高齢者の居住の安定確保に関する法律


公布:平成13年4月6日法律第26号
施行:平成13年8月5日(附則第1条ただし書:平成13年10月1日)
改正:平成14年2月8日法律第1号
施行:平成14年2月8日
改正:平成15年6月11日法律第75号
施行:平成15年6月11日
改正:平成15年6月20日法律第100号
施行:平成16年7月1日
改正:平成16年3月31日法律第10号
施行:平成16年4月1日
改正:平成16年12月1日法律第147号
施行:平成17年4月1日
改正:平成17年6月29日法律第78号
施行:平成17年8月1日
改正:平成17年7月6日法律第82号
施行:平成19年4月1日
改正:平成18年6月2日法律第50号
施行:平成20年12月1日
改正:平成18年6月8日法律第61号
施行:平成18年6月8日
改正:平成21年5月20日法律第38号
施行:平成21年8月19日(附則第1条第1号:平成22年5月19日,同条第2号:平成21年11月19日)
改正:平成23年4月28日法律第32号
施行:平成23年10月20日
改正:平成23年6月3日法律第61号
施行:平成24年4月1日

目次

 第一章 総則(第一条・第二条)
 第二章 基本方針及び高齢者居住安定確保計画(第三条・第四条)
 第三章 サービス付き高齢者向け住宅事業   第一節 登録(第五条−第十四条)   第二節 業務(第十五条−第二十条)   第三節 登録住宅に係る特例(第二十一条−第二十三条)   第四節 監督(第二十四条−第二十七条)   第五節 指定登録機関(第二十八条−第四十条)   第六節 雑則(第四十一条−第四十三条)  第四章 地方公共団体等による高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給の促進等(第四十四条−第五十一条)
 第五章 終身建物賃貸借(第五十二条−第七十二条)
 第六章 住宅の加齢対応改良に対する支援措置(第七十三条)
 第七章 雑則(第七十四条−第七十八条)
 第八章 罰則(第七十九条−第八十二条)
 附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスの提供を受けることができる良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅等の登録制度を設けるとともに、良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅の供給を促進するための措置を講じ、併せて高齢者に適した良好な居住環境が確保され高齢者が安定的に居住することができる賃貸住宅について終身建物賃貸借制度を設ける等の措置を講ずることにより、高齢者の居住の安定の確保を図り、もってその福祉の増進に寄与することを目的とする。

(国及び地方公共団体の責務)
第二条 国及び地方公共団体は、高齢者の居住の安定の確保を図るため、必要な施策を講ずるよう努めなければならない。

第二章 基本方針及び高齢者居住安定確保計画

(基本方針)
第三条 国土交通大臣及び厚生労働大臣は、高齢者の居住の安定の確保に関する基本的な方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
2 基本方針においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標の設定に関する事項
 二 高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の促進に関する基本的な事項
 三 高齢者が入居する賃貸住宅の管理の適正化に関する基本的な事項
 四 高齢者に適した良好な居住環境を有する住宅の整備の促進に関する基本的な事項
 五 高齢者がその居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス及び福祉サービスを提供する体制(次条第二項第二号ホにおいて「高齢者居宅生活支援体制」という。)の確保に関する基本的な事項
 六 次条第一項に規定する高齢者居住安定確保計画の策定に関する基本的な事項
 七 前各号に掲げるもののほか、高齢者の居住の安定の確保に関する重要事項
3 基本方針は、高齢者のための住宅及び老人ホーム並びに高齢者のための保健医療サービス及び福祉サービスの需要及び供給の現況及び将来の見通しを勘案して定めるとともに、住生活基本法(平成十八年法律第六十一号)第十五条第一項に規定する全国計画との調和が保たれたものでなければならない。
4 国土交通大臣及び厚生労働大臣は、基本方針を定めようとするときは、総務大臣に協議しなければならない。
5 国土交通大臣及び厚生労働大臣は、基本方針を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならない。
6 前三項の規定は、基本方針の変更について準用する。

(高齢者居住安定確保計画)
第四条 都道府県は、基本方針に基づき、当該都道府県の区域内における高齢者の居住の安定の確保に関する計画(以下「高齢者居住安定確保計画」という。)を定めることができる。
2 高齢者居住安定確保計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
 一 当該都道府県の区域内における高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の目標
 二 次に掲げる事項であって、前号の目標を達成するために必要なもの
  イ 高齢者に対する賃貸住宅及び老人ホームの供給の促進に関する事項
  ロ 高齢者が入居する賃貸住宅の管理の適正化に関する事項
  ハ 高齢者に適した良好な居住環境を有する住宅の整備の促進に関する事項
  ニ 老人福祉法(昭和三十八年法律第百三十三号)第五条の二第三項に規定する老人デイサービス事業その他の高齢者がその居宅において日常生活を営むために必要な保健医療サービス又は福祉サービスを提供するものとして政令で定める事業(以下「高齢者居宅生活支援事業」という。)の用に供する施設の整備の促進に関する事項
  ホ ニに掲げるもののほか、高齢者居宅生活支援体制の確保に関する事項
 三 計画期間
 四 前三号に掲げるもののほか、当該都道府県の区域内における高齢者の居住の安定の確保に関し必要な事項
3 都道府県は、当該都道府県の区域内において地方住宅供給公社(以下「公社」という。)による住宅の改良(改良後の住宅が加齢対応構造等(加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能の低下の状況に対応した構造及び設備をいう。以下同じ。)であって国土交通省令で定める基準に適合するものを有するものとすることを主たる目的とするものに限る。第七十三条において「住宅の加齢対応改良」という。)に関する事業の実施が必要と認められる場合には、前項第二号に掲げる事項に、当該事業の実施に関する事項を定めることができる。
4 都道府県は、高齢者居住安定確保計画に公社による前項に規定する事業の実施に関する事項を定めようとするときは、当該事項について、あらかじめ、当該公社の同意を得なければならない。
5 都道府県は、高齢者居住安定確保計画を定めようとするときは、あらかじめ、インターネットの利用その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める方法により、住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるよう努めるとともに、当該都道府県の区域内の市町村(特別区を含む。以下同じ。)に協議しなければならない。この場合において、地域における多様な需要に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法(平成十七年法律第七十九号)第五条第一項の規定により地域住宅協議会を組織している都道府県にあっては、当該地域住宅協議会の意見を聴かなければならない。
6 都道府県は、高齢者居住安定確保計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表するよう努めるとともに、国土交通大臣及び厚生労働大臣並びに当該都道府県の区域内の市町村にその写しを送付しなければならない。
7 第三項から前項までの規定は、高齢者居住安定確保計画の変更について準用する。

第三章 サービス付き高齢者向け住宅事業

第一節 登録

(サービス付き高齢者向け住宅事業の登録)
第五条 高齢者向けの賃貸住宅又は老人福祉法第二十九条第一項に規定する有料老人ホーム(以下単に「有料老人ホーム」という。)であって居住の用に供する専用部分を有するものに高齢者(国土交通省令・厚生労働省令で定める年齢その他の要件に該当する者をいう。以下この章において同じ。)を入居させ、状況把握サービス(入居者の心身の状況を把握し、その状況に応じた一時的な便宜を供与するサービスをいう。以下同じ。)、生活相談サービス(入居者が日常生活を支障なく営むことができるようにするために入居者からの相談に応じ必要な助言を行うサービスをいう。以下同じ。)その他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスを提供する事業(以下「サービス付き高齢者向け住宅事業」という。)を行う者は、サービス付き高齢者向け住宅事業に係る賃貸住宅又は有料老人ホーム(以下「サービス付き高齢者向け住宅」という。)を構成する建築物ごとに、都道府県知事の登録を受けることができる。
2 前項の登録は、五年ごとにその更新を受けなければ、その期間の経過によって、その効力を失う。
3 前項の更新の申請があった場合において、同項の期間(以下この条において「登録の有効期間」という。)の満了の日までにその申請に対する処分がされないときは、従前の登録は、登録の有効期間の満了後もその処分がされるまでの間は、なおその効力を有する。
4 前項の場合において、登録の更新がされたときは、その登録の有効期間は、従前の登録の有効期間の満了の日の翌日から起算するものとする。

(登録の申請)
第六条 前条第一項の登録(同条第二項の登録の更新を含む。以下同じ。)を受けようとする者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した申請書を都道府県知事に提出しなければならない。
 一 商号、名称又は氏名及び住所
 二 事務所の名称及び所在地
 三 法人である場合においては、その役員の氏名
 四 未成年者である場合においては、その法定代理人の氏名及び住所(法定代理人が法人である場合においては、その商号又は名称及び住所並びにその役員の氏名)
 五 サービス付き高齢者向け住宅の位置
 六 サービス付き高齢者向け住宅の戸数
 七 サービス付き高齢者向け住宅の規模
 八 サービス付き高齢者向け住宅の構造及び設備
 九 サービス付き高齢者向け住宅の入居者(以下この章において単に「入居者」という。)の資格に関する事項
 十 入居者に提供する高齢者生活支援サービス(状況把握サービス、生活相談サービスその他の高齢者が日常生活を営むために必要な福祉サービスであって国土交通省令・厚生労働省令で定めるものをいう。以下同じ。)の内容
 十一 サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が入居者から受領する金銭に関する事項
 十二 終身又は入居者と締結するサービス付き高齢者向け住宅への入居に係る契約(以下「入居契約」という。)の期間にわたって受領すべき家賃等(家賃又は高齢者生活支援サービスの提供の対価をいう。以下同じ。)の全部又は一部を前払金として一括して受領する場合にあっては、当該前払金の概算額及び当該前払金についてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が返還債務を負うこととなる場合に備えて講ずる保全措置に関する事項
 十三 居住の用に供する前のサービス付き高齢者向け住宅にあっては、入居開始時期
 十四 入居者に対する保健医療サービス又は福祉サービスの提供について高齢者居宅生活支援事業を行う者と連携及び協力をする場合にあっては、当該連携及び協力に関する事項
 十五 その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項
2 前項の申請書には、入居契約に係る約款その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。

(登録の基準等)
第七条 都道府県知事は、第五条第一項の登録の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときは、次条第一項の規定により登録を拒否する場合を除き、その登録をしなければならない。
 一 サービス付き高齢者向け住宅の各居住部分(賃貸住宅にあっては住戸をいい、有料老人ホームにあっては入居者ごとの専用部分をいう。以下同じ。)の床面積が、国土交通省令・厚生労働省令で定める規模以上であること。
 二 サービス付き高齢者向け住宅の構造及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、高齢者の入居に支障を及ぼすおそれがないものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
 三 サービス付き高齢者向け住宅の加齢対応構造等が、第五十四条第一号ロに規定する基準又はこれに準ずるものとして国土交通省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。
 四 入居者の資格を、自ら居住するため賃貸住宅又は有料老人ホームを必要とする高齢者又は当該高齢者と同居するその配偶者(婚姻の届出をしていないが事実上夫婦と同様の関係にあるものを含む。以下同じ。)とするものであること。
 五 入居者に国土交通省令・厚生労働省令で定める基準に適合する状況把握サービス及び生活相談サービスを提供するものであること。
 六 入居契約が次に掲げる基準に適合する契約であること。
  イ 書面による契約であること。
  ロ 居住部分が明示された契約であること。
  ハ サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が、敷金並びに家賃等及び前条第一項第十二号の前払金(以下「家賃等の前払金」という。)を除くほか、権利金その他の金銭を受領しない契約であること。
 ニ 家賃等の前払金を受領する場合にあっては、当該家賃等の前払金の算定の基礎及び当該家賃等の前払金についてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が返還債務を負うこととなる場合における当該返還債務の金額の算定方法が明示された契約であること。
  ホ 入居者の入居後、国土交通省令・厚生労働省令で定める一定の期間が経過する日までの間に契約が解除され、又は入居者の死亡により終了した場合において、サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が、国土交通省令・厚生労働省令で定める方法により算定される額を除き、家賃等の前払金を返還することとなる契約であること。
  ヘ サービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が、入居者の病院への入院その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める理由により居住部分を変更し、又はその契約を解約することができないものであること。
 七 サービス付き高齢者向け住宅の整備をしてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う場合にあっては、当該整備に関する工事の完了前に敷金又は家賃等の前払金を受領しないものであること。
 八 家賃等の前払金についてサービス付き高齢者向け住宅事業を行う者が返還債務を負うこととなる場合に備えて、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより必要な保全措置が講じられるものであること。
 九 その他基本方針(サービス付き高齢者向け住宅が高齢者居住安定確保計画が定められている都道府県の区域内にある場合にあっては、基本方針及び高齢者居住安定確保計画)に照らして適切なものであること。
2 第五条第一項の登録は、サービス付き高齢者向け住宅登録簿(以下「登録簿」という。)に次に掲げる事項を記載してするものとする。
 一 前条第一項各号に掲げる事項
 二 登録年月日及び登録番号
3 都道府県知事は、第一項の登録をしたときは、遅滞なく、その旨を当該登録を受けた者に通知しなければならない。
4 都道府県知事は、第五条第一項の登録の申請が第一項の基準に適合しないと認めるときは、遅滞なく、その理由を示して、その旨を申請者に通知しなければならない。
5 都道府県知事は、第五条第一項の登録をしたときは、遅滞なく、その旨を、当該登録を受けたサービス付き高齢者向け住宅事業(以下「登録事業」という。)に係るサービス付き高齢者向け住宅(以下「登録住宅」という。)の存する市町村の長に通知しなければならない。

(登録の拒否)
第八条 都道府県知事は、第五条第一項の登録を受けようとする者が次の各号のいずれかに該当するとき、又は第六条第一項の申請書若しくはその添付書類のうちに重要な事項について虚偽の記載があり、若しくは重要な事実の記載が欠けているときは、その登録を拒否しなければならない。
 一 成年被後見人又は被保佐人
 二 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
 三 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して一年を経過しない者
 四 第二十六条第二項の規定により登録を取り消され、その取消しの日から起算して一年を経過しない者
 五 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成三年法律第七十七号)第二条第六号に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなった日から五年を経過しない者(第九号において「暴力団員等」という。)
 六 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人(法定代理人が法人である場合においては、その役員を含む。)が前各号のいずれかに該当するもの
 七 法人であって、その役員又は政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者があるもの
 八 個人であって、その政令で定める使用人のうちに第一号から第五号までのいずれかに該当する者があるもの
 九 暴力団員等がその事業活動を支配する者
2 都道府県知事は、前項の規定により登録の拒否をしたときは、遅滞なく、その旨を当該登録の申請をした者に通知しなければならない。

(登録事項等の変更)
第九条 登録事業を行う者(以下「登録事業者」という。)は、第六条第一項各号に掲げる事項(以下「登録事項」という。)に変更があったとき、又は同条第二項に規定する添付書類の記載事項に変更があったときは、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
2 前項の規定による届出をする場合には、国土交通省令・厚生労働省令で定める書類を添付しなければならない。
3 都道府県知事は、第一項の規定による届出(登録事項の変更に係るものに限る。)を受けたときは、第二十六条第一項又は第二項の規定により登録を取り消す場合を除き、当該変更があった登録事項を登録簿に記載して、変更の登録をしなければならない。
4 都道府県知事は、前項の規定により変更の登録をしたときは、遅滞なく、その旨を当該登録に係る登録住宅の存する市町村の長に通知しなければならない。

(登録簿の閲覧)
第十条 都道府県知事は、登録簿を一般の閲覧に供しなければならない。

(地位の承継)
第十一条 登録事業者がその登録事業を譲渡したときは、譲受人は、登録事業者の地位を承継する。
2 登録事業者について相続、合併又は分割(登録事業を承継させるものに限る。)があったときは、相続人、合併後存続する法人若しくは合併により設立された法人又は分割によりその事業を承継した法人は、登録事業者の地位を承継する。
3 前二項の規定により登録事業者の地位を承継した者は、その承継の日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
4 第九条第二項から第四項までの規定は、前項の規定による届出について準用する。この場合において、同条第三項中「第二十六条第一項又は第二項」とあるのは、「第二十六条第一項」と読み替えるものとする。

(廃業等の届出)
第十二条 登録事業者は、次の各号のいずれかに該当するときは、その日の三十日前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
 一 登録事業を廃止しようとするとき。
 二 登録事業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散しようとするとき。
2 登録事業者が破産手続開始の決定を受けたときは、破産管財人は、その日から三十日以内に、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 登録事業者が次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するに至ったときは、第五条第一項の登録は、その効力を失う。
 一 登録事業を廃止した場合
 二 破産手続開始の決定を受けた場合
 三 登録事業者である法人が合併及び破産手続開始の決定以外の理由により解散した場合

(登録の抹消)
第十三条 都道府県知事は、次の各号のいずれかに該当するときは、登録事業の登録を抹消しなければならない。
 一 登録事業者から登録の抹消の申請があったとき。
 二 第五条第二項又は前条第三項の規定により登録が効力を失ったとき。
 三 第二十六条第一項若しくは第二項又は第二十七条第一項の規定により登録が取り消されたとき。
2 都道府県知事は、前項の規定により登録を抹消したときは、遅滞なく、その旨を、当該登録に係る登録住宅の存する市町村の長に通知しなければならない。

(名称の使用制限)
第十四条 何人も、登録住宅以外の賃貸住宅又は有料老人ホームについて、登録サービス付き高齢者向け住宅又はこれに類似する名称を用いてはならない。

第二節 業務

(誇大広告の禁止)
第十五条 登録事業者は、その登録事業の業務に関して広告をするときは、入居者に提供する高齢者生活支援サービスの内容その他の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は実際のものよりも著しく優良であり、若しくは有利であると人を誤認させるような表示をしてはならない。

(登録事項の公示)
第十六条 登録事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、登録事項を公示しなければならない。

(契約締結前の書面の交付及び説明)
第十七条 登録事業者は、登録住宅に入居しようとする者に対し、入居契約を締結するまでに、登録事項その他国土交通省令・厚生労働省令で定める事項について、これらの事項を記載した書面を交付して説明しなければならない。

(高齢者生活支援サービスの提供)
第十八条 登録事業者は、入居契約に従って高齢者生活支援サービスを提供しなければならない。

(帳簿の備付け等)
第十九条 登録事業者は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、登録住宅の管理に関する事項で国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。

(その他遵守事項)
第二十条 この法律に規定するもののほか、登録住宅に入居する高齢者の居住の安定を確保するために登録事業者の遵守すべき事項は、国土交通省令・厚生労働省令で定める。

第三節 登録住宅に係る特例

(公営住宅の使用)
第二十一条 公営住宅(公営住宅法(昭和二十六年法律第百九十三号)第二条第二号に規定する公営住宅をいう。以下同じ。)の事業主体(同条第十六号に規定する事業主体をいう。以下同じ。)は、公営住宅を登録事業者に登録住宅として使用させることが必要であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たときは、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内で、当該公営住宅を登録事業者に使用させることができる。
2 公営住宅法第四十五条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による承認及び公営住宅の使用について準用する。

(住宅融資保険法の特例)
第二十二条 登録住宅への入居に係る終身又は入居契約の期間にわたって支払うべき家賃の全部又は一部を前払金として一括して支払うための資金の貸付けについては、これを住宅融資保険法(昭和三十年法律第六十三号)第四条の保険関係が成立する貸付けとみなして、同法の規定を適用する。

(老人福祉法の特例)
第二十三条 第五条第一項の登録を受けている有料老人ホームの設置者(当該有料老人ホームを設置しようとする者を含む。)については、老人福祉法第二十九条第一項から第三項までの規定は、適用しない。

第四節 監督

(報告、検査等)
第二十四条 都道府県知事は、この章の規定の施行に必要な限度において、登録事業者又は登録事業者から登録住宅の管理若しくは高齢者生活支援サービスの提供を委託された者(以下この項において「管理等受託者」という。)に対し、その業務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、登録事業者若しくは管理等受託者の事務所若しくは登録住宅に立ち入り、その業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定による立入検査において、現に居住の用に供している登録住宅の居住部分に立ち入るときは、あらかじめ、当該居住部分に係る入居者の承諾を得なければならない。
3 第一項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
4 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(指示)
第二十五条 都道府県知事は、登録された登録事項が事実と異なるときは、その登録事業者に対し、当該事項の訂正を申請すべきことを指示することができる。
2 都道府県知事は、登録事業が第七条第一項各号に掲げる基準に適合しないと認めるときは、その登録事業者に対し、その登録事業を当該基準に適合させるために必要な措置をとるべきことを指示することができる。
3 都道府県知事は、登録事業者が第十五条から第十九条までの規定に違反し、又は第二十条の国土交通省令・厚生労働省令で定める事項を遵守していないと認めるときは、当該登録事業者に対し、その是正のために必要な措置をとるべきことを指示することができる。

(登録の取消し)
第二十六条 都道府県知事は、登録事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録事業の登録を取り消さなければならない。
 一 第八条第一項第一号、第三号、第五号又は第九号のいずれかに該当するに至ったとき。
 二 登録事業者が次のイからハまでに掲げる場合に該当するときは、それぞれ当該イからハまでに定める者が、第八条第一項第一号から第三号まで又は第五号のいずれかに該当するに至ったとき。
  イ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者である場合 法定代理人(法人である場合においては、その役員を含む。)
  ロ 法人である場合 役員又は第八条第一項第七号の政令で定める使用人
  ハ 個人である場合 第八条第一項第八号の政令で定める使用人
 三 不正な手段により第五条第一項の登録を受けたとき。
2 都道府県知事は、登録事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、その登録事業の登録を取り消すことができる。
 一 第九条第一項又は第十一条第三項の規定に違反したとき。
 二 前条の規定による指示に違反したとき。
3 都道府県知事は、前二項の規定により登録を取り消したときは、遅滞なく、その旨を当該登録事業者であった者に通知しなければならない。

(所在不明者等の登録の取消し)
第二十七条 都道府県知事は、登録事業者の事務所の所在地又は当該登録事業者の所在(法人である場合においては、その役員の所在)を確知できない場合において、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、その事実を公告し、その公告の日から三十日を経過しても当該登録事業者から申出がないときは、その登録事業の登録を取り消すことができる。
2 前項の規定による処分については、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三章の規定は、適用しない。

第五節 指定登録機関

(指定登録機関の指定等)
第二十八条 都道府県知事は、その指定する者(以下「指定登録機関」という。)に、サービス付き高齢者向け住宅事業の登録及び登録簿の閲覧の実施に関する事務(前節の規定による事務を除く。以下「登録事務」という。)の全部又は一部を行わせることができる。
2 指定登録機関の指定(以下この節において単に「指定」という。)は、登録事務を行おうとする者の申請により行う。
3 都道府県知事は、指定をしたときは、指定登録機関が行う登録事務を行わないものとし、この場合における登録事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令・厚生労働省令で定める。
4 指定登録機関が登録事務を行う場合における第五条から第十三条までの規定の適用については、これらの規定中「都道府県知事」とあるのは、「指定登録機関」とする。

(欠格条項)
第二十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、指定を受けることができない。
 一 未成年者、成年被後見人又は被保佐人
 二 破産者で復権を得ないもの
 三 禁錮以上の刑に処せられ、又はこの法律の規定により刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して二年を経過しない者
 四 第三十八条第一項又は第二項の規定により指定を取り消され、その取消しの日から起算して二年を経過しない者
 五 法人であって、その役員のうちに前各号のいずれかに該当する者があるもの

(指定の基準)
第三十条 都道府県知事は、当該都道府県の区域において他に指定登録機関の指定を受けた者がなく、かつ、指定の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、指定をしてはならない。
 一 職員、登録事務の実施の方法その他の事項についての登録事務の実施に関する計画が、登録事務の適確な実施のために適切なものであること。
 二 前号の登録事務の実施に関する計画を適確に実施するに足りる経理的及び技術的な基礎を有するものであること。
 三 登録事務以外の業務を行っている場合には、その業務を行うことによって登録事務の公正な実施に支障を及ぼすおそれがないものであること。
 四 前三号に定めるもののほか、登録事務を公正かつ適確に行うことができるものであること。

(指定の公示等)
第三十一条 都道府県知事は、指定をしたときは、指定登録機関の名称及び住所、指定登録機関が行う登録事務の範囲、登録事務を行う事務所の所在地並びに登録事務の開始の日を公示しなければならない。
2 指定登録機関は、その名称若しくは住所又は登録事務を行う事務所の所在地を変更しようとするときは、変更しようとする日の二週間前までに、その旨を都道府県知事に届け出なければならない。
3 都道府県知事は、前項の規定による届出があったときは、その旨を公示しなければならない。

(秘密保持義務等)
第三十二条 指定登録機関(その者が法人である場合にあっては、その役員。次項において同じ。)及びその職員並びにこれらの者であった者は、登録事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない。
2 指定登録機関及びその職員で登録事務に従事する者は、刑法(明治四十年法律第四十五号)その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなす。

(登録事務規程)
第三十三条 指定登録機関は、登録事務に関する規程(以下「登録事務規程」という。)を定め、都道府県知事の認可を受けなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 登録事務規程で定めるべき事項は、国土交通省令・厚生労働省令で定める。
3 都道府県知事は、第一項の認可をした登録事務規程が登録事務の公正かつ適確な実施上不適当となったと認めるときは、その登録事務規程を変更すべきことを命ずることができる。

(帳簿の備付け等)
第三十四条 指定登録機関は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、登録事務に関する事項で国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを記載した帳簿を備え付け、これを保存しなければならない。
2 前項に定めるもののほか、指定登録機関は、国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより、登録事務に関する書類で国土交通省令・厚生労働省令で定めるものを保存しなければならない。

(監督命令)
第三十五条 都道府県知事は、登録事務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し、登録事務に関し監督上必要な命令をすることができる。

(報告、検査等)
第三十六条 都道府県知事は、登録事務の公正かつ適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、指定登録機関に対し登録事務に関し必要な報告を求め、又はその職員に、指定登録機関の事務所に立ち入り、登録事務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させ、若しくは関係者に質問させることができる。
2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならない。
3 第一項の規定による権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならない。

(登録事務の休廃止)
第三十七条 指定登録機関は、都道府県知事の許可を受けなければ、登録事務の全部若しくは一部を休止し、又は廃止してはならない。
2 都道府県知事は、前項の許可をしたときは、その旨を公示しなければならない。

(指定の取消し等)
第三十八条 都道府県知事は、指定登録機関が第二十九条各号(第四号を除く。)のいずれかに該当するに至ったときは、その指定を取り消さなければならない。
2 都道府県知事は、指定登録機関が次の各号のいずれかに該当するときは、その指定を取り消し、又は期間を定めて登録事務の全部若しくは一部の停止を命ずることができる。
 一 第二十八条第四項の規定により読み替えて適用する第七条、第八条、第九条第三項及び第四項(第十一条第四項においてこれらの規定を準用する場合を含む。)、第十条又は第十三条の規定に違反したとき。
 二 第三十一条第二項、第三十四条又は前条第一項の規定に違反したとき。
 三 第三十三条第一項の認可を受けた登録事務規程によらないで登録事務を行ったとき。
 四 第三十三条第三項又は第三十五条の規定による命令に違反したとき。
 五 第三十条各号に掲げる基準に適合していないと認めるとき。
 六 登録事務に関し著しく不適当な行為をしたとき、又は法人にあってはその役員が登録事務に関し著しく不適当な行為をしたとき。
 七 不正な手段により指定を受けたとき。
3 都道府県知事は、前二項の規定により指定を取り消し、又は前項の規定により登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたときは、その旨を公示しなければならない。

(都道府県知事による登録事務の実施)
第三十九条 都道府県知事は、指定登録機関が第三十七条第一項の規定により登録事務の全部若しくは一部を休止したとき、前条第二項の規定により指定登録機関に対し登録事務の全部若しくは一部の停止を命じたとき、又は指定登録機関が天災その他の事由により登録事務の全部若しくは一部を実施することが困難となった場合において必要があると認めるときは、第二十八条第三項の規定にかかわらず、登録事務の全部又は一部を自ら行うものとする。
2 都道府県知事は、前項の規定により登録事務を行うこととし、又は同項の規定により行っている登録事務を行わないこととするときは、その旨を公示しなければならない。
3 都道府県知事が、第一項の規定により登録事務を行うこととし、第三十七条第一項の規定により登録事務の廃止を許可し、若しくは前条第一項若しくは第二項の規定により指定を取り消し、又は第一項の規定により行っている登録事務を行わないこととする場合における登録事務の引継ぎその他の必要な事項は、国土交通省令・厚生労働省令で定める。

(登録手数料)
第四十条 都道府県は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百二十七条の規定に基づき登録に係る手数料を徴収する場合においては、第二十八条の規定により指定登録機関が行う登録を受けようとする者に、条例で定めるところにより、当該手数料を当該指定登録機関に納めさせることができる。
2 前項の規定により指定登録機関に納められた手数料は、当該指定登録機関の収入とする。

第六節 雑則
(独立行政法人住宅金融支援機構等の資金の貸付けについての配慮)
第四十一条 独立行政法人住宅金融支援機構及び沖縄振興開発金融公庫は、法令及びその事業計画の範囲内において、登録住宅の整備が円滑に行われるよう、必要な資金の貸付けについて配慮するものとする。

(資金の確保等)
第四十二条 国及び地方公共団体は、登録住宅の整備のために必要な資金の確保又はその融通のあっせんに努めるものとする。

(賃貸住宅等への円滑な入居のための援助)
第四十三条 都道府県知事は、登録事業者が破産手続開始の決定を受けたときその他入居者(入居者であった者を含む。)の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、当該入居者に対し、他の適当な賃貸住宅又は有料老人ホームに円滑に入居するために必要な助言その他の援助を行うように努めるものとする。

第四章 地方公共団体等による高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給の促進等

(地方公共団体による高齢者向けの優良な賃貸住宅の供給)
第四十四条 地方公共団体は、その区域内において良好な居住環境を備えた高齢者向けの賃貸住宅(第四十六条において「高齢者向けの優良な賃貸住宅」という。)が不足している場合においては、基本方針に従って、その整備及び管理に努めなければならない。

(地方公共団体に対する費用の補助)
第四十五条 国は、地方公共団体が次に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部を補助することができる。
 一 賃貸住宅の規模及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 二 賃貸住宅の加齢対応構造等が、第五十四条第一号ロに規定する基準又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 三 賃貸住宅の入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。以下この号において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者とするものであること。
 四 賃貸住宅の入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
 五 賃貸住宅の入居者の募集及び選定の方法並びに賃貸の条件が、国土交通省令で定める基準に従い適正に定められるものであること。
 六 前三号に掲げるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 七 その他基本方針に照らして適切なものであること。
2 国は、地方公共団体が入居者の居住の安定を図るため前項の賃貸住宅の家賃を減額する場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その減額に要する費用の一部を補助することができる。

(機構又は公社に対する供給の要請)
第四十六条 地方公共団体は、自ら高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うことが困難であり、又は自ら高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うのみではその不足を補うことができないと認めるときは、独立行政法人都市再生機構(以下「機構」という。)又は公社に対し、国土交通省令で定めるところにより、高齢者向けの優良な賃貸住宅の整備及び管理を行うよう要請することができる。

(要請に基づき供給する機構に対する費用の負担及び補助)
第四十七条 機構は、前条の規定による要請に基づいて第四十五条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行うときは、当該要請をした地方公共団体に対し、その利益を受ける限度において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を負担することを求めることができる。
2 前項の場合において、地方公共団体が負担する費用の額及び負担の方法は、機構と地方公共団体とが協議して定める。
3 前項の規定による協議が成立しないときは、当事者の申請に基づき、国土交通大臣が裁定する。この場合において、国土交通大臣は、当事者の意見を聴くとともに、総務大臣と協議しなければならない。
4 国は、機構が前条の規定による要請に基づいて第四十五条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を補助することができる。

(要請に基づき供給する公社に対する費用の補助)
第四十八条 地方公共団体は、公社が第四十六条の規定による要請に基づいて第四十五条第一項各号に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部又は入居者の居住の安定を図るため当該賃貸住宅の家賃を減額する場合における当該減額に要する費用の一部を補助することができる。
2 国は、地方公共団体が前項の規定により補助金を交付する場合には、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その費用の一部を補助することができる。

(機構に対する費用の補助)
第四十九条 国は、第四十七条第四項の規定による場合のほか、機構が次に掲げる基準に適合する賃貸住宅の整備及び管理を行う場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、当該賃貸住宅の整備に要する費用の一部を補助することができる。
 一 賃貸住宅の戸数が、国土交通省令で定める戸数以上であること。
 二 賃貸住宅の規模並びに構造及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 三 賃貸住宅の加齢対応構造等が、第五十四条第一号ロに規定する基準又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 四 賃貸住宅の入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。以下この号において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者とするものであること。
 五 前号に掲げるもの及び独立行政法人都市再生機構法(平成十五年法律第百号)第二十五条に定めるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 六 その他基本方針に照らして適切なものであること。
2 国は、第四十七条第四項の規定による場合のほか、機構が入居者の居住の安定を図るため前項の賃貸住宅の家賃を減額する場合においては、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、その減額に要する費用の一部を補助することができる。

(補助等に係る高齢者向けの優良な賃貸住宅についての周知措置)
第五十条 地方公共団体、機構又は公社は、第四十五条、第四十七条第四項、第四十八条第一項若しくは前条又は第四十七条第一項の規定による費用の補助又は負担を受けて整備し、又は家賃を減額する賃貸住宅について、国土交通省令で定めるところにより、入居者の募集に先立ち、第五条第一項の登録の申請その他の方法により当該賃貸住宅が加齢対応構造等を有するものである旨及び当該加齢対応構造等の内容その他必要な事項を周知させる措置を講じなければならない。

(公営住宅の使用)
第五十一条 公営住宅の事業主体は、高齢者向けの賃貸住宅の不足その他の特別の事由により公営住宅を公営住宅法第二十三条に規定する条件を具備しない高齢者に使用させることが必要であると認める場合において国土交通大臣の承認を得たときは、公営住宅の適正かつ合理的な管理に著しい支障のない範囲内で、当該公営住宅を当該高齢者に使用させることができる。この場合において、事業主体は、当該公営住宅を次に掲げる基準に従って管理しなければならない。
 一 入居者の資格を、自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(国土交通省令で定める年齢その他の要件に該当する者に限る。)とするものであること。
 二 入居者の家賃の額が、近傍同種の住宅の家賃の額と均衡を失しないよう定められるものであること。
 三 前二号に掲げるもの並びに公営住宅法第十六条第四項及び第五項、第十八条から第二十二条まで、第二十五条第二項、第二十七条並びに第三十二条に定めるもののほか、入居者の選定方法その他の当該公営住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
2 公営住宅法第四十五条第三項及び第四項の規定は、前項の規定による承認及び公営住宅の使用について準用する。
3 前二項の規定により公営住宅を使用させる場合における公営住宅法第十六条第四項及び第五項、第三十四条並びに第五十条の規定の適用については、同法第十六条第四項中「第一項」とあるのは「第一項及び高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「高齢者居住法」という。)第五十一条第一項」と、同条第五項中「前各項」とあるのは「前各項(前項にあっては、高齢者居住法第五十一条第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、同法第三十四条中「第十六条第四項(第二十八条第三項又は第二十九条第八項において準用する場合を含む。)」とあるのは「第十六条第四項(第二十八条第三項若しくは第二十九条第八項において準用する場合又は高齢者居住法第五十五条第三項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)」と、同法第五十条中「この法律又はこの」とあるのは「この法律若しくは高齢者居住法又はこれらの」とする。

第五章 終身建物賃貸借

(事業の認可及び借地借家法の特例)
第五十二条 自ら居住するため住宅を必要とする高齢者(六十歳以上の者であって、賃借人となる者以外に同居する者がないもの又は同居する者が配偶者若しくは六十歳以上の親族(配偶者を除く。以下この章において同じ。)であるものに限る。以下この章において同じ。)又は当該高齢者と同居するその配偶者を賃借人とし、当該賃借人の終身にわたって住宅を賃貸する事業を行おうとする者(以下「終身賃貸事業者」という。)は、当該事業について都道府県知事(機構又は都道府県が終身賃貸事業者である場合にあっては、国土交通大臣。以下この章において同じ。)の認可を受けた場合においては、公正証書による等書面によって契約をするときに限り、借地借家法(平成三年法律第九十号)第三十条の規定にかかわらず、当該事業に係る建物の賃貸借(一戸の賃貸住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)について、賃借人が死亡した時に終了する旨を定めることができる。

(事業認可申請書)
第五十三条 終身賃貸事業者は、前条の認可を受けようとするときは、国土交通省令で定めるところにより、次に掲げる事項を記載した事業認可申請書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
 一 終身賃貸事業者の氏名又は名称及び住所
 二 賃貸住宅の位置
 三 賃貸住宅の戸数
 四 賃貸住宅の規模並びに構造及び設備
 五 賃貸住宅の賃借人の資格に関する事項
 六 賃貸住宅の賃貸の条件に関する事項
 七 前二号に掲げるもののほか、賃貸住宅の管理の方法
 八 その他国土交通省令で定める事項
2 終身賃貸事業者は、前条の認可の申請を当該賃貸住宅に係る第五条第一項の登録の申請と併せて行う場合には、前項の規定にかかわらず、同項第二号から第四号までに掲げる事項の記載を省略することができる。

(認可の基準)
第五十四条 都道府県知事は、第五十二条の認可の申請があった場合において、当該申請に係る事業が次に掲げる基準に適合すると認めるときは、同条の認可をすることができる。
 一 賃貸住宅が、次に掲げる基準に適合するものであること。
  イ 賃貸住宅の規模及び設備(加齢対応構造等であるものを除く。)が、国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
  ロ 賃貸住宅の加齢対応構造等が、段差のない床、浴室等の手すり、介助用の車椅子で移動できる幅の廊下その他の加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能の低下を補い高齢者が日常生活を支障なく営むために必要な構造及び設備の基準として国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 二 賃貸住宅において、公正証書による等書面によって契約をする建物の賃貸借(一戸の賃貸住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)であって賃借人の死亡に至るまで存続し、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下「終身建物賃貸借」という。)をするものであること。ただし、賃借人を仮に入居させるために、終身建物賃貸借に先立ち、定期建物賃貸借(借地借家法第三十八条第一項の規定による建物賃貸借をいい、一年以内の期間を定めたものに限る。次号において同じ。)をする場合は、この限りでない。
 三 賃貸住宅の賃借人となろうとする者(一戸の賃貸住宅の賃借人となろうとする者が二人以上であるときは、当該賃借人となろうとする者の全て)から仮に入居する旨の申出があった場合においては、終身建物賃貸借に先立ち、その者を仮に入居させるため定期建物賃貸借をするものであること。
 四 賃貸住宅の賃貸の条件が、権利金その他の借家権の設定の対価を受領しないものであることその他国土交通省令で定める基準に従い適正に定められるものであること。
 五 賃貸住宅の整備をして事業を行う場合にあっては、当該整備に関する工事の完了前に、敷金を受領せず、かつ、終身にわたって受領すべき家賃の全部又は一部を前払金として一括して受領しないものであること。
 六 前号の前払金を受領する場合にあっては、当該前払金の算定の基礎が書面で明示されるものであり、かつ、当該前払金について終身賃貸事業者が返還債務を負うこととなる場合に備えて国土交通省令で定めるところにより必要な保全措置が講じられるものであること。
 七 第二号から前号までに掲げるもののほか、賃貸住宅の管理の方法が国土交通省令で定める基準に適合するものであること。
 八 その他基本方針(当該事業が高齢者居住安定確保計画が定められている都道府県の区域内のものである場合にあっては、基本方針及び高齢者居住安定確保計画。第六十五条において同じ。)に照らして適切なものであること。

(事業の認可の通知)
第五十五条 都道府県知事は、第五十二条の認可をしたときは、速やかに、その旨を当該認可を受けた終身賃貸事業者に通知しなければならない。

(事業の変更)
第五十六条 第五十二条の認可を受けた終身賃貸事業者は、当該認可を受けた事業の変更(国土交通省令で定める軽微な変更を除く。)をしようとするときは、あらかじめ、都道府県知事の認可を受けなければならない。
2 前二条の規定は、前項の変更の認可について準用する。

(期間付死亡時終了建物賃貸借)
第五十七条 第五十二条の認可(前条第一項の変更の認可を含む。以下「事業の認可」という。)を受けた終身賃貸事業者(以下「認可事業者」という。)は、当該事業の認可に係る賃貸住宅(以下「認可住宅」という。)において、第五十四条第二号及び第三号の規定にかかわらず、賃借人となろうとする者(一戸の認可住宅の賃借人となろうとする者が二人以上であるときは、当該賃借人となろうとする者の全て)から特に申出があった場合においては、公正証書による等書面によって契約をする建物の賃貸借(一戸の認可住宅の賃借人が二人以上であるときは、それぞれの賃借人に係る建物の賃貸借)であって借地借家法第三十八条第一項の規定により契約の更新がないこととする旨が定められた期間の定めがあり、かつ、賃借人が死亡した時に終了するもの(以下「期間付死亡時終了建物賃貸借」という。)をすることができる。

(認可事業者による終身建物賃貸借の解約の申入れ)
第五十八条 終身建物賃貸借においては、認可事業者は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、都道府県知事の承認を受けて、当該賃貸借の解約の申入れをすることができる。
 一 認可住宅の老朽、損傷、一部の滅失その他の事由により、家賃の価額その他の事情に照らし、当該認可住宅を、第五十四条第一号に掲げる基準等を勘案して適切な規模、構造及び設備を有する賃貸住宅として維持し、又は当該賃貸住宅に回復するのに過分の費用を要するに至ったとき。
 二 賃借人(一戸の認可住宅に賃借人が二人以上いるときは、当該賃借人の全て)が認可住宅に長期間にわたって居住せず、かつ、当面居住する見込みがないことにより、当該認可住宅を適正に管理することが困難となったとき。
2 借地借家法第二十八条の規定は、前項の解約の申入れについては、適用しない。

(賃借人による終身建物賃貸借の解約の申入れ等)
第五十九条 終身建物賃貸借においては、賃借人は、次の各号のいずれかに該当する場合には、当該賃貸借の解約の申入れをすることができる。この場合において、当該賃貸借は、第一号から第三号までに掲げる場合にあっては解約の申入れの日から一月を経過すること、第四号に掲げる場合にあっては当該解約の期日が到来することによって終了する。
 一 療養、老人ホームへの入所その他のやむを得ない事情により、賃借人が認可住宅に居住することが困難となったとき。
 二 親族と同居するため、賃借人が認可住宅に居住する必要がなくなったとき。
 三 認可事業者が、第六十八条の規定による命令に違反したとき。
 四 当該解約の期日が、当該申入れの日から六月以上経過する日に設定されているとき。

(強行規定)
第六十条 前二条の規定に反する特約で賃借人に不利なものは、無効とする。

(賃借人死亡後の同居者の一時居住)
第六十一条 終身建物賃貸借の賃借人の死亡(一戸の認可住宅に賃借人が二人以上いるときは、当該賃借人の全ての死亡。以下この条及び次条において同じ。)があった場合又は期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了する前に当該期間付死亡時終了建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合においては、当該賃借人の死亡があった時から同居者(当該賃借人と同居していた者(当該建物の賃貸借の賃借人である者を除く。)をいう。以下この条において同じ。)がそれを知った日から一月を経過する日までの間(次条第一項に規定する同居配偶者等であって同項又は同条第二項に規定する期間内に同条第一項本文又は第二項に規定する申出を行ったものにあっては、当該賃借人の死亡があった時から同条第一項又は第二項の規定による契約をするまでの間)に限り、当該同居者は、引き続き認可住宅に居住することができる。ただし、当該期間内に、当該同居者が死亡し若しくは認可事業者に反対の意思を表示し、又は従前の期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了したときは、この限りでない。
2 前項の規定により引き続き認可住宅に居住する同居者は、認可事業者に対し、従前の建物の賃貸借と同一の家賃を支払わなければならない。

(同居配偶者等の継続居住の保護)
第六十二条 終身建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合において、当該認可住宅に当該賃借人(一戸の認可住宅に賃借人が二人以上いたときは、当該賃借人のいずれか)と同居していたその配偶者又は六十歳以上の親族(当該建物の賃貸借の賃借人である者を除く。以下この条において「同居配偶者等」という。)が、当該賃借人の死亡があったことを知った日から一月を経過する日までの間に認可事業者に対し認可住宅に引き続き居住する旨の申出を行ったときは、認可事業者は、当該同居配偶者等と終身建物賃貸借の契約をしなければならない。ただし、当該申出に併せて第五十七条の規定による申出があったときは、当該同居配偶者等と期間付死亡時終了建物賃貸借の契約をしなければならない。
2 期間付死亡時終了建物賃貸借において定められた期間が満了する前に当該期間付死亡時終了建物賃貸借の賃借人の死亡があった場合において、同居配偶者等が、当該賃借人の死亡があったことを知った日から一月を経過する日までの間に認可事業者に対し認可住宅に引き続き居住する旨の申出を行ったときは、認可事業者は、当該同居配偶者等と当該期間が満了する時まで存続する期間付死亡時終了建物賃貸借の契約をしなければならない。
3 前二項に定めるもののほか、前二項の規定により契約する建物の賃貸借の条件については、従前の建物の賃貸借と同一のもの(前払家賃の額については、その算定の基礎が従前の前払家賃と同一であるもの)とする。

(借賃改定特約がある場合の借地借家法の特例)
第六十三条 借地借家法第三十二条の規定は、終身建物賃貸借において、借賃の改定に係る特約がある場合には、適用しない。

(譲渡又は転貸の禁止)
第六十四条 認可住宅の賃借人は、その借家権を譲渡し、又は転貸してはならない。

(助言及び指導)
第六十五条 都道府県知事は、認可事業者に対し、基本方針を勘案し、認可住宅の管理に関し必要な助言及び指導を行うよう努めるものとする。

(報告の徴収)
第六十六条 都道府県知事は、認可事業者に対し、認可住宅の管理の状況について報告を求めることができる。

(地位の承継)
第六十七条 認可事業者の一般承継人は、当該認可事業者が有していた事業の認可に基づく地位を承継する。
2 前項の規定により事業の認可に基づく地位を承継した者は、遅滞なく、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
3 認可事業者から認可住宅の敷地の所有権その他当該認可住宅の整備及び管理に必要な権原を取得した者は、都道府県知事の承認を受けて、当該認可事業者が有していた事業の認可に基づく地位を承継することができる。

(改善命令)
第六十八条 都道府県知事は、認可事業者が第五十四条各号に掲げる基準に適合して認可住宅の管理を行っていないと認めるときは、当該認可事業者に対し、相当の期限を定めて、その改善に必要な措置をとるべきことを命ずることができる。

(事業の認可の取消し)
第六十九条 都道府県知事は、認可事業者が次の各号のいずれかに該当するときは、事業の認可を取り消すことができる。
 一 第六十七条第二項の規定に違反したとき。
 二 前条の規定による命令に違反したとき。
 三 不正な手段により事業の認可を受けたとき。
2 第五十五条の規定は、前項の規定による事業の認可の取消しについて準用する。

(事業の廃止)
第七十条 認可事業者は、当該事業の認可を受けた事業を廃止しようとするときは、都道府県知事にその旨を届け出なければならない。
2 事業の認可は、前項の規定による届出があった日から将来に向かってその効力を失う。

(事業の認可の取消し等後の建物賃貸借契約の効力)
第七十一条 前二条の規定による事業の認可の取消し若しくは事業の廃止又は第六十七条第三項の規定による承認を受けないでした認可住宅の管理に必要な権原の移転は、当該取消し若しくは廃止又は権原の移転前にされた建物賃貸借契約の効力に影響を及ぼさない。ただし、借地借家法第三章の規定により賃借人に不利なものとして無効とされる特約については、この限りでない。

(賃貸住宅への円滑な入居のための援助)
第七十二条 都道府県知事は、認可事業者が破産手続開始の決定を受けたときその他終身建物賃貸借の賃借人(賃借人であった者を含む。)の居住の安定を図るため必要があると認めるときは、当該賃借人に対し、他の適当な賃貸住宅に円滑に入居するために必要な助言その他の援助を行うように努めるものとする。

第六章 住宅の加齢対応改良に対する支援措置

第七十三条 第四条第三項の規定により高齢者居住安定確保計画に公社による同項に規定する事業の実施に関する事項を定めた都道府県の区域内において、公社は、地方住宅供給公社法(昭和四十年法律第百二十四号)第二十一条に規定する業務のほか、委託により、住宅の加齢対応改良の業務を行うことができる。
2 前項の規定により公社が同項に規定する業務を行う場合には、地方住宅供給公社法第四十九条第三号中「第二十一条に規定する業務」とあるのは、「第二十一条に規定する業務及び高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第七十三条第一項に規定する業務」とする。

第七章 雑則

(情報の提供等)
第七十四条 国及び地方公共団体は、高齢者の心身の状況、世帯構成等を勘案して、高齢者のための住宅の整備を促進するよう努めるとともに、高齢者が適当な住宅に円滑に入居することができるようにするために必要な情報の提供その他の必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

(協議)
第七十五条 国土交通大臣及び厚生労働大臣は、第七条第一項第六号ホ及びへ並びに第八号、第十五条から第十七条まで並びに第二十条の国土交通省令・厚生労働省令を定めようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。
2 国土交通大臣は、第五十四条第六号の国土交通省令を定めようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣に協議しなければならない。これを変更しようとするときも、同様とする。

(国土交通大臣の権限の委任)
第七十六条 この法律に規定する国土交通大臣の権限は、国土交通省令で定めるところにより、その一部を地方整備局長又は北海道開発局長に委任することができる。

(大都市等の特例)
第七十七条 この法律中都道府県知事の権限に属する事務(第四条並びに第二十一条第二項及び第五十一条第二項において準用する公営住宅法第四十五条第三項に規定する事務並びに地方自治法第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)又は同法第二百五十二条の二十二第一項の中核市(以下「中核市」という。)が終身賃貸事業者である場合の第五章に規定する事務を除く。)は、指定都市及び中核市においては、当該指定都市又は中核市(以下「指定都市等」という。)の長が行うものとする。この場合においては、この法律中都道府県知事に関する規定は、指定都市等の長に関する規定として指定都市等の長に適用があるものとする。

(事務の区分)
第七十八条 第二十一条第二項及び第五十一条第二項において準用する公営住宅法第四十五条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務は、地方自治法第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。

第八章 罰則

第七十九条 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
 一 第三十二条第一項の規定に違反して、その職務に関し知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用した者
 二 第三十八条第二項の規定による登録事務の停止の命令に違反した者

第八十条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
 一 不正の手段によって第五条第一項の登録を受けた者
 二 第九条第一項、第十一条第三項又は第十二条第一項若しくは第二項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者
 三 第十四条又は第三十四条第二項の規定に違反した者
 四 第二十四条第一項又は第三十六条第一項の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者
 五 第二十四条第一項又は第三十六条第一項の規定による検査を拒み、妨げ、又は忌避した者
 六 第二十四条第一項又は第三十六条第一項の規定による質問に対して答弁せず、又は虚偽の答弁をした者
 七 第三十四条第一項の規定に違反して、帳簿を備え付けず、帳簿に記載せず、若しくは帳簿に虚偽の記載をし、又は帳簿を保存しなかった者
 八 第三十七条第一項の規定による許可を受けないで登録事務の全部を廃止した者

第八十一条 第六十六条の規定による報告をせず、又は虚偽の報告をした者は、二十万円以下の罰金に処する。

第八十二条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者がその法人又は人の業務に関して前三条の違反行為をした場合においては、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても各本条の罰金刑を科する。

   附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第二章、第三十五条第一項、第四十条第一項第一号(第三十五条第一項に係る部分に限る。)、第六章、第七章、第九十一条並びに第九十三条第一号、第二号、第三号(第二十五条第一項及び第八十七条第一項に係る部分に限る。)及び第四号から第六号までの規定(次条において「第二章等の規定」という。)は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(経過措置)
第二条 第二章等の規定の施行前に入居者の募集を行った高齢者向け優良賃貸住宅についての第三十五条第一項の規定の適用については、同項中「入居者の募集に先立ち」とあるのは、「第二章の規定の施行後遅滞なく」とする。
2 この法律の施行の日から第二章等の規定の施行の日までの間における第三十五条第二項の規定の適用については、同項中「入居者の募集に先立ち」とあるのは、「第二章の規定の施行後遅滞なく」とする。

(国の無利子貸付け等)
第三条 国は、当分の間、地方公共団体に対し、第四十一条第二項の規定により国がその費用について補助することができる高齢者向け優良賃貸住宅の整備で日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法(昭和六十二年法律第八十六号。以下「社会資本整備特別措置法」という。)第二条第一項第二号に該当するものにつき、認定事業者に対し当該地方公共団体が補助する費用に充てる資金について、予算の範囲内において、第四十一条第二項の規定により国が補助することができる金額に相当する金額を無利子で貸し付けることができる。
2 国は、当分の間、地方公共団体に対し、登録住宅の改良で社会資本整備特別措置法第二条第一項第二号に該当するものにつき、当該改良を行う登録住宅の賃貸人に対し当該地方公共団体が補助する費用に充てる資金の一部を、予算の範囲内において、無利子で貸し付けることができる。
3 前二項の国の貸付金の償還期間は、五年(二年以内の据置期間を含む。)以内で政令で定める期間とする。
4 前項に定めるもののほか、第一項及び第二項の規定による貸付金の償還方法、償還期限の繰上げその他償還に関し必要な事項は、政令で定める。
5 国は、第一項の規定により地方公共団体に対し貸付けを行った場合には、当該貸付けの対象である事業について、第四十一条第二項の規定による当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。
6 国は、第二項の規定により地方公共団体に対し貸付けを行った場合には、当該貸付けの対象である事業について、当該貸付金に相当する金額の補助を行うものとし、当該補助については、当該貸付金の償還時において、当該貸付金の償還金に相当する金額を交付することにより行うものとする。
7 地方公共団体が、第一項又は第二項の規定による貸付けを受けた無利子貸付金について、第三項及び第四項の規定に基づき定められる償還期限を繰り上げて償還を行った場合(政令で定める場合を除く。)における前二項の規定の適用については、当該償還は、当該償還期限の到来時に行われたものとみなす。

(地方自治法の一部改正)
第四条 地方自治法の一部を次のように改正する。
  別表第一に次のように加える。
高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十五条第二項において準用する公営住宅法第四十五条第三項の規定により都道府県が処理することとされている事務


[第五条 沖縄振興開発金融公庫法(昭和四十七年法律第三十一号)の一部改正]

   附 則 [平成14年2月8日法律第1号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

   附 則 [平成15年6月11日法律第75号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

   附 則 [平成15年6月20日法律第100号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年七月一日から施行する。[後略]

   附 則 [平成16年3月31日法律第10号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十六年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第二条並びに附則第二条から第四条まで及び第六条の規定 公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日

   附 則 [平成16年12月1日法律第147号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

   附 則 [平成17年6月29日法律第78号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第二条(住宅金融公庫法第二十五条、第二十六条の二、第二十七条の二及び第二十七条の三第三項の改正規定を除く。)、次条並びに附則第四条、第六条から第八条まで、第十一条(勤労者財産形成促進法(昭和四十六年法律第九十二号)第十一条の改正規定を除く。)、第十二条及び第十五条(高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第五十五条第三項の改正規定を除く。)の規定は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(罰則に関する経過措置)
第十六条 この法律(附則第一条ただし書に規定する規定については、当該規定。以下この条において同じ。)の施行前にした行為及びこの附則の規定によりなお従前の例によることとされる場合におけるこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第十七条 この附則に規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置は、政令で定める。

   附 則 [平成17年7月6日法律第82号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成十九年四月一日から施行する。[後略]

   附 則 [平成18年6月2日法律第50号] [抄]

(施行期日)
1 この法律は、一般社団・財団法人法の施行の日から施行する。[後略]

   附 則 [平成18年6月8日法律第61号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。

(高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第十二条 前条の規定による改正後の高齢者の居住の安定確保に関する法律第三条第三項の規定は、この法律の施行の日以後第十五条第一項の規定により全国計画が定められるまでの間は、適用しない。

   附 則 [平成21年5月20日法律第38号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 一 第四条から第八条まで、第十条、第十二条(見出しを含む。)及び第十三条(見出しを含む。)の改正規定並びに本則に一条を加える改正規定並びに附則第四条の規定 公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日
 二 次条の規定 公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日

(準備行為)
第二条 この法律による改正後の高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「新法」という。)第六条第一項(新法第十七条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の登録を受けようとする者は、前条第一号に掲げる規定の施行前においても、新法第四条及び第五条(これらの規定を新法第十七条第四項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)の規定の例により、その申請を行うことができる。

(経過措置)
第三条 新法第三条第一項の規定により基本方針が定められるまでの間は、この法律の施行の際現にこの法律による改正前の高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「旧法」という。)第三条第一項の規定により定められている基本方針は、新法第三条第一項の規定により定められた基本方針とみなす。

第四条 附則第一条第一号に掲げる規定の施行の際現に行われている旧法第四条(旧法第十七条第四項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)の登録は、同号に掲げる規定の施行の日に、その効力を失う。
2 前項の規定によりその効力を失った登録を行っている者は、当該登録を消除しなければならない。
3 前項の規定により登録が消除された賃貸住宅にその消除前から入居していた高齢者でその後も引き続き当該賃貸住宅に入居しているものの家賃に係る債務保証については、当該賃貸住宅は、新法第十条に規定する登録住宅とみなす。

第五条 この法律の施行前にされた旧法第三十条第一項又は旧法第五十七条第一項の規定による認定又は認可の申請であって、この法律の施行の際、認定又は認可をするかどうかの処分がされていないものについての認定又は認可の処分については、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第六条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第七条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第八条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 [平成23年4月28日法律第32号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。

(高齢者の居住の安定確保に関する法律の一部改正に伴う経過措置)
第二条 第一条の規定による改正前の高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「旧高齢者居住安定確保法」という。)第十七条第一項の登録事務に従事する同項の指定登録機関(その者が法人である場合にあっては、その役員)又はその職員であった者に係る当該登録事務に関して知り得た秘密を漏らし、又は自己の利益のために使用してはならない義務については、この法律の施行後も、なお従前の例による。

第三条 この法律の施行前にされた旧高齢者居住安定確保法第五十六条又は第六十条第一項の認可の申請であって、この法律の施行の際、認可をするかどうかの処分がされていないものについての認可の処分については、なお従前の例による。

第四条 この法律の施行前に旧高齢者居住安定確保法第五十六条又は第六十条第一項の規定によりされた認可は、それぞれ第一条の規定による改正後の高齢者の居住の安定確保に関する法律(以下「新高齢者居住安定確保法」という。)第五十二条又は第五十六条第一項の規定によりされた認可とみなす。

第五条 この法律の施行の際現に旧高齢者居住安定確保法第八十条(同条第一号及び第二号に係る部分に限る。)の規定により旧高齢者居住安定確保法第七十八条の高齢者居住支援センターが行っている債務保証業務については、当該業務に係る保証契約の期間が満了するまでの間は、なお従前の例による。

(罰則に関する経過措置)
第七条 この法律の施行前にした行為並びに附則第二条及び第五条の規定によりなお従前の例によることとされる事項に係るこの法律の施行後にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

(政令への委任)
第八条 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。

(検討)
第九条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新高齢者居住安定確保法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。

   附 則 [平成23年6月3日法律第61号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日(以下「施行日」という。)から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 三 附則第四十八条中高齢者の居住の安定確保に関する法律(平成十三年法律第二十六号)第六条第一項第四号及び第二十六条第一項第二号イの改正規定 施行日又は高齢者の居住の安定確保に関する法律等の一部を改正する法律(平成二十三年法律第三十二号)の施行の日のいずれか遅い日

以上

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