駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法


公布:平成19年5月30日法律第67号
施行:平成19年8月29日(附則第1条ただし書:平成19年8月29日)
改正:平成19年5月25日法律第58号
施行:平成20年10月1日(附則第1条第2号:平成19年8月29日)
改正:平成23年3月31日法律第9号
施行:平成23年4月1日
改正:平成23年5月2日法律第39号
施行:平成24年4月1日

目次

 第一章 総則(第一条−第三条)
 第二章 再編関連特定周辺市町村に係る措置(第四条−第六条)
 第三章 再編関連振興特別地域に係る措置
  第一節 再編関連振興特別地域の指定(第七条)
  第二節 再編関連振興特別地域整備計画(第八条・第九条)
  第三節 事業の実施等(第十条−第十三条)
  第四節 駐留軍等再編関連振興会議(第十四条・第十五条)
 第四章 株式会社国際協力銀行の業務の特例(第十六条−第二十四条)
 第五章 駐留軍等労働者に係る措置(第二十五条)
 第六章 雑則(第二十六条)
 附則

第一章 総則

(目的)
第一条 この法律は、駐留軍等の再編を実現することが、我が国の平和及び安全の維持に資するとともに、我が国全体として防衛施設の近隣住民の負担を軽減する上で極めて重要であることに鑑み、駐留軍等の再編による住民の生活の安定に及ぼす影響の増加に配慮することが必要と認められる防衛施設の周辺地域における住民の生活の利便性の向上及び産業の振興並びに当該周辺地域を含む地域の一体的な発展に寄与するための特別の措置を講じ、併せて駐留軍の使用に供する施設及び区域が集中する沖縄県の住民の負担を軽減するとの観点から特に重要な意義を有する駐留軍のアメリカ合衆国への移転を促進するための株式会社国際協力銀行の業務の特例及びこれに対する政府による財政上の措置の特例等を定め、もって駐留軍等の再編の円滑な実施に資することを目的とする。

(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
 一 駐留軍 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づいて日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊をいう。
 二 駐留軍等の再編 平成十八年五月一日にワシントンで開催された日米安全保障協議委員会において承認された駐留軍又は自衛隊の部隊又は機関の編成、配置又は運用の態様の変更(当該変更が航空機(回転翼航空機を除く。)を保有する部隊の編成又は配置の変更である場合にあっては、当該航空機を搭載し、当該部隊と一体として行動する艦船の部隊の編成又は配置の変更を含む。)をいう。
 三 防衛施設 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(第九条第一項第五号において「日米地位協定」という。)第二条第一項の施設及び区域並びに自衛隊の施設(これらの設置又は設定が予定されている地域又は水域を含む。)をいう。

(基本理念等)
第三条 駐留軍等の再編の実施に当たっては、これを迅速かつ一体的に実施するために必要となる措置が適切に講ぜられ、我が国を含む国際社会の安全保障環境の変化に的確に対応し得るよう配慮されなければならない。
2 駐留軍等の再編の実施に当たっては、これに関係する防衛施設の周辺地域の住民の福祉の向上に寄与するための措置が適切に講ぜられ、駐留軍等の再編に対する幅広い国民の理解が得られるよう配慮されなければならない。
3 関係行政機関の長は、駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実現のため、この法律に基づく措置その他の措置を実施するに当たっては、相互に密接な連携を図りながら協力しなければならない。

第二章 再編関連特定周辺市町村に係る措置

(再編関連特定防衛施設の指定)
第四条 防衛大臣は、駐留軍等の再編に当たり、次の各号に掲げる事由のいずれかに該当し、又は該当すると見込まれる防衛施設であって、当該事由によるその周辺地域における住民の生活の安定に及ぼす影響の増加に配慮することが必要と認められるものを再編関連特定防衛施設として指定することができる。
 一 駐留軍等の再編として、駐留軍若しくは自衛隊の部隊若しくは機関の編成が変更され、又はそれらが新たに配置されること。
 二 駐留軍等の再編として、他の防衛施設に所在する駐留軍又は自衛隊の部隊又は機関が訓練のために新たに使用すること。
2 防衛大臣は、前項の規定による指定をしようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長と協議するものとする。
3 防衛大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、その旨を官報で公示するものとする。

(再編関連特定周辺市町村の指定)
第五条 防衛大臣は、再編関連特定防衛施設の周辺地域をその区域とする市町村(政令で定める範囲内のものに限る。)について、前条第一項各号に掲げる事由による当該再編関連特定防衛施設の周辺地域における住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し、当該市町村において再編関連特別事業(公共用の施設の整備その他の住民の生活の利便性の向上及び産業の振興に寄与する事業であって、政令で定めるものをいう。次条において同じ。)を行うことが当該再編関連特定防衛施設における駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実施に資するため必要であると認めるときは、当該市町村を再編関連特定周辺市町村として指定することができる。
2 前条第二項及び第三項の規定は、前項の規定による指定について準用する。

(再編交付金)
第六条 国は、予算の範囲内において、政令で定めるところにより、再編関連特定周辺市町村に係る再編関連特定防衛施設における駐留軍等の再編による住民の生活の安定に及ぼす影響の増加の程度及びその範囲を考慮し、当該駐留軍等の再編の実施に向けた措置の進捗(ちよく)状況及びその実施から経過した期間に応じ、当該再編関連特定周辺市町村に対し、再編関連特別事業に係る経費に充てるため、再編交付金を交付することができる。

第三章 再編関連振興特別地域に係る措置

第一節 再編関連振興特別地域の指定

第七条 防衛大臣は、都道府県知事の申出により、駐留軍等再編関連振興会議の議に基づき、再編関連特定周辺市町村の区域及びこれに隣接する市町村の区域(自然的経済的社会的条件からみて当該再編関連特定周辺市町村の区域と一体としてその振興を図る必要があると認められるものに限る。)からなる地域であって、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当するものを再編関連振興特別地域として指定することができる。
 一 駐留軍等の再編による当該再編関連特定周辺市町村の区域に対する影響が著しいものとして政令で定める場合に該当し、又は該当すると見込まれること。
 二 当該地域の振興を図ることが、当該再編関連特定周辺市町村に係る再編関連特定防衛施設における駐留軍等の再編の円滑かつ確実な実施に資するため特に必要であると認められること。
2 都道府県知事は、前項の申出をしようとするときは、あらかじめ、再編関連特定周辺市町村その他関係する市町村の長の意見を聴かなければならない。
3 防衛大臣は、第一項の規定による指定をしたときは、その旨を官報で公示するものとする。
4 前三項の規定は、再編関連振興特別地域の範囲を変更する場合について準用する。

第二節 再編関連振興特別地域整備計画

(再編関連振興特別地域整備計画の決定及び変更)
第八条 都道府県知事は、前条第一項の規定による指定があったときは、再編関連振興特別地域の整備に関する計画(以下「再編関連振興特別地域整備計画」という。)の案を作成し、防衛大臣に提出するものとする。
2 都道府県知事は、前項の再編関連振興特別地域整備計画の案を作成しようとするときは、再編関連振興特別地域に含まれる区域をその区域とする市町村の長の意見を聴かなければならない。
3 防衛大臣は、駐留軍等再編関連振興会議の議に基づき、再編関連振興特別地域整備計画を決定する。
4 防衛大臣は、再編関連振興特別地域整備計画を決定したときは、その案を提出した都道府県知事にその旨を通知するものとする。
5 前各項の規定は、再編関連振興特別地域整備計画を変更する場合について準用する。

(再編関連振興特別地域整備計画の内容等)
第九条 再編関連振興特別地域整備計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
 一 再編関連振興特別地域の整備の基本的方針に関する事項
 二 基幹的な交通施設の整備に関する事項
 三 産業の振興に関する事項
 四 生活環境の整備に関する事項
 五 再編関連振興特別地域に含まれる区域に駐留軍用地跡地等(日米地位協定第二条第一項の施設及び区域に係る土地で駐留軍から返還されたもの並びに返還される予定のものをいう。)が所在する場合には、その利用の促進に関する事項
 六 前各号に掲げるもののほか、再編関連振興特別地域の整備に必要な事項
2 再編関連振興特別地域整備計画は、他の法令の規定による地域振興又は社会資本の整備に関する計画と調和が保たれたものでなければならない。

第三節 事業の実施等

(事業の実施)
第十条 再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業は、この法律に定めるもののほか、当該事業に関する法令の規定に従い、国、地方公共団体その他の者が実施するものとする。

(国の負担又は補助の割合の特例等)
第十一条 再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業のうち、別表に掲げる事業で駐留軍等の再編による地域社会への影響の内容及び程度を考慮して速やかに実施することが必要なものとして政令で定めるものに要する経費に係る国の負担又は補助の割合は、当該事業に関する法令の規定にかかわらず、同表に掲げる割合とする。ただし、再編関連振興特別地域が沖縄県の区域に含まれる場合にあっては、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号。これに基づく命令を含む。)の例により、再編関連振興特別地域が沖縄県の区域以外の区域に含まれる場合で他の法令の規定により同表に掲げる割合を超える国の負担又は補助の割合が定められている場合にあっては、その定めるところによる。
2 国は、再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業のうち、別表に掲げる事業で駐留軍等の再編による地域社会への影響の内容及び程度を考慮して速やかに実施することが必要なものとして政令で定めるものに要する経費に充てるため政令で定める交付金を交付する場合においては、政令で定めるところにより、当該経費について前項の規定を適用したとするならば国が負担し、又は補助することとなる割合を参酌して、当該交付金の額を算定するものとする。
3 国は、前二項に規定する事業のほか、再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業で政令で定めるものに要する経費については、地方公共団体その他の者に対して、予算の範囲内で、その全部又は一部を補助することができる。

(地方債についての配慮)
第十二条 地方公共団体が再編関連振興特別地域整備計画に基づいて行う事業に要する経費に充てるために起こす地方債については、国は、地方公共団体の財政状況が許す限り起債ができるよう、及び資金事情が許す限り財政融資資金をもって引き受けるよう特別の配慮をするものとする。

(財政上及び金融上の措置)
第十三条 国は、前二条に定めるもののほか、再編関連振興特別地域整備計画を達成するために必要があると認めるときは、再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業を実施する者に対し、財政上及び金融上の措置を講ずるよう努めなければならない。

第四節 駐留軍等再編関連振興会議

(駐留軍等再編関連振興会議の設置及び所掌事務等)
第十四条 防衛省に、駐留軍等再編関連振興会議(以下「会議」という。)を置く。
2 会議は、次に掲げる事務をつかさどる。
 一 再編関連振興特別地域に関し、第七条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
 二 再編関連振興特別地域整備計画に関し、第八条第三項(同条第五項において準用する場合を含む。)に規定する事項を処理すること。
 三 前二号に掲げるもののほか、再編関連振興特別地域の整備に関する重要事項を調査審議すること。
3 再編関連振興特別地域整備計画に定められた事項を所管する関係行政機関の長は、当該事項の達成状況について、毎年度、会議に報告しなければならない。

(会議の組織等)
第十五条 会議は、議長及び第四項各号に掲げる議員をもって組織する。
2 議長は、防衛大臣をもって充てる。
3 議長は、会議の議事を整理する。
4 議員は、次に掲げる者をもって充てる。
 一 総務大臣
 二 外務大臣
 三 財務大臣
 四 文部科学大臣
 五 厚生労働大臣
 六 農林水産大臣
 七 経済産業大臣
 八 国土交通大臣
 九 環境大臣
 十 内閣官房長官
 十一 内閣府設置法(平成十一年法律第八十九号)第九条第一項に規定する特命担当大臣のうちから、内閣総理大臣が指定する者
5 会議は、前条第二項第二号に規定する事項については、再編関連振興特別地域整備計画に定めるべき事項を所管する大臣である議員の賛成がなければ、議決することができない。
6 前各項に定めるもののほか、会議の組織及び運営に関し必要な事項は、政令で定める。

第四章 株式会社国際協力銀行の業務の特例

(株式会社国際協力銀行の業務の特例)
第十六条 株式会社国際協力銀行は、株式会社国際協力銀行法(平成二十三年法律第三十九号)第一条、第十一条及び第十二条の規定にかかわらず、第一条の目的を達成するため、次に掲げる業務(以下「駐留軍再編促進金融業務」という。)を行うことができる。
 一 駐留軍移転促進事業(駐留軍等の再編に伴いアメリカ合衆国において実施される事業で駐留軍のアメリカ合衆国への移転を促進するために必要なものとして政令で定めるものをいう。次号において同じ。)に係る資金の貸付け、当該資金に係る金融機関(銀行法(昭和五十六年法律第五十九号)に規定する銀行その他政令で定めるものに限る。)の貸付債権の譲受け、当該資金に係る債務の保証、当該資金を調達するために発行された債券の取得又は当該債券に係る債務の保証を行うこと。
 二 駐留軍移転促進事業に係る資金の出資をすること。
 三 前二号の業務に関連して必要な調査を行うこと。
 四 第一号及び第二号の業務の利用者に対して、その業務に関連する情報の提供を行うこと。
 五 前各号の業務に附帯する業務を行うこと。

(株式会社国際協力銀行による貸付け及び出資の制限)
第十七条 株式会社国際協力銀行は、前条第一号の資金の貸付けに係る業務であって無利子のものについては、第二十一条第一項の規定による政府からの無利子の貸付けを受けた金額を超えて、これを行ってはならない。
2 株式会社国際協力銀行は、前条第二号の業務については、政府から駐留軍再編促進金融業務に係る資金に充てるべきものとして、株式会社国際協力銀行法第四条第一項の規定による出資があった金額、同法附則第四十六条の規定による改正前の株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号。以下この項において「旧公庫法」という。)第四条第一項の規定による出資があった金額及び旧公庫法附則第四十二条第四号の規定による廃止前の国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)第五条第二項の規定による出資があった金額の合計額に相当する金額を超えて、これを行ってはならない。

(予算の区分)
第十八条 株式会社国際協力銀行法第十六条第一項の規定による予算は、駐留軍再編促進金融業務が行われる場合には、次条各号に掲げる業務ごとに区分しなければならない。
2 前項の規定は、株式会社国際協力銀行法第二十一条第一項の規定による補正予算及び同法第二十二条第一項の規定による暫定予算について準用する。

(区分経理)
第十八条の二 株式会社国際協力銀行は、駐留軍再編促進金融業務を行う場合には、次に掲げる業務ごとに経理を区分し、それぞれ勘定を設けて整理しなければならない。
 一 株式会社国際協力銀行法第十一条各号に掲げる業務
 二 駐留軍再編促進金融業務

(資本金等の整理)
第十八条の三 株式会社国際協力銀行は、駐留軍再編促進金融業務を行う場合には、次に掲げる資本金若しくは準備金又は資金については、前条に定める経理の区分に従い、同条各号に掲げる業務に係る勘定ごとに整理しなければならない。
 一 株式会社国際協力銀行法第四条第一項の規定による政府の出資により増加する資本金又は準備金
 二 株式会社国際協力銀行法第三十三条の規定により資金の借入れ若しくは社債の発行をして調達し、又は第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三十三条の規定により資金の借入れをして調達し、若しくは第二十一条第二項の規定により交付を受けた資金

(区分経理に係る会社法の準用等)
第十八条の四 会社法(平成十七年法律第八十六号)第二百九十五条、第三百三十七条、第三百七十四条、第三百九十六条、第四百三十一条から第四百四十三条まで、第四百四十六条及び第四百四十七条の規定は、第十八条の二の規定により株式会社国際協力銀行が区分して行う経理について準用する。この場合において、同法第四百四十六条中「株式会社の剰余金の額」とあるのは「駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法(平成十九年法律第六十七号。以下「駐留軍再編特別措置法」という。)第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する剰余金の額」と、「の合計額から第五号から第七号までに掲げる額の合計額」とあるのは「であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額から第五号から第七号までに掲げる額であって当該剰余金の属する勘定に計上されるものの合計額」と、同法第四百四十七条第一項及び第二項中「資本金」とあるのは「駐留軍再編特別措置法第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、同条第一項第二号中「を準備金」とあるのは「を同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、「及び準備金」とあるのは「及び当該準備金」と、同条第三項中「に資本金」とあるのは「に駐留軍再編特別措置法第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、「の資本金」とあるのは「の同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
2 会社法第四百四十八条、第四百四十九条並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する株式会社国際協力銀行法第三十一条第一項の規定による準備金の積立て及び第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する同法第三十一条第二項の規定による準備金の取崩しを行う場合を除き、第十八条の二の規定により株式会社国際協力銀行が区分して行う経理について準用する。この場合において、会社法第四百四十八条第一項及び第二項中「準備金」とあるのは「駐留軍再編特別措置法第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、同条第一項第二号中「を資本金」とあるのは「を同条の規定により設けられた勘定に属する資本金」と、「及び資本金」とあるのは「及び当該資本金」と、同条第三項中「に準備金」とあるのは「に駐留軍再編特別措置法第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する準備金」と、「の準備金」とあるのは「の同条の規定により設けられた勘定に属する準備金」と読み替えるものとするほか、必要な技術的読替えは、政令で定める。
3 株式会社国際協力銀行が第十八条の二の規定により設けられた勘定に属する資本金の額を増加し、又は減少したときの株式会社国際協力銀行の資本金の額は当該増加し、又は減少した後の株式会社国際協力銀行の全ての勘定に属する資本金の額の合計額とし、株式会社国際協力銀行が同条の規定により設けられた勘定に属する準備金の額を増加し、又は減少したときの株式会社国際協力銀行の準備金の額は当該増加し、又は減少した後の株式会社国際協力銀行の全ての勘定に属する準備金の額の合計額とする。この場合において、会社法第四百四十七条から第四百四十九条まで並びに第八百二十八条第一項(第五号に係る部分に限る。)及び第二項(第五号に係る部分に限る。)の規定は、適用しない。

(借入金等の限度額)
第十九条 駐留軍再編促進金融勘定(第十八条の二第二号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)における借入金の現在額は、駐留軍再編促進金融勘定に属する資本金及び準備金の額の合計額に政令で定める倍数を乗じて得た額(次項において「借入金の限度額」という。)を超えることとなってはならない。
2 第十六条の規定による資金の貸付け、貸付債権の譲受け及び債券の取得の現在額、資金に係る債務の保証及び債券に係る債務の保証の現在額並びに出資の現在額の合計額は、駐留軍再編促進金融勘定にする資本金及び準備金の額並びに借入金の限度額の合計額を超えることとなってはならない。

(社債の発行の制限)
第二十条 株式会社国際協力銀行は、駐留軍再編促進金融業務を行うために必要な資金の財源に充てるためには、社債を発行してはならない。

(政府からの資金の貸付け等)
第二十一条 政府は、予算の範囲内において、株式会社国際協力銀行に対し、株式会社国際協力銀行法第四条第一項の規定による出資に代えて駐留軍再編促進金融業務に係る資金を無利子で貸し付けることができる。
2 政府は、予算の範囲内において、株式会社国際協力銀行に対し、駐留軍再編促進金融業務に要する費用の一部に相当する金額を交付することができる。

(株式会社国際協力銀行法の適用等)
第二十二条 駐留軍再編促進金融業務が行われる場合には、次の表の上欄に掲げる株式会社国際協力銀行法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする。
第十一条第八号行う業務行う業務(駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法(平成十九年法律第六十七号。以下「駐留軍再編特別措置法」という。)第十六条に規定する駐留軍再編促進金融業務(以下単に「駐留軍再編促進金融業務」という。)を除く。)
第二十条第三項、第二十四条第二項及び第二十五条第二項会計検査院会計検査院及び防衛大臣
第二十一条第二項及び前二条、第十九条及び駐留軍再編特別措置法第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する前条
第二十二条第二項第二十条駐留軍再編特別措置法第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する第二十条
第二十七条第一項毎事業年度駐留軍再編特別措置法第十八条第一項の規定による予算の区分に従い、毎事業年度
第三十一条第一項毎事業年度駐留軍再編特別措置法第十八条の二各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定において、毎事業年度
第三十一条第二項毎事業年度前項のそれぞれの勘定において、毎事業年度
前項同項
第三十一条第四項処分処分及び駐留軍再編特別措置法第十八条の二各号に掲げる業務に係るそれぞれの勘定に属する剰余金の配当その他の剰余金の処分
第三十三条第一項業務業務(駐留軍再編促進金融業務を含む。)
貸付け貸付け(駐留軍再編特別措置法第二十一条第一項の規定によるものを含む。)
第三十七条この法律に駐留軍再編特別措置法並びにこれらに
第三十八条第一項財務大臣財務大臣(駐留軍再編促進金融業務及び駐留軍再編促進金融勘定(駐留軍再編特別措置法第十八条の二第二号に掲げる業務に係る勘定をいう。以下同じ。)に関する事項については、財務大臣及び防衛大臣)
この法律この法律又は駐留軍再編特別措置法
第三十八条第二項及び第三十九条第一項財務大臣財務大臣(駐留軍再編促進金融業務及び駐留軍再編促進金融勘定に関する事項については、財務大臣及び防衛大臣)
この法律この法律又は駐留軍再編特別措置法
第四十条第一項及び第二項財務大臣財務大臣(駐留軍再編促進金融業務及び駐留軍再編促進金融勘定に関する事項については、財務大臣及び防衛大臣)
第四十五条第三十九条第一項第三十九条第一項(駐留軍再編特別措置法第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下この条において同じ。)
同項第三十九条第一項
第四十六条第三号第十一条に規定する業務以外第十一条及び駐留軍再編特別措置法第十六条に規定する業務以外
第四十六条第六号第三十八条第二項第三十八条第二項(駐留軍再編特別措置法第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)
財務大臣財務大臣(駐留軍再編促進金融業務及び駐留軍再編促進金融勘定に関する事項については、財務大臣及び防衛大臣)
附則第五十二条会社の業務会社の業務(駐留軍再編促進金融業務を除く。)

2 財務大臣は、駐留軍再編促進金融業務が行われる場合において、株式会社国際協力銀行法第四十一条第三項の規定による認可をしようとするときは、あらかじめ、防衛大臣に協議しなければならない。
3 財務大臣は、駐留軍再編促進金融業務が行われる場合において、株式会社国際協力銀行法第十六条第一項の規定による予算の提出、同法第二十一条第一項の規定による補正予算の提出、同法第二十二条第一項の規定による暫定予算の提出、同法第二十六条第二項の規定による貸借対照表、損益計算書、財産目録及び事業報告書の提出並びに同法第二十七条第一項の規定による決算報告書の提出を受けたときは、遅滞なく、その旨を防衛大臣に通知しなければならない。

(駐留軍再編促進金融勘定の廃止)
第二十三条 株式会社国際協力銀行は、駐留軍再編促進金融業務を終えたときは、駐留軍再編促進金融勘定を廃止するものとする。
2 株式会社国際協力銀行は、駐留軍再編促進金融勘定の廃止の際、駐留軍再編促進金融勘定に残余財産があるときは、当該残余財産の額を国庫に納付しなければならない。
3 株式会社国際協力銀行は、第一項の規定により駐留軍再編促進金融勘定を廃止したときは、その廃止の時における駐留軍再編促進金融勘定に属する資本金及び準備金の額により、それぞれ資本金及び準備金を減少するものとする。
4 前項の規定による資本金及び準備金の額の減少については、会社法第四百四十七条から第四百四十九条までの規定は、適用しない。

(罰則)
第二十四条 次の各号のいずれかに該当する場合には、その違反行為をした株式会社国際協力銀行の取締役又は執行役は、百万円以下の過料に処する。
 一 第十七条第一項の規定に違反して資金の貸付けをし、又は同条第二項の規定に違反して出資をしたとき。
 二 第十九条第一項の規定に違反して資金の借入れをし、又は同条第二項の規定に違反して資金の貸付け、貸付債権の譲受け、債券の取得、資金に係る債務の保証、債券に係る債務の保証若しくは出資をしたとき。
 三 第二十条の規定に違反して社債を発行したとき。

第五章 駐留軍等労働者に係る措置

第二十五条 国は、駐留軍等の再編に当たっては、駐留軍等労働者(独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構法(平成十一年法律第二百十七号)第三条に規定する駐留軍等労働者をいう。)について、その雇用の継続に資するよう、独立行政法人駐留軍等労働者労務管理機構を通じた技能教育訓練その他の適切な措置を講ずるものとする。

第六章 雑則

(省令への委任)
第二十六条 この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、防衛省令で定める。

   附 則

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、附則第五条の規定は、この法律の施行の日又は株式会社日本政策金融公庫法の施行の日のいずれか遅い日から施行する。

(この法律の失効)
第二条 この法律は、平成二十九年三月三十一日限り、その効力を失う。
2 前項の規定にかかわらず、再編関連特定防衛施設に係る駐留軍等の再編の実施の年度の開始の日(以下この項において「再編実施基準日」という。)から前項に規定する日までの期間が五年に満たない場合又は再編実施基準日が同項に規定する日後となる場合における当該再編関連特定防衛施設に係る再編交付金の交付については、第六条の規定は、再編実施基準日から起算して五年を経過する日又は平成三十四年三月三十一日のいずれか早い日(次項において「交付終了日」という。)までの間、なおその効力を有する。
3 前二項の規定にかかわらず、再編交付金に基づく事業で、第一項に規定する日(前項に規定する場合にあっては、交付終了日。以下この項において同じ。)後に繰り越される再編交付金に係るものについては、第六条の規定は、第一項に規定する日後も、なおその効力を有する。
4 第一項の規定にかかわらず、再編関連振興特別地域整備計画に基づく事業で、同項に規定する日後に繰り越される国の負担金、補助金又は交付金に係るものについては、第十一条の規定は、同項に規定する日後も、なおその効力を有する。
5 第一項の規定にかかわらず、第四章の規定は、同項に規定する日後も、当分の間、なおその効力を有する。

(簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律との関係)
第三条 駐留軍再編促進金融業務は、簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成十八年法律第四十七号。以下この条において「行革推進法」という。)第十二条第二項の規定の適用については、国際協力銀行法第二十三条第一項に規定する国際金融等業務とみなして行革推進法第四条に規定する新政策金融機関に承継させるものとし、当該駐留軍再編促進金融業務については、同条の規定は、適用しない。

(防衛省設置法の一部改正)
第四条 防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)の一部を次のように改正する。
  附則第二項の表に次のように加える。
平成二十九年三月三十一日までの間一 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法(平成十九年法律第六十七号)第四条第一項の規定による再編関連特定防衛施設の指定及び同法第五条第一項の規定による再編関連特定周辺市町村の指定に関すること。
二 再編関連振興特別地域(駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法第七条第一項に規定するものをいう。以下同じ。)の指定に関すること。
三 再編関連振興特別地域整備計画(駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法第八条に規定するものをいう。)の作成に関すること。
四 再編関連振興特別地域の整備に関する重要事項に係る関係行政機関の事務の連絡調整に関すること。
駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法第六条の規定が効力を有する間同条の規定による再編交付金の交付に関すること。
駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法第四章の規定が効力を有する間同法第十六条第一項の規定による駐留軍再編促進金融業務に係る資金の貸付け及び出資並びに同法第二十二条第一項の規定により読み替えて適用する国際協力銀行法(平成十一年法律第三十五号)第四十八条の規定による交付金の交付(当該駐留軍再編促進金融業務に要する費用に係るものに限る。)に関すること。

  附則第五項を次のように改める。
  (特別の機関の設置の特例)
 5 平成二十九年三月三十一日までの間、駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の定めるところにより、防衛省本省に、駐留軍等再編関連振興会議を置く。
  附則第六項から第十七項までを削る。
  附則第十八項中「ものの外」を「もののほか」に改め、同項を附則第六項とする。

[第五条 株式会社日本政策金融公庫法の一部改正]

   附 則 [平成19年5月25日法律第58号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、平成二十年十月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
 二 第五十四条(駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法附則第一条にただし書を加える改正規定及び同法附則に一条を加える改正規定に限る。)の規定 駐留軍等の再編の円滑な実施に関する特別措置法の施行の日又は株式会社日本政策金融公庫法(平成十九年法律第五十七号)の施行の日のいずれか遅い日

   附 則 [平成23年3月31日法律第9号] [抄]

(施行期日) 第一条 この法律は、平成二十三年四月一日から施行する。[後略]

   附 則 [平成23年5月2日法律第39号] [抄]

(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から施行する。ただし、第五条第一項及び第四十七条並びに附則第二十二条から第五十一条までの規定は、平成二十四年四月一日から施行する。


別表(第十一条関係)
事業の区分国の負担又は補助の割合
土地改良土地改良法(昭和二十四年法律第百九十五号)第二条第二項に規定する土地改良事業十分の五・五
漁港漁港漁場整備法(昭和二十五年法律第百三十七号)第三条第一号に掲げる基本施設又は同条第二号に掲げる機能施設のうち輸送施設若しくは漁港施設用地(公共施設用地に限る。)の修築十分の五・五
港湾港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)第二条第二項に規定する国際戦略港湾、国際拠点港湾又は重要港湾における同条第五項に規定する港湾施設のうち水域施設、外郭施設、係留施設又は臨港交通施設(以下「水域施設等」という。)の建設及び改良十分の五・五(港湾法第四十二条第一項に規定する国土交通省令で定める小規模な水域施設、外郭施設又は係留施設の建設及び改良にあっては、十分の四・五)
港湾法第二条第二項に規定する地方港湾における水域施設等の建設及び改良十分の四・五
道路道路法(昭和二十七年法律第百八十号)第二条第一項に規定する道路の新設及び改築十分の五・五
水道水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第三条第二項に規定する水道事業又は同条第四項に規定する水道用水供給事業の用に供する同条第八項に規定する水道施設の新設及び増設十分の三
下水道下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第二条第三号に掲げる公共下水道又は同条第四号に掲げる流域下水道の設置及び改築十分の五・五
義務教育施設義務教育諸学校等の施設費の国庫負担等に関する法律(昭和三十三年法律第八十一号)第二条第一項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校、中学校又は中等教育学校の前期課程の同条第二項に規定する建物の新築、増築及び改築並びに学校給食法(昭和二十九年法律第百六十号)第三条第二項に規定する義務教育諸学校のうち公立の小学校、中学校又は中等教育学校の前期課程の同条第一項に規定する学校給食の開設に必要な施設の整備十分の五・五

以上

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