沿岸漁業改善資金助成法


公布:昭和54年4月27日法律第25号
施行:昭和54年4月27日
改正:平成5年5月6日法律第37号
施行:平成5年5月6日
改正:平成11年12月22日法律第160号
施行:平成13年1月6日
改正:平成14年6月19日法律第75号
施行:平成15年1月1日

(目的)
第一条 この法律は、沿岸漁業従事者等が沿岸漁業の経営若しくは操業状態又は生活の改善を図ることを目的として自主的に近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式若しくは漁ろうの安全の確保等のための施設又は合理的な生活方式を導入することを促進し、及び青年漁業者、漁業労働に従事する者その他の漁業を担うべき者が近代的な沿岸漁業の経営方法又は技術の実地の習得その他近代的な沿岸漁業の経営の基礎を形成することを助長するため、沿岸漁業従事者等に対する経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金の貸付けを行う都道府県に対し、政府が必要な助成を行う制度を確立し、もつて沿岸漁業の経営の健全な発展、漁業生産力の増大及び沿岸漁業の従事者の福祉の向上に資することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「沿岸漁業」とは、次に掲げる漁業をいう。
 一 政令で定める小型の漁船を使用して、又は漁船を使用しないで行う水産動植物の採捕の事業
 二 漁具を定置して行う水産動物の採捕の事業 (前号に該当するものを除く。)
 三 水産動植物の養殖の事業
2 この法律において「経営等改善資金」とは、沿岸漁業の経営又は操業状態の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式の導入(当該漁業技術又は当該漁業生産方式の導入と併せ行う水産物の合理的な加工方式の導入を含む。以下同じ。)又は漁ろうの安全の確保若しくは漁具の損壊の防止のための施設の導入に必要な資金で政令で定めるものをいう。
3 この法律において「生活改善資金」とは、沿岸漁業の従事者の生活の改善を促進するために普及を図る必要があると認められる合理的な生活方式の導入に必要な資金で政令で定めるものをいう。
4 この法律において「青年漁業者等養成確保資金」とは、青年漁業者、漁業労働に従事する者その他の漁業を担うべき者が近代的な沿岸漁業の経営を担当し、又は近代的な沿岸漁業の経営に係る漁業技術に従事するのにふさわしい者となるために必要な近代的な沿岸漁業の経営方法又は技術の実地の習得その他近代的な沿岸漁業の経営の基礎を形成するのに必要な資金で政令で定めるものをいう。

(政府の助成)
第三条 政府は、都道府県がこの法律の定めるところにより沿岸漁業の従事者、その組織する団体その他政令で定める者(以下「沿岸漁業従事者等」という。)に対する経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金の貸付けの事業を行うときは、当該都道府県に対し、予算の範囲内において、当該事業に必要な資金の一部に充てるため、補助金を交付することができる。ただし、当該事業に係る資金の額が当該事業を行うのに必要かつ適当と認められる一定額に達した都道府県については、この限りでない。
2 前項ただし書の一定額は、都道府県別に、農林水産大臣が財務大臣と協議して定める。

(貸付金の限度)
第四条 前条第一項の貸付けに係る資金(以下「貸付金」という。)の一沿岸漁業従事者等ごとの限度額は、経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金のそれぞれの種類ごとに、農林水産省令で定める。

(貸付金の利率等)
第五条 貸付金は、無利子とする。
2 貸付金の償還期間(据置期間を含む。)は、経営等改善資金、生活改善資金及び青年漁業者等養成確保資金のそれぞれの種類ごとに、十年を超えない範囲内で政令で定める期間とする。
3 貸付金の据置期間は、必要と認められる種類の貸付金につき三年を超えない範囲内で、その種類ごとに、政令で定める期間とする。

(担保又は保証人)
第六条 第三条第一項の貸付けについては、都道府県は、貸付金の貸付けを受ける者に対し、担保を提供させ、又は保証人を立てさせなければならない。
2 前項の保証人は、貸付金の貸付けを受けた者と連帯して債務を負担するものとする。

(貸付けの申請)
第七条 第三条第一項の貸付けは、同項に規定する者からの申請によつて行うものとする。

(貸付けを行う場合)
第八条 経営等改善資金の貸付けは、その申請者(その者が団体である場合には、その団体又はその団体を構成する者。以下同じ。)が申請に係る経営等改善資金をもつて近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式の導入又は漁ろうの安全の確保若しくは漁具の損壊の防止のための施設の導入を行うことによりその経営又は操業状態を改善する見込みがあり、かつ、申請に係る水域においては当該近代的な漁業技術その他合理的な漁業生産方式の導入又は当該施設の導入が必要であると認められる場合に限り、行うものとする。
2 生活改善資金の貸付けは、その申請者が申請に係る生活改善資金をもつて合理的な生活方式を導入することによりその生活を改善する見込みがあり、かつ、申請に係る地域においては当該生活方式を導入することが必要であると認められる場合に限り、行うものとする。
3 青年漁業者等養成確保資金の貸付けは、その申請者又はその申請者の漁業経営に係る漁業労働に従事する者が申請に係る青年漁業者等養成確保資金をもつて近代的な沿岸漁業の経営方法又は技術の実地の習得その他近代的な沿岸漁業の経営の基礎を形成することにより近代的な沿岸漁業の経営を担当し、又は近代的な沿岸漁業の経営に係る漁業技術に従事するのにふさわしい者として養成確保される見込みがある場合に限り、行うものとする。

(期限前償還)
第九条 都道府県は、貸付金の貸付けを受けた者が次の各号の一に該当する場合には、支払期日前に、当該貸付けを受けた者に対し、いつでも貸付金の全部又は一部の償還を請求することができる。
 一 貸付金を貸付けの目的以外の目的に使用したとき。
 二 償還金の支払を怠つたとき。
 三 前二号に掲げる場合のほか、正当な理由がなくて貸付けの条件に違反したとき。

(支払の猶予)
第十条 都道府県は、災害その他政令で定めるやむを得ない理由により貸付金の償還が著しく困難であると認められる場合には、償還金の支払を猶予することができる。

(違約金)
第十一条 都道府県は、貸付金の貸付けを受けた者が支払期日に償還金又は第九条の規定により償還をすべき金額を支払わなかつた場合には、延滞金額につき年十二・二五パーセントの割合をもつて支払期日の翌日から支払当日までの日数により計算した違約金を徴収するものとする。

(特別会計)
第十二条 都道府県が、第三条第一項に規定する事業を行う場合には、当該事業の経理は、政令で定めるところにより、特別会計を設けて行わなければならない。
2 前項の規定により設置する特別会計(以下「特別会計」という。)においては、一般会計からの繰入金、第三条第一項の規定による国からの補助金、貸付金の償還金(前条の規定による違約金を含む。)及び附属雑収入をもつてその歳入とし、貸付金、貸付けに関する事務費その他の諸費をもつてその歳出とする。

(事務の委託)
第十三条 都道府県は、政令で定めるところにより、その行う第三条第一項に規定する事業に係る事務の一部(貸付けの決定を除く。)を水産業協同組合法(昭和二十三年法律第二百四十二号)第八十七条第一項第三号及び第四号の事業を併せ行う漁業協同組合連合会その他政令で定める法人に委託することができる。
2 前項の漁業協同組合連合会その他政令で定める法人は、他の法律の規定にかかわらず、同項の規定による事務の委託を受け、当該事務を行うことができる。

(補助金の額)
第十四条 政府が第三条第一項の規定により交付する補助金の額は、都道府県が貸付金の財源に充てるため一般会計から特別会計に繰り入れる金額の二倍に相当する金額又は都道府県ごとに農林水産大臣が定める金額のいずれか低い額以内とする。

(納付金)
第十五条 都道府県は、第三条第一項に規定する事業を廃止したときは、政令で定めるところにより、その廃止の際における貸付金の未貸付額及びその後において支払を受けた貸付金の償還金の額の合計額の一部を政府から補助を受けた割合に応じて政府に納付しなければならない。

   附 則

1 この法律は、公布の日から施行する。
[2 農林水産省設置法(昭和二十四年法律第百五十三号)の一部改正]

   附 則 [平成5年5月6日法律第37号]

 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。[後略]

   附 則 [平成14年6月19日法律第75号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十五年一月一日から施行する。[後略]

以上

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