刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律


監獄法(公布当時)
刑事施設ニ於ケル刑事被告人ノ収容等ニ関スル法律(平成17年法律第50号で改題)

公布:明治41年3月28日法律第28号
施行:明治41年10月1日
改正:昭和22年3月28日法律第20号
施行:昭和22年5月3日
改正:昭和22年4月16日法律第61号
施行:昭和22年5月3日
改正:昭和22年12月22日法律第223号
施行:昭和23年1月1日
改正:昭和24年5月31日法律第143号
施行:昭和24年7月1日
改正:昭和27年7月31日法律第286号
施行:昭和27年9月25日
改正:昭和28年7月21日法律第68号
施行:昭和28年7月22日
改正:平成10年10月2日法律第114号
施行:平成11年4月1日
改正:平成11年12月22日法律第160号
施行:平成13年1月6日
改正:平成16年6月9日法律第89号
施行:平成16年12月9日
改正:平成17年5月25日法律第50号
施行:平成18年5月24日

目次

 第一章 総則(第一条−第十条)
 第二章 収容(第十一条−第十四条)
 第三章 拘禁(第十五条−第十八条)
 第四章 戒護(第十九条−第二十三条)
 第五章 作業(第二十四条−第二十八条)
 第六章 教誨及ヒ教育(第二十九条−第三十一条)
 第七章 給養(第三十二条−第三十五条)
 第八章 衛生及ヒ医療(第三十六条−第四十四条)
 第九章 接見及ヒ信書(第四十五条−第五十条)
 第十章 領置(第五十一条−第五十七条)
 第十一章 懲罰(第五十八条−第六十二条)
 第十二章 釈放(第六十三条−第七十条)
 第十三章 死亡(第七十一条−第七十五条)

第一章 総則

第一条 本法ニ於テ被収容者トハ刑事施設ニ収容シタル者ニシテ刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律(平成十七年法律第五十号)第三条第二号ノ受刑者以外ノモノヲ謂フ

第二条 警察官署ニ附属スル留置場ハ之ヲ刑事施設ニ代用スルコトヲ得但懲役又ハ禁錮ニ処セラレタル者ヲ一月以上継続シテ拘禁スルコトヲ得ズ

第三条乃至第六条 削除

第七条 被収容者刑事施設ノ処置ニ対シ不服アルトキハ法務省令ノ定ムル所ニ依リ法務大臣又ハ刑事施設及び受刑者の処遇等に関する法律ニ定ムル監査官ニ情願ヲ為スコトヲ得

第八条 前条ノ規定ハ之ヲ監置場ニ準用ス

第九条 本法中別段ノ規定アルモノヲ除ク外刑事被告人ニ適用ス可キ規定ハ其他ノ被収容者及ビ監置場ニ留置シタル者ニ之ヲ準用ス但第三十五条ノ規定ハ監置ニ処セラレタル者ニ之ヲ準用セズ

第十条 削除

第二章 収容

第十一条 新ニ収容スル者アルトキハ令状又ハ判決書及ヒ執行指揮書其他適法ノ文書ヲ査閲シタル後収容ス可シ

第十二条 新ニ収容スル婦女其子ヲ携帯センコトヲ請フトキハ必要ト認ムル場合ニ限リ満一歳ニ至ルマテ之ヲ許スコトヲ得
2 刑事施設ニ於テ分娩シタル子ニ付テモ亦前項ノ例ニ依ル

第十三条 新ニ収容スル者感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第百十四号)ニ定ムル感染症指定医療機関ヘノ入院ヲ要スル類型ノ感染症ニ罹リタルモノナルトキハ之ヲ収容セザルコトヲ得

第十四条 新ニ収容スル者アルトキハ其身体及ヒ衣類ノ検査ヲ為ス可シ収容中ノ者ニ付キ必要ト認ムルトキ亦同シ

第三章 拘禁

第十五条 被収容者ハ心身ノ状況ニ因リ不適当ト認ムルモノヲ除ク外之ヲ独居拘禁ニ付スルコトヲ得

第十六条 削除

第十七条 刑事被告人ニシテ被告事件ノ相関連スルモノハ互ニ其居室ヲ別異シ居室外ニ於テモ其交通ヲ遮断ス

第十八条 削除

第四章 戒護

第十九条 被収容者逃走、暴行若クハ自殺ノ虞アルトキ又ハ刑事施設外ニ在ルトキハ戒具ヲ使用スルコトヲ得
2 戒具ノ種類ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

第二十条 法令ニ依リ刑務官ノ携帯スル武器ハ左ノ各号ノ一ニ該ル場合ニ限リ被収容者ニ対シ之ヲ使用スルコトヲ得
 一 人ノ身体ニ対シテ危険ナル暴行ヲ為シ又ハ為ス可キ脅迫ヲ加フルトキ
 二 危険ナル暴行ノ用ニ供シ得可キ物ヲ所持シ其放棄ヲ肯セサルトキ
 三 逃走ノ目的ヲ以テ多衆騒擾スルトキ
 四 逃走ヲ企テタル者暴行ヲ為シテ捕拿ヲ免カレントシ又ハ制止ニ従ハスシテ逃走セントスルトキ

第二十一条 天災事変ニ際シ必要ト認ムルトキハ被収容者ヲシテ応急ノ用務ニ就カシムルコトヲ得
2 前項ノ用務ニ就キタル者ニハ第二十八条ノ規定ヲ準用ス

第二十二条 天災事変ニ際シ刑事施設内ニ於テ避難ノ手段ナシト認ムルトキハ被収容者ヲ他所ニ護送ス可シ若シ護送スルノ遑ナキトキハ一時之ヲ解放スルコトヲ得
2 解放セラレタル者ハ刑事施設又ハ警察官署ニ出頭ス可シ解放後避難ヲ必要トセザルニ至リタル後速ニ出頭セサルトキハ刑法第九十七条ニ依リ処断ス

第二十三条 被収容者逃走シタルトキハ刑務官ハ逃走後四十八時間内ニ限リ之ヲ逮捕スルコトヲ得

第五章 作業

第二十四条 刑事被告人作業ニ就カンコトヲ請フトキハ其選択スルモノニ就キ之ヲ許スコトヲ得
2 前項ノ作業ハ衛生、経済及ヒ被収容者ノ健康、技能、職業、将来ノ生計等ヲ斟酌シテ之ヲ課ス
3 十八歳未満ノ者ニ課ス可キ作業ニ付テハ前項ノ外特ニ教養ニ関スル事項ヲ斟酌ス

第二十五条 大祭祝日、一月一日二日及ヒ十二月三十一日ニハ就業ヲ免ス
2 父母ノ訃ニ接シタル者ハ三日間其就業ヲ免ス
3 法務大臣ハ必要ト認ムルトキハ臨時就業ヲ免スルコトヲ得
4 炊事、洒掃、看護其他刑事施設ノ経理ニ関シ必要ナル作業ニ就ク者ニ付テハ就業ヲ免セサルコトヲ得

第二十六条 削除

第二十七条 作業ノ収入ハ総テ国庫ノ所得トス
2 被収容者ニシテ作業ニ就クモノニハ法務省令ノ定ムル所ニ依リ作業賞与金ヲ給スルコトヲ得
3 作業賞与金ハ行状、作業ノ成績等ヲ斟酌シテ其額ヲ定ム

第二十八条 被収容者就業ニ因リ創傷ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リ之カ為メニ死亡シ又ハ業務ヲ営ミ難キニ至リタルトキハ情状ニ因リ手当金ヲ給スルコトヲ得
2 前項ノ手当金ハ釈放ノ際本人ニ之ヲ給シ死亡ノ場合ニ於テハ死亡者ノ父、母、配偶者又ハ子ニ之ヲ給ス

第六章 教誨及ヒ教育

第二十九条 被収容者教誨ヲ請フトキハ之ヲ許スコトヲ得

第三十条 削除

第三十一条 被収容者文書、図画ノ閲読ヲ請フトキハ之ヲ許ス
2 文書、図画ノ閲読ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

第七章 給養

第三十二条 監置ニ処セラレタル者ニハ一定ノ衣類臥具ヲ著用セシム但自衣ノ著用ヲ許スコトヲ得

第三十三条 刑事被告人ノ衣類臥具ハ自弁トシ其自弁スルコト能ハサル者ニハ之ヲ貸与ス
2 自弁ノ衣類臥具ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

第三十四条 被収容者ニハ其体質、健康、年齢、作業等ヲ斟酌シテ必要ナル糧食及ヒ飲料ヲ給ス

第三十五条 刑事被告人ニハ糧食ノ自弁ヲ許スコトヲ得

第八章 衛生及ヒ医療

第三十六条 被収容者ノ頭髪鬚髯ハ之ヲ翦剃セシムルコトヲ得但衛生上特ニ必要アリト認ムル場合ヲ除ク外其意思ニ反シテ之ヲ翦剃セシムルコトヲ得ス

第三十七条 被収容者ハ其拘禁セラルル居室ノ清潔ヲ保ツニ必要ナル用務ニ服ス可シ

第三十八条 被収容者ニハ其健康ヲ保ツニ必要ナル運動ヲ為サシム

第三十九条 被収容者ニハ感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律ニ定ムル感染症ノ予防ニ必要ト認ムル医術ヲ行フコトヲ得

第四十条 被収容者疾病ニ罹リタルトキハ医師ヲシテ治療セシメ必要アルトキハ之ヲ病室ニ収容ス

第四十一条 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律ニ定ムル感染症指定医療機関ヘノ入院ヲ要スル類型ノ感染症ニ罹リタル者ハ厳ニ之ヲ離隔シ健康者及ヒ他ノ病者ニ接近セシムルコトヲ得ス

第四十二条 病者医師ヲ指定シ自費ヲ以テ治療ヲ補助セシメンコトヲ請フトキハ情状ニ因リ之ヲ許スコトヲ得

第四十三条 精神病、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律ニ定ムル感染症其他ノ疾病ニ罹リ刑事施設ニ在テ適当ノ治療ヲ施スコト能ハスト認ムル病者ハ情状ニ因リ仮ニ之ヲ病院ニ移送スルコトヲ得

第四十四条 妊婦、産婦、老衰者及ヒ不具者ハ之ヲ病者ニ準スルコトヲ得

第九章 接見及ヒ信書

第四十五条 被収容者ニ接見センコトヲ請フ者アルトキハ之ヲ許ス
2 監置ニ処セラレタル者ニハ其親族ニ非サル者ト接見ヲ為サシムルコトヲ得ス但特ニ必要アリト認ムル場合ハ此限ニ在ラス

第四十六条 被収容者ニハ信書ヲ発シ又ハ之ヲ受クルコトヲ許ス
2 監置ニ処セラレタル者ニハ其親族ニ非サル者ト信書ノ発受ヲ為サシムルコトヲ得ス但特ニ必要アリト認ムル場合ハ此限ニ在ラス

第四十七条 監置ニ処セラレタル者ニ係ル信書ニシテ不適当ト認ムルモノハ其発受ヲ許サス
2 前項ニ依リ発受ヲ許ササル信書ハ二年ヲ経過シタル後之ヲ廃棄スルコトヲ得

第四十八条 裁判所其他ノ公務所ヨリ被収容者ニ宛テタル文書ハ披閲シテ之ヲ本人ニ交付ス

第四十九条 被収容者ニ交付シタル信書及ヒ前条ノ文書ハ本人閲読ノ後之ヲ領置ス

第五十条 接見ノ立会、信書ノ検閲其他接見及ヒ信書ニ関スル制限ハ法務省令ヲ以テ之ヲ定ム

第十章 領置

第五十一条 被収容者ノ携有スル物ハ点検シテ之ヲ領置ス
2 保存ノ価値ナク又ハ保存ニ不適当ト認ムル物ハ其領置ヲ為サス又ハ之ヲ解クコトヲ得
3 領置ヲ為サス又ハ之ヲ解キタル物ニ付キ被収容者相当ノ処分ヲ為ササルトキハ之ヲ廃棄スルコトヲ得

第五十二条 被収容者領置物ヲ以テ其父、母、配偶者又ハ子ノ扶助其他正当ノ用途ニ充テンコトヲ請フトキハ情状ニ因リ之ヲ許スコトヲ得

第五十三条 被収容者ニ差入ヲ為サンコトヲ請フ者アルトキハ法務省令ノ定ムル所ニ依リ之ヲ許スコトヲ得
2 被収容者ニ宛テ送致シ来リタル物ニシテ其差出人ノ氏名若クハ居所不明ナルトキ、其差入ヲ許ス可カラスト認ムルトキ又ハ被収容者ニ於テ其受領ヲ拒ミタルトキハ之ヲ没入又ハ廃棄スルコトヲ得

第五十四条 被収容者ノ私ニ所持スル物ハ之ヲ没入又ハ廃棄スルコトヲ得

第五十五条 領置物ハ釈放ノ際之ヲ交付ス

第五十六条 死亡者ノ遺留物ハ請求ニ因リ相続人又ハ親族ニ之ヲ交付ス

第五十七条 死亡者ノ遺留物ハ死亡ノ日ヨリ一年内ニ前条ニ掲ケタル者ノ請求ナキトキハ国庫ニ帰属ス
2 逃走者ノ遺留物ニシテ逃走ノ日ヨリ一年内ニ居所分明セサルトキ亦同シ

第十一章 懲罰

第五十八条 削除

第五十九条 被収容者紀律ニ違ヒタルトキハ懲罰ニ処ス

第六十条 懲罰ハ左ノ如シ
 一 叱責
 二 文書、図画閲読ノ三月以内ノ禁止
 三 請願作業ノ十日以内ノ停止
 四 自弁ニ係ル衣類臥具著用ノ十五日以内ノ停止
 五 糧食自弁ノ十五日以内ノ停止
 六 運動ノ五日以内ノ停止
 七 作業賞与金計算高ノ一部又ハ全部減削
 八 二月以内ノ軽屏禁
 九 七日以内ノ重屏禁
2 屏禁ハ受罰者ヲ罰室内ニ昼夜屏居セシメ情状ニ因リ就業セシメサルコトヲ得重屏禁ニ在テハ仍ホ罰室ヲ暗クシ臥具ヲ禁ス
3 第一項各号ノ懲罰ハ之ヲ併科スルコトヲ得

第六十一条 削除

第六十二条 懲罰ニ処セラレタル者疾病其他特別ノ事由アルトキハ其懲罰ノ執行ヲ停止スルコトヲ得
2 懲罰ニ処セラレタル者改悛ノ状著シキトキハ其懲罰ヲ免除スルコトヲ得

第十二章 釈放

第六十三条 被収容者ノ釈放ハ恩赦又ハ職権アル者ノ命令ニ因リ関係文書ヲ査閲シテ其手続ヲ為ス可シ

第六十四条 恩赦ヲ受ケタル者ハ其特赦状、減刑状又ハ刑ノ執行ノ免除状ノ刑事施設ニ達シタル後二十四時間内ニ之ヲ釈放ス

第六十五条 前条ノ場合ヲ除ク外命令ニ因リ釈放ヲ為ス可キ者ハ命令書ノ刑事施設ニ達シタル後十時間内ニ之ヲ釈放ス

第六十六条乃至第六十八条 削除

第六十九条 釈放セラル可キ者重キ疾病ニ罹リ刑事施設ニ於テ医療中ナルトキハ其請求ニ因リ仍ホ滞留セシムルコトヲ得

第七十条 釈放セラル可キ者帰住旅費又ハ相当ノ衣類ヲ有セサルトキハ旅費又ハ衣類ヲ給与スルコトヲ得

第十三章 死亡

第七十一条 死刑ノ執行ハ刑事施設内ノ刑場ニ於テ之ヲ為ス
2 大祭祝日、一月一日二日及ヒ十二月三十一日ニハ死刑ヲ執行セス

第七十二条 死刑ヲ執行スルトキハ絞首ノ後死相ヲ検シ仍ホ五分時ヲ経ルニ非サレハ絞縄ヲ解クコトヲ得ス

第七十三条 被収容者死亡シタルトキハ之ヲ仮葬ス
2 死体ハ必要ト認ムルトキハ之ヲ火葬スルコトヲ得
3 死体又ハ遺骨ハ仮葬後二年ヲ経テ之ヲ合葬スルコトヲ得

第七十四条 死亡者ノ親族故旧ニシテ死体又ハ遺骨ヲ請フ者アルトキハ何時ニテモ之ヲ交付スルコトヲ得但合葬後ハ此限ニ在ラス

   附 則

1 本法ハ刑法施行ノ日ヨリ之ヲ施行ス
2 監獄則ハ之ヲ廃止ス但懲治人ニ関スル規定ハ当分ノ内仍ホ其効力ヲ有ス

   附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。[後略]

   附 則 [平成16年6月9日法律第89号]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して二十日を経過した日から施行する。ただし、第一条中国際捜査共助法に第三章及び第四章を加える改正規定並びに附則第三条及び第五条の規定は、公布の日から起算して六月を経過した日から施行する。

   附 則 [平成17年5月25日法律第50号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。[後略]

(巡閲に関する経過措置)
第二条 この法律の施行の日(以下「施行日」という。)の属する年に行われた附則第十五条の規定による改正前の監獄法(明治四十一年法律第二十八号。以下「旧監獄法」という。)第四条第一項の規定による巡閲は、第五条の規定の適用については、同条の規定による実地監査とみなす。

(収容開始時の告知に関する特例)
第三条 第十五条第一項前段及び第二項の規定は、この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者についても、適用する。この場合において、同条第一項前段中「その刑事施設における収容の開始に際し」とあるのは、「この法律の施行後速やかに」とする。

(金品の取扱いに関する経過措置)
第四条 この法律の施行の際現に旧監獄法又はこれに基づく命令の規定により領置されている受刑者の金品は、第二十一条第二号に掲げる金品とみなして、第二十四条の規定を適用する。

(遺留物の措置に関する経過措置)
第五条 この法律の施行の際現に刑事施設に存する死亡者及び逃走者の遺留物(受刑者及び労役場留置の言渡しを受けた者に係るものに限る。)の措置については、なお従前の例による。

(作業報奨金に関する経過措置)
第六条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者については、この法律の施行の際に、旧監獄法第二十七条第二項の規定による未支給の作業賞与金があるときは、その額を報奨金計算額に加算する。
2 第七十七条第二項の規定は、受刑者が施行日前に行った作業については、適用しない。

(手当金に関する経過措置)
第七条 第七十九条(第五十九条第二項において準用する場合を含む。)の規定は、施行日前に受刑者が負傷し、又は疾病にかかった場合において、施行日以後に手当金の支給事由が生じたときについても、適用する。
2 受刑者について施行日前に支給事由が生じた旧監獄法第二十八条第一項(旧監獄法第二十一条第二項において準用する場合を含む。)の規定による未支給の手当金(死亡に係るものを除く。)の支給は、旧監獄法第二十八条第二項の規定にかかわらず、この法律の施行後速やかに行うものとする。

(発受を禁止した信書等の取扱いに関する経過措置)
第八条 旧監獄法第四十七条第一項の規定により発受を許されなかった受刑者に係る信書であって、この法律の施行の際現に旧監獄法に基づく命令の規定により保管されているものは、第九十九条第一項の規定により保管されている信書とみなす。

(懲罰に関する経過措置)
第九条 第百五条から第百十一条までの規定は、施行日前に受刑者がした旧監獄法第五十九条の規定により懲罰を科されるべき行為であって、この法律の施行の際まだ懲罰が科されていないものについても、適用する。この場合において、第百六条第二項中「同項第五号」とあるのは「同項第四号及び第五号」と、第百七条第一項中「次に」とあるのは「第一号、第二号及び第四号から第六号までに」とする。
2 施行日前に受刑者に科され、この法律の施行の際まだその執行が終わっていない懲罰は、次の各号に掲げるものに限り、当該各号に定める懲罰とみなして、施行日以後も執行するものとする。ただし、その執行の期間は、第一号に掲げる懲罰にあっては三十日から施行日前に執行した期間を除いた期間、第三号に掲げる懲罰にあっては六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)から施行日前に執行した期間を除いた期間を超えてはならない。
 一 旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰(同項第十一号の懲罰に併科されたものを除く。)であって、施行日前に執行した期間が三十日に満たないもの 第百六条第一項第四号の懲罰
 二 旧監獄法第六十条第一項第五号の懲罰 第百六条第一項第二号の懲罰
 三 旧監獄法第六十条第一項第十一号の懲罰であって、施行日前に執行した期間が六十日(懲罰を科した時に二十歳未満の者については、三十日)に満たないもの 第百六条第一項第六号の懲罰
3 前項の規定により同項第三号に掲げる懲罰の執行をする場合には、これに旧監獄法第六十条第一項第四号の懲罰が併科されていた場合を除き、第百七条第一項第三号に掲げる行為を停止してはならない。

(情願に関する経過措置)
第十二条 この法律の施行の際現に刑事施設に収容されている受刑者が施行日前に旧監獄法第七条の規定により行った情願であって、この法律の施行の際まだその処理がされていないものは、法務大臣に係るものにあっては第百二十一条第一項の規定により行った苦情の申出と、巡閲官吏に係るものにあっては第百二十二条第一項の規定により行った苦情の申出とみなす。

(労役場等への準用)
第十三条 附則第二条の規定は、労役場及び監置場について準用する。この場合において、同条中「第四条第一項」とあるのは「第八条第三項において準用する旧監獄法第四条第一項」と、「第五条」とあるのは「第百四十二条第三項において準用する第五条」と読み替えるものとする。

(罰則の適用に関する経過措置)
第十四条 施行日前にした行為並びに附則第十六条及び第二十五条の規定によりなお従前の例によることとされる場合における施行日以後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(監獄法の一部改正に伴う解放に関する経過措置)
第十六条 施行日前に旧監獄法第二十二条第一項(旧監獄法第九条において準用する場合を含む。)の規定により解放された者の出頭については、なお従前の例による。

以上

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