土地改良法施行法


公布:昭和24年6月6日法律第196号
施行:昭和24年8月4日

(耕地整理法の廃止)
第一条 耕地整理法(明治四十二年法律第三十号)は、廃止する。

(現存の耕地整理等)
第二条 耕地整理法第三条第一項の認可を得て開始し、この法律施行の際現に施行中の耕地整理(耕地整理完了後に必要なすべての手続を含む。以下この項において同じ。)並びに同法第五十条又は第八十一条ノ二の規定により設立され、この法律施行の際現に存する耕地整理組合又は耕地整理組合れん合会及びその行う耕地整理については、同法(同法に基く命令を含む。)の規定は、この法律施行後でも、なおその効力を有する。
2 前項に規定する耕地整理組合又は耕地整理組合れん合会でこの法律施行の日から起算して三年を経過した時に現に存するもの(清算中のものを除く。)は、その時に解散する。

(現存の耕地整理年期等)
第三条 この法律施行の際現に耕地整理年期を有する土地及び前条第一項に規定する耕地整理を施行した土地の耕地整理年期の取扱については、なお従前の例による。この法律施行の際現に存する特別法人税法の一部を改正する等の法律(昭和二十二年法律第二十九号)附則第十四条第三項に規定する配当金の取扱についても、また同様とする。

(この法律施行前の行為に対する耕地整理法の適用等)
第四条 この法律施行前(第二条第一項に規定する耕地整理又は耕地整理組合若しくは耕地整理組合れん合会については、同項の規定により効力を有する耕地整理法の失効前。以下本条において同じ。)にした行為に対する罰則の適用については、この法律施行後(第二条第一項に規定する耕地整理又は耕地整理組合若しくは耕地整理組合れん合会については、同項の規定により効力を有する耕地整理法の失効後)でも、耕地整理法の規定は、なおその効力を有する。この法律施行前にした行為に対する異議の申立、訴願、訴訟又は耕地整理法第八十七条の規定による補償金額決定の請求について、及び他の法令において準用される範囲内においても、また同様とする。

(耕地整理組合の土地改良区への組織変更)
第五条 耕地整理組合でその組合員の三分の二以上がその地区内にある土地につき土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第三条に規定する資格を有する者であるものは、第二条第二項に規定する期間内に、その組織を変更して土地改良区となることができる。
2 耕地整理組合は、前項の規定により土地改良区となるには、省令の定めるところにより、契約及び設計書を基準として定款及び土地改良事業計画を定め、その他土地改良区となるのに必要な行為をして、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3 前項の規定により定款及び土地改良事業計画を定めるには、総会の議決を経なければならない。この場合において、その議事は、総組合員の三分の二以上が出席し、その議決権の三分の二以上で決する。
4 前項の認可を申請するには、あらかじめ、省令の定めるところにより、当該定款及び土地改良事業計画を公告して、当該耕地整理組合の地区内にある土地につき土地改良法第三条に規定する資格を有する者の三分の二以上の同意を得なければならない。
5 都道府県知事は、第二項の認可をしたときは、遅滞なくその旨を公告しなければならない。
6 第二項の認可があつたときは、当該耕地整理組合は、その地区を地区とする土地改良区となるものとする。但し、前項の規定による公告があるまでは、これをもつて第三者(その認可の際におけるその耕地整理組合の組合員及び第四項の同意をした者を除く。)に対抗することができない。
7 耕地整理組合がその組織を変更して土地改良区となつた時にその耕地整理組合の組合員であつた者がその組合員たる資格に係る土地の全部又は一部について土地改良法第三条に規定する資格を有しない場合には、その者及び当該土地改良区は、その土地の全部又は一部につきその者の有するその耕地整理組合の事業に関する権利義務につき必要な決済をしなければならない。
8 耕地整理組合がその組織を変更して土地改良区となつた時にその耕地整理組合の組合員であつた者は、その耕地整理組合が土地改良区になる前に生じたその耕地整理組合の債務については、耕地整理法第八十一条の規定による責任を免かれることができない。
9 前項の責任は、第六項の規定による公告があつた後二年以内に請求又は請求の予告をしない債権者に対しては、その期間を経過した時に消滅する。
10 耕地整理組合がその組織を変更して土地改良区となつたときは、その土地改良区は、組合員でその組合員たる資格に係る土地の全部又は一部につき耕地整理組合員たる資格を有しなかつたものに対し、その全部又は一部の土地については、その耕地整理組合の事業に要した経費に充てるための金銭、夫役又は現品を賦課徴収することができない。
11 耕地整理組合がその組織を変更して土地改良区となつたときは、その土地改良区は、前項に掲げる組合員から定款の定めるところにより、その者がその全部又は一部の土地につきその土地改良区の管理する施設により受けるに至つた利益に相当する金額をこえない額の金銭を徴収することができる。この場合には、土地改良法第三十八条の規定を準用する。

(耕地整理組合れん合会の土地改良区連合への組織変更)
第六条 耕地整理組合れん合会は、そのすべての所属組合が前条の規定により土地改良区となる場合には、第二条第二項に規定する期間内にその組織を変更して土地改良区連合となることができる。
2 耕地整理組合れん合会は、前項の規定により土地改良区連合となるには、省令の定めるところにより、所属組合の協議によつて、規約及び設計書を基準として定款及び土地改良事業計画を定め、その他土地改良区連合となるのに必要な行為をして、都道府県知事の認可を受けなければならない。
3 第二項の認可及び当該各所属組合に対する前条第二項の認可は、同時にしなければならない。
4 第二項の認可があつた場合には、前条第五項及び第六項の規定を準用する。

(北海道土功組合法の廃止)
第七条 北海道土功組合法(明治三十五年法律第十二号)は、廃止する。
2 北海道土功組合については、第二条、第四条及び第五条(第五条第三項後段を除く。)の規定を準用する。
3 北海道土功組合は、前項において準用する第二条第二項の規定により解散したときは、清算をしなければならない。
4 北海道土功組合は、前項の規定による清算の範囲内においては、なお存続するものとみなす。

[第八条 水利組合法(明治四十一年法律第五十号)の一部改正]

(現存の水利組合等)
第九条 水利組合法の規定により設定された普通水利組合又は普通水利組合れん合については、第二条及び第四条から第六条まで並びに第七条第三項及び第四項の規定を準用する。この場合において、第五条第三項中「総会」とあるのは、「組合会」と、「総組合員の三分の二以上が出席し、その議決権の三分の二」とあるのは、「議員定数の三分の二」と読み替える。

第十条 水利組合法の規定により設立され、この法律施行の際現に存する水害予防組合でかんがい排水に関する事業を兼営するものについては、第八条の規定にかかわらず、改正前の同法第九条第一項の規定は、なおその効力を有する。

(他の法令中の水利組合に関する規定の読替)
第十一条 他の法令中「水利組合」とあるのは、政令で特別の定とする場合を除いて、「水害予防組合」と読み替える。
(農業用の施設等に関する協議請求)
第十二条 土地改良区又は土地改良区連合は、この法律施行後その事業を完了した耕地整理組合若しくは耕地整理組合れん合会又は北海道士功組合、普通水利組合若しくは普通水利組合れん合に対し、省令の定めるところにより、その事業の完了の時においてこれらの者の所有し、又は管理していたかんがい排水施設、農業用道路その他の農地の保全又は利用上必要な施設でその土地改良区又は土地改良区連合の地区内にあるものの譲渡又は移管に関する協議を求めることができる。
2 前項の規定による協議をすることができないとき、又は協議がととのわないときには、都道府県知事は、当事者又はその一方の申請により、当事者の意見をきき、当該施設を所有し、又は管理する者に対して条件を定めてその施設の譲渡又は移管を命ずることができる。
3 前項の規定による譲渡又は移管の命令があつたときは、当事者間に第一項の協議がととのつたものとみなす。
4 第二項の規定による命令の取消又は変更を求める訴は、その命令を受けた日から三十日を経過したときは、提起することができない。
5 前三項に規定するものの外、第一項の規定の施行に関し必要な事項は、省令で定める。

[第十三条 公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)の一部改正]

[第十四条 日本勧業銀行法(明治二十九年法律第八十二号)の一部改正]

[第十五条 北海道拓殖銀行法(明治三十二年法律第七十六号)をの一部改正]

[第十六条 農林中央金庫法(大正十二年法律第四十二号)の一部改正]

[第十七条 社寺等に無償で貸し付けてある国有財産の処分に関する法律(昭和二十二年法律第五十三号)の一部改正]

[第十八条 国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)の一部改正]

[第十九条 事業者団体法(昭和二十三年法律第百九十一号)の一部改正]

[第二十条 登録税法(明治二十九年法律第二十七号)の一部改正]

[第二十一条 土地台帳法(昭和二十二年法律第三十号)の一部改正]

[第二十二条 臨時宅地賃貸価格修正法(昭和二十四年法律第八十五号)の一部改正]

(農地開発法の効力の制限)
第二十三条 農地開発法(昭和十六年法律第六十五号)は、昭和二十五年十二月三十一日又は閉鎖機関令(昭和二十二年勅令第七十四号)第十九条の四の規定により特殊清算人が農地開発営団につき特殊清算終了の登記をした日のいずれか早い時に、その効力を失う。
2 農地開発営団は、閉鎖機関令第三条第一項に規定する指定業務及び同令第八条の二第一項に規定する特殊清算を行うに必要な範囲以外のいかなる業務も行うことができない。
3 この法律施行後は、農地開発法に基き新たに農地開発営団を設立してはならない。

   附 則

 この法律は、土地改良法施行の日から施行する。

以上

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