裁判所法施行法


公布:昭和22年4月16日法律第60号
施行:昭和22年5月3日
改正:昭和22年10月29日法律第126号
施行:昭和22年10月29日

(廃止する法律)
第一条 明治二十三年法律第百六号、大正二年法律第九号、昭和十年法律第三十号、昭和十三年法律第十一号及び違警罪即決例は、これを廃止する。

(従前の裁判所における手続)
第二条 裁判所構成法による裁判所においてした事件の受理その他の手続は、政令の定めるところによりこれを最高裁判所又は下級裁判所においてした事件の受理その他の手続とみなす。
2 裁判所法施行の際現に行政裁判所に係属している行政訴訟事件については、行政裁判所にした行政訴訟の提起は、これを東京高等裁判所にした訴の提起とみなす。

(従前の裁判官の地位)
第三条 裁判所法施行の際現に大審院の裁判官の職に在る者で最高裁判所の裁判官に任命されないものは、判事として東京高等裁判所判事に補せられたものとみなす。
2 裁判所法施行の際現に控訴院の裁判官の職に在る者は、判事として当該控訴院の所在地を管轄する高等裁判所の判事に補せられたものとみなす。
3 裁判所法施行の際現に裁判所構成法による地方裁判所(以下旧地方裁判所という。)又は区裁判所の裁判官の職に在る者は、判事としてそれぞれ当該旧地方裁判所又は区裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の判事に補せられたものとみなす。
4 裁判所法施行の際現に旧地方裁判所又は区裁判所に予備判事として勤務する者は、判事補としてそれぞれ当該裁判所の所在地を管轄する地方裁判所の判事補に補せられたものとみなす。
5 別に辞令が発せられた場合には、前三項の規定を適用しない。
6 日本国憲法第百三条但書の裁判官の後任者が任命される場合においてその後任者が第一項乃至第四項の裁判官のうちいずれの裁判官の後任者であるかは、その任命の際最高裁判所がこれを定める。
7 最高裁判所は、昭和二十二年十二月三十一日までに、前項に規定する後任者として任命されるべき者を日本国憲法第八十条第一項の規定により指名しなければならない。

(閣令による裁判官任命諮問委員会)
第四条 裁判所法第三十九条第四項の裁判官任命諮問委員会は、同法施行準備のため同法施行前において、閣令の定めるところによりこれを設けることができる。
2 前項の裁判官任命諮問委員会は、裁判所法施行前にその職務を行うことができる。

(裁判所法第四十一条の大学)
第五条 裁判所法第四十一条第一項第六号の大学は、学校教育法による大学で大学院の附置されているもの及び大学令による大学とする。

(従前の裁判官の恩給の特例)
第六条 裁判所法施行の際現に裁判官の職に在つた者で日本国憲法第百三条但書の規定によりその地位を失つたものに支給すべき恩給については、恩給法の規定にかかわらず、法律で特別の定をすることができる。

(その他の事項)
第七条 この法律に定めるものの外、裁判所法及びこの法律の施行に関し必要な事項は、政令でこれを定める。

   附 則

 この法律は、裁判所法施行の日から、これを施行する。

   附 則 [昭和22年10月29日法律第126号]

 この法律は、公布の日から、これを施行する。

以上

誤植等を発見されましたら、お手数ですがこちらからお知らせ下さい。