に関する事項について、会議における協議をし、又は国土交通大臣に協議をしようとするときは、あらかじめ、被災関連都道県知事に協議をし、その同意を得なければならない。
5 国土交通大臣は、第二項又は第三項の協議に係る地籍調査が次に掲げる要件に該当し、かつ、当該地籍調査を行うことがその事務の遂行に支障がないと認めるときは、第二項又は第三項の同意をするものとする。
 一 被災関連市町村等の復興の円滑かつ迅速な推進を図るために必要であると認められること。
 二 被災関連市町村等における地籍調査の実施体制その他の地域の実情を勘案して被災関連市町村等が行うことが困難であると認められること。
6 第一項に規定する国土交通省が行う地籍調査に関する事項が記載された復興整備計画が第四十六条第六項の規定により公表されたときは、国土交通省が当該地籍調査を行うものとする。この場合における国土調査法第三条第二項、第七条及び第四章から第六章までの規定の適用については、国土交通省が行う地籍調査を同法第二条第一項に規定する国土調査とみなし、同法第六条の三第四項、第六条の四、第三十二条及び第三十二条の二の規定の適用については、同法第六条の三第四項中「第九条の二第二項」とあるのは「第九条の二第二項及び東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第五十六条第八項」と、同法第六条の四中「都道府県、市町村又は土地改良区等」とあり、同法第三十二条中「地方公共団体(第十条第二項の規定により地籍調査の実施を委託された法人が地籍調査を実施する場合にあつては、当該法人)又は土地改良区等」とあり、及び同法第三十二条の二第一項中「地方公共団体又は土地改良区等」とあるのは「国土交通省」と、同法第六条の四第二項中「作成して、都道府県にあつては国土交通大臣に、市町村又は土地改良区等にあつては都道府県知事に届け出なければ」とあるのは「作成しなければ」とする。
7 前項に規定する復興整備計画の区域をその区域に含む被災関連都道県が国土調査法第六条の三第二項の規定により定める事業計画は、当該復興整備計画に適合するものでなければならない。
8 第六項の規定により国土交通省が行う地籍調査に要する経費は、国の負担とする。この場合において、同項に規定する復興整備計画の区域をその区域に含む被災関連都道県及び被災関連市町村は、政令で定めるところにより、それぞれ当該経費の四分の一を負担する。

第二節 復興一体事業

(事業計画の認定)
第五十七条 復興整備計画に記載された復興一体事業(計画区域内の土地の区域であって東日本大震災による被害により土地利用の状況が相当程度変化した地域又はこれに隣接し、若しくは近接する地域において、市町村が次に掲げる事業を一体的に施行する事業をいう。以下この条及び第五十九条において同じ。)を施行しようとする被災関連市町村は、復興一体事業についての事業計画(以下単に「事業計画」という。)を作成し、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、これを被災関連都道県知事に提出して、その事業計画が適当である旨の認定を受けることができる。この場合において、被災関連市町村は、あらかじめ、当該復興一体事業に係る土地区画整理法第五十二条第一項の施行規程を定めなければならない。
 一 土地区画整理事業
 二 農業用用排水施設、農業用道路その他農用地(農業振興地域の整備に関する法律第三条第一号に規定する農用地をいう。次号及び第六十一条において同じ。)の保全又は利用上必要な施設(第六十条において「農業用用排水施設等」という。)の新設、管理又は変更
 三 客土、暗渠(きよ)排水その他の農用地の改良又は保全のため必要な事業
2 事業計画には、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載しなければならない。
 一 施行地区(施行地区を工区に分ける場合においては、施行地区及び工区。以下この条及び第六十二条において同じ。)
 二 復興一体事業の概要
 三 事業施行期間
 四 資金計画
3 津波による再度災害を防止し、又は軽減することを目的とする復興一体事業の事業計画においては、施行地区内の津波による再度災害の防止又は軽減を図るための措置が講じられた又は講じられる土地の区域における住宅及び公益的施設(教育施設、医療施設、官公庁施設、購買施設その他の施設で居住者の共同の福祉又は利便のため必要なものをいう。以下この条及び第六十二条において同じ。)の建設を促進するため特別な必要があると認められる場合には、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、当該土地の区域であって、住宅及び公益的施設の用に供すべきもの(以下この節において「津波復興住宅等建設区」という。)を定めることができる。
4 津波復興住宅等建設区は、施行地区において津波による再度災害を防止し、又は軽減し、かつ、住宅及び公益的施設の建設を促進する上で効果的であると認められる位置に定め、その面積は、住宅及び公益的施設が建設される見込みを考慮して相当と認められる規模としなければならない。
5 事業計画においては、環境の整備改善を図り、交通の安全を確保し、災害の発生を防止し、その他健全な市街地を造成するために必要な公共施設(土地区画整理法第二条第五項に規定する公共施設をいう。次項及び第七十七条において同じ。)及び宅地(同法第二条第六項に規定する宅地をいう。第六十二条及び第六十三条において同じ。)に関する計画が適正に定められていなければならない。
6 事業計画は、公共施設その他の施設又は土地区画整理事業に関する都市計画が定められている場合においては、その都市計画に適合して定めなければならない。
7 事業計画の作成について必要な技術的基準は、農林水産省令・国土交通省令で定める。
8 土地区画整理法第五十五条第一項から第六項までの規定は事業計画を作成しようとする場合について、同法第百三十六条の規定は事業計画について第一項の認定をする場合について準用する。
9 被災関連都道県知事は、第一項の認定をしたときは、遅滞なく、その旨を当該被災関連市町村に通知しなければならない。
10 被災関連市町村が前項の通知を受けた場合においては、被災関連市町村長は、遅滞なく、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、当該被災関連市町村の名称、事業施行期間、施行地区その他農林水産省令・国土交通省令で定める事項を公告しなければならない。
11 第一項及び第七項から前項までの規定は、第一項の認定を受けた事業計画(この項において準用する第一項の規定による変更の認定があったときは、その変更後のもの。第五十九条から第六十二条までにおいて「認定事業計画」という。)を変更しようとする場合(農林水産省令・国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除く。)について準用する。

(土地区画整理法の準用)
第五十八条 土地区画整理法第百二十七条第七号の規定は、前条第八項(同条第十一項において準用する場合を含む。)において準用する同法第五十五条第四項の規定による通知について準用する。

(土地区画整理事業の認可等の特例)
第五十九条 認定事業計画に係る復興一体事業については、第五十七条第一項の認定を土地区画整理法第五十二条第一項の認可と、当該認定事業計画を同項の規定により定められた事業計画と、第五十七条第十項の規定による公告を同法第五十五条第九項の規定による公告とみなして、同法の規定を適用する。

(農業用用排水施設等の管理)
第六十条 被災関連市町村は、認定事業計画に係る第五十七条第一項第二号(農業用用排水施設等の管理に係る部分を除く。)又は第三号に掲げる事業の工事が完了した場合において、その事業によって生じた農業用用排水施設等があるときは、その施設を管理しなければならない。

(被災関連都道県の技術的援助)
第六十一条 被災関連市町村は、認定事業計画に係る第五十七条第一項第二号又は第三号に掲げる事業の工事につき、被災関連都道県に農用地の改良、開発、保全又は集団化に関し専門的知識を有する職員の必要な援助を求めることができる。
2 被災関連都道県は、正当の事由がある場合を除いて、前項の規定による請求を拒んではならない。

(津波復興住宅等建設区への換地の申出等)
第六十二条 第五十七条第三項の規定により認定事業計画において津波復興住宅等建設区が定められたときは、認定事業計画に記載された施行地区内の住宅又は公益的施設の用に供する宅地の所有者で当該宅地についての換地に住宅又は公益的施設を建設しようとするものは、被災関連市町村に対し、農林水産省令・国土交通省令で定めるところにより、土地区画整理法第八十六条第一項の換地計画(第四項及び次条において単に「換地計画」という。)において当該宅地についての換地を津波復興住宅等建設区内に定めるべき旨の申出をすることができる。
2 前項の申出に係る宅地について住宅又は公益的施設の所有を目的とする借地権を有する者があるときは、当該申出についてその者の同意がなければならない。
3 第一項の申出は、次に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める公告があった日から起算して六十日以内に行わなければならない。
 一 認定事業計画が定められた場合 第五十七条第十項の規定による公告
 二 認定事業計画の変更により新たに津波復興住宅等建設区が定められた場合 第五十七条第十一項において準用する同条第十項の規定による公告
 三 認定事業計画の変更により従前の施行地区外の土地が新たに施行地区に編入されたことに伴い津波復興住宅等建設区の面積が拡張された場合 第五十七条第十一項において準用する同条第十項の規定による公告
4 被災関連市町村は、第一項の申出があった場合には、遅滞なく、当該申出が次に掲げる要件に該当すると認めるときは、当該申出に係る宅地を、換地計画においてその宅地についての換地を津波復興住宅等建設区内に定められるべき宅地として指定し、当該申出が次に掲げる要件に該当しないと認めるときは、当該申出に応じない旨を決定しなければならない。
 一 当該申出に係る宅地に建築物その他の工作物(住宅及び公益的施設並びに容易に移転し、又は除却することができる工作物で農林水産省令・国土交通省令で定めるものを除く。)が存しないこと。
 二 当該申出に係る宅地に地上権、永小作権、賃借権その他の当該宅地を使用し、又は収益することができる権利(住宅又は公益的施設の所有を目的とする借地権及び地役権を除く。)が存しないこと。
5 被災関連市町村は、前項の規定による指定又は決定をしたときは、遅滞なく、第一項の申出をした者に対し、その旨を通知しなければならない。
6 被災関連市町村は、第四項の規定による指定をしたときは、遅滞なく、その旨を公告しなければならない。

(津波復興住宅等建設区への換地)
第六十三条 前条第四項の規定により指定された宅地については、換地計画において換地を津波復興住宅等建設区内に定めなければならない。

第三節 復興整備計画の実施に係る特別の措置

(届出対象区域内における建築等の届出等)
第六十四条 被災関連市町村は、計画区域のうち、復興整備事業の実施区域の全部又は一部の区域を、届出対象区域として指定することができる。
2 被災関連市町村は、前項の規定による指定をするときは、内閣府令で定めるところにより、その旨及びその区域を公示しなければならない。
3 第一項の規定による指定は、前項の規定による公示によってその効力を生ずる。
4 届出対象区域内において、土地の区画形質の変更、建築物その他の工作物の新築、改築又は増築その他政令で定める行為をしようとする者は、当該行為に着手する日の三十日前までに、内閣府令で定めるところにより、行為の種類、場所、設計又は施行方法、着手予定日その他内閣府令で定める事項を被災関連市町村長に届け出なければならない。ただし、次に掲げる行為については、この限りでない。
 一 通常の管理行為、軽易な行為その他の行為で政令で定めるもの
 二 非常災害のため必要な応急措置として行う行為
 三 国又は地方公共団体が行う行為
 四 復興整備事業の施行として行う行為
5 前項の規定による届出をした者は、その届出に係る事項のうち内閣府令で定める事項を変更しようとするときは、当該事項の変更に係る行為に着手する日の三十日前までに、内閣府令で定めるところにより、その旨を被災関連市町村長に届け出なければならない。
6 被災関連市町村長は、第四項又は前項の規定による届出があった場合において、その届出に係る行為が復興整備事業の実施に支障となるおそれがあると認めるときは、その届出をした者に対し、その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。
7 被災関連市町村長は、前項の規定による勧告をした場合において、必要があると認めるときは、その勧告を受けた者に対し、土地に関する権利の処分についてのあっせんその他の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。

(復興整備計画のための土地の立入り等)
第六十五条 被災関連市町村等は、復興整備計画の作成又は変更のため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。
2 前項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、立ち入ろうとする日の三日前までに、その旨を当該土地の占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により建築物が存し、又は垣、柵等で囲まれた他人の占有する土地に立ち入ろうとするときは、その立ち入ろうとする者は、立入りの際、あらかじめ、その旨を当該土地の占有者に告げなければならない。
4 日出前及び日没後においては、土地の占有者の承諾があった場合を除き、前項に規定する土地に立ち入ってはならない。
5 土地の占有者は、正当な理由がない限り、第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げてはならない。

(復興整備計画のための障害物の伐除及び土地の試掘等)
第六十六条 前条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う者は、その測量又は調査を行うに当たり、やむを得ない必要があって、障害となる植物若しくは垣、柵等(以下「障害物」という。)を伐除しようとする場合又は当該土地に試掘若しくはボーリング若しくはこれらに伴う障害物の伐除(以下「試掘等」という。)を行おうとする場合において、当該障害物又は当該土地の所有者及び占有者の同意を得ることができないときは、当該障害物の所在地を管轄する被災関連市町村長の許可を受けて当該障害物を伐除し、又は当該土地の所在地を管轄する被災関連都道県知事の許可を受けて当該土地に試掘等を行うことができる。この場合において、被災関連市町村長が許可を与えようとするときは障害物の所有者及び占有者に、被災関連都道県知事が許可を与えようとするときは土地又は障害物の所有者及び占有者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
2 前項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行おうとする者は、伐除しようとする日又は試掘等を行おうとする日の三日前までに、その旨を当該障害物又は当該土地若しくは障害物の所有者及び占有者に通知しなければならない。
3 第一項の規定により障害物を伐除しようとする場合(土地の試掘又はボーリングに伴う障害物の伐除をしようとする場合を除く。)において、当該障害物の所有者及び占有者がその場所にいないためその同意を得ることが困難であり、かつ、その現状を著しく損傷しないときは、被災関連市町村等又はその命じた者若しくは委任した者は、前二項の規定にかかわらず、当該障害物の所在地を管轄する被災関連市町村長の許可を受けて、直ちに、当該障害物を伐除することができる。この場合においては、当該障害物を伐除した後、遅滞なく、その旨をその所有者及び占有者に通知しなければならない。

(復興整備事業のための土地の立入り等)
第六十七条 第四十六条第六項の規定により公表された復興整備計画に記載された復興整備事業(同条第二項第四号ヌ、ル又はワに掲げる事業にあっては、実施主体が国、都道県又は市町村であるものに限る。以下この条、次条及び第七十一条において単に「復興整備事業」という。)の実施主体(以下この条及び第六十九条から第七十一条までにおいて単に「実施主体」という。)は、復興整備事業の実施の準備又は実施のため他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う必要があるときは、その必要の限度において、他人の占有する土地に、自ら立ち入り、又はその命じた者若しくは委任した者に立ち入らせることができる。ただし、国、都道県又は市町村以外の実施主体にあっては、あらかじめ、被災関連市町村長の許可を受けた場合に限る。
2 第六十五条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による復興整備事業のための土地の立入りについて準用する。

(復興整備事業のための障害物の伐除及び土地の試掘等)
第六十八条 前条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入って測量又は調査を行う者は、その測量又は調査を行うに当たり、やむを得ない必要があって、障害物を伐除しようとする場合又は当該土地に試掘等を行おうとする場合において、当該障害物又は当該土地の所有者及び占有者の同意を得ることができないときは、当該障害物の所在地を管轄する被災関連市町村長の許可を受けて当該障害物を伐除し、又は当該土地の所在地を管轄する被災関連都道県知事の許可を受けて当該土地に試掘等を行うことができる。この場合において、被災関連市町村長が許可を与えようとするときは障害物の所有者及び占有者に、被災関連都道県知事が許可を与えようとするときは土地又は障害物の所有者及び占有者に、あらかじめ、意見を述べる機会を与えなければならない。
2 第六十六条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による復興整備事業のための障害物の伐除及び土地の試掘等について準用する。

(証明書等の携帯)
第六十九条 第六十五条第一項又は第六十七条第一項の規定により他人の占有する土地に立ち入ろうとする者は、その身分を示す証明書(国、都道県又は市町村以外の実施主体にあっては、その身分を示す証明書及び被災関連市町村長の許可証)を携帯しなければならない。
2 第六十六条第一項又は前条第一項の規定により障害物を伐除しようとする者又は土地に試掘等を行おうとする者は、その身分を示す証明書及び被災関連市町村長又は被災関連都道県知事の許可証を携帯しなければならない。
3 前二項に規定する証明書又は許可証は、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。

(土地の立入り等に伴う損失の補償)
第七十条 被災関連市町村等は、第六十五条第一項又は第六十六条第一項若しくは第三項の規定による行為により他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
2 実施主体は、第六十七条第一項、第六十八条第一項又は同条第二項において準用する第六十六条第三項の規定による行為により他人に損失を与えたときは、その損失を受けた者に対して、通常生ずべき損失を補償しなければならない。
3 前二項の規定による損失の補償については、損失を与えた者と損失を受けた者とが協議しなければならない。
4 前項の規定による協議が成立しないときは、損失を与えた者又は損失を受けた者は、政令で定めるところにより、収用委員会に土地収用法(昭和二十六年法律第二百十九号)第九十四条第二項の規定による裁決を申請することができる。

(資料の提出その他の協力)
第七十一条 復興整備計画を作成若しくは変更しようとする被災関連市町村等又は実施主体(国、都道県又は市町村に限る。)は、復興整備計画の作成若しくは変更又は復興整備事業の実施の準備若しくは実施のため必要がある場合においては、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長又は関係のある公私の団体に対し、資料の提出その他必要な協力を求めることができる。

(環境影響評価法の特例)
第七十二条 復興整備事業として行われる第四十六条第二項第四号イに掲げる事業(土地区画整理事業に限る。)又は同号ヘ若しくはワに掲げる事業(鉄道事業法による鉄道並びに軌道法(大正十年法律第七十六号)による軌道の建設及び改良の事業に限る。)であって、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)第二条第二項に規定する第一種事業又は同条第三項に規定する第二種事業に該当するもの(同法第五十二条第二項に規定する事業を除く。以下この条において「特定復興整備事業」という。)については、次項から第十九項までに定めるところによる。
2 特定復興整備事業については、環境影響評価法の規定は、適用しない。
3 被災関連市町村等は、復興整備計画に特定復興整備事業に係る事項を記載しようとするときは、国土交通省令・環境省令で定めるところにより、特定環境影響評価(特定復興整備事業の実施が環境に及ぼす影響(当該特定復興整備事業の実施後の土地又は工作物において行われることが予定される事業活動その他の人の活動が当該特定復興整備事業の目的に含まれる場合には、これらの活動に伴って生ずる影響を含む。以下この条において「環境影響」という。)について環境の構成要素に係る項目ごとに調査、予測及び評価を行うとともに、これらを行う過程において当該特定復興整備事業に係る環境の保全のための措置を検討し、この措置が講じられた場合における環境影響を総合的に評価することをいう。以下この条において同じ。)を行わなければならない。
4 被災関連市町村等は、特定環境影響評価を行った後、当該特定環境影響評価に係る調査の結果の概要並びに予測及び評価の結果、環境の保全のための措置並びに特定復興整備事業に係る環境影響の総合的な評価その他の国土交通省令・環境省令で定める事項を記載した特定復興整備事業特定環境影響評価書(以下この条において「特定評価書」という。)を作成しなければならない。
5 被災関連市町村等は、特定評価書を作成したときは、国土交通省令・環境省令で定めるところにより、特定復興整備事業に係る環境影響を受ける範囲であると認められる地域(以下この条において「関係地域」という。)を管轄する都道県知事(以下この条において「関係都道県知事」という。)及び関係地域を管轄する市町村長(以下この条において「関係市町村長」という。)並びに特定復興整備事業の実施に際し認可を行う者(以下この条において単に「認可を行う者」という。)に対し、特定評価書を送付するとともに、特定評価書に係る特定環境影響評価の結果について環境の保全の見地からの意見を求めるため、環境省令で定めるところにより、特定評価書を作成した旨その他環境省令で定める事項を公告し、関係地域内において、特定評価書を公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
6 関係都道県知事及び関係市町村長は、前項の規定により特定評価書の送付を受けたときは、環境省令で定める期間内に、被災関連市町村等に対し、特定評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べるものとする。
7 認可を行う者が国土交通大臣又は地方整備局長若しくは地方運輸局長であるときは、その者は、第五項の規定により特定評価書の送付を受けた後、速やかに、環境省令で定めるところにより、環境大臣に当該特定評価書の写しを送付して意見を求めなければならない。
8 環境大臣は、前項の措置がとられたときは、必要に応じ、環境省令で定める期間内に、国土交通大臣に対し、特定評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べることができる。
9 認可を行う者は、第五項の規定による送付を受けたときは、必要に応じ、環境省令で定める期間内に、被災関連市町村等に対し、特定評価書について環境の保全の見地からの意見を書面により述べることができる。この場合において、前項の規定による環境大臣の意見があるときは、これを勘案しなければならない。
10 特定評価書について環境の保全の見地からの意見を有する者は、環境省令で定めるところにより、第五項の公告の日から、同項の縦覧期間満了の日までの間に、被災関連市町村等に対し、意見書の提出により、これを述べることができる。
11 被災関連市町村等は、第六項又は第九項の意見が述べられたときはこれを勘案するとともに、前項の意見に配意して特定評価書の記載事項について検討を加え、当該事項の修正を必要とすると認めるときは、国土交通省令・環境省令で定めるところにより、特定評価書について所要の補正をしなければならない。
12 被災関連市町村等は、前項の規定による補正後の特定評価書の送付(補正を必要としないと認めるときは、その旨の通知)を、認可を行う者に対してしなければならない。
13 認可を行う者が国土交通大臣又は地方整備局長若しくは地方運輸局長であるときは、その者は、前項の規定による送付又は通知を受けた後、環境省令で定めるところにより、環境大臣に同項の規定による送付を受けた補正後の特定評価書の写しを送付し、又は同項の規定による通知を受けた旨を通知しなければならない。
14 被災関連市町村等は、第十二項の規定による送付又は通知をしたときは、速やかに、関係都道県知事及び関係市町村長に特定評価書(第十一項の規定による特定評価書の補正をしたときは、当該補正後の特定評価書)及び第九項の書面を送付しなければならない。
15 被災関連市町村等は、第十二項の規定による送付又は通知をしたときは、環境省令で定めるところにより、第十一項の規定による特定評価書の補正をした旨(補正を必要としないと認めるときは、その旨)その他環境省令で定める事項を公告し、関係地域内において、特定評価書(同項の規定による特定評価書の補正をしたときは、当該補正後の特定評価書。以下この条において同じ。)及び第九項の書面を公告の日から二週間公衆の縦覧に供しなければならない。
16 認可を行う者は、当該認可の審査に際し、特定評価書の記載事項及び第九項の書面に基づいて、当該特定復興整備事業につき、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを審査しなければならない。
17 前項の場合においては、次の各号に掲げる当該認可の区分に応じ、当該各号に定めるところによる。
 一 一定の基準に該当している場合には認可を行うものとする旨の法律の規定であって環境省令で定めるものに係る認可 当該認可を行う者は、当該認可に係る当該規定にかかわらず、当該規定に定める当該基準に関する審査と前項の規定による環境の保全に関する審査の結果を併せて判断するものとし、当該基準に該当している場合であっても、当該判断に基づき、当該認可を拒否する処分を行い、又は当該認可に必要な条件を付することができるものとする。
 二 認可を行い又は行わない基準を法律の規定で定めていない認可(当該認可に係る法律の規定で環境省令で定めるものに係るものに限る。) 当該認可を行う者は、特定復興整備事業の実施による利益に関する審査と前項の規定による環境の保全に関する審査の結果を併せて判断するものとし、当該判断に基づき、当該認可を拒否する処分を行い、又は当該認可に必要な条件を付することができるものとする。
18 特定復興整備事業の実施主体は、特定評価書に記載されているところにより、環境の保全についての適正な配慮をして当該特定復興整備事業を実施するようにしなければならない。
19 被災関連市町村等以外の者が特定復興整備事業を実施する場合においては、被災関連市町村等は、特定復興整備事業の実施主体に対し、特定環境影響評価その他の手続を行うための資料の提供その他の必要な協力を求めることができる。

(不動産登記法の特例)
第七十三条 第四十六条第六項の規定により公表された復興整備計画に記載された復興整備事業(土地収用法第二十六条第一項、公共用地の取得に関する特別措置法(昭和三十六年法律第百五十号)第十条第一項又は都市計画法第六十二条第一項の規定により告示された事業に限る。以下この項において単に「復興整備事業」という。)の実施主体は、不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百三十一条第一項の規定にかかわらず、同法第百二十五条に規定する筆界特定登記官に対し、一筆の土地(復興整備事業の実施区域として定められた土地の区域内にその全部又は一部が所在する土地に限る。)とこれに隣接する他の土地との筆界(同法第百二十三条第一号に規定する筆界をいう。)について、同法第百二十三条第二号に規定する筆界特定の申請をすることができる。
2 前項の申請は、対象土地(不動産登記法第百二十三条第三号に規定する対象土地をいう。)の所有権登記名義人等(同条第五号に規定する所有権登記名義人等をいう。)の承諾がある場合に限り、することができる。ただし、当該所有権登記名義人等のうちにその所在が判明しない者がある場合は、その者の承諾を得ることを要しない。

(独立行政法人都市再生機構法の特例)
第七十四条 独立行政法人都市再生機構は、独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)第十一条第一項に規定する業務のほか、委託に基づき、同条第三項各号の業務(第四十六条第六項の規定により公表された復興整備計画に記載された復興整備事業に係るものに限る。)を行うことができる。

(農業振興地域の整備に関する法律の特例)
第七十五条 被災関連市町村は、農用地等(農業振興地域の整備に関する法律第三条に規定する農用地等をいう。)以外の用途に供することを目的として農用地区域内の土地を農用地区域から除外するために行う農用地区域の変更をしようとする場合において、当該変更に係る土地が復興整備計画に記載された第四十六条第二項第四号ロ又はハに掲げる事業の施行された区域内にあるときは、同法第十三条第二項各号に掲げる要件を満たすほか、当該土地に係る当該復興整備計画の期間が満了した土地である場合に限り、当該変更をすることができる。

(津波防災地域づくりに関する法律の特例)
第七十六条 被災関連市町村のうち平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震の津波による被害を受けた市町村(津波防災地域づくりに関する法律第十条第一項に規定する推進計画を作成した市町村を除く。次項において同じ。)が、復興整備計画において、同法第三条第一項に規定する基本指針に基づき、同法第十条第三項第一号及び第二号に掲げる事項に相当する事項を記載し、かつ、津波による災害を防止し、又は軽減することを目的として実施する第四十六条第二項第四号イ又はハからヘまでのいずれかに該当する事業に関する事項及び同号トに掲げる事項を記載した場合においては、当該復興整備計画が同条第六項の規定により公表されたときは、同法第二条第十一項に規定する津波防護施設管理者は、同法第十九条の規定にかかわらず、計画区域内において、当該復興整備計画に即して、津波防護施設の新設又は改良を行うことができる。
2 被災関連市町村のうち平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震の津波による被害を受けた市町村が、復興整備計画において、津波防災地域づくりに関する法律第三条第一項に規定する基本指針に基づき、同法第十条第三項第一号及び第二号に掲げる事項に相当する事項を記載し、かつ、津波による災害を防止し、又は軽減することを目的として実施する第四十六条第二項第四号イ又はハからトまでのいずれかに該当する事業に関する事項を記載した場合においては、当該復興整備計画が同条第六項の規定により公表されたときは、計画区域を同法第十条第二項に規定する推進計画区域とみなして、同法第十五条及び第五十条第一項の規定を適用する。

第五章 復興交付金事業計画に係る特別の措置

第一節 復興交付金事業計画の作成等

第七十七条 特定地方公共団体である市町村(以下この章において「特定市町村」という。)は単独で、又は、特定市町村と当該特定市町村の存する都道県(次節において「特定都道県」という。)は共同して、東日本大震災により、相当数の住宅、公共施設その他の施設の滅失又は損壊等の著しい被害を受けた地域の円滑かつ迅速な復興のために実施する必要がある事業に関する計画(以下この章において「復興交付金事業計画」という。)を作成することができる。
2 復興交付金事業計画には、次に掲げる事項を記載するものとする。
 一 復興交付金事業計画の区域
 二 復興交付金事業計画の目標
 三 著しい被害を受けた地域の復興のために実施する必要がある事業であって次に掲げるものに関する事項
  イ 土地区画整理事業
  ロ 集団移転促進事業
  ハ 道路法第二条第一項に規定する道路の新設又は改築に関する事業
  ニ 公営住宅法第二条第二号に規定する公営住宅の整備又は管理に関する事業
  ホ 土地改良事業
  ヘ 漁港漁場整備事業
  ト その他内閣府令で定める事業
 四 前号に掲げる事業と一体となってその効果を増大させるために必要な事業又は事務その他の著しい被害を受けた地域の復興のため同号に掲げる事業に関連して地域の特性に即して自主的かつ主体的に実施する事業又は事務に関する事項
 五 計画期間
 六 その他内閣府令で定める事項

第二節 復興交付金

(復興交付金の交付等)
第七十八条 特定市町村又は特定都道県は、次項の交付金を充てて復興交付金事業計画に基づく事業又は事務(以下この節において「復興交付金事業等」という。)の実施をしようとするときは、当該復興交付金事業計画を内閣総理大臣に提出しなければならない。
2 国は、特定市町村又は特定都道県に対し、前項の規定により提出された復興交付金事業計画に係る復興交付金事業等の実施に要する経費に充てるため、内閣府令で定めるところにより、予算の範囲内で、交付金を交付することができる。
3 前項の規定による交付金(以下この章において「復興交付金」という。)を充てて行う事業又は事務に要する費用については、道路法その他の法令の規定に基づく国の負担又は補助は、当該規定にかかわらず、行わないものとする。
4 前三項に定めるもののほか、復興交付金の交付に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

(復興交付金の交付に関する基本理念)
第七十九条 復興交付金は、特定市町村又は特定都道県がその地域の特性に即して自主的かつ主体的に復興交付金事業等を実施することを旨として交付されるものとする。
2 復興交付金の交付に当たっては、特定市町村又は特定都道県がその創意工夫を発揮して復興交付金を充てて行う事業又は事務を実施することができるように十分に配慮するものとする。

(原子力発電所事故による災害への対処)
第八十条 国は、東日本大震災による著しい被害からの円滑かつ迅速な復興のため必要があると認めるときは、特定市町村又は特定都道県が講ずる措置であって、原子力損害の賠償に関する法律(昭和三十六年法律第百四十七号)第三条第一項の規定により原子力事業者(同法第二条第三項に規定する原子力事業者をいう。次項において同じ。)が賠償する責めに任ずべき損害に係るものについても、復興交付金を交付することができる。
2 前項の規定は、国が当該原子力事業者に対して、同項の復興交付金の額に相当する額の限度において求償することを妨げるものではない。

(地方公共団体への援助等)
第八十一条 内閣総理大臣及び関係行政機関の長は、特定市町村又は特定都道県に対し、当該復興交付金を充てて行う事業又は事務の円滑かつ迅速な実施に関し、必要な情報の提供、助言その他の援助を行うように努めなければならない。
2 関係行政機関の長は、復興交付金を充てて行う事業又は事務の実施に関し、特定市町村又は特定都道県から法令の規定による許可その他の処分を求められたときは、当該事業又は事務が円滑かつ迅速に実施されるよう、適切な配慮をするものとする。

(補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律の特例)
第八十二条 復興交付金に関しては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第十四条の規定による実績報告(事業又は事務の廃止に係るものを除く。)は、復興交付金事業計画に掲げる事業又は事務ごとに行うことを要しないものとし、同法第十五条の規定による交付すべき額の確定は、復興交付金事業計画に掲げる事業又は事務に係る交付金として交付すべき額の総額を確定することをもって足りるものとする。

(計画の実績に関する評価)
第八十三条 復興交付金の交付を受けた特定市町村又は特定都道県は、内閣府令で定めるところにより、復興交付金事業計画の期間の終了の日の属する年度の翌年度において、復興交付金事業計画に掲げる目標の達成状況及び復興交付金事業等の実施状況に関する調査及び分析を行い、復興交付金事業計画の実績に関する評価を行うものとする。
2 特定市町村又は特定都道県は、前項の評価を行ったときは、内閣府令で定めるところにより、その内容を公表するものとする。

(住宅地区改良法の特例)
第八十四条 復興交付金を充てて建設された改良住宅についての住宅地区改良法第二十九条の規定の適用については、同条第一項中「第二十七条第二項の規定により国の補助を受けて」とあるのは「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第七十八条第三項に規定する復興交付金を充てて」と、同条第三項中「第十三条第三項」とあるのは「第十二条第一項中「の補助」とあるのは「の補助(東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第七十八条第三項に規定する復興交付金(以下この項において単に「復興交付金」という。)を含む。)」と、「から補助」とあるのは「から補助(復興交付金を含む。)」と、旧公営住宅法第十三条第三項」とする。

第六章 雑則

(監視区域の指定)
第八十五条 都道県知事又は指定都市の長は、復興特別区域のうち、地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがあり、これによって適正かつ合理的な土地利用の確保が困難となるおそれがあると認められる区域を国土利用計画法第二十七条の六第一項の規定により監視区域として指定するよう努めるものとする。

(独立行政法人住宅金融支援機構の資金の貸付け等についての配慮)
第八十六条 独立行政法人住宅金融支援機構は、法令及びその事業計画の範囲内において、復興特別区域のうち東日本大震災により相当数の住宅が滅失した区域における住宅の建設、購入又は補修が円滑に行われるよう、必要な資金の貸付け、既往の貸付けの条件の変更その他の措置について配慮するものとする。

(主務省令)
第八十七条 この法律における主務省令は、当該規制について規定する法律及び法律に基づく命令(人事院規則、公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則及び運輸安全委員会規則を除く。)を所管する内閣府又は各省の内閣府令(告示を含む。)又は省令(告示を含む。)とする。ただし、人事院、公正取引委員会、国家公安委員会、公害等調整委員会、公安審査委員会、中央労働委員会又は運輸安全委員会の所管に係る規制については、それぞれ人事院規則、公正取引委員会規則、国家公安委員会規則、公害等調整委員会規則、公安審査委員会規則、中央労働委員会規則又は運輸安全委員会規則とする。

(権限の委任)
第八十八条 この法律に規定する厚生労働大臣、農林水産大臣、国土交通大臣又は環境大臣の権限は、政令で定めるところにより、地方支分部局の長に委任することができる。

(命令への委任)
第八十九条 この法律に定めるもののほか、この法律の実施に関し必要な事項は、命令で定める。

(経過措置)
第九十条 この法律の規定に基づき命令又は条例を制定し、又は改廃する場合においては、それぞれ命令又は条例で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)を定めることができる。

第七章 罰則

第九十一条 次の各号のいずれかに該当する者は、五十万円以下の罰金に処する。
 一 第六十五条第五項(第六十七条第二項において準用する場合を含む。)の規定に違反して、第六十五条第一項又は第六十七条第一項の規定による土地の立入りを拒み、又は妨げた者
 二 第六十六条第一項に規定する場合において、被災関連市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者又は被災関連都道県知事の許可を受けないで土地に試掘等を行った者
 三 第六十七条第一項に規定する場合において、被災関連市町村長の許可を受けないで、土地に立ち入り、又は立ち入らせた者
 四 第六十八条第一項に規定する場合において、被災関連市町村長の許可を受けないで障害物を伐除した者又は被災関連都道県知事の許可を受けないで土地に試掘等を行った者

第九十二条 第六十四条第四項又は第五項の規定に違反して、届出をしないで、又は虚偽の届出をして、同条第四項本文又は第五項に規定する行為をした者は、三十万円以下の罰金に処する。

第九十三条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前二条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の刑を科する。

   附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 附則第六条、第八条、第九条及び第十三条の規定 公布の日
 二 第四十六条第二項第四号ト及び第七十六条の規定 津波防災地域づくりに関する法律の施行の日又はこの法律の施行の日のいずれか遅い日
 三 附則第十条の規定 国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律(平成二十三年法律第   号)の公布の日又はこの法律の公布の日のいずれか遅い日

(検討)
第二条 政府は、この法律の施行後五年以内に、この法律の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。

(訓令又は通達に関する措置)
第三条 関係行政機関の長が発する訓令又は通達のうち復興推進計画の区域に関するものについては、当該区域における復興の円滑かつ迅速な推進の必要性に鑑み、この法律の規定に準じて、必要な措置を講ずるものとする。

(公営住宅法の一部改正)
第四条 公営住宅法の一部を次のように改正する。
 第八条に次の一項を加える。
 6 地方公共団体が、東日本大震災(平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震及びこれに伴う原子力発電所の事故による災害をいう。第十七条第三項及び第四項において同じ。)により著しい被害を受けた地域の復興のために公営住宅の建設等をする場合において、東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第七十八条第三項に規定する復興交付金(第十七条第三項及び第四項において単に「復興交付金」という。)を当該公営住宅の建設等に要する費用に充てるときは、当該復興交付金を第一項の規定による国の補助とみなして、この法律の規定を適用する。
 第十一条第一項中「第七条第五項」の下に「又は第八条第六項」を加え、「同条第一項又は第二項」を「第七条第一項若しくは第二項又は第八条第一項」に改める。
 第十七条第三項中「受けて建設若しくは」を「受け、若しくは東日本大震災に係る同項に規定する政令で定める地域にあつた住宅であつて東日本大震災により滅失したものに平成二十三年三月十一日において居住していた者に賃貸するため復興交付金を充てて建設若しくは」に改め、同条第四項中「前三項」を「前各項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第三項の次に次の一項を加える。
 4 地方公共団体が、東日本大震災により滅失した住宅に平成二十三年三月十一日において居住していた低額所得者に転貸するため借上げをした公営住宅について、前条第一項本文の規定に基づき家賃を定める場合において、当該公営住宅の近傍同種の住宅の家賃の額から入居者負担基準額を控除した額の全部又は一部に相当する額の復興交付金が交付されたときは、当該復興交付金を第二項の規定による国の補助とみなして、この法律の規定を適用する。

[第五条 独立行政法人都市再生機構法の一部改正]

(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部改正)
第六条 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成二十三年法律第三十七号)の一部を次のように改正する。
  附則第一条第二号中「第四十条」の下に「、第四十五条の二」を加える。
  附則第四十五条の次に次の一条を加える。
  (東日本大震災復興特別区域法の一部改正)
 第四十五条の二 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
   第二十条中「第二十三条第三号」を「第二十三条第二号」に改める。
   第二十一条中「附則第十六項」を「附則第十五項」に改める。

[第七条 総合特別区域法の一部改正]

(国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律の一部改正)
第八条 国民年金及び企業年金等による高齢期における所得の確保を支援するための国民年金法等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第九十三号)の一部を次のように改正する。
  附則第一条第五号中「及び第五条」を「、第五条及び第十条」に改める。
  附則に次の一条を加える。
  (東日本大震災復興特別区域法の一部改正)
 第十条 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
 第三十四条中「喪失した日」の下に「(継続個人型年金運用指図者にあっては、継続個人型年金運用指図者となった日)」を加える。

(地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律の一部改正)
第九条 地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(平成二十三年法律第百五号)の一部を次のように改正する。
  附則第一条第二号中「第百十九条」の下に「 、第百二十一条の二」を加える。
  附則第百二十一条の次に次の一条を加える。
  (東日本大震災復興特別区域法の一部改正)
 第百二十一条の二 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)の一部を次のように改正する。
 第二十八条第一項中「第五項第一号」を「第六項第一号」に改め、「第四条の二第一項」の下に「若しくは第二項」を加え、「第十一項」を「第十三項」に改め、同条第十三項中「第五項各号」を「第六項各号」に、「第十一項中「市町村の長(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)」とあるのは「市町村の長」と、「当該市町村」を「第十三項中「当該町村」に、「「地域産業集積形成法第十条第三項又は第十一条第二項」を「、「地域産業集積形成法第十条第四項又は第十一条第三項」に、「当該市町村の長」を「当該町村の長」に改め、同項を同条第十五項とし、同条第十二項を同条第十四項とし、同条第十一項中「第五項各号」を「第六項各号」に、「第二項又は第六項」を「第三項又は第八項」に、「市町村」を「町村」に改め、「(指定都市(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長を除く。)」を削り、同項を同条第十三項とし、同条中第十項を第十二項とし、第九項を第十一項とし、第八項を第十項とし、同条第七項中「市町村」を「町村」に、「第三項」を「第四項」に、「第二十八条第五項」を「第二十八条第六項」に改め、同項を同条第九項とし、同条第六項中「前項の規定により経過措置を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例」という。)」を「復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例(町村が定めるものに限る。)」に、「同項」を「第六項」に、「市町村」を「町村」に改め、同項を同条第八項とし、同条第五項を同条第六項とし、同項の次に次の一項を加える。
  7 前項の規定により経過措置を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等経過措置条例」といい、市が定めるものに限る。)が施行されている間は、同項の特定工場に係る工場立地法第九条第二項の規定による勧告をする場合における同項第一号の規定の適用については、同号中「第四条の二第一項の規定により都道府県準則が定められた場合又は同条第二項の規定により市準則が定められた場合にあつては、その都道府県準則又は市準則」とあるのは、「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二十八条第六項の規定により条例が定められた場合にあつては、その条例」とする。
 第二十八条第四項を同条第五項とし、同条第三項中「認定市町村」を「認定町村」に、「 、市町村」を「 、町村」に、「地域準則が定められた場合にあつては、その地域準則」を「都道府県準則が定められた場合又は同条第二項の規定により市準則が定められた場合にあつては、その都道府県準則又は市準則」に改め、同項を同条第四項とし、同条第二項中「前項の規定により準則を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等条例」という。)」を「復興産業集積区域緑地面積率等条例(認定市町村である町村(以下この条において「認定町村」という。)が定めるものに限る。)」に、「認定市町村」を「認定町村」に改め、同項を同条第三項とし、同条第一項の次に次の一項を加える。
  2 前項の規定により準則を定める条例(以下この条において「復興産業集積区域緑地面積率等条例」といい、認定市町村である市が定めるものに限る。)が施行されている間は、当該復興産業集積区域緑地面積率等条例に係る復興産業集積区域に係る工場立地法第九条第二項の規定による勧告をする場合における同項第一号の規定の適用については、同号中「第四条の二第一項の規定により都道府県準則が定められた場合又は同条第二項の規定により市準則が定められた場合にあつては、その都道府県準則又は市準則」とあるのは、「東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第二十八条第一項の規定により準則が定められた場合にあつては、その準則」とする。
 第二十九条第二号中「の長が同条第二項」を「(地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市をいう。以下同じ。)の長が河川法第九条第二項」に改める。

(国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部改正)
第十条 国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律の一部を次のように改正する。
  第六十九条を次のように改める。
 (民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律及び東日本大震災復興特別区域法の一部改正)
 第六十九条 次に掲げる法律の規定中「人事院規則、」を削り、「国家公安委員会規則」の下に「 、人事公正委員会規則」を加え、「人事院、」を削り、「公正取引委員会、国家公安委員会」の下に「 、人事公正委員会」を加える。
  一 民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する法律(平成十六年法律第百四十九号)第九条
  二 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第八十七条

[第十一条 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)の一部改正]

[第十二条 国土交通省設置法(平成十一年法律第百号)の一部改正]

(政令への委任)
第十三条 この附則に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 [平成23年5月2日法律第37号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 二 第六条、第十一条、第十三条、第十五条、第十六条、第十八条から第二十条まで、第二十六条、第二十九条、第三十二条、第三十三条(道路法第三十条及び第四十五条の改正規定に限る。)、第三十五条及び第三十六条の規定並びに附則第四条、第五条、第六条第二項、第七条、第十二条、第十四条、第十五条、第十七条、第十八条、第二十八条、第三十条から第三十二条まで、第三十四条、第三十五条、第三十六条第二項、第三十七条、第三十八条(構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第三十条第一項及び第二項の改正規定に限る。)、第三十九条、第四十条、第四十五条の二及び第四十六条の規定 平成二十四年四月一日

   附 則 [平成23年12月16日法律第125号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。[後略]


別表(第二条関係)
事 業関 係 条 項
特定区画漁業権免許事業第十四条
復興建築物整備事業第十五条
特別用途地区復興建築物整備事業第十六条
応急仮設建築物活用事業第十七条
被災区域道路運送確保事業第十八条
罹災者公営住宅等供給事業第十九条から第二十一条まで
復興推進公営住宅等管理等事業第二十二条
食料供給等施設整備事業第二十三条から第二十七条まで
復興産業集積事業第二十八条
特定水力発電事業第二十九条から第三十二条まで
十一被災鉄道移設事業第三十三条
十二地域振興事業第三十四条
十三政令等規制事業第三十五条
十四地方公共団体事務政令等規制事業第三十六条


以上

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