社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律

(廃止)

公布:平成12年5月24日法律第83号
施行:平成13年2月1日
改正:平成11年7月16日法律第104号
施行:平成13年1月6日
改正:平成11年12月22日法律第160号
施行:平成13年1月6日
改正:平成13年7月4日法律第101号
施行:平成14年4月1日
改正:平成15年5月30日法律第61号
施行:平成17年4月1日
改正:平成16年6月23日法律第130号
施行:平成17年4月1日
改正:平成16年6月23日法律第132号
施行:平成17年4月1日(附則第1条第1号),平成19年4月1日(附則第1条第3号)
改正:平成17年10月21日法律第102号
施行:平成19年10月1日
改正:平成18年6月14日法律第72号
施行:平成18年6月14日
廃止:平成19年6月27日法律第104号
施行:平成20年3月1日

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 国民年金法関係(第三条・第四条)
 第三章 厚生年金保険法関係(第五条−第七条)
 第四章 国家公務員共済組合法関係(第八条・第九条)
 第五章 地方公務員等共済組合法関係(第十条−第十二条)
 第六章 私立学校教職員共済法関係(第十三条・第十四条)
 第七章 削除
 第八章 雑則(第十七条−第二十条)
 附則

第一章 総則

(趣旨)
第一条 この法律は、社会保障に関する日本国とグレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国との間の協定(以下「協定」という。)を実施するため、日本国及び連合王国の両国において就労する者等に関する年金制度について、国民年金法(昭和三十四年法律第百四十一号)、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)、地方公務員等共済組合法(昭和三十七年法律第百五十二号)及び私立学校教職員共済法(昭和二十八年法律第二百四十五号)の特例その他必要な事項を定めるものとする。

(定義)
第二条 この法律において「連合王国」とは、グレート・ブリテン及び北部アイルランド連合王国をいう。
2 この法律において「連合王国年金法令」とは、協定第二条1(b)及び2に規定する連合王国の法令をいう。
3 この法律において「連合王国の領域」とは、連合王国の領域(マン島、ジャージー島及びガーンジー(ガーンジー、オールダニー、ハーム及びジェソウの諸島をいう。)を含む。)をいう。

第二章 国民年金法関係

(被保険者の資格の特例)
第三条 日本国内に住所を有する二十歳以上六十歳未満である者であって次の各号のいずれかに掲げるものは、国民年金法第七条第一項の規定にかかわらず、国民年金の被保険者としない。
 一 日本国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者(協定の規定により保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受けることとされた者を含むものとし、協定の規定により保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を免除することとされた者を除く。以下同じ。)として政令で定めるもの(第三号に掲げる者を除く。)
 二 連合王国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(次号に掲げる者を除く。)
 三 第五条第一項の規定により厚生年金保険の被保険者としないこととされた者、第八条の規定により国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者、第十条第一項の規定により地方公務員等共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者又は第十三条第一項の規定により私立学校教職員共済法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者
2 前項の規定は、社会保障に関する日本国とドイツ連邦共和国との間の協定(以下「ドイツとの協定」という。)の規定によりドイツ年金法令(ドイツとの協定第二条(1)(b)に規定する年金保険制度に係るドイツ連邦共和国の法令をいう。以下同じ。)の適用を受けないこととされた者については、適用しない。
3 第一項に規定する者の国民年金の被保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

(国民年金の任意加入の制限)
第四条 国民年金法附則第五条第一項の規定は、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者であって政令で定めるものについては、適用しない。ただし、同項第二号に該当する者については、この限りでない。

第三章 厚生年金保険法関係

(被保険者の資格の特例)
第五条 次の各号のいずれかに掲げる者は、厚生年金保険法第九条の規定にかかわらず、厚生年金保険の被保険者としない。
 一 日本国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(第三号及び第五号に掲げる者を除く。)
 二 連合王国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(次号及び第五号に掲げる者を除く。)
 三 日本国の領域及び連合王国の領域内において同時に就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(第五号に掲げる者を除く。)
 四 日本国又は連合王国の国籍を有する船舶において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの
 五 第八条の規定により国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者、第十条第一項の規定により地方公務員等共済組合法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者又は第十三条第一項の規定により私立学校教職員共済法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた者
2 前項の規定は、ドイツとの協定の規定によりドイツ年金法令の適用を受けないこととされた者については、適用しない。
3 第一項に規定する者の厚生年金保険の被保険者の資格の取得及び喪失に関し必要な事項は、政令で定める。

(厚生年金保険の任意単独加入の制限)
第六条 厚生年金保険法第十条の規定は、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者であって政令で定めるものについては、適用しない。

(厚生年金保険の加入の特例)
第七条 第五条第一項第二号に該当する者であって政令で定めるものは、同項の規定にかかわらず、社会保険庁長官に申し出て、厚生年金保険の被保険者となることができる。
2 前項の申出をした者は、その申出が受理されたときは、その日に、被保険者の資格を取得する。ただし、第五条第一項第二号に該当することとなった日から一月以内に前項の申出をした者は、その該当するに至った日に、被保険者の資格を取得する。
3 第一項の規定による被保険者は、いつでも、社会保険庁長官に申し出て、被保険者の資格を喪失することができる。
4 第一項の規定による被保険者は、次の各号のいずれかに該当するに至った日の翌日(その事実があった日に更に被保険者の資格を取得したとき、若しくは厚生年金保険法第十二条第一号ロに規定する共済組合の組合員若しくは同号ハに規定する私学教職員共済制度の加入者となったとき、又は同法第十四条第五号に該当するに至ったときは、その日)に、被保険者の資格を喪失する。
 一 厚生年金保険法第十四条第一号、第四号又は第五号に該当するに至ったとき。
 二 その事業所に使用されなくなったとき。
 三 厚生年金保険法第八条第一項の認可があったとき。
 四 前項の申出が受理されたとき。
 五 第五条第一項第二号に該当しなくなったとき。
5 第一項及び第三項に規定する社会保険庁長官の権限は、政令の定めるところにより、地方社会保険事務局長に委任することができる。
6 前項の規定により地方社会保険事務局長に委任された権限の一部は、政令の定めるところにより、社会保険事務所長に委任することができる。

第四章 国家公務員共済組合法関係

(長期給付に関する規定の適用範囲の特例)
第八条 国家公務員共済組合法の長期給付に関する規定は、同法第二条第一項第一号に規定する職員(同法第百二十四条の三、第百二十五条及び第百二十六条第二項の規定により当該職員とみなされる者並びに同法附則第二十条の三第四項の規定により当該職員とみなされる同条第一項に規定する郵政会社等役職員(同法附則第二十条の七第一項の規定により当該役職員とみなされる者を含む。)を含む。)のうち、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるものについては、適用しない。

(財務大臣の権限)
第九条 財務大臣は、協定及びこの法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、国家公務員共済組合又は国家公務員共済組合連合会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

第五章 地方公務員等共済組合法関係

(長期給付に関する規定の適用範囲の特例)
第十条 地方公務員等共済組合法(以下この章において「地共済法」という。)の長期給付に関する規定は、地共済法第二条第一項第一号に規定する職員(地共済法第百四十一条第一項及び第二項、第百四十一条の二、第百四十二条第一項並びに第百四十四条の三第一項の規定により当該職員とみなされる者を含む。)及び地共済法第百四十条第一項に規定する公庫等職員(同条第二項に規定する継続長期組合員の資格を有する者に限る。)のうち、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるものについては、適用しない。
2 地共済法の長期給付に関する規定の適用を受ける地方公務員共済組合の組合員が、前項の規定によりその適用を受けない地方公務員共済組合の組合員となったときは、地共済法の長期給付に関する規定の適用については、そのなった日の前日に退職(地共済法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)をしたものとみなす。

(主務大臣の権限)
第十一条 地共済法第百四十四条の二十九第一項に規定する主務大臣は、協定及びこの法律の適正な実施を確保するため必要があると認めるときは、同項に定めるところにより地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会又は地方公務員共済組合連合会に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

(地方公務員共済組合連合会の事業)
第十二条 地方公務員共済組合連合会は、地共済法第三十八条の二に規定する事業のほか、協定に基づく連絡機関としての事業を行うものとする。

第六章 私立学校教職員共済法関係

(長期給付に関する規定の適用範囲の特例)
第十三条 私立学校教職員共済法(以下この条において「私学共済法」という。)の長期給付に関する規定は、私学共済法第十四条第一項に規定する教職員等のうち、次の各号のいずれかに掲げるものについては、適用しない。
 一 日本国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(第三号に掲げる者を除く。)
 二 連合王国の領域内において就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの(次号に掲げる者を除く。)
 三 日本国の領域及び連合王国の領域内において同時に就労し、かつ、保険料の納付義務に関する連合王国年金法令の規定の適用を受ける者として政令で定めるもの
2 前項の規定は、ドイツとの協定の規定によりドイツ年金法令の適用を受けないこととされた者については、適用しない。
3 第一項第二号に該当する者であって政令で定めるものは、同項の規定にかかわらず、日本私立学校振興・共済事業団に申し出て、私学共済法の長期給付に関する規定の適用を受ける私学共済制度の加入者(私学共済法の規定による私立学校教職員共済制度の加入者をいう。以下この条において同じ。)となることができる。
4 前項の規定による私学共済制度の加入者は、いつでも、日本私立学校振興・共済事業団に申し出て、私学共済法の長期給付に関する規定の適用を受けない私学共済制度の加入者となることができる。
5 私学共済法の長期給付に関する規定の適用を受ける私学共済制度の加入者が、第一項又は前項の規定によりその適用を受けない私学共済制度の加入者となったときは、私学共済法の長期給付に関する規定の適用については、そのなった日の前日に退職(私学共済法第二十五条において準用する国家公務員共済組合法第二条第一項第四号に規定する退職をいう。)をしたものとみなす。
6 第一項又は第四項の規定により私学共済法の長期給付に関する規定を適用しないこととされた私学共済制度の加入者の私学共済法による掛金の標準給与の月額に対する割合は、政令で定める範囲内において、共済規程(私学共済法第四条第一項に規定する共済規程をいう。)で定める。

(文部科学大臣の権限)
第十四条 文部科学大臣は、協定及びこの法律を施行するため必要があると認めるときは、日本私立学校振興・共済事業団に対して、その業務に関し、監督上必要な命令をすることができる。

第七章 削除

第十五条及び第十六条 削除

第八章 雑則

(情報の提供等)
第十七条 社会保険庁長官、国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合、全国市町村職員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会又は日本私立学校振興・共済事業団(次項において「日本側保有機関」という。)は、国民年金法、厚生年金保険法、国家公務員共済組合法、地方公務員等共済組合法又は私立学校教職員共済法(以下この項及び第二十条において「公的年金各法」という。)の被保険者、組合員又は加入者に関する情報であってこの法律、公的年金各法その他関係法令の実施のために自らが保有するもの(以下この項において「保有情報」という。)を、保有情報の本人の権利義務に係る協定の規定の実施に必要な限度において、連合王国の権限のある当局に対して提供することができる。
2 日本側保有機関は、連合王国の権限のある当局から提供を受けた情報であって個人に関するものについて、個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十七号)、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十八号)又は独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律(平成十五年法律第五十九号)の規定によるほか、これらの法律における個人に関する情報の保護の措置に準じて、個人に関する情報の安全の確保その他の必要な措置を講じなければならない。

(経過措置)
第十八条 この法律に基づき政令を制定し、又は改廃する場合においては、政令で、その制定又は改廃に伴い合理的に必要と判断される範囲内において、所要の経過措置を定めることができる。

(実施命令)
第十九条 この法律に特別の規定があるものを除くほか、この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は、内閣府令・総務省令・文部科学省令、総務省令、財務省令、文部科学省令又は厚生労働省令で定める。

(政令への委任)
第二十条 前各条に規定するもののほか、公的年金各法の被保険者、組合員及び加入者の資格に関する事項その他の協定及びこの法律の実施に関し必要な事項は、政令で定める。

   附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、次条及び附則第三条の規定は、公布の日から施行する。

[第二条 独立行政法人通則法の施行に伴う関係法律の整備に関する法律(平成十一年法律第百四号)の一部改正]

[第三条 中央省庁等改革関係法施行法(平成十一年法律第百六十号)の一部改正]

   附 則 [平成11年12月22日法律第160号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。[後略]

   附 則 [平成13年7月4日法律第101号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十四年四月一日から施行する。

   附 則 [平成15年5月30日法律第61号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律の施行の日から施行する。

   附 則 [平成16年6月23日法律第130号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 二 第二条、第七条、第十条、第十三条及び第十八条並びに附則第九条から第十五条まで、第二十八条から第三十六条まで、第三十八条から第七十六条の二まで、第七十九条及び第八十一条の規定 平成十七年四月一日

   附 則 [平成16年6月23日法律第132号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第二条、第六条、第九条、第十二条及び第十四条並びに附則第九条から第十三条まで、第二十六条及び第二十七条の規定 平成十七年四月一日
 三 第四条、第七条、第十一条、第十五条及び第十六条並びに附則第十四条から第十八条まで、第二十条、第二十八条から第四十五条まで、第四十九条及び第五十条の規定 平成十九年四月一日

   附 則 [平成17年10月21日法律第102号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、郵政民営化法の施行の日から施行する。[後略]

   附 則 [平成18年6月14日法律第72号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、協定の効力発生の日から施行する。ただし、附則第三十七条から第四十五条までの規定は、公布の日から施行する。

以上

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