特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令


公布:平成17年4月27日政令第169号
施行:平成17年6月1日
改正:平成17年12月14日政令第362号
施行:平成18年2月1日(附則第1条ただし書:平成17年12月14日)
改正:平成18年7月21日政令第240号
施行:平成18年9月1日附則第1条ただし書:平成18年7月21日)

 内閣は、特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(平成十六年法律第七十八号)第二条第一項及び第二十六条第一項の規定に基づき、この政令を制定する。

(政令で定める外来生物)
第一条 特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下「法」という。)第二条第一項の政令で定める外来生物は、別表第一の下欄に掲げる種(亜種又は変種を含む。以下同じ。)に属する生物とする。

(個体に含まれるもの)
第二条 法第二条第一項の個体に含まれる政令で定めるものは、胞子とする。

(政令で定める外来生物の器官)
第三条 法第二条第一項の政令で定める器官は、別表第二の上欄に掲げる外来生物の種の区分に応じ、それぞれ同表の下欄に定める器官とする。

(特定外来生物被害防止取締官の資格)
第四条 法第二十六条第一項の政令で定める要件は、次の各号のいずれかに該当することとする。
 一 通算して三年以上生物による生態系等に係る被害の防止に関する行政事務に従事した者であること。
 二 学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学若しくは高等専門学校において生物学、農学、林学、水産学、造園学その他生物による生態系等に係る被害の防止に関して必要な課程を修めて卒業した者又はこれと同等以上の学力を有すると認められる者であって、通算して一年以上生物による生態系等に係る被害の防止に関する行政事務に従事したものであること。

   附 則

(施行期日)
第一条 この政令は、法の施行の日(平成十七年六月一日)から施行する。

(環境省組織令の一部改正)
第二条 環境省組織令(平成十二年政令第二百五十六号)の一部を次のように改正する。
 第三十八条第七号中「関すること」の下に「(野生生物課の所掌に属するものを除く。)」を加える。
 第四十二条第二号中「前号」を「前二号」に改め、同号を同条第三号とし、同条第一号の次に次の一号を加える。
  二 外来生物による生態系、人の生命若しくは身体又は農林水産業に係る被害の防止に関すること。

   附 則 [平成17年12月14日政令第362号]

(施行期日)
第一条 この政令は、平成十八年二月一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)
第二条 この政令による改正後の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令(以下「新令」という。)別表第一の下欄に掲げる種(亜種又は変種を含む。以下同じ。)のうちこの政令による改正前の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令(以下「旧令」という。)別表第一の下欄に掲げられていないもの及び新令別表第二の上欄に掲げる外来生物の種の区分に応じそれぞれ同表の下欄に定める器官のうち旧令別表第二の上欄に掲げる外来生物の種の区分に応じそれぞれ同表の下欄に定められていないものに係る特定外来生物についての特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(以下「法」という。)第五条第一項の許可を受けようとする者は、この政令の施行の日(以下「施行日」という。)前においても、その許可の申請をすることができる。
2 主務大臣は、前項の規定により許可の申請があった場合には、施行日前においても、法第五条第一項の許可をすることができる。この場合において、当該許可は、施行日にその効力を生ずる。

   附 則 [平成18年7月21日政令第240号]

(施行期日)
第一条 この政令は、平成十八年九月一日から施行する。ただし、次条の規定は、公布の日から施行する。

(経過措置)
第二条 この政令による改正後の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令別表第一の下欄に掲げる種(亜種又は変種を含む。)のうち、この政令による改正前の特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律施行令別表第一の下欄に掲げられていないものに係る特定外来生物についての特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律(次項において「法」という。)第五条第一項の許可を受けようとする者は、この政令の施行の日(次項において「施行日」という。)前においても、その許可の申請をすることができる。
2 主務大臣は、前項の規定により許可の申請があった場合には、施行日前においても、法第五条第一項の許可をすることができる。この場合において、当該許可は、施行日にその効力を生ずる。


別表第一(第一条関係)
科名種名
第一 動物界
 一 哺乳綱
  (一) カンガルー目
クスクス科トリコスルス・ヴルペクラ(フクロギツネ)
  (二) 食虫目
はりねずみ科エリナケウス属(ハリネズミ属)全種
  (三) 霊長目
おながざる科マカカ・キュクロピス(タイワンザル)
マカカ・ファスキクラリス(カニクイザル)
マカカ・ムラタ(アカゲザル)
  (四) 齧歯目
ヌートリア科ミュオカストル・コィプス(ヌートリア)
りす科カルロスキウルス・エリュトラエウス(クリハラリス)
プテロミュス・ヴォランス(タイリクモモンガ)のうちプテロミュス・ヴォランス・オリイ(エゾモモンガ)以外のもの
スキウルス・カロリネンスィス(トウブハイイロリス)
スキウルス・ヴルガリス(キタリス)のうちスキウルス・ヴルガリス・オリエンティス(エゾリス)以外のもの
ねずみ科オンダトラ・ズィベティクス(マスクラット)
  (五) 食肉目
あらいぐま科プロキュオン・カンクリヴォルス(カニクイアライグマ)
プロキュオン・ロトル(アライグマ)
いたち科ムステラ・ヴィソン(アメリカミンク)
マングース科ヘルペステス・ヤヴァニクス(ジャワマングース)
  (六) 偶蹄目
しか科アクスィス属(アキシスジカ属)全種
ケルヴス属(シカ属)に属する種のうちケルヴス・ニポン・ケントラリス(ホンシュウジカ)、ケルヴス・ニポン・ケラマエ(ケラマジカ)、ケルヴス・ニポン・マゲシマエ(マゲシカ)、ケルヴス・ニポン・ニポン(キュウシュウジカ)、ケルヴス・ニポン・プルケルルス(ツシマジカ)、ケルヴス・ニポン・ヤクシマエ(ヤクシカ)及びケルヴス・ニポン・イェソエンスィス(エゾシカ)以外のもの
ダマ属(ダマシカ属)全種
エラフルス・ダヴィディアヌス(シフゾウ)
ムンティアクス・レエヴェスィ(キョン)
 二 鳥綱
   すずめ目
ちめどり科ガルルラクス・カノルス(ガビチョウ)
ガルルラクス・ペルスピキルラトゥス(カオグロガビチョウ)
ガルルラクス・サンニオ(カオジロガビチョウ)
レイオトリクス・ルテア(ソウシチョウ)
 三 爬虫綱
  (一) かめ目
かみつきがめ科ケリュドラ・セルペンティナ(カミツキガメ)
  (二) とかげ亜目
たてがみとかげ科アノリス・カロリネンスィス(グリーンアノール)
アノリス・サグレイ(ブラウンアノール)
  (三) へび亜目
なみへび科ボイガ・イルレグラリス(ミナミオオガシラ)
エラフェ・タエニウラ・フリエスィ(タイワンスジオ)
くさりへび科プロトボトロプス・ムクロスカマトゥス(タイワンハブ)
 四 両生綱
   無尾目
ひきがえる科ブフォ・マリヌス(オオヒキガエル)
あまがえる科オステオピルス・セプテントリオナリス(キューバズツキガエル)
ゆびなががえる科エレウテロダクテュルス・コクイ(コキーコヤスガエル)
あかがえる科ラナ・カテスベイアナ(ウシガエル)
あおがえる科ポリュペダテス・レウコミュスタクス(シロアゴガエル)
 五 条鰭亜綱
  (一) なまず目
イクタルルス科イクタルルス・プンクタトゥス(チャネルキャットフィッシュ)
  (二) かわかます目
かわかます科エソクス・ルキウス(ノーザンパイク)
エソクス・マスクイノンギュ(マスキーパイク)
  (三) かだやし目
かだやし科ガンブスィア・アフィニス(カダヤシ)
  (四) すずき目
サンフィッシュ科レポミス・マクロキルス(ブルーギル)
ミクロプテルス・ドロミエウ(コクチバス)
ミクロプテルス・サルモイデス(オオクチバス)
モロネ科モロネ・クリュソプス(ホワイトバス)
モロネ・サクサティリス(ストライプトバス)
パーチ科ぺルカ・フルヴィアティリス(ヨーロピアンパーチ)
サンデル・ルキオペルカ(パイクパーチ)
けつぎょ科スィニペルカ・クアトスィ(ケツギョ)
スィニペルカ・スケルゼリ(コウライケツギョ)
 六 くも綱
  (一) さそり目
きょくとうさそり科きょくとうさそり科全種
  (二) くも目
じょうごぐも科アトラクス属全種
ハドロニュケ属全種
いとぐも科ロクソスケレス・ガウコ
ロクソスケレス・ラエタ
ロクソスケレス・レクルサ
ひめぐも科ラトロデクトゥス・ゲオメトリクス(ハイイロゴケグモ)
ラトロデクトゥス・ハセルティイ(セアカゴケグモ)
ラトロデクトゥス・マクタンス(クロゴケグモ)
ラトロデクトゥス・トレデキムグタトゥス(ジュウサンボシゴケグモ)
 七 甲殻綱
   えび目
ざりがに科アスタクス属全種
パキファスタクス・レニウスクルス(ウチダザリガニ)
アメリカざりがに科オルコネクテス・ルスティクス(ラスティークレイフィッシュ)
みなみざりがに科ケラクス属全種
もくずがに科エリオケイル属(モクズガニ属)に属する種のうちエリオケイル・ヤポニカ(モクズガニ)以外のもの
 八 昆虫綱
   (一) 甲虫目
こがねむし科ケイロトヌス属(テナガコガネ属)に属する種のうちケイロトヌス・ヤンバル(ヤンバルテナガコガネ)以外のもの
エウキルス属(クモテナガコガネ属)全種
プロポマクルス属(ヒメテナガコガネ属)全種
  (二) はち目
みつばち科ボンブス・テルレストリス(セイヨウオオマルハナバチ)
あり科リネピテマ・フミレ(アルゼンチンアリ)
ソレノプスィス・ゲミナタ(アカカミアリ)
ソレノプスィス・インヴィクタ(ヒアリ)
ワスマンニア・アウロプンクタタ(コカミアリ)
 九 二枚貝綱
   (一) いがい目
いがい科リムノペルナ属(カワヒバリガイ属)全種
  (二) まるすだれがい目
かわほととぎすがい科ドレイセナ・ブゲンスィス(クワッガガイ)
ドレイセナ・ポリュモルファ(カワホトトギスガイ)
 一〇 腹足綱
   まいまい目
スピラクスィダエ科エウグランディナ・ロセア(ヤマヒタチオビ)
一一 渦虫綱
   三岐腸目
やりがたりくうずむし科プラテュデムス・マノクワリ(ニューギニアヤリガタリクウズムシ)
第二 植物界
ひゆ科アルテルナンテラ・フィロクセロイデス(ナガエツルノゲイトウ)
せり科ヒュドロコティレ・ラヌンクロイデス(ブラジルチドメグサ)
さといも科ピスティア・ストラティオテス(ボタンウキクサ)
あかうきくさ科アゾルラ・クリスタタ
きく科コレオプスィス・ランケオラタ(オオキンケイギク)
ギュムノコロニス・スピラントイデス(ミズヒマワリ)
ルドベキア・ラキニアタ(オオハンゴンソウ)
セネキオ・マダガスカリエンスィス(ナルトサワギク)
うり科スィキュオス・アングラトゥス(アレチウリ)
ありのとうぐさ科ミュリオフュルルム・アクアティクム(オオフサモ)
いね科スパルティナ・アングリカ
ごまのはぐさ科ヴェロニカ・アナガルリス−アクアティカ(オオカワヂシャ)
備考 括弧内に記載する呼称は、和名である。



別表第二(第三条関係)
種名器官
アルテルナンテラ・フィロクセロイデス(ナガエツルノゲイトウ)茎、根
ヒュドロコティレ・ラヌンクロイデス(ブラジルチドメグサ)茎、根
ピスティア・ストラティオテス(ボタンウキクサ)茎、根
アゾルラ・クリスタタ
コレオプスィス・ランケオラタ(オオキンケイギク)
ギュムノコロニス・スピラントイデス(ミズヒマワリ)茎、根
ルドベキア・ラキニアタ(オオハンゴンソウ)
セネキオ・マダガスカリエンスィス(ナルトサワギク)茎、根
ミュリオフュルルム・アクアティクム(オオフサモ)茎、根
スパルティナ・アングリカ茎、根
ヴェロニカ・アナガルリス−アクアティカ(オオカワヂシャ)
備考 括弧内に記載する呼称は、和名である。


以上

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