裁判官分限法


公布:昭和22年10月29日法律第127号
施行:昭和22年10月29日
改正:昭和23年12月21日法律第260号
施行:昭和24年1月1日
改正:昭和24年6月1日法律第177号
施行:昭和24年6月1日
改正:平成16年12月3日法律第152号
施行:平成17年4月1日

第一条(免官) 裁判官は、回復の困難な心身の故障のために職務を執ることができないと裁判された場合及び本人が免官を願い出た場合には、日本国憲法の定めるところによりその官の任命を行う権限を有するものにおいてこれを免ずることができる。
2 前項の願出は、最高裁判所を経てこれをしなければならない。

第二条(懲戒) 裁判官の懲戒は、戒告又は一万円以下の過料とする。

第三条(裁判権) 各高等裁判所は、その管轄区域内の地方裁判所、家庭裁判所及び簡易裁判所の裁判官に係る第一条第一項の裁判及び前条の懲戒に関する事件(以下分限事件という。)について裁判権を有する。
2 最高裁判所は、左の事件について裁判権を有する。
 一 第一審且つ終審として、最高裁判所及び各高等裁判所の裁判官に係る分限事件
 二 終審として、高等裁判所が前項の裁判権に基いてした裁判に対する抗告事件

第四条(合議体) 分限事件は、高等裁判所においては、五人の裁判官の合議体で、最高裁判所においては、大法廷で、これを取り扱う。

第五条(管轄) 分限事件の管轄裁判所は、第六条の申立の時を標準としてこれを定める。

第六条(事件の開始) 分限事件の裁判手続は、裁判所法第八十条の規定により当該裁判官に対して監督権を行う裁判所の申立により、これを開始する。

第七条(裁判) 第一条第一項の裁判又は第二条の懲戒の裁判をするには、その原因たる事実及び証拠によりこれを認めた理由を示さなければならない。
2 裁判所は、前項の裁判をする前に当該裁判官の陳述を聴かなければならない。

第八条(抗告) 高等裁判所が分限事件についてした裁判に対しては、最高裁判所の定めるところにより抗告をすることができる。抗告裁判所の裁判については、前条の規定を準用する。

第九条(手続の費用) 分限事件の手続の費用は、国庫の負担とする。

第十条(手続の中止) 分限事件の裁判手続は、当該裁判官について刑事又は弾劾の裁判事件が係属する間は、これを中止することができる。

第十一条(裁判手続) 分限事件の裁判手続は、この法律に特別の定のあるものを除いて、最高裁判所の定めるところによる。

第十二条(裁判の通知) 第一条第一項の裁判が確定したときは、最高裁判所は、その旨を内閣に通知しなければならない。

第十三条(過料の裁判の執行) 懲戒による過料の裁判の執行については、非訟事件手続法(明治三十一年法律第十四号)第百六十三条の規定を準用する。

   附 則

1 この法律は、公布の日からこれを施行する。
2 執達吏懲戒令は、これを廃止する。

   附 則 [昭和23年12月21日法律第260号] [抄]

   第十条 この法律は、昭和二十四年一月一日から施行する。

   附 則 [昭和24年6月1日法律第177号] [抄]

1 この法律のうち、裁判所法第六十条、第六十条の二、及び第六十五条の改正規定は公布の日から起算して三十日を経過した日から、その他の規定は公布の日から施行する。

   附 則 [平成16年12月3日法律第152号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。[後略]

以上

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