のじゅかー旅行記

第11回野宿旅行 in 北海道

1日目(広島・網走)2・3日目(屈斜路・洞爺湖)4〜6日目(網走・サロマ湖)7日・8日目(登別・広島)


7日目

 夜行で網走から札幌。さらに乗り換えて登別へ。
 駅から路線バスで登別温泉。案内所で紹介してもらった2軒目の宿に荷物を置いて、昼食を摂りに近くの店へ行く。1軒目は休みだった。案内所の意味ないじゃん!(「休みかも」って言っていたけど「かも」ってアリなのか?)

 ともかく、一仕事を終えてふにゃふにゃに気が抜けた状態で温泉街からロープウェイに乗り、登別クマ牧場へ行く。クマにエサを放り投げたり、風邪っぴきの小熊の曲芸ショーを観たり、クッタラ湖を眺める展望台に行ったり、売店のおばちゃんと話をしたりして再びロープウェイで戻る。

 言うまでもなく登別は温泉が湧き出ているところだ。その温泉街の奥に温泉の川が流れていて、地獄谷と名付けられている。硫黄混じりの温泉が流れているので、その周囲に草木はほとんど無く、立ち上る湯気が風にあおられたり停滞する様子は「なるほど、地獄っぽい」。
 20〜30分ほど登ったところに池があり、そこが源泉のようなので雪道をずんずんずんと歩いていくことにした。そこでアジア系の家族に写真を頼まれたのでパシャッと。そう言えば北海道に行くたびにこんなコトしてるなあ。アジアでは北海道ブームなのか。

 ホテルに戻って、改めてチェックイン。テント付きザックを持たせるのも悪いので自分で背負ってエレベータへ。「おお和室だ、畳だ。ぐわー体中がいてえなあ」テレビをつけて座布団の上でゴロゴロ。大浴場があることを思い出し、「あー湯治だ湯治しよう」と全ての浴槽に詰め込んだら何百人入れるんだッという広さにびっくりしつつ、いろんな泉種の湯に浸かって、おまけに排水溝で足の親指を1月ほどしびれさせるほどにグギっとやったりしながら堪能した。
 部屋で夕食を済ませ、布団を敷いてもらってダラ〜っとする。旅館やホテルに泊まったことよりも野宿や車中泊の経験の方が多い私としては、悶えるほどの快適さなのだ。うはー。
 テレビを眺めながらネタ帳を書きつつスキットルの焼酎をあおって寝る。

8日目

 畳敷きの宴会場みたいな朝食会場で、もそもそとご飯を食べてチェックアウト。
 バスで登別駅まで行き、列車で南千歳へ。さらに乗り換えて新千歳空港。空港でビールとジャーマンポテトを食べながらネタ帳書き。おみやげをいくつか買って搭乗手続き。ここでブタンのガスボンベが見つかってしまい所有権放棄の書類にサイン→没収。パーコレータに隠しておけばよかった。しかしラディンの野郎め許せないぞ。再保険を引き受けていた大成火災破綻の影響で三洋中国Fが元本割れして損するし、宅急便の配達も遅れるし。ただ、ボンベの機内持ち込みは元からダメなんだけどさ。

 広島空港。友人の旭爪が迎えに来てくれたので、山陽道をズバッと広島市内へ。高速料金相当のおみやげを渡してさようなら。ちょっと少なかったな。



 こうして4年を費やした私の冬季サロマ湖遠征は、その目的を達した。
 あこがれのサロマ湖口は初年にこの足で渡ることができたし、その際に心残りだったサロマ湖南側の砂州先端もようやくこの目で見渡すことができたのだ。

 振り返れば、初年の氷上湖口越えは単なるビギナーズラックだったのかも知れないし、二年目の挫折&水没未遂も、三年目の拿捕→拉致→監禁もダラけた日々を送る私にとってはビックリするほどネタ的だった。
 この間、つくづく感じたのは自分の精神力の弱さだった。人里を離れたところにどのような形であれ、ただ一人でいることは不安と後悔以外の何ものでもなかった。その代わりに目標を達したいま、自分が誇れる物の一つとして印を刻んだように思える。

 重ねて、この4年間にお世話になった方々に礼を申し添えます。

 私の「冬季サロマ湖遠征」はここで一区切りをつける。が、これからもサロマ湖や北海道への別の視点からのアタックは続けたいと思っている。


 私が広島へ戻ると、一通の封書が届いていたので最後に紹介する。

 このたび、メールをお寄せいただきました網走国定公園の利用に関する質問につきまして、お返事をさせていただきます。

 網走国定公園は、海岸線に点在する湖沼群と砂丘上にひろがる…(略)…昭和33年に国定公園に指定されました。
 自然公園につきましては、公園区域を特別区域と普通区域に区分し、風致維持の必要度合いから特別地域を第1種特別区域から第3種特別区域に区分し、さまざまな行為を規制しております。
 また、特別区域内で特に厳重に景観の総合的保存を図る地域については、特別保護地域として厳しく行為の制限を課しているところです。
 田川様のご質問にあったサロマ湖周辺は、水面が第2種特別地域、第1湖口から第2湖口にかけての砂州は第1種特別地域に区分されており、テントの設営については、自然公園法の規定による許可を要する行為となっていますが、ガスの使用については規制はありません。
 個人が短期間設営する小型のテントについては、植生等の自然環境や風致景観へ及ぼす影響など現地の状況により、許可申請していただくかどうかを判断することとしております。田川様が、再度サロマ湖においでになるときは、事前に北海道網走支庁環境生活課(Tel 0152-44-7171)までお問い合わせ願います。
 なお、テントの設営にあたっては、自然公園法以外にも土地所有者、管理者の許可等が必要となる場合もあることを申し添えます。

 今後とも、北海道の自然環境の保全のため特段の御理解をいただきますよう、よろしくお願い致します。

 平成14年2月7日

 田川 諭 様

             北海道環境生活部環境室自然環境課長






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