条文の読み方と、当サイトの凡例

2005.04.14

条項の呼び方当サイトの凡例表記(もちろん架空のものです。)
第1条 第一条 水曜日はサービスデーとする。サービスデーは値引きをする。
第2条第1項 第二条 アルコール類は100円引き。但し、ウオッカは70円引き。
第2条第2項算用数字で項番号2 次の各号の場合は、前項に関わらず50円引き。
第2条第2項第1号1字下げて漢数字で号番号 一 ブランデー
第2条第2項第2号 二 次に掲げる日本酒
第2条第2項第2号イ2字下げる  イ 大吟醸
第2条第2項第2号ロ  ロ 吟醸
第2条第2項第2号ハ  ハ 純米酒

(1)条項の呼び方


緑の部分(「水曜日はサービスデーとする。」)は、「第1条前段」と呼ぶ。
青字部分(「サービスデーは値引きをする。」)は、「第1条後段」と呼ぶ。
紫の部分(「アルコール類は100円引き。」)は、「第2条第1項本文」と呼ぶ。
赤字部分(「但し、ウオッカは70円引き。」)は、「第2条第1項ただし書」と呼ぶ。

 条文中に「ただし(但し)」で始まる文があるときは、その文を「ただし書(ただしがき)」と呼び、それに対する主文を「本文」と呼ぶ。
 条文中に2つの文がある場合、先の文を「前段」、後の文を「後段」と呼ぶ。
 3つの文がある場合は、真ん中の文を「中段」と呼ぶ。
 4つ以上の文がある場合は、それぞれを第一段、第二段…と呼ぶ。

 「号」がある条項のうち各号以外の部分を、立法技術上は「各号列記以外の部分」と呼び、一般的には「柱書(はしらがき)」と呼ぶ。

(2)基本単位


 法令では、原則として「条」を基本単位としている。
 当サイトにおいては、条と条との間に空白行を設けている。
条は複数の「項」を含むことがある。
 古い法令では、項は単に改行だけで表されたり、改行+1字下げで表されている。
 最近の法令では改行+第2項以下の行頭に算用数字を付けることが例となっている。
 当サイトにおいては、原文での有無に関わらず算用数字を第2項以下の頭に付している。
 「条」及び「項」は、さらに「号」を含むことがある。「号」は要件の列挙などで使用される。
 号は、1字下げて漢数字で号番号を振る。
 当サイトにおいては、1字下げて漢数字を頭に付している。
 号をさらに細かく分ける必要があるときは、さらに1字下げて「イロハニホヘト…」を振る。

(3)分類


 条を分類する際は「章」が用いられる。章は複数の「節」を含むことがある。
 「節」は、さらに「款」を含むことがある。
 「款」は、さらに「目」を含むことがある。
 大きな法典(民法など)では複数の「章」を含む、あるいは含まない「編」を置くことがある。

(4)その他


 条名・章名等に欠番は無い。(「第2条」の次は「第3条」または「第2条の2」であり、「第4条」となることはない。)

 「第*章 削除」、「第*条 削除」、「第*号 削除」等とあるのは、改正(「第*条を次のように改める。/第*条 削除」という形式。)によって条文の内容が無くなったものである。
 概念的に全く存在しないのではなく、「第*条 削除」という形で存在しているので、第*条の改正ということもあり得る。(「第*条を次のように改める。/第*条 云々・・」という形式。)
 跡形もなく消し去ってしまうには「第*条を削る。」という改正方式が採られる。

 条や章等を挿入する一部改正の際には「第1条の2」「五の二(号の場合)」等の枝番号を用いることがある。枝番号の枝番号もあり得る。(ex. 第6条の2の8)

 「項」の扱いは特殊であり、「第* 削除」という法文や項番号の枝番号は立法技術的に存在しない。

 附則に対して、メインの条文を「本則」と呼ぶ。

(5)題名・件名と法令番号

(2004.08.21変更)

 戦後混乱期以後の法令には全て題名が付けられているが、それ以前には題名の無いものが存在する。
 これらには、議案の取り扱い便宜上の「件名(**に関する件)」が付けられているので、これを題名のように取り扱うこととなっている。ただし、「件名の改正」を行うことはできない。新たに題名を付けることまたは法令の内容の変化に伴って、その内容に合致するように新たな件名を付けることはできる。前者の場合は付題する改正文が存在するが、後者の場合は先述したとおり件名の改正文は存在せず、他法令からの呼び出しの名称が変わるに留まる。題名は全部または一部の改正が可能である。

 当サイトにおいては、法令の題名が無いものは件名で表示している。

 法令には全て、公布年及び法形式並びにその年ごとの通し番号から成る法令番号が割り当てられている。その形式は「元号何年【法形式】第何号」であり、具体的には「平成十年法律第一号」「昭和五十年政令第百号」という形である。
 当サイトの各法令ページにおいては、公布・改正履歴に限って当該法令の公布月日を付加している。

(6)横書き

(2002.12.14追加)

 法律、政令、府省令等は縦書きの文章で公布されているが、当サイトにおいては横書きを採用している。
 従って、表組みの上欄・下欄、左右の関係に注意する必要がある。

(7)記号

(2004.08.21追加)

 条文中の記号"["及び"]"で囲まれた部分は、当サイトが独自に付加した注釈である。

(8)公布・改正履歴

(2004.12.21変更)

 法令題名の直下に記載された情報(改正履歴)は、当該法令並びに改正法令の法令番号及び施行日である。
 1行目は当該法令の法令番号、2行目は当該法令の施行日である。
 3行目以降は同様に、改正法令の法令番号と施行日が2行でセットになる。(施行日が複数存在する改正法令では、被改正法令に関するもののみを表示する。)

 改正履歴中の空行は、改正履歴の表示を省略したことを意味する。

 改正履歴は、当サイトが独自に付加したものである。


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