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会社更生法

第一章〜第三章 第四章〜第十二章・附則

公布:平成14年12月13日法律第154号
施行:平成15年4月1日
改正:平成15年3月31日法律第8号
施行:平成15年4月1日(附則第1条第4号ト:平成15年10月1日)
改正:平成15年8月1日法律第134号
施行:平成16年4月1日
改正:平成15年8月1日法律第138号
施行:平成16年3月1日
改正:平成16年6月2日法律第76号
施行:平成17年1月1日
改正:平成16年6月9日法律第88号
施行:平成21年1月5日(附則第1条ただし書:平成16年10月1日)
改正:平成16年6月18日法律第124号
施行:平成17年3月7日
改正:平成16年12月1日法律第147号
施行:平成17年4月1日
改正:平成17年3月31日法律第21号
施行:平成17年4月1日
改正:平成17年7月26日法律第第87号
施行:平成18年5月1日
改正:平成21年3月31日法律第13号
施行:平成21年4月1日
改正:平成23年6月30日法律第82号
施行:平成23年6月30日

 会社更生法(昭和二十七年法律第百七十二号)の全部を改正する。

目次

 第一章 総則(第一条−第十六条)
 第二章 更生手続開始の申立て及びこれに伴う保全措置
  第一節 更生手続開始の申立て(第十七条−第二十三条)
  第二節 更生手続開始の申立てに伴う保全措置
   第一款 開始前会社に関する他の手続の中止命令等(第二十四条−第二十七条)
   第二款 開始前会社の業務及び財産に関する保全処分等(第二十八条・第二十九条)
   第三款 保全管理命令(第三十条−第三十四条)
   第四款 監督命令(第三十五条−第三十八条)
   第五款 更生手続開始前の調査命令等(第三十九条−第四十条)
 第三章 更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等
  第一節 更生手続開始の決定(第四十一条−第四十四条)
  第二節 更生手続開始の決定に伴う効果(第四十五条−第六十六条)
  第三節 管財人
   第一款 管財人の選任及び監督(第六十七条−第七十一条)
   第二款 管財人の権限等(第七十二条−第八十二条)
   第三款 更生会社の財産状況の調査(第八十三条−第八十五条)
  第四節 否認権(第八十六条−第九十八条)
  第五節 更生会社の役員等の責任の追及(第九十九条−第百三条)
  第六節 担保権消滅の請求等
   第一款 担保権消滅の請求(第百四条−第百十二条)
   第二款 債権質の第三債務者の供託(第百十三条)
  第七節 関係人集会(第百十四条−第百十六条)
  第八節 更生債権者委員会及び代理委員等(第百十七条−第百二十四条)
  第九節 調査命令(第百二十五条・第百二十六条)
 第四章 共益債権及び開始後債権
  第一節 共益債権(第百二十七条−第百三十三条)
  第二節 開始後債権(第百三十四条)
 第五章 更生債権者及び更生担保権者
  第一節 更生債権者及び更生担保権者の手続参加(第百三十五条−第百三十七条)
  第二節 更生債権及び更生担保権の届出(第百三十八条−第百四十三条)
  第三節 更生債権及び更生担保権の調査及び確定
   第一款 更生債権及び更生担保権の調査(第百四十四条−第百五十条)
   第二款 更生債権及び更生担保権の確定のための裁判手続(第百五十一条−第百六十三条)
   第三款 租税等の請求権等についての特例(第百六十四条)
 第六章 株主(第百六十五条・第百六十六条)
 第七章 更生計画の作成及び認可
  第一節 更生計画の条項(第百六十七条−第百八十三条)
  第二節 更生計画案の提出(第百八十四条−第百八十八条)
  第三節 更生計画案の決議(第百八十九条−第百九十八条)
  第四節 更生計画の認可又は不認可の決定(第百九十九条−第二百二条)
 第八章 更生計画認可後の手続
  第一節 更生計画認可の決定の効力(第二百三条−第二百八条)
  第二節 更生計画の遂行(第二百九条−第二百三十二条)
  第三節 更生計画の変更(第二百三十三条)
 第九章 更生手続の終了
  第一節 更生手続の終了事由(第二百三十四条)
  第二節 更生計画認可前の更生手続の終了
   第一款 更生計画不認可の決定(第二百三十五条)
   第二款 更生計画認可前の更生手続の廃止(第二百三十六条−第二百三十八条)
  第三節 更生計画認可後の更生手続の終了
   第一款 更生手続の終結(第二百三十九条・第二百四十条)
   第二款 更生計画認可後の更生手続の廃止(第二百四十一条)
 第十章 外国倒産処理手続がある場合の特則(第二百四十二条−第二百四十五条)
 第十一章 更生手続と他の倒産処理手続との間の移行等
  第一節 破産手続から更生手続への移行(第二百四十六条・第二百四十七条)
  第二節 再生手続から更生手続への移行(第二百四十八条・第二百四十九条)
  第三節 更生手続から破産手続への移行(第二百五十条−第二百五十六条)
  第四節 更生手続の終了に伴う再生手続の続行(第二百五十七条)
 第十二章 雑則(第二百五十八条−第二百六十五条)
 第十三章 罰則(第二百六十六条−第二百七十六条)
 附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、窮境にある株式会社について、更生計画の策定及びその遂行に関する手続を定めること等により、債権者、株主その他の利害関係人の利害を適切に調整し、もって当該株式会社の事業の維持更生を図ることを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において「更生手続」とは、株式会社について、この法律の定めるところにより、更生計画を定め、更生計画が定められた場合にこれを遂行する手続(更生手続開始の申立てについて更生手続開始の決定をするかどうかに関する審理及び裁判をする手続を含む。)をいう。
2 この法律において「更生計画」とは、更生債権者等又は株主の権利の全部又は一部を変更する条項その他の第百六十七条に規定する条項を定めた計画をいう。
3 この法律において「更生事件」とは、更生手続に係る事件をいう。
4 この法律において「更生裁判所」とは、更生事件が係属している地方裁判所をいう。
5 この法律(第六条、第四十一条第一項第二号、第百五十五条第二項、第百五十九条、第二百四十六条第一項から第三項まで、第二百四十八条第一項から第三項まで、第二百五十条並びに第二百五十五条第一項及び第二項を除く。)において「裁判所」とは、更生事件を取り扱う一人の裁判官又は裁判官の合議体をいう。
6 この法律において「開始前会社」とは、更生裁判所に更生事件が係属している株式会社であって、更生手続開始の決定がされていないものをいう。
7 この法律において「更生会社」とは、更生裁判所に更生事件が係属している株式会社であって、更生手続開始の決定がされたものをいう。
8 この法律において「更生債権」とは、更生会社に対し更生手続開始前の原因に基づいて生じた財産上の請求権又は次に掲げる権利であって、更生担保権又は共益債権に該当しないものをいう。
 一 更生手続開始後の利息の請求権
 二 更生手続開始後の不履行による損害賠償又は違約金の請求権
 三 更生手続参加の費用の請求権
 四 第五十八条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)に規定する債権
 五 第六十一条第一項の規定により双務契約が解除された場合における相手方の損害賠償の請求権
 六 第六十三条において準用する破産法(平成十六年法律第七十五号)第五十八条第二項の規定による損害賠償の請求権
 七 第六十三条において準用する破産法第五十九条第一項の規定による請求権(更生会社の有するものを除く。)
 八 第九十一条の二第二項第二号又は第三号に定める権利
9 この法律において「更生債権者」とは、更生債権を有する者をいう。
10 この法律において「更生担保権」とは、更生手続開始当時更生会社の財産につき存する担保権(特別の先取特権、質権、抵当権及び商法(明治三十二年法律第四十八号)又は会社法(平成十七年法律第八十六号)の規定による留置権に限る。)の被担保債権であって更生手続開始前の原因に基づいて生じたもの又は第八項各号に掲げるもの(共益債権であるものを除く。)のうち、当該担保権の目的である財産の価額が更生手続開始の時における時価であるとした場合における当該担保権によって担保された範囲のものをいう。ただし、当該被担保債権(社債を除く。)のうち利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金の請求権の部分については、更生手続開始後一年を経過する時(その時までに更生計画認可の決定があるときは、当該決定の時)までに生ずるものに限る。
11 この法律において「更生担保権者」とは、更生担保権を有する者をいう。
12 この法律において「更生債権等」とは、更生債権又は更生担保権をいう。ただし、次章第二節においては、開始前会社について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権又は更生担保権となるものをいう。
13 この法律において「更生債権者等」とは、更生債権者又は更生担保権者をいう。ただし、次章第二節においては、開始前会社について更生手続開始の決定がされたとすれば更生債権者又は更生担保権者となるものをいう。
14 この法律において「更生会社財産」とは、更生会社に属する一切の財産をいう。
15 この法律において「租税等の請求権」とは、国税徴収法(昭和三十四年法律第百四十七号)又は国税徴収の例によって徴収することのできる請求権であって、共益債権に該当しないものをいう。

(外国人の地位)
第三条 外国人又は外国法人は、更生手続に関し日本人又は日本法人と同一の地位を有する。

(更生事件の管轄)
第四条 この法律の規定による更生手続開始の申立ては、株式会社が日本国内に営業所を有するときに限り、することができる。

第五条 更生事件は、株式会社の主たる営業所の所在地(外国に主たる営業所がある場合にあっては、日本における主たる営業所の所在地)を管轄する地方裁判所が管轄する。
2 前項の規定にかかわらず、更生手続開始の申立ては、株式会社の本店の所在地を管轄する地方裁判所にもすることができる。
3 第一項の規定にかかわらず、株式会社が他の株式会社の総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下同じ。)の過半数を有する場合には、当該他の株式会社(以下この項及び次項において「子株式会社」という。)について更生事件が係属しているときにおける当該株式会社(以下この項及び次項において「親株式会社」という。)についての更生手続開始の申立ては、子株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができ、親株式会社について更生事件が係属しているときにおける子株式会社についての更生手続開始の申立ては、親株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。
4 子株式会社又は親株式会社及び子株式会社が他の株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合には、当該他の株式会社を当該親株式会社の子株式会社とみなして、前項の規定を適用する。
5 第一項の規定にかかわらず、株式会社が最終事業年度について会社法第四百四十四条の規定により当該株式会社及び他の株式会社に係る連結計算書類(同条第一項に規定する連結計算書類をいう。)を作成し、かつ、当該株式会社の定時株主総会においてその内容が報告された場合には、当該他の株式会社について更生事件が係属しているときにおける当該株式会社についての更生手続開始の申立ては、当該他の株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができ、当該株式会社について更生事件が係属しているときにおける当該他の株式会社についての更生手続開始の申立ては、当該株式会社の更生事件が係属している地方裁判所にもすることができる。
6 第一項の規定にかかわらず、更生手続開始の申立ては、東京地方裁判所又は大阪地方裁判所にもすることができる。
7 前各項の規定により二以上の地方裁判所が管轄権を有するときは、更生事件は、先に更生手続開始の申立てがあった地方裁判所が管轄する。

(専属管轄)
第六条 この法律に規定する裁判所の管轄は、専属とする。

(更生事件の移送)
第七条 裁判所は、著しい損害又は遅滞を避けるため必要があると認めるときは、職権で、更生事件を次に掲げる地方裁判所のいずれかに移送することができる。
 一 更生手続開始の申立てに係る株式会社の営業所の所在地を管轄する地方裁判所
 二 前号の株式会社の財産の所在地(債権については、裁判上の請求をすることができる地)を管轄する地方裁判所
 三 第五条第二項から第六項までに規定する地方裁判所

(任意的口頭弁論等)
第八条 更生手続に関する裁判は、口頭弁論を経ないですることができる。
2 裁判所は、職権で、更生事件に関して必要な調査をすることができる。
3 裁判所は、必要があると認めるときは、開始前会社又は更生会社の事業を所管する行政庁及び租税等の請求権につき徴収の権限を有する者に対して、当該開始前会社又は当該更生会社の更生手続について意見の陳述を求めることができる。
4 前項に規定する行政庁又は徴収の権限を有する者は、裁判所に対して、同項に規定する開始前会社又は更生会社の更生手続について意見を述べることができる。

(不服申立て)
第九条 更生手続に関する裁判につき利害関係を有する者は、この法律に特別の定めがある場合に限り、当該裁判に対し即時抗告をすることができる。その期間は、裁判の公告があった場合には、その公告が効力を生じた日から起算して二週間とする。

(公告等)
第十条 この法律の規定による公告は、官報に掲載してする。
2 公告は、掲載があった日の翌日に、その効力を生ずる。
3 この法律の規定により送達をしなければならない場合には、公告をもって、これに代えることができる。ただし、この法律の規定によって公告及び送達をしなければならない場合は、この限りでない。
4 この法律の規定により裁判の公告がされたときは、一切の関係人に対して当該裁判の告知があったものとみなす。
5 前二項の規定は、この法律に特別の定めがある場合には、適用しない。

(事件に関する文書の閲覧等)
第十一条 利害関係人は、裁判所書記官に対し、この法律(この法律において準用する他の法律を含む。)の規定に基づき、裁判所に提出され、又は裁判所が作成した文書その他の物件(以下この条及び次条第一項において「文書等」という。)の閲覧を請求することができる。
2 利害関係人は、裁判所書記官に対し、文書等の謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又は事件に関する事項の証明書の交付を請求することができる。
3 前項の規定は、文書等のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
4 前三項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる者は、当該各号に定める命令、保全処分、許可又は裁判のいずれかがあるまでの間は、前三項の規定による請求をすることができない。ただし、当該者が更生手続開始の申立人である場合は、この限りでない。
 一 開始前会社以外の利害関係人 第二十四条第一項若しくは第二項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第二十九条第三項の規定による許可、第三十条第二項に規定する保全管理命令、第三十五条第二項に規定する監督命令、第三十九条の二第一項の規定による保全処分又は更生手続開始の申立てについての裁判
 二 開始前会社 更生手続開始の申立てに関する口頭弁論若しくは開始前会社を呼び出す審尋の期日の指定の裁判又は前号に定める命令、保全処分、許可若しくは裁判

(支障部分の閲覧等の制限)
第十二条 次に掲げる文書等について、利害関係人がその閲覧若しくは謄写、その正本、謄本若しくは抄本の交付又はその複製(以下この条において「閲覧等」という。)を行うことにより、更生会社(開始前会社及び開始前会社又は更生会社であった株式会社を含む。以下この条において同じ。)の事業の維持更生に著しい支障を生ずるおそれ又は更生会社の財産に著しい損害を与えるおそれがある部分(以下この条において「支障部分」という。)があることにつき疎明があった場合には、裁判所は、当該文書等を提出した保全管理人、管財人又は調査委員の申立てにより、支障部分の閲覧等の請求をすることができる者を、当該申立てをした者及び更生会社(管財人又は保全管理人が選任されている場合にあっては、管財人又は保全管理人。次項において同じ。)に限ることができる。
 一 第三十二条第一項ただし書、第四十六条第二項前段又は第七十二条第二項(第三十二条第三項において準用する場合を含む。)の許可を得るために裁判所に提出された文書等
 二 第八十四条第二項の規定による報告又は第百二十五条第二項に規定する調査若しくは意見陳述に係る文書等
2 前項の申立てがあったときは、その申立てについての裁判が確定するまで、利害関係人(同項の申立てをした者及び更生会社を除く。次項において同じ。)は、支障部分の閲覧等の請求をすることができない。
3 支障部分の閲覧等の請求をしようとする利害関係人は、更生裁判所に対し、第一項に規定する要件を欠くこと又はこれを欠くに至ったことを理由として、同項の規定による決定の取消しの申立てをすることができる。
4 第一項の申立てを却下した決定及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 第一項の規定による決定を取り消す決定は、確定しなければその効力を生じない。

(民事訴訟法の準用)
第十三条 更生手続に関しては、特別の定めがある場合を除き、民事訴訟法(平成八年法律第百九号)の規定を準用する。

(最高裁判所規則)
第十四条 この法律に定めるもののほか、更生手続に関し必要な事項は、最高裁判所規則で定める。

第十五条及び第十六条 削除

第二章 更生手続開始の申立て及びこれに伴う保全措置

第一節 更生手続開始の申立て

(更生手続開始の申立て)
第十七条 株式会社は、当該株式会社に更生手続開始の原因となる事実(次の各号に掲げる場合のいずれかに該当する事実をいう。)があるときは、当該株式会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
 一 破産手続開始の原因となる事実が生ずるおそれがある場合
 二 弁済期にある債務を弁済することとすれば、その事業の継続に著しい支障を来すおそれがある場合
2 株式会社に前項第一号に掲げる場合に該当する事実があるときは、次に掲げる者も、当該株式会社について更生手続開始の申立てをすることができる。
 一 当該株式会社の資本金の額の十分の一以上に当たる債権を有する債権者
 二 当該株式会社の総株主の議決権の十分の一以上を有する株主

(破産手続開始等の申立義務と更生手続開始の申立て)
第十八条 他の法律の規定により株式会社の清算人が当該株式会社に対して破産手続開始又は特別清算開始の申立てをしなければならない場合においても、更生手続開始の申立てをすることを妨げない。

(解散後の株式会社による更生手続開始の申立て)
第十九条 清算中、特別清算中又は破産手続開始後の株式会社がその更生手続開始の申立てをするには、会社法第三百九条第二項に定める決議によらなければならない。

(疎明)
第二十条 更生手続開始の申立てをするときは、第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実を疎明しなければならない。
2 第十七条第二項の規定により債権者又は株主が申立てをするときは、その有する債権の額又は議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。)の数をも疎明しなければならない。

(費用の予納)
第二十一条 更生手続開始の申立てをするときは、申立人は、更生手続の費用として裁判所の定める金額を予納しなければならない。
2 費用の予納に関する決定に対しては、即時抗告をすることができる。

(意見の聴取等)
第二十二条 裁判所は、第十七条の規定による更生手続開始の申立てがあった場合には、当該申立てを棄却すべきこと又は更生手続開始の決定をすべきことが明らかである場合を除き、当該申立てについての決定をする前に、開始前会社の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、開始前会社の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは開始前会社の使用人の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない。
2 第十七条第二項の規定により債権者又は株主が更生手続開始の申立てをした場合においては、裁判所は、当該申立てについての決定をするには、開始前会社の代表者(外国に本店があるときは、日本における代表者)を審尋しなければならない。

(更生手続開始の申立ての取下げの制限)
第二十三条 更生手続開始の申立てをした者は、更生手続開始の決定前に限り、当該申立てを取り下げることができる。この場合において、次条第一項若しくは第二項の規定による中止の命令、第二十五条第二項に規定する包括的禁止命令、第二十八条第一項の規定による保全処分、第二十九条第三項の規定による許可、第三十条第二項に規定する保全管理命令、第三十五条第二項に規定する監督命令又は第三十九条の二第一項の規定による保全処分があった後は、裁判所の許可を得なければならない。

第二節 更生手続開始の申立てに伴う保全措置

第一款 開始前会社に関する他の手続の中止命令等

(他の手続の中止命令等)
第二十四条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、次に掲げる手続の中止を命ずることができる。ただし、第二号に掲げる手続については、その手続の申立人である更生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがない場合に限る。
 一 開始前会社についての破産手続、再生手続又は特別清算手続
 二 強制執行等(更生債権等に基づく強制執行、仮差押え、仮処分若しくは担保権の実行又は更生債権等を被担保債権とする留置権による競売をいう。)の手続で、開始前会社の財産に対して既にされているもの
 三 開始前会社に対して既にされている企業担保権の実行手続
 四 開始前会社の財産関係の訴訟手続
 五 開始前会社の財産関係の事件で行政庁に係属しているものの手続
2 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、職権で、国税滞納処分(共益債権を徴収するためのものを除き、国税滞納処分の例による処分(共益債権を徴収するためのものを除く。)を含む。)で、開始前会社の財産に対して既にされているものの中止を命ずることができる。ただし、あらかじめ、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。
3 前項の規定による中止の命令は、更生手続開始の申立てについて決定があったとき、又は中止を命ずる決定があった日から二月を経過したときは、その効力を失う。
4 裁判所は、第一項及び第二項の規定による中止の命令を変更し、又は取り消すことができる。
5 裁判所は、開始前会社の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第一項第二号の規定により中止した同号に規定する強制執行等の手続又は第二項の規定により中止した同項に規定する国税滞納処分の取消しを命ずることができる。ただし、当該国税滞納処分の取消しを命ずる場合においては、あらかじめ、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。
6 第一項又は第二項の規定による中止の命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。
7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
8 第六項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

(包括的禁止命令)
第二十五条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、前条第一項第二号又は第二項の規定による中止の命令によっては更生手続の目的を十分に達成することができないおそれがあると認めるべき特別の事情があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、すべての更生債権者等に対し、同条第一項第二号に規定する強制執行等及び同条第二項に規定する国税滞納処分の禁止を命ずることができる。ただし、事前に又は同時に、開始前会社の主要な財産に関し第二十八条第一項の規定による保全処分をした場合又は第三十条第二項に規定する保全管理命令若しくは第三十五条第二項に規定する監督命令をした場合に限る。
2 前項の規定による禁止の命令(以下「包括的禁止命令」という。)を発する場合において、裁判所は、相当と認めるときは、一定の範囲に属する前条第一項第二号に規定する強制執行等又は同条第二項に規定する国税滞納処分を包括的禁止命令の対象から除外することができる。
3 包括的禁止命令が発せられた場合には、次の各号に掲げる手続で、開始前会社の財産に対して既にされているもの(当該包括的禁止命令により禁止されることとなるものに限る。)は、当該各号に定める時までの間、中止する。
 一 前条第一項第二号に規定する強制執行等の手続 更生手続開始の申立てについての決定があった時
 二 前条第二項に規定する国税滞納処分 前号に定める時又は当該包括的禁止命令の日から二月が経過した時のいずれか早い時
4 裁判所は、包括的禁止命令を変更し、又は取り消すことができる。
5 裁判所は、開始前会社の事業の継続のために特に必要があると認めるときは、開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより、担保を立てさせて、第三項の規定により中止した同項各号に掲げる手続の取消しを命ずることができる。ただし、前条第二項に規定する国税滞納処分の取消しを命ずる場合においては、あらかじめ、徴収の権限を有する者の意見を聴かなければならない。
6 包括的禁止命令、第四項の規定による決定及び前項の規定による取消しの命令に対しては、即時抗告をすることができる。
7 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
8 包括的禁止命令が発せられたときは、更生債権等(当該包括的禁止命令により前条第一項第二号に規定する強制執行等又は同条第二項に規定する国税滞納処分が禁止されているものに限る。)については、当該包括的禁止命令が効力を失った日の翌日から二月を経過する日までの間は、時効は、完成しない。

(包括的禁止命令に関する公告及び送達等)
第二十六条 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定があった場合には、その旨を公告し、その裁判書を開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人。次項において同じ。)及び申立人に送達し、かつ、その決定の主文を知れている更生債権者等及び開始前会社(保全管理人が選任されている場合に限る。)に通知しなければならない。
2 包括的禁止命令及びこれを変更し、又は取り消す旨の決定は、開始前会社に対する裁判書の送達がされた時から、効力を生ずる。
3 前条第五項の規定による取消しの命令及び同条第六項の即時抗告についての裁判(包括的禁止命令を変更し、又は取り消す旨の決定を除く。)があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。

(包括的禁止命令の解除)
第二十七条 裁判所は、包括的禁止命令を発した場合において、第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の申立人である更生債権者等に不当な損害を及ぼすおそれがあると認めるときは、当該更生債権者等の申立てにより、当該更生債権者等に限り当該包括的禁止命令を解除する旨の決定をすることができる。この場合において、当該更生債権者等は、開始前会社の財産に対する当該強制執行等をすることができ、当該包括的禁止命令が発せられる前に当該更生債権者等がした当該強制執行等の手続は、続行する。
2 前項の規定は、裁判所が第二十四条第二項に規定する国税滞納処分を行う者に不当な損害を及ぼすおそれがあると認める場合について準用する。
3 第一項(前項において準用する場合を含む。次項及び第六項において同じ。)の規定による解除の決定を受けた者に対する第二十五条第八項の規定の適用については、同項中「当該包括的禁止命令が効力を失った日」とあるのは、「第二十七条第一項(同条第二項において準用する場合を含む。)の規定による解除の決定があった日」とする。
4 第一項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6 第一項の申立てについての裁判及び第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

第二款 開始前会社の業務及び財産に関する保全処分等

(開始前会社の業務及び財産に関する保全処分)
第二十八条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合には、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、開始前会社の業務及び財産に関し、開始前会社の財産の処分禁止の仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
3 第一項の規定による保全処分及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
6 裁判所が第一項の規定により開始前会社が更生債権者等に対して弁済その他の債務を消滅させる行為をすることを禁止する旨の保全処分を命じた場合には、更生債権者等は、更生手続の関係においては、当該保全処分に反してされた弁済その他の債務を消滅させる行為の効力を主張することができない。ただし、更生債権者等が、その行為の当時、当該保全処分がされたことを知っていたときに限る。

(更生手続開始前における商事留置権の消滅請求)
第二十九条 開始前会社の財産につき商法又は会社法の規定による留置権がある場合において、当該財産が開始前会社の事業の継続に欠くことのできないものであるときは、開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)は、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、留置権者に対して、当該留置権の消滅を請求することができる。
2 前項の請求をするには、同項の財産の価額に相当する金銭を、同項の留置権者に弁済しなければならない。
3 第一項の請求及び前項の弁済をするには、裁判所の許可を得なければならない。
4 前項の規定による許可があった場合における第二項の弁済の額が第一項の財産の価額を満たすときは、当該弁済の時又は同項の請求の時のいずれか遅い時に、同項の留置権は消滅する。
5 前項の規定により第一項の留置権が消滅したことを原因とする同項の財産の返還を求める訴訟においては、第二項の弁済の額が当該財産の価額を満たさない場合においても、原告の申立てがあり、当該訴訟の受訴裁判所が相当と認めるときは、当該受訴裁判所は、相当の期間内に不足額を弁済することを条件として、第一項の留置権者に対して、当該財産を返還することを命ずることができる。

第三款 保全管理命令

(保全管理命令)
第三十条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、開始前会社の業務及び財産に関し、保全管理人による管理を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下「保全管理命令」という。)をする場合には、当該保全管理命令において、一人又は数人の保全管理人を選任しなければならない。ただし、第六十七条第三項に規定する者は、保全管理人に選任することができない。
3 裁判所は、保全管理命令を変更し、又は取り消すことができる。
4 保全管理命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

(保全管理命令に関する公告及び送達)
第三十一条 裁判所は、保全管理命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。保全管理命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
2 保全管理命令、前条第三項の規定による決定及び同条第四項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。

(保全管理人の権限)
第三十二条 保全管理命令が発せられたときは、開始前会社の事業の経営並びに財産(日本国内にあるかどうかを問わない。)の管理及び処分をする権利は、保全管理人に専属する。ただし、保全管理人が開始前会社の常務に属しない行為をするには、裁判所の許可を得なければならない。
2 前項ただし書の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
3 第七十二条第二項及び第三項の規定は、保全管理人について準用する。

(保全管理人代理)
第三十三条 保全管理人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の保全管理人代理を選任することができる。ただし、第六十七条第三項に規定する者は、保全管理人代理に選任することができない。
2 前項の保全管理人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

(準用)
第三十四条 第五十四条、第五十七条、第五十九条、第六十七条第二項、第六十八条、第六十九条、第七十三条、第七十四条第一項、第七十六条から第八十条まで、第八十一条第一項から第四項まで及び第八十二条第一項から第三項までの規定は保全管理人について、第八十一条第一項から第四項までの規定は保全管理人代理について、それぞれ準用する。この場合において、第五十九条中「第四十三条第一項の規定による公告」とあるのは「第三十一条第一項の規定による公告」と、第八十二条第二項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人又は管財人」と、同条第三項中「後任の管財人」とあるのは「後任の保全管理人、管財人」と読み替えるものとする。
2 第五十二条第一項から第三項までの規定は保全管理命令が発せられた場合について、同条第四項から第六項までの規定は保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。)について、それぞれ準用する。
3 開始前会社の財産関係の事件で行政庁に係属するものについては、次の各号に掲げる場合には、当該各号に定める規定を準用する。
 一 保全管理命令が発せられた場合 第五十二条第一項から第三項まで
 二 保全管理命令が効力を失った場合(更生手続開始の決定があった場合を除く。) 第五十二条第四項から第六項まで
4 第六十五条の規定は、保全管理人が選任されている期間中に取締役、執行役又は清算人が自己又は第三者のために開始前会社の事業の部類に属する取引をしようとする場合について準用する。
5 第六十六条第一項本文の規定は、保全管理人が選任されている期間中における開始前会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人について準用する。

第四款 監督命令

(監督命令)
第三十五条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった場合において、更生手続の目的を達成するために必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、更生手続開始の申立てにつき決定があるまでの間、監督委員による監督を命ずる処分をすることができる。
2 裁判所は、前項の処分(以下「監督命令」という。)をする場合には、当該監督命令において、一人又は数人の監督委員を選任し、かつ、その同意を得なければ開始前会社がすることができない行為を指定しなければならない。
3 前項に規定する監督委員の同意を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
4 裁判所は、監督命令を変更し、又は取り消すことができる。
5 監督命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

(監督命令に関する公告及び送達)
第三十六条 裁判所は、監督命令を発したときは、その旨を公告しなければならない。監督命令を変更し、又は取り消す旨の決定があった場合も、同様とする。
2 監督命令、前条第四項の規定による決定及び同条第五項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。
3 第十条第四項の規定は、第一項の場合については、適用しない。

(取締役等の管財人の適性に関する調査)
第三十七条 裁判所は、監督委員に対して、開始前会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人若しくは清算人若しくはこれらの者であった者又は発起人、設立時取締役若しくは設立時監査役であった者のうち裁判所の指定する者が管財人又は管財人代理の職務を行うに適した者であるかどうかについて調査し、かつ、裁判所の定める期間内に当該調査の結果を報告すべきことを命ずることができる。

(準用)
第三十八条 第六十七条第二項、第六十八条、第六十九条第一項、第七十七条、第八十条及び第八十一条第一項から第四項までの規定は、監督委員について準用する。

第五款 更生手続開始前の調査命令等

(更生手続開始前の調査命令)
第三十九条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする第百二十五条第二項に規定する調査命令を発することができる。
 一 第十七条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実及び第四十一条第一項第二号から第四号までに掲げる事由の有無、開始前会社の業務及び財産の状況その他更生手続開始の申立てについての判断をするのに必要な事項並びに更生手続を開始することの当否
 二 第二十八条第一項の規定による保全処分、保全管理命令、監督命令、次条若しくは第四十条の規定による保全処分又は第百条第一項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分、命令又は決定の要否
 三 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項

(否認権のための保全処分)
第三十九条の二 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間において、否認権を保全するため必要があると認めるときは、利害関係人(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、仮差押え、仮処分その他の必要な保全処分を命ずることができる。
2 前項の規定による保全処分は、担保を立てさせて、又は立てさせないで命ずることができる。
3 裁判所は、申立てにより又は職権で、第一項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
4 第一項の規定による保全処分及び前項の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

(更生手続開始前の役員等の財産に対する保全処分)
第四十条 裁判所は、更生手続開始の申立てがあった時から当該申立てについての決定があるまでの間においても、緊急の必要があると認めるときは、開始前会社(保全管理人が選任されている場合にあっては、保全管理人)の申立てにより又は職権で、第九十九条第一項各号に掲げる保全処分をすることができる。
2 第九十九条第二項から第五項までの規定は、前項の規定による保全処分があった場合について準用する。

第三章 更生手続開始の決定及びこれに伴う効果等

第一節 更生手続開始の決定

(更生手続開始の決定)
第四十一条 裁判所は、第十七条の規定による更生手続開始の申立てがあった場合において、同条第一項に規定する更生手続開始の原因となる事実があると認めるときは、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、更生手続開始の決定をする。
 一 更生手続の費用の予納がないとき。
 二 裁判所に破産手続、再生手続又は特別清算手続が係属し、その手続によることが債権者の一般の利益に適合するとき。
 三 事業の継続を内容とする更生計画案の作成若しくは可決の見込み又は事業の継続を内容とする更生計画の認可の見込みがないことが明らかであるとき。
 四 不当な目的で更生手続開始の申立てがされたとき、その他申立てが誠実にされたものでないとき。
2 前項の決定は、その決定の時から、効力を生ずる。

(更生手続開始の決定と同時に定めるべき事項)
第四十二条 裁判所は、更生手続開始の決定と同時に、一人又は数人の管財人を選任し、かつ、更生債権等の届出をすべき期間及び更生債権等の調査をするための期間を定めなければならない。
2 前項の場合において、知れている更生債権者等の数が千人以上であり、かつ、相当と認めるときは、裁判所は、次条第五項本文において準用する同条第三項第一号及び第四十四条第三項本文の規定による知れている更生債権者等に対する通知をせず、かつ、第百三十八条から第百四十条まで又は第百四十二条の規定により更生債権等の届出をした更生債権者等(以下「届出をした更生債権者等」という。)を関係人集会(更生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨の決定をすることができる。

(更生手続開始の公告等)
第四十三条 裁判所は、更生手続開始の決定をしたときは、直ちに、次に掲げる事項を公告しなければならない。ただし、第五号に規定する社債管理者等がないときは、同号に掲げる事項については、公告することを要しない。
 一 更生手続開始の決定の主文
 二 管財人の氏名又は名称
 三 前条第一項の規定により定めた期間
 四 財産所持者等(更生会社の財産の所持者及び更生会社に対して債務を負担する者をいう。)は、更生会社にその財産を交付し、又は弁済をしてはならない旨
 五 更生会社が発行した社債について社債管理者等(社債管理者又は担保付社債信託法(明治三十八年法律第五十二号)第二条第一項に規定する信託契約の受託会社をいう。)がある場合における当該社債についての更生債権者等の議決権は、第百九十条第一項各号のいずれかに該当する場合(同条第三項の場合を除く。)でなければ行使することができない旨
2 前条第二項の決定があったときは、裁判所は、前項各号に掲げる事項のほか、第五項本文において準用する次項第一号及び次条第三項本文の規定による知れている更生債権者等に対する通知をせず、かつ、届出をした更生債権者等を関係人集会(更生計画案の決議をするためのものを除く。)の期日に呼び出さない旨をも公告しなければならない。
3 次に掲げる者には、前二項の規定により公告すべき事項を通知しなければならない。
 一 管財人、更生会社及び知れている更生債権者等
 二 知れている株主
 三 第一項第四号に規定する財産所持者等であって知れているもの
 四 保全管理命令、監督命令又は第三十九条の規定による調査命令があった場合における保全管理人、監督委員又は調査委員
4 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合には、それぞれ当該各号に定める者に対しては、同項の規定による通知をすることを要しない。
 一 更生会社がその財産をもって約定劣後更生債権(更生債権者と更生会社との間において、更生手続開始前に、当該会社について破産手続が開始されたとすれば当該破産手続におけるその配当の順位が破産法第九十九条第一項に規定する劣後的破産債権に後れる旨の合意がされた債権をいう。以下同じ。)に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にあることが明らかである場合 約定劣後更生債権を有する者であって知れているもの
 二 更生会社がその財産をもって債務を完済することができない状態にあることが明らかである場合 知れている株主
5 第一項第二号、第三項第一号から第三号まで及び前項の規定は第一項第二号に掲げる事項に変更を生じた場合について、第一項第三号、第三項第一号及び第二号並びに前項の規定は第一項第三号に掲げる事項に変更を生じた場合(更生債権等の届出をすべき期間に変更を生じた場合に限る。)について準用する。ただし、前条第二項の決定があったときは、知れている更生債権者等に対しては、当該通知をすることを要しない。

(抗告)
第四十四条 更生手続開始の申立てについての裁判に対しては、即時抗告をすることができる。
2 前章第二節の規定は、更生手続開始の申立てを棄却する決定に対して前項の即時抗告があった場合について準用する。
3 更生手続開始の決定をした裁判所は、第一項の即時抗告があった場合において、当該決定を取り消す決定が確定したときは、直ちにその主文を公告し、かつ、前条第三項各号(第四号を除く。)に掲げる者(同条第四項の規定により通知を受けなかった者を除く。)にその主文を通知しなければならない。ただし、第四十二条第二項の決定があったときは、知れている更生債権者等に対しては、当該通知をすることを要しない。

第二節 更生手続開始の決定に伴う効果

(更生会社の組織に関する基本的事項の変更の禁止)
第四十五条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生会社について次に掲げる行為を行うことができない。
 一 株式の消却、併合若しくは分割、株式無償割当て又は募集株式(会社法第百九十九条第一項に規定する募集株式をいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集
 二 募集新株予約権(会社法第二百三十八条第一項に規定する募集新株予約権をいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集、新株予約権の消却又は新株予約権無償割当て
 三 資本金又は準備金(資本準備金及び利益準備金をいう。以下同じ。)の額の減少
 四 剰余金の配当その他の会社法第四百六十一条第一項各号に掲げる行為
 五 解散又は株式会社の継続
 六 募集社債(会社法第六百七十六条に規定する募集社債をいう。以下同じ。)を引き受ける者の募集
 七 持分会社への組織変更又は合併、会社分割、株式交換若しくは株式移転
2 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによるか、又は裁判所の許可を得なければ、更生会社の定款の変更をすることができない。

(事業の譲渡)
第四十六条 更生手続開始後その終了までの間においては、更生計画の定めるところによらなければ、更生会社の事業の全部の譲渡又は事業の重要な一部の譲渡(会社法第四百六十七条第一項第二号に規定する事業の重要な一部の譲渡をいう。以下この条において同じ。)をすることができない。ただし、次項から第八項までの規定により更生会社の事業の全部の譲渡又は事業の重要な一部の譲渡をする場合は、この限りでない。
2 更生手続開始後更生計画案を決議に付する旨の決定がされるまでの間においては、管財人は、裁判所の許可を得て、更生会社の事業の全部の譲渡又は事業の重要な一部の譲渡をすることができる。この場合において、裁判所は、当該譲渡が当該更生会社の事業の更生のために必要であると認める場合に限り、許可をすることができる。
3 裁判所は、前項の許可をする場合には、次に掲げる者の意見を聴かなければならない。
 一 知れている更生債権者(更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって約定劣後更生債権に優先する債権に係る債務を完済することができない状態にある場合における当該約定劣後更生債権を有する者を除く。)。ただし、第百十七条第二項に規定する更生債権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
 二 知れている更生担保権者。ただし、第百十七条第六項に規定する更生担保権者委員会があるときは、その意見を聴けば足りる。
 三 労働組合等(更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、更生会社の使用人の過半数で組織する労働組合がないときは更生会社の使用人の過半数を代表する者をいう。)
4 管財人は、第二項の規定により更生会社の事業の全部の譲渡又は事業の重要な一部の譲渡をしようとする場合には、あらかじめ、次に掲げる事項を公告し、又は株主に通知しなければならない。
 一 当該譲渡の相手方、時期及び対価並びに当該譲渡の対象となる事業の内容
 二 当該譲渡に反対の意思を有する株主は、当該公告又は当該通知があった日から二週間以内にその旨を書面をもって管財人に通知すべき旨
5 前項の規定による株主に対する通知は、株主名簿に記載され、若しくは記録された住所又は株主が更生会社若しくは管財人に通知した場所若しくは連絡先にあてて、することができる。
6 第四項の規定による株主に対する通知は、その通知が通常到達すべきであった時に、到達したものとみなす。
7 裁判所は、次の各号のいずれかに該当する場合には、第二項の許可をすることができない。
 一 第四項の規定による公告又は通知があった日から一月を経過した後に第二項の許可の申立てがあったとき。
 二 第四項第二号に規定する期間内に、更生会社の総株主の議決権の三分の一を超える議決権を有する株主が、書面をもって管財人に第二項の譲渡に反対の意思を有する旨の通知をしたとき。
8 第四項から前項までの規定は、第二項の規定による更生会社の事業の全部の譲渡若しくは事業の重要な一部の譲渡に係る契約の相手方が更生会社の特別支配会社(会社法第四百六十八条第一項に規定する特別支配会社をいう。)である場合又は第二項の許可の時において更生会社がその財産をもって債務を完済することができない状態にある場合には、適用しない。
9 第二項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
10 第二項の許可を得て更生会社の事業の全部の譲渡又は事業の重要な一部の譲渡をする場合には、会社法第二編第七章の規定は、適用しない。

(更生債権等の弁済の禁止)
第四十七条 更生債権等については、更生手続開始後は、この法律に特別の定めがある場合を除き、更生計画の定めるところによらなければ、弁済をし、弁済を受け、その他これを消滅させる行為(免除を除く。)をすることができない。
2 更生会社を主要な取引先とする中小企業者が、その有する更生債権等の弁済を受けなければ、事業の継続に著しい支障を来すおそれがあるときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより又は職権で、その全部又は一部の弁済をすることを許可することができる。
3 裁判所は、前項の規定による許可をする場合には、更生会社と同項の中小企業者との取引の状況、更生会社の資産状態、利害関係人の利害その他一切の事情を考慮しなければならない。
4 管財人は、更生債権者等から第二項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。
5 少額の更生債権等を早期に弁済することにより更生手続を円滑に進行することができるとき、又は少額の更生債権等を早期に弁済しなければ更生会社の事業の継続に著しい支障を来すときは、裁判所は、更生計画認可の決定をする前でも、管財人の申立てにより、その弁済をすることを許可することができる。
6 第二項から前項までの規定は、約定劣後更生債権である更生債権については、適用しない。
7 第一項の規定は、次に掲げる事由により、更生債権等である租税等の請求権が消滅する場合には、適用しない。
 一 第二十四条第二項に規定する国税滞納処分(当該国税滞納処分又はその続行が許される場合に限る。)
 二 第二十四条第二項に規定する国税滞納処分による差押えを受けた更生会社の債権(差押えの効力の及ぶ債権を含む。)の第三債務者が当該国税滞納処分の中止中に徴収の権限を有する者に対して任意にした給付
 三 徴収の権限を有する者による還付金又は過誤納金の充当
 四 管財人が裁判所の許可を得てした弁済

(管財人による相殺)
第四十七条の二 管財人は、更生会社財産に属する債権をもって更生債権等と相殺することが更生債権者等の一般の利益に適合するときは、裁判所の許可を得て、その相殺をすることができる。

(相殺権)
第四十八条 更生債権者等が更生手続開始当時更生会社に対して債務を負担する場合において、債権及び債務の双方が第百三十八条第一項に規定する債権届出期間の満了前に相殺に適するようになったときは、更生債権者等は、当該債権届出期間内に限り、更生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。債務が期限付であるときも、同様とする。
2 更生債権者等が更生手続開始当時更生会社に対して負担する債務が賃料債務である場合には、更生債権者等は、更生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務(前項の債権届出期間の満了後にその弁済期が到来すべきものを含む。次項において同じ。)については、更生手続開始の時における賃料の六月分に相当する額を限度として、前項の債権届出期間内に限り、更生計画の定めるところによらないで、相殺をすることができる。
3 前項に規定する場合において、更生債権者等が、更生手続開始後にその弁済期が到来すべき賃料債務について、更生手続開始後その弁済期に弁済をしたときは、更生債権者等が有する敷金の返還請求権は、更生手続開始の時における賃料の六月分に相当する額(同項の規定により相殺をする場合には、相殺により免れる賃料債務の額を控除した額)の範囲内におけるその弁済額を限度として、共益債権とする。
4 前二項の規定は、地代又は小作料の支払を目的とする債務について準用する。

(相殺の禁止)
第四十九条 更生債権者等は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
 一 更生手続開始後に更生会社に対して債務を負担したとき。
 二 支払不能(更生会社が、支払能力を欠くために、その債務のうち弁済期にあるものにつき、一般的かつ継続的に弁済することができない状態をいう。以下同じ。)になった後に契約によって負担する債務を専ら更生債権等をもってする相殺に供する目的で更生会社の財産の処分を内容とする契約を更生会社との間で締結し、又は更生会社に対して債務を負担する者の債務を引き受けることを内容とする契約を締結することにより更生会社に対して債務を負担した場合であって、当該契約の締結の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
 三 支払の停止があった後に更生会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
 四 更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始又は特別清算開始の申立て(以下この条及び次条において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後に更生会社に対して債務を負担した場合であって、その負担の当時、更生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する債務の負担が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
 一 法定の原因
 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは更生手続開始の申立て等があったことを更生債権者等が知った時より前に生じた原因
 三 更生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因

第四十九条の二 更生会社に対して債務を負担する者は、次に掲げる場合には、相殺をすることができない。
 一 更生手続開始後に他人の更生債権等を取得したとき。
 二 支払不能になった後に更生債権等を取得した場合であって、その取得の当時、支払不能であったことを知っていたとき。
 三 支払の停止があった後に更生債権等を取得した場合であって、その取得の当時、支払の停止があったことを知っていたとき。ただし、当該支払の停止があった時において支払不能でなかったときは、この限りでない。
 四 更生手続開始の申立て等があった後に更生債権等を取得した場合であって、その取得の当時、更生手続開始の申立て等があったことを知っていたとき。
2 前項第二号から第四号までの規定は、これらの規定に規定する更生債権等の取得が次の各号に掲げる原因のいずれかに基づく場合には、適用しない。
 一 法定の原因
 二 支払不能であったこと又は支払の停止若しくは更生手続開始の申立て等があったことを更生会社に対して債務を負担する者が知った時より前に生じた原因
 三 更生手続開始の申立て等があった時より一年以上前に生じた原因
 四 更生会社に対して債務を負担する者と更生会社との間の契約

(他の手続の中止等)
第五十条 更生手続開始の決定があったときは、破産手続開始、再生手続開始、更生手続開始若しくは特別清算開始の申立て、更生会社の財産に対する第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等若しくは企業担保権の実行又は更生債権等に基づく財産開示手続の申立てはすることができず、破産手続、再生手続、更生会社の財産に対して既にされている同号に規定する強制執行等の手続及び企業担保権の実行手続並びに更生債権等に基づく財産開示手続は中止し、特別清算手続はその効力を失う
2 更生手続開始の決定があったときは、当該決定の日から一年間(一年経過前に更生計画が認可されることなく更生手続が終了し、又は更生計画が認可されたときは、当該終了又は当該認可の時までの間)は、更生会社の財産に対する第二十四条第二項に規定する国税滞納処分はすることができず、更生会社の財産に対して既にされている同項に規定する国税滞納処分は中止する。
3 裁判所は、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、前項の一年の期間を伸長することができる。ただし、裁判所は、あらかじめ、徴収の権限を有する者の同意を得なければならない。
4 徴収の権限を有する者は、前項の同意をすることができる。
5 裁判所は、更生に支障を来さないと認めるときは、管財人若しくは租税等の請求権につき徴収の権限を有する者の申立てにより又は職権で、次に掲げる手続又は処分の続行を命ずることができる。
 一 第一項の規定により中止した第二十四条第一項第二号に規定する強制執行等の手続又は企業担保権の実行手続
 二 第二項の規定により中止した第二十四条第二項に規定する国税滞納処分
6 裁判所は、更生のため必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、担保を立てさせて、又は立てさせないで、前項各号に掲げる手続又は処分の取消しを命ずることができる。
7 裁判所は、更生計画案を決議に付する旨の決定があるまでの間において、更生担保権に係る担保権の目的である財産で、更生会社の事業の更生のために必要でないことが明らかなものがあるときは、管財人の申立てにより又は職権で、当該財産について第一項の規定による担保権の実行の禁止を解除する旨の決定をすることができる。
8 管財人は、更生担保権者から前項の申立てをすべきことを求められたときは、直ちにその旨を裁判所に報告しなければならない。この場合において、その申立てをしないこととしたときは、遅滞なく、その事情を裁判所に報告しなければならない。
9 更生手続開始の決定があったときは、次に掲げる請求権は、共益債権とする。
 一 第一項の規定により中止した破産手続における財団債権(破産法第百四十八条第一項第三号に掲げる請求権を除き、破産手続が開始されなかった場合における同法第五十五条第二項及び第百四十八条第四項に規定する請求権を含む。)又は再生手続における共益債権(再生手続が開始されなかった場合における民事再生法(平成十一年法律第二百二十五号)第五十条第二項並びに第百二十条第三項及び第四項に規定する請求権を含む。)
 二 第一項の規定により効力を失った手続のために更生会社に対して生じた債権及びその手続に関する更生会社に対する費用請求権
 三 第五項の規定により続行された手続又は処分に関する更生会社に対する費用請求権
 四 第七項の解除の決定により申立てが可能となった担保権の実行手続に関する更生会社に対する費用請求権
10 第二十四条第二項に規定する国税滞納処分により徴収すべき徴収金の請求権の時効は、第二項及び第三項の規定により当該国税滞納処分をすることができず、又は当該国税滞納処分が中止している期間は、進行しない。
11 更生手続開始の決定があったときは、更生手続が終了するまでの間(更生計画認可の決定があったときは、第二百四条第二項に規定する更生計画で定められた弁済期間が満了する時(その期間の満了前に更生計画に基づく弁済が完了した場合にあっては、弁済が完了した時)までの間)は、罰金、科料及び追徴の時効は、進行しない。ただし、当該罰金、科料又は追徴に係る請求権が共益債権である場合は、この限りでない。

(続行された強制執行等における配当等に充てるべき金銭の取扱い)
第五十一条 前条第五項の規定により続行された手続又は処分及び同条第七項の解除の決定により申立てが可能となった担保権の実行手続においては、配当又は弁済金の交付(以下この条において「配当等」という。)を実施することができない。ただし、前条第五項第二号の規定によって続行された処分における租税等の請求権に対する配当等については、この限りでない。
2 前項本文に規定する手続(更生債権等を被担保債権とする留置権であって、商法又は会社法の規定以外の規定によるものによる競売の手続を除く。次項において同じ。)又は処分においては、配当等に充てるべき金銭が生じたとき(その時点において更生計画認可の決定がない場合は、当該決定があったとき)は、管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合又は更生手続終了後は、更生会社)に対して、当該金銭に相当する額(前項ただし書の規定により配当等が実施されたときは、当該配当等の額を控除した額)の金銭を交付しなければならない。
3 更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、第一項本文の規定にかかわらず、同項本文に規定する手続又は処分においては、その手続又は処分の性質に反しない限り、配当等に充てるべき金銭(同項ただし書の規定により配当等が実施されたものを除く。)について、配当等を実施しなければならない。

(更生会社の財産関係の訴えの取扱い)
第五十二条 更生手続開始の決定があったときは、更生会社の財産関係の訴訟手続は、中断する。
2 管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続のうち更生債権等に関しないものを受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
3 前項の場合においては、相手方の更生会社に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。
4 更生手続が終了したときは、管財人を当事者とする更生会社の財産関係の訴訟手続は、中断する。
5 更生会社であった株式会社は、前項の規定により中断した訴訟手続(第二百三十四条第三号又は第四号に掲げる事由が生じた場合における第九十七条第一項の訴えに係る訴訟手続を除く。)を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに更生手続が終了したときは、更生会社であった株式会社は、当然訴訟手続を受継する。

(債権者代位訴訟、詐害行為取消訴訟等の取扱い)
第五十二条の二 民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百二十三条若しくは第四百二十四条の規定により更生債権者の提起した訴訟又は破産法若しくは民事再生法の規定による否認の訴訟若しくは否認の請求を認容する決定に対する異議の訴訟が更生手続開始当時係属するときは、その訴訟手続は、中断する。
2 管財人は、前項の規定により中断した訴訟手続を受け継ぐことができる。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
3 前項の場合においては、相手方の更生債権者、破産管財人又は再生手続における管財人若しくは否認権限を有する監督委員(民事再生法第百二十八条第二項に規定する否認権限を有する監督委員をいう。第五項において同じ。)に対する訴訟費用請求権は、共益債権とする。
4 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があった後に更生手続が終了したときは、当該訴訟手続は中断する。
5 前項の場合には、更生債権者、破産管財人又は再生手続における管財人若しくは否認権限を有する監督委員において当該訴訟手続を受け継がなければならない。この場合においては、受継の申立ては、相手方もすることができる。
6 第一項の規定により中断した訴訟手続について第二項の規定による受継があるまでに更生手続が終了したときは、前項前段に規定する者は、当該訴訟手続を当然受継する。

(行政庁に係属する事件の取扱い)
第五十三条 第五十二条の規定は、更生会社の財産関係の事件で行政庁に係属するものについて準用する。

(更生会社のした法律行為の効力)
第五十四条 更生会社が更生手続開始後に更生会社財産に関してした法律行為は、更生手続の関係においては、その効力を主張することができない。
2 株式会社が当該株式会社についての更生手続開始の決定があった日にした法律行為は、更生手続開始後にしたものと推定する。

(管財人等の行為によらない更生債権者等の権利取得の効力)
第五十五条 更生債権者等は、更生手続開始後、更生債権等につき更生会社財産に関して管財人又は更生会社の行為によらないで権利を取得しても、更生手続の関係においては、その効力を主張することができない。
2 前条第二項の規定は、更生手続開始の決定があった日における前項の権利の取得について準用する。

(登記及び登録の効力)
第五十六条 不動産又は船舶に関し更生手続開始前に生じた登記原因に基づき更生手続開始後にされた登記又は不動産登記法(平成十六年法律第百二十三号)第百五条第一号の規定による仮登記は、更生手続の関係においては、その効力を主張することができない。ただし、登記権利者が更生手続開始の事実を知らないでした登記又は仮登記については、この限りでない。
2 前項の規定は、権利の設定、移転若しくは変更に関する登録若しくは仮登録又は企業担保権の設定、移転若しくは変更に関する登記について準用する。

(更生会社に対する弁済の効力)
第五十七条 更生手続開始後に、その事実を知らないで更生会社にした弁済は、更生手続の関係においても、その効力を主張することができる。
2 更生手続開始後に、その事実を知って更生会社にした弁済は、更生会社財産が受けた利益の限度においてのみ、更生手続の関係において、その効力を主張することができる。

(為替手形の引受け又は支払等)
第五十八条 為替手形の振出人又は裏書人である株式会社について更生手続が開始された場合において、支払人又は予備支払人がその事実を知らないで引受け又は支払をしたときは、その支払人又は予備支払人は、これによって生じた債権につき、更生債権者としてその権利を行うことができる。
2 前項の規定は、小切手及び金銭その他の物又は有価証券の給付を目的とする有価証券について準用する。

(善意又は悪意の推定)
第五十九条 前三条の規定の適用については、第四十三条第一項の規定による公告の前においてはその事実を知らなかったものと推定し、当該公告の後においてはその事実を知っていたものと推定する。

(共有関係)
第六十条 更生会社が他人と共同して財産権を有する場合において、更生手続が開始されたときは、管財人は、共有者の間で分割をしない定めがあるときでも、分割の請求をすることができる。
2 前項の場合には、他の共有者は、相当の償金を支払って更生会社の持分を取得することができる。

(双務契約)
第六十一条 双務契約について更生会社及びその相手方が更生手続開始の時において共にまだその履行を完了していないときは、管財人は、契約の解除をし、又は更生会社の債務を履行して相手方の債務の履行を請求することができる。
2 前項の場合には、相手方は、管財人に対し、相当の期間を定め、その期間内に契約の解除をするか、又は債務の履行を請求するかを確答すべき旨を催告することができる。この場合において、管財人がその期間内に確答をしないときは、同項の規定による解除権を放棄したものとみなす。
3 前二項の規定は、労働協約には、適用しない。
4 第一項の規定により更生会社の債務の履行をする場合において、相手方が有する請求権は、共益債権とする。
5 破産法第五十四条の規定は、第一項の規定による契約の解除があった場合について準用する。この場合において、同条第一項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者」と、同条第二項中「破産者」とあるのは「更生会社」と、「破産財団」とあるのは「更生会社財産」と、「財団債権者」とあるのは「共益債権者」と読み替えるものとする。

(継続的給付を目的とする双務契約)
第六十二条 更生会社に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、更生手続開始の申立て前の給付に係る更生債権等について弁済がないことを理由としては、更生手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
2 前項の双務契約の相手方が更生手続開始の申立て後更生手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、共益債権とする。
3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。

(双務契約についての破産法の準用)
第六十三条 破産法第五十六条、第五十八条及び第五十九条の規定は、更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第五十六条第一項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「会社更生法第六十一条第一項及び第二項」と、「破産者」とあるのは「更生会社」と、同条第二項中「財団債権」とあるのは「共益債権」と、同法第五十八条第一項中「破産手続開始」とあるのは「更生手続開始」と、同条第三項において準用する同法第五十四条第一項中「破産債権者」とあるのは「更生債権者」と、同法第五十九条第一項中「破産手続」とあるのは「更生手続」と、同条第二項中「請求権は、破産者が有するときは破産財団に属し」とあるのは「請求権は」と、「破産債権」とあるのは「更生債権」と読み替えるものとする。

(取戻権)
第六十四条 更生手続の開始は、更生会社に属しない財産を更生会社から取り戻す権利に影響を及ぼさない。
2 破産法第六十三条及び第六十四条の規定は、更生手続が開始された場合について準用する。この場合において、同法第六十三条第一項中「破産手続開始の決定」とあるのは「更生手続開始の決定」と、同項ただし書及び同法第六十四条中「破産管財人」とあるのは「管財人」と、同法第六十三条第二項中「第五十三条第一項及び第二項」とあるのは「会社更生法第六十一条第一項及び第二項」と、同条第三項中「第一項」とあるのは「前二項」と、「同項」とあるのは「第一項」と、同法第六十四条第一項中「破産者」とあるのは「株式会社」と、「破産手続開始」とあるのは「更生手続開始」と読み替えるものとする。

(取締役等の競業の制限)
第六十五条 更生会社の取締役、執行役又は清算人は、更生手続開始後その終了までの間において自己又は第三者のために更生会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、会社法第三百五十六条第一項(同法第四百十九条第二項又は第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、管財人に対し、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。ただし、第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復している期間中は、この限りでない。
2 前項本文の取引をした取締役、執行役又は清算人は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を管財人に報告しなければならない。
3 更生会社の取締役、執行役又は清算人が第一項本文の規定に違反して同項本文の取引をしたときは、当該取引によって取締役、執行役、清算人又は第三者が得た利益の額は、更生会社に生じた損害の額と推定する。

(取締役等の報酬等)
第六十六条 更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人は、更生会社に対して、更生手続開始後その終了までの間の報酬等(会社法第三百六十一条第一項に規定する報酬等をいう。次項において同じ。)を請求することができない。ただし、第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復している期間中は、この限りでない。
2 前項ただし書の場合における取締役、会計参与、監査役、執行役及び清算人が受ける個人別の報酬等の内容は、会社法第三百六十一条第一項(同法第四百八十二条第四項において準用する場合を含む。)、第三百七十九条第一項及び第二項、第三百八十七条第一項及び第二項並びに第四百四条第三項の規定にかかわらず、管財人が、裁判所の許可を得て定める。

第三節 管財人

第一款 管財人の選任及び監督

(管財人の選任)
第六十七条 管財人は、裁判所が選任する。
2 法人は、管財人となることができる。
3 裁判所は、第百条第一項に規定する役員等責任査定決定を受けるおそれがあると認められる者は、管財人に選任することができない。

(管財人に対する監督等)
第六十八条 管財人は、裁判所が監督する。
2 裁判所は、管財人が更生会社の業務及び財産の管理を適切に行っていないとき、その他重要な事由があるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、管財人を解任することができる。この場合においては、その管財人を審尋しなければならない。

(数人の管財人の職務執行)
第六十九条 管財人が数人あるときは、共同してその職務を行う。ただし、裁判所の許可を得て、それぞれ単独にその職務を行い、又は職務を分掌することができる。
2 管財人が数人あるときは、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。

(管財人代理)
第七十条 管財人は、必要があるときは、その職務を行わせるため、自己の責任で一人又は数人の管財人代理を選任することができる。ただし、第六十七条第三項に規定する者は、管財人代理に選任することができない。
2 前項の管財人代理の選任については、裁判所の許可を得なければならない。

(法律顧問)
第七十一条 管財人は、更生手続において生ずる法律問題(法律事件に関するものを除く。)について自己を助言する者(以下「法律顧問」という。)を選任するには、裁判所の許可を得なければならない。

第二款 管財人の権限等

(管財人の権限)
第七十二条 更生手続開始の決定があった場合には、更生会社の事業の経営並びに財産(日本国内にあるかどうかを問わない。第四項において同じ。)の管理及び処分をする権利は、裁判所が選任した管財人に専属する。
2 裁判所は、更生手続開始後において、必要があると認めるときは、管財人が次に掲げる行為をするには裁判所の許可を得なければならないものとすることができる。
 一 財産の処分
 二 財産の譲受け
 三 借財 
 四 第六十一条第一項の規定による契約の解除
 五 訴えの提起
 六 和解又は仲裁合意(仲裁法(平成十五年法律第百三十八号)第二条第一項に規定する仲裁合意をいう。)
 七 権利の放棄
 八 共益債権又は第六十四条第一項に規定する権利の承認
 九 更生担保権に係る担保の変換
 十 その他裁判所の指定する行為
3 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。
4 前三項の規定については、更生計画の定め又は裁判所の決定で、更生計画認可の決定後の更生会社に対しては適用しないこととすることができる。この場合においては、管財人は、更生会社の事業の経営並びに財産の管理及び処分を監督する。
5 裁判所は、更生計画に前項前段の規定による定めがない場合において必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、同項前段の規定による決定をする。
6 裁判所は、管財人の申立てにより又は職権で、前項の規定による決定を取り消すことができる。
7 前二項の規定による決定があったときは、その旨を公告し、かつ、その裁判書を管財人及び更生会社に送達しなければならない。この場合においては、第十条第四項の規定は、適用しない。

(更生会社の業務及び財産の管理)
第七十三条 管財人は、就職の後直ちに更生会社の業務及び財産の管理に着手しなければならない。

(当事者適格等)
第七十四条 更生会社の財産関係の訴えについては、管財人を原告又は被告とする。
2 前項の規定は、第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復している期間中に新たに提起された更生会社の財産関係の訴えについては、適用しない。
3 第五十二条第一項、第二項及び第六項の規定は、第七十二条第四項前段の規定による更生計画の定め又は裁判所の決定が取り消された場合における前項の訴えについて準用する。

(郵便物等の管理)
第七十五条 裁判所は、管財人の職務の遂行のため必要があると認めるときは、信書の送達の事業を行う者に対し、更生会社にあてた郵便物又は民間事業者による信書の送達に関する法律(平成十四年法律第九十九号)第二条第三項に規定する信書便物(以下「郵便物等」という。)を管財人に配達すべき旨を嘱託することができる。
2 裁判所は、更生会社の申立てにより又は職権で、管財人の意見を聴いて、前項に規定する嘱託を取り消し、又は変更することができる。
3 更生手続が終了したときは、裁判所は、第一項に規定する嘱託を取り消さなければならない。第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときも、同様とする。
4 第一項又は第二項の規定による決定及び同項の申立てを却下する裁判に対しては、更生会社又は管財人は、即時抗告をすることができる。
5 第一項の規定による決定に対する前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。

第七十六条 管財人は、更生会社にあてた郵便物等を受け取ったときは、これを開いて見ることができる。
2 更生会社は、管財人に対し、管財人が受け取った前項の郵便物等の閲覧又は当該郵便物等で更生会社財産に関しないものの交付を求めることができる。

(更生会社及び子会社に対する調査)
第七十七条 管財人は、更生会社の取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人、清算人及び使用人その他の従業者並びにこれらの者であった者並びに発起人、設立時取締役及び設立時監査役であった者に対して更生会社の業務及び財産の状況につき報告を求め、又は更生会社の帳簿、書類その他の物件を検査することができる。
2 管財人は、その職務を行うため必要があるときは、更生会社の子会社(会社法第二条第三号に規定する子会社をいう。)に対してその業務及び財産の状況につき報告を求め、又はその帳簿、書類その他の物件を検査することができる。

(管財人の自己取引)
第七十八条 管財人は、裁判所の許可を得なければ、更生会社の財産を譲り受け、更生会社に対して自己の財産を譲り渡し、その他自己又は第三者のために更生会社と取引をすることができない。
2 前項の許可を得ないでした行為は、無効とする。ただし、これをもって善意の第三者に対抗することができない。

(管財人の競業の制限)
第七十九条 管財人は、自己又は第三者のために更生会社の事業の部類に属する取引をしようとするときは、裁判所に対し、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければならない。
2 前項の取引をした管財人は、当該取引後、遅滞なく、当該取引についての重要な事実を裁判所に報告しなければならない。
3 管財人が第一項の規定に違反して同項の取引をしたときは、当該取引によって管財人又は第三者が得た利益の額は、更生会社に生じた損害の額と推定する。

(管財人の注意義務)
第八十条 管財人は、善良な管理者の注意をもって、その職務を行わなければならない。
2 管財人が前項の注意を怠ったときは、その管財人は、利害関係人に対し、連帯して損害を賠償する義務を負う。

(管財人の情報提供努力義務)
第八十条の二 管財人は、更生債権等である給料の請求権又は退職手当の請求権を有する者に対し、更生手続に参加するのに必要な情報を提供するよう努めなければならない。

(管財人の報酬等)
第八十一条 管財人は、費用の前払及び裁判所が定める報酬を受けることができる。
2 管財人は、その選任後、更生会社若しくは更生計画の定めにより設立された会社に対する債権又は更生会社若しくは当該会社の株式若しくは持分を譲り受け、又は譲り渡すには、裁判所の許可を得なければならない。
3 管財人は、前項の許可を得ないで同項に規定する行為をしたときは、費用及び報酬の支払を受けることができない。
4 第一項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前各項の規定は、管財人代理及び法律顧問について準用する。

(任務終了の場合の報告義務等)
第八十二条 管財人の任務が終了した場合には、管財人は、遅滞なく、裁判所に計算の報告をしなければならない。
2 前項の場合において、管財人が欠けたときは、同項の計算の報告は、同項の規定にかかわらず、後任の管財人がしなければならない。
3 管財人の任務が終了した場合において、急迫の事情があるときは、管財人又はその承継人は、後任の管財人又は更生会社が財産を管理することができるに至るまで必要な処分をしなければならない。
4 第二百三十四条第二号から第四号までに掲げる事由のいずれかが生じた場合には、第二百五十四条第六項又は第二百五十七条に規定する場合を除き、管財人は、共益債権を弁済しなければならない。ただし、その存否又は額について争いのある共益債権については、その債権を有する者のために供託をしなければならない。

第三款 更生会社の財産状況の調査

(財産の価額の評定等)
第八十三条 管財人は、更生手続開始後遅滞なく、更生会社に属する一切の財産につき、その価額を評定しなければならない。
2 前項の規定による評定は、更生手続開始の時における時価によるものとする。
3 管財人は、第一項の規定による評定を完了したときは、直ちに更生手続開始の時における貸借対照表及び財産目録を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。
4 更生計画認可の決定があったときは、管財人は、更生計画認可の決定の時における貸借対照表及び財産目録を作成し、これらを裁判所に提出しなければならない。
5 前項の貸借対照表及び財産目録に記載し、又は記録すべき財産の評価については、法務省令の定めるところによる。

(裁判所への報告)
第八十四条 管財人は、更生手続開始後遅滞なく、次に掲げる事項を記載した報告書を、裁判所に提出しなければならない。
 一 更生手続開始に至った事情
 二 更生会社の業務及び財産に関する経過及び現状
 三 第九十九条第一項の規定による保全処分又は第百条第一項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無
 四 その他更生手続に関し必要な事項
2 管財人は、前項の規定によるもののほか、裁判所の定めるところにより、更生会社の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項を裁判所に報告しなければならない。

(財産状況報告集会への報告)
第八十五条 更生会社の財産状況を報告するために招集された関係人集会においては、管財人は、前条第一項各号に掲げる事項の要旨を報告しなければならない。
2 前項の関係人集会においては、裁判所は、管財人、更生会社、届出をした更生債権者等又は株主から、管財人の選任並びに更生会社の業務及び財産の管理に関する事項につき、意見を聴かなければならない。
3 第一項の関係人集会においては、第四十六条第三項第三号に規定する労働組合等は、前項に規定する事項について意見を述べることができる。
4 裁判所は、第一項の関係人集会を招集しないこととしたときは、前二項に規定する者(管財人を除く。)に対し、管財人の選任について裁判所の定める期間内に書面により意見を述べることができる旨を通知しなければならない。

第四節 否認権

(更生債権者等を害する行為の否認)
第八十六条 次に掲げる行為(担保の供与又は債務の消滅に関する行為を除く。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
 一 更生会社が更生債権者等を害することを知ってした行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
 二 更生会社が支払の停止又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「支払の停止等」という。)があった後にした更生債権者等を害する行為。ただし、これによって利益を受けた者が、その行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 更生会社がした債務の消滅に関する行為であって、債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは、前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは、更生手続開始後、その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り、更生会社財産のために否認することができる。
3 更生会社が支払の停止等があった後又はその前六月以内にした無償行為及びこれと同視すべき有償行為は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。

(相当の対価を得てした財産の処分行為の否認)
第八十六条の二 更生会社が、その有する財産を処分する行為をした場合において、その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは、その行為は、次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
 一 当該行為が、不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により、更生会社において隠匿、無償の供与その他の更生債権者等を害する処分(以下この条並びに第九十一条の二第二項及び第三項において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
 二 更生会社が、当該行為の当時、対価として取得した金銭その他の財産について、隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
 三 相手方が、当該行為の当時、更生会社が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
 一 更生会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)、監査役、執行役、会計監査人(会計監査人が法人であるときは、その職務を行うべき社員を含む。)又は清算人
 二 更生会社の総株主の議決権の過半数を有する者
 三 更生会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社(法人が株式会社の総株主の議決権の過半数を有する場合における当該株式会社をいう。以下この号において同じ。)又は親法人(子株式会社である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する法人をいう。)及び子株式会社が有する場合における当該親法人

(特定の債権者に対する担保の供与等の否認)
第八十六条の三 次に掲げる行為(既存の債務についてされた担保の供与又は債務の消滅に関する行為に限る。)は、更生手続開始後、更生会社財産のために否認することができる。
 一 更生会社が支払不能になった後又は更生手続開始、破産手続開始、再生手続開始若しくは特別清算開始の申立て(以下この節において「更生手続開始の申立て等」という。)があった後にした行為。ただし、債権者が、その行為の当時、次のイ又はロに掲げる区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実を知っていた場合に限る。
  イ 当該行為が支払不能になった後にされたものである場合 支払不能であったこと又は支払の停止があったこと。
  ロ 当該行為が更生手続開始の申立て等があった後にされたものである場合 更生手続開始の申立て等があったこと。
 二 更生会社の義務に属せず、又はその時期が更生会社の義務に属しない行為であって、支払不能になる前三十日以内にされたもの。ただし、債権者がその行為の当時他の更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、この限りでない。
2 前項第一号の規定の適用については、次に掲げる場合には、債権者は、同号に掲げる行為の当時、同号イ又はロに掲げる場合の区分に応じ、それぞれ当該イ又はロに定める事実(同号イに掲げる場合にあっては、支払不能であったこと及び支払の停止があったこと)を知っていたものと推定する。
 一 債権者が前条第二項各号に掲げる者のいずれかである場合
 二 前項第一号に掲げる行為が更生会社の義務に属せず、又はその方法若しくは時期が更生会社の義務に属しないものである場合
3 第一項各号の規定の適用については、支払の停止(更生手続開始の申立て等の前一年以内のものに限る。)があった後は、支払不能であったものと推定する。

(手形債務支払の場合等の例外)
第八十七条 前条第一項第一号の規定は、更生会社から手形の支払を受けた者がその支払を受けなければ手形上の債務者の一人又は数人に対する手形上の権利を失う場合には、適用しない。
2 前項の場合において、最終の償還義務者又は手形の振出しを委託した者が振出しの当時支払の停止等があったことを知り、又は過失によって知らなかったときは、管財人は、これらの者に更生会社が支払った金額を償還させることができる。
3 前条第一項の規定は、更生会社が租税等の請求権又は第百四十二条第二号に規定する更生手続開始前の罰金等の請求権につき、その徴収の権限を有する者に対してした担保の供与又は債務の消滅に関する行為には、適用しない。

(権利変動の対抗要件の否認)
第八十八条 支払の停止等があった後権利の設定、移転又は変更をもって第三者に対抗するために必要な行為(仮登記又は仮登録を含む。)をした場合において、その行為が権利の設定、移転又は変更があった日から十五日を経過した後悪意でしたものであるときは、これを否認することができる。ただし、当該仮登記又は当該仮登録以外の仮登記又は仮登録があった後にこれらに基づいてされた本登記又は本登録については、この限りでない。
2 前項の規定は、権利取得の効力を生ずる登録について準用する。

(執行行為の否認)
第八十九条 否認権は、否認しようとする行為について執行力のある債務名義があるとき、又はその行為が執行行為に基づくものであるときでも、行うことを妨げない。

(支払の停止を要件とする否認の制限)
第九十条 更生手続開始の申立て等の日から一年以上前にした行為(第八十六条第三項に規定する行為を除く。)は、支払の停止があった後にされたものであること又は支払の停止の事実を知っていたことを理由として否認することができない。

(否認権行使の効果)
第九十一条 否認権の行使は、更生会社財産を原状に復させる。
2 第八十六条第三項に規定する行為が否認された場合において、相手方は、当該行為の当時、支払の停止等があったこと及び更生債権者等を害する事実を知らなかったときは、その現に受けている利益を償還すれば足りる。

(更生会社の受けた反対給付に関する相手方の権利等)
第九十一条の二 第八十六条第一項若しくは第三項又は第八十六条の二第一項に規定する行為が否認されたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
 一 更生会社の受けた反対給付が更生会社財産中に現存する場合 当該反対給付の返還を請求する権利
 二 更生会社の受けた反対給付が更生会社財産中に現存しない場合 共益債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
2 前項第二号の規定にかかわらず、同号に掲げる場合において、当該行為の当時、更生会社が対価として取得した財産について隠匿等の処分をする意思を有し、かつ、相手方が更生会社がその意思を有していたことを知っていたときは、相手方は、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める権利を行使することができる。
 一 更生会社の受けた反対給付によって生じた利益の全部が更生会社財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利
 二 更生会社の受けた反対給付によって生じた利益が更生会社財産中に現存しない場合 更生債権者として反対給付の価額の償還を請求する権利
 三 更生会社の受けた反対給付によって生じた利益の一部が更生会社財産中に現存する場合 共益債権者としてその現存利益の返還を請求する権利及び更生債権者として反対給付と現存利益との差額の償還を請求する権利
3 前項の規定の適用については、当該行為の相手方が第八十六条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるときは、その相手方は、当該行為の当時、更生会社が前項の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
4 管財人は、第八十六条第一項若しくは第三項又は第八十六条の二第一項に規定する行為を否認しようとするときは、前条第一項の規定により更生会社財産に復すべき財産の返還に代えて、相手方に対し、当該財産の価額から前三項の規定により共益債権となる額(第一項第一号に掲げる場合にあっては、更生会社の受けた反対給付の価額)を控除した額の償還を請求することができる。

(相手方の債権の回復)
第九十二条 第八十六条の三第一項に規定する行為が否認された場合において、相手方がその受けた給付を返還し、又はその価額を償還したときは、相手方の債権は、これによって原状に復する。

(転得者に対する否認権)
第九十三条 次に掲げる場合には、否認権は、転得者に対しても、行使することができる。
 一 転得者が転得の当時、それぞれその前者に対する否認の原因のあることを知っていたとき。
 二 転得者が第八十六条の二第二項各号に掲げる者のいずれかであるとき。ただし、転得の当時、それぞれその前者に対する否認の原因のあることを知らなかったときは、この限りでない。
 三 転得者が無償行為又はこれと同視すべき有償行為によって転得した場合において、それぞれその前者に対して否認の原因があるとき。
2 第九十一条第二項の規定は、前項第三号の規定により否認権の行使があった場合について準用する。

(保全処分に係る手続の続行と担保の取扱い)
第九十四条 第三十九条の二第一項(第四十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定による保全処分が命じられた場合において、更生手続開始の決定があったときは、管財人は、当該保全処分に係る手続を続行することができる。
2 管財人が更生手続開始の決定後一月以内に前項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しないときは、当該保全処分は、その効力を失う。
3 管財人は、第一項の規定により同項の保全処分に係る手続を続行しようとする場合において、第三十九条の二第二項(第四十四条第二項において準用する場合を含む。)に規定する担保の全部又は一部が更生会社財産に属する財産でないときは、その担保の全部又は一部を更生会社財産に属する財産による担保に変換しなければならない。
4 民事保全法(平成元年法律第九十一号)第十八条並びに第二章第四節(第三十七条第五項から第七項までを除く。)及び第五節の規定は、第一項の規定により管財人が続行する手続に係る保全処分について準用する。

(否認権の行使)
第九十五条 否認権は、訴え、否認の請求又は抗弁によって、管財人が行う。
2 前項の訴え及び否認の請求事件は、更生裁判所が管轄する。

(否認の請求及びこれについての決定)
第九十六条 否認の請求をするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
2 否認の請求を認容し、又はこれを棄却する裁判は、理由を付した決定でしなければならない。
3 裁判所は、前項の決定をする場合には、相手方又は転得者を審尋しなければならない。
4 否認の請求を認容する決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5 否認の請求の手続は、更生手続が終了したときは、終了する。

(否認の請求を認容する決定に対する異議の訴え)
第九十七条 否認の請求を認容する決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2 前項の訴えは、更生裁判所が管轄する。
3 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、否認の請求を認容する決定を認可し、変更し、又は取り消す。
4 否認の請求を認容する決定の全部又は一部を認可する判決が確定したときは、当該決定(当該判決において認可された部分に限る。)は、確定判決と同一の効力を有する。第一項の訴えが、同項に規定する期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときにおける否認の請求を認容する決定についても、同様とする。
5 第一項の決定を認可し、又は変更する判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。
6 第一項の訴えに係る訴訟手続は、第二百三十四条第二号又は第五号に掲げる事由が生じたときは、第五十二条第四項の規定にかかわらず、終了するものとする。

(否認権行使の期間)
第九十八条 否認権は、更生手続開始の日(更生手続開始の日より前に破産手続又は再生手続が開始されている場合にあっては、破産手続開始又は再生手続開始の日)から二年を経過したときは、行使することができない。否認しようとする行為の日から二十年を経過したときも、同様とする。

第五節 更生会社の役員等の責任の追及

(役員等の財産に対する保全処分)
第九十九条 裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、次に掲げる保全処分をすることができる。
 一 発起人、設立時取締役、設立時監査役、取締役、会計参与、監査役、執行役、会計監査人又は清算人(以下この節において「役員等」という。)の責任に基づく損害賠償請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
 二 役員等(設立時監査役、会計参与、監査役、会計監査人及び清算人を除く。)に対する会社法第五十二条第一項、第二百十三条第一項又は第二百八十六条第一項の規定による不足額の支払請求権を保全するための当該役員等の財産に対する保全処分
2 裁判所は、前項の規定による保全処分を変更し、又は取り消すことができる。
3 第一項の規定による保全処分又は前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
4 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
5 第三項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

(役員等の責任の査定の申立て等)
第百条 裁判所は、更生手続開始の決定があった場合において、前条第一項各号に規定する請求権が存在し、かつ、必要があると認めるときは、管財人の申立てにより又は職権で、決定で、当該請求権の額その他の内容を査定する裁判(以下この節において「役員等責任査定決定」という。)をすることができる。
2 前項の申立てをするときは、その原因となる事実を疎明しなければならない。
3 裁判所は、職権で役員等責任査定決定の手続を開始する場合には、その旨の決定をしなければならない。
4 第一項の申立て又は前項の決定があったときは、時効の中断に関しては、裁判上の請求があったものとみなす。
5 役員等責任査定決定の手続(役員等責任査定決定があった後のものを除く。)は、更生手続が終了したときは、終了する。

(役員等責任査定決定等)
第百一条 役員等責任査定決定及び前条第一項の申立てを棄却する決定には、理由を付さなければならない。
2 裁判所は、前項の決定をする場合には、役員等を審尋しなければならない。
3 役員等責任査定決定があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

(役員等責任査定決定に対する異議の訴え)
第百二条 役員等責任査定決定に不服がある者は、その送達を受けた日から一月の不変期間内に、異議の訴えを提起することができる。
2 前項の訴えは、更生裁判所が管轄する。
3 第一項の訴えは、これを提起する者が、役員等であるときは管財人を、管財人であるときは役員を、それぞれ被告としなければならない。
4 第一項の訴えについての判決においては、訴えを不適法として却下する場合を除き、役員等責任査定決定を認可し、変更し、又は取り消す。
5 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決は、強制執行に関しては、給付を命ずる判決と同一の効力を有する。
6 役員等責任査定決定を認可し、又は変更した判決については、受訴裁判所は、民事訴訟法第二百五十九条第一項の定めるところにより、仮執行の宣言をすることができる。

(役員等責任査定決定の効力)
第百三条 前条第一項の訴えが、同項の期間内に提起されなかったとき、取り下げられたとき、又は却下されたときは、役員等責任査定決定は、給付を命ずる確定判決と同一の効力を有する。

第六節 担保権消滅の請求等

第一款 担保権消滅の請求

(担保権消滅許可の決定)
第百四条 裁判所は、更生手続開始当時更生会社の財産につき特別の先取特権、質権、抵当権又は商法若しくは会社法の規定による留置権(以下この款において「担保権」という。)がある場合において、更生会社の事業の更生のために必要であると認めるときは、管財人の申立てにより、当該財産の価額に相当する金銭を裁判所に納付して当該財産を目的とするすべての担保権を消滅させることを許可する旨の決定をすることができる。
2 前項の決定は、更生計画案を決議に付する旨の決定があった後は、することができない。
3 第一項の申立ては、次に掲げる事項を記載した書面でしなければならない。
 一 担保権の目的である財産の表示
 二 前号の財産の価額
 三 消滅すべき担保権の表示
4 第一項の決定があった場合には、その裁判書を、前項の書面(以下この条及び次条において「申立書」という。)とともに、当該申立書に記載された同項第三号の担保権を有する者(以下この款において「被申立担保権者」という。)に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
5 第一項の決定に対しては、被申立担保権者は、即時抗告をすることができる。
6 前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を被申立担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
7 申立書に記載された第三項第三号の担保権が根抵当権である場合において、根抵当権者が第四項の規定による送達を受けた時から二週間を経過したときは、当該根抵当権の担保すべき元本は、確定する。
8 民法第三百九十八条の二十第二項の規定は、第一項の申立てが取り下げられ、又は同項の決定が取り消された場合について準用する。

(価額決定の請求)
第百五条 被申立担保権者は、申立書に記載された前条第三項第二号の価額(第百七条及び第百八条において「申出額」という。)について異議があるときは、当該申立書の送達を受けた日から一月以内に、担保権の目的である財産(次条において「財産」という。)について価額の決定を請求することができる。
2 前条第一項の決定をした裁判所は、やむを得ない事由がある場合に限り、被申立担保権者の申立てにより、前項の期間を伸長することができる。
3 第一項の規定による請求(以下この条から第百八条までにおいて「価額決定の請求」という。)に係る事件は、更生裁判所が管轄する。
4 価額決定の請求をする者は、その請求に係る手続の費用として更生裁判所の定める金額を予納しなければならない。
5 前項に規定する費用の予納がないときは、更生裁判所は、価額決定の請求を却下しなければならない。

(財産の価額の決定)
第百六条 価額決定の請求があった場合には、更生裁判所は、これを不適法として却下する場合を除き、評価人を選任し、財産の評価を命じなければならない。
2 前項の場合には、更生裁判所は、評価人の評価に基づき、決定で、当該決定の時における財産の価額を定めなければならない。
3 被申立担保権者が数人ある場合には、前項の決定は、被申立担保権者の全員につき前条第一項の期間(同条第二項の規定により期間が伸長されたときは、その伸長された期間。第百八条第一項第一号において「請求期間」という。)が経過した後にしなければならない。この場合において、数個の価額決定の請求事件が同時に係属するときは、事件を併合して裁判しなければならない。
4 第二項の決定は、価額決定の請求をしなかった被申立担保権者に対しても、その効力を有する。
5 価額決定の請求についての決定に対しては、管財人及び被申立担保権者は、即時抗告をすることができる。
6 価額決定の請求についての決定又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を管財人及び被申立担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

(費用の負担)
第百七条 価額決定の請求に係る手続に要した費用は、前条第二項の決定により定められた価額が、申出額を超える場合には更生会社の負担とし、申出額を超えない場合には価額決定の請求をした者の負担とする。ただし、申出額を超える額が当該費用の額に満たないときは、当該費用のうち、その超える額に相当する部分は更生会社の負担とし、その余の部分は価額決定の請求をした者の負担とする。
2 前条第五項の即時抗告に係る手続に要した費用は、当該即時抗告をした者の負担とする。
3 第一項の規定により更生会社に対して費用請求権を有する者は、その費用に関し、次条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、他の被申立担保権者に先立ち弁済を受ける権利を有する。
4 次条第五項の場合には、第一項及び第二項の費用は、これらの規定にかかわらず、更生会社の負担とする。この場合においては、更生会社に対する費用請求権は、共益債権とする。

(価額に相当する金銭の納付等)
第百八条 管財人は、次の各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める金銭を、裁判所の定める期限までに、裁判所に納付しなければならない。
 一 請求期間内に価額決定の請求がなかったとき、又は価額決定の請求のすべてが取り下げられ、若しくは却下されたとき 申出額に相当する金銭
 二 第百六条第二項の決定が確定したとき 当該決定により定められた価額に相当する金銭
2 裁判所は、前項の期限の到来前においては、同項の期限を変更することができる。
3 被申立担保権者の有する担保権は、第一項又は第百十二条第二項の規定による金銭の納付があった時に消滅する。
4 第一項又は第百十二条第二項の規定による金銭の納付があったときは、裁判所書記官は、消滅した担保権に係る登記又は登録の抹消を嘱託しなければならない。
5 管財人が第一項若しくは第百十二条第二項の規定による金銭の納付をしないとき、又は管財人がこれらの規定による金銭の納付をする前に更生計画認可の決定があったときは、裁判所は、第百四条第一項の決定を取り消さなければならない。

(更生計画認可の決定があった場合の納付された金銭の取扱い)
第百九条 裁判所は、更生計画認可の決定があったときは、管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合は、更生会社)に対して、前条第一項の規定により納付された金銭に相当する額(第百十一条第六項の規定による金銭の交付があったときは、当該交付に係る額を控除した額)又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭に相当する額の金銭を交付しなければならない。

(更生計画認可前に更生手続が終了した場合の納付された金銭の取扱い)
第百十条 裁判所は、更生計画認可の決定前に更生手続が終了したときは、次項に規定する場合を除き、第百八条第一項又は第百十二条第二項の規定により納付された金銭について、配当表に基づいて、被申立担保権者に対する配当を実施しなければならない。
2 被申立担保権者が一人である場合又は被申立担保権者が二人以上であって第百八条第一項若しくは第百十二条第二項の規定により納付された金銭で各被申立担保権者の有する担保権によって担保される債権及び第百七条第一項の規定により更生会社の負担すべき費用を弁済することができる場合には、裁判所は、当該金銭の交付計算書を作成して、被申立担保権者に弁済金を交付し、剰余金を更生会社に交付する。
3 民事執行法(昭和五十四年法律第四号)第八十五条及び第八十八条から第九十二条までの規定は第一項の配当の手続について、同法第八十八条、第九十一条及び第九十二条の規定は前項の規定による弁済金の交付の手続について、それぞれ準用する。

(更生計画認可前の剰余金等の管財人への交付)
第百十一条 裁判所は、更生計画認可の決定の前において、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときは、管財人の申立てにより、当該各号に定める金額を管財人に交付する旨の決定をすることができる。
 一 前条の規定により被申立担保権者に配当(弁済金の交付を含む。)をすべきこととなる可能性のある金額(次項において「配当等見込額」という。)を第百八条第一項の規定により納付される金銭に相当する金額から控除しても、剰余がある場合 当該剰余金額
 二 すべての被申立担保権者が第百八条第一項の規定により納付される金銭に相当する金額の全部又は一部を管財人に交付することに同意している場合 当該同意のある金額
2 前項第一号に規定する配当等見込額は、次に掲げる金額の合計額とする。
 一 各被申立担保権者が届け出た更生債権等(確定したものを除く。)についての届出額のうち、次のイ及びロのいずれにも該当するもの
  イ 当該届出の内容によれば各被申立担保権者の有する担保権の被担保債権(利息又は不履行による損害賠償若しくは違約金に係る被担保債権にあっては、更生手続開始後二年を経過する時までに生ずるものに限る。次号イにおいて同じ。)となるもの
  ロ イの担保権によって担保された範囲のもの
 二 各被申立担保権者が届け出た更生債権等であって確定したものについての確定額のうち、次のイ及びロのいずれにも該当するもの
  イ 確定した更生債権等の内容によれば各被申立担保権者の有する担保権の被担保債権となるもの
  ロ イの担保権によって担保された範囲のもの
 三 第百五条第四項の規定により予納された額
3 裁判所は、第百三十八条第一項に規定する債権届出期間が経過し、かつ、第百八条第一項各号に掲げる場合のいずれかに該当するに至った後でなければ、第一項の決定をすることができない。
4 第一項の申立てについての裁判に対しては、管財人及び被申立担保権者は、即時抗告をすることができる。
5 第一項の申立て又は前項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を管財人及び被申立担保権者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。
6 裁判所は、第一項の決定が確定したときは、次条第二項の規定による金銭の納付がされた場合を除き、当該決定において定める金額に相当する金銭を管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復した場合は、更生会社)に交付しなければならない。

(差引納付)
第百十二条 裁判所は、管財人が第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前であっても、前条第一項の決定をすることができる。
2 管財人は、第百八条第一項の規定による金銭の納付をする前に前条第一項の決定が確定したときは、第百八条第一項の規定にかかわらず、同項の規定により納付すべき金銭の額から当該決定において定める金額を控除した額を、同項に規定する期限までに、裁判所に納付すれば足りる。

第二款 債権質の第三債務者の供託

第百十三条 更生担保権に係る質権の目的である金銭債権の債務者は、当該金銭債権の全額に相当する金銭を供託して、その債務を免れることができる。
2 前項の規定による供託がされたときは、同項の質権を有していた更生担保権者は、供託金につき質権者と同一の権利を有する。

第七節 関係人集会

(関係人集会の招集)
第百十四条 裁判所は、次の各号に掲げる者のいずれかの申立てがあった場合には、関係人集会を招集しなければならない。これらの申立てがない場合であっても、裁判所は、相当と認めるときは、関係人集会を招集することができる。
 一 管財人
 二 第百十七条第二項に規定する更生債権者委員会
 三 第百十七条第六項に規定する更生担保権者委員会
 四 第百十七条第七項に規定する株主委員会
 五 届出があった更生債権等の全部について裁判所が評価した額の十分の一以上に当たる更生債権等を有する更生債権者等
 六 更生会社の総株主の議決権の十分の一以上を有する株主
2 前項前段の規定にかかわらず、更生会社が更生手続開始の時においてその財産をもって債務を完済することができない状態にあるときは、同項第四号及び第六号に掲げる者は、同項前段の申立てをすることができない。

(関係人集会の期日の呼出し等)
第百十五条 関係人集会の期日には、管財人、更生会社、届出をした更生債権者等、株主及び更生会社の事業の更生のために債務を負担し又は担保を提供する者があるときは、その者を呼び出さなければならない。ただし、第四十二条第二項の決定があったときは、更生計画案の決議をするための関係人集会の期日を除き、届出をした更生債権者等を呼び出すことを要しない。
2 前項本文の規定にかかわらず、届出をした更生債権者等又は株主であって議決権を行使することができないものは、呼び出さないことができる。
3 関係人集会の期日は、第四十六条第三項第三号に規定する労働組合等に通知しなければならない。
4 裁判所は、関係人集会の期日及び会議の目的である事項を公告しなければならない。
5 関係人集会の期日においてその延期又は続行について言渡しがあったときは、第一項及び前二項の規定は、適用しない。

(関係人集会の指揮)
第百十六条 関係人集会は、裁判所が指揮する。

第八節 更生債権者委員会及び代理委員等

(更生債権者委員会等)
第百十七条 裁判所は、更生債権者をもって構成する委員会がある場合には、利害関係人の申立てにより、当該委員会が、この法律の定めるところにより、更生手続に関与することを承認することができる。ただし、次の各号のいずれにも該当する場合に限る。
 一 委員の数が、三人以上最高裁判所規則で定める人数以内であること。
 二 更生債権者の過半数が当該委員会が更生手続に関与することについて同意していると認められること。
 三 当該委員会が更生債権者全体の利益を適切に代表すると認められること。
2 裁判所は、必要があると認めるときは、更生手続において、前項の規定により承認された委員会(以下「更生債権者委員会」という。)に対して、意見の陳述を求めることができる。
3 更生債権者委員会は、更生手続において、裁判所又は管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときは、管財人又は更生会社)に対して、意見を述べることができる。
4 更生債権者委員会に更生会社の事業の更生に貢献する活動があったと認められるときは、裁判所は、当該活動のために必要な費用を支出した更生債権者の申立てにより、更生会社財産から、当該更生債権者に対し、相当と認める額の費用を償還することを許可することができる。
5 裁判所は、利害関係人の申立てにより又は職権で、いつでも第一項の規定による承認を取り消すことができる。
6 第一項の規定は更生担保権者をもって構成する委員会がある場合について、第二項から前項までの規定はこの項において準用する第一項の規定により承認された委員会(以下「更生担保権者委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。
7 第一項の規定は株主をもって構成する委員会がある場合について、第二項から第五項までの規定はこの項において準用する第一項の規定により承認された委員会(第百二十一条において「株主委員会」という。)がある場合について、それぞれ準用する。

(更生債権者委員会の意見聴取)
第百十八条 裁判所書記官は、前条第一項の規定による承認があったときは、遅滞なく、管財人(第七十二条第四項前段の規定により更生会社の機関がその権限を回復したときは、更生会社。次項において同じ。)に対して、その旨を通知しなければならない。
2 管財人は、前項の通知を受けたときは、遅滞なく、更生会社の業務及び財産の管理に関する事項について、更生債権者委員会の意見を聴かなければならない。

(管財人の更生債権者委員会に対する報告義務)
第百十九条 管財人は、第八十三条第三項若しくは第四項又は第八十四条の規定により報告書等(報告書、貸借対照表又は財産目録をいう。以下この条において同じ。)を裁判所に提出したときは、遅滞なく、当該報告書等を更生債権者委員会にも提出しなければならない。
2 管財人は、前項の場合において、当該報告書等に第十二条第一項の支障部分に該当する部分があると主張して同項の申立てをしたときは、当該部分を除いた報告書等を更生債権者委員会に提出すれば足りる。

(管財人に対する報告命令)
第百二十条 更生債権者委員会は、更生債権者全体の利益のために必要があるときは、裁判所に対し、管財人に更生会社の業務及び財産の管理状況その他更生会社の事業の更生に関し必要な事項について第八十四条第二項の規定による報告をすることを命ずるよう申し出ることができる。
2 前項の申出を受けた裁判所は、当該申出が相当であると認めるときは、管財人に対し、第八十四条第二項の規定による報告をすることを命じなければならない。

(準用)
第百二十一条 前三条の規定は、更生担保権者委員会又は株主委員会がある場合について準用する。

(代理委員)
第百二十二条 更生債権者等又は株主は、裁判所の許可を得て、共同して又は各別に、一人又は数人の代理委員を選任することができる。
2 裁判所は、更生手続の円滑な進行を図るために必要があると認めるときは、更生債権者等又は株主に対し、相当の期間を定めて、代理委員の選任を勧告することができる。
3 代理委員は、これを選任した更生債権者等又は株主のために、更生手続に属する一切の行為をすることができる。
4 一の更生債権者等又は一の株主について代理委員が数人あるときは、共同してその権限を行使する。ただし、第三者の意思表示は、その一人に対してすれば足りる。
5 裁判所は、代理委員の権限の行使が著しく不公正であると認めるときは、第一項の許可の決定又は次条第一項の選任の決定を取り消すことができる。
6 更生債権者等又は株主は、いつでも、その選任した代理委員を解任することができる。

(裁判所による代理委員の選任)
第百二十三条 裁判所は、共同の利益を有する更生債権者等又は株主が著しく多数である場合において、これらの者のうちに前条第二項の規定による勧告を受けたにもかかわらず同項の期間内に代理委員を選任しない者があり、かつ、代理委員の選任がなければ更生手続の進行に支障があると認めるときは、当該者のために、相当と認める者を代理委員に選任することができる。
2 前項の規定により代理委員を選任するには、当該代理委員の同意を得なければならない。
3 第一項の規定により代理委員が選任された場合には、当該代理委員は、本人(その者のために同項の規定により代理委員が選任された者をいう。第六項において同じ。)が前条第一項の規定により選任したものとみなす。
4 第一項の規定により選任された代理委員は、正当な理由があるときは、裁判所の許可を得て辞任することができる。
5 第一項の規定により選任された代理委員は、更生会社財産から、次に掲げるものの支払を受けることができる。
 一 前条第三項に規定する行為をするために必要な費用について、その前払又は支出額の償還
 二 裁判所が相当と認める額の報酬
6 第一項の規定により代理委員が選任された場合における当該代理委員と本人との間の関係については、民法第六百四十四条から第六百四十七条まで及び第六百五十四条の規定を準用する。

(報償金等)
第百二十四条 裁判所は、更生債権者等、株主若しくは代理委員又はこれらの者の代理人が更生会社の事業の更生に貢献したと認められるときは、管財人の申立てにより又は職権で、管財人が、更生会社財産から、これらの者に対し、その事務処理に要した費用を償還し、又は報償金を支払うことを許可することができる。
2 前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。

第九節 調査命令

(調査命令)
第百二十五条 裁判所は、更生手続開始後において、必要があると認めるときは、利害関係人の申立てにより又は職権で、次に掲げる事項の全部又は一部を対象とする調査委員による調査又は意見陳述を命ずる処分をすることができる。
 一 第九十九条第一項の規定による保全処分又は第百条第一項に規定する役員等責任査定決定を必要とする事情の有無及びその処分又は決定の要否
 二 管財人の作成する貸借対照表及び財産目録の当否並びに更生会社の業務及び財産の管理状況その他裁判所の命ずる事項に関する管財人の報告の当否
 三 更生計画案又は更生計画の当否
 四 その他更生事件に関し調査委員による調査又は意見陳述を必要とする事項
2 裁判所は、前項の処分(以下「調査命令」という。)をする場合には、当該調査命令において、一人又は数人の調査委員を選任し、かつ、調査委員の調査又は意見陳述の対象となるべき事項及び裁判所に対して報告又は陳述をすべき期間を定めなければならない。
3 裁判所は、調査命令を変更し、又は取り消すことができる。
4 調査命令及び前項の規定による決定に対しては、即時抗告をすることができる。
5 前項の即時抗告は、執行停止の効力を有しない。
6 第四項に規定する裁判及び同項の即時抗告についての裁判があった場合には、その裁判書を当事者に送達しなければならない。この場合においては、第十条第三項本文の規定は、適用しない。

(準用)
第百二十六条 第六十七条第二項、第六十八条、第六十九条第一項本文、第七十七条、第八十条及び第八十一条第一項から第四項までの規定は、調査委員について準用する。

以上

第一章〜第三章 第四章〜第十二章・附則


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