道後温泉への道(その10)
予め言っておくと,添付している写真はこれまでの記事よりも先行している場所のものです。
続き。
しまなみ海道の各橋は,原付車道,自転車道と歩行者道とが併設されている。橋によって,原付車道と自転車・歩行者道に分かれているものと,原付も自転車も歩行者も同じレーンを進むものとがある。いずれにしても自動車道とはガードレールや上下階で完全に分離されているので,安全である。
また,原付・自転車・歩行者道は西瀬戸自動車道と完全に併置されているわけではなく,専用のランプが設置され橋梁部のみ併用となっていて,その他のルート部分は一般道を利用することになっている。
ちなみに自動車道は本州四国連絡高速道路株式会社が,原付・自転車・歩行者道は各県(広島県道466号向島因島瀬戸田自転車道線・愛媛県道325号今治大三島自転車道線)が管理している。(尾道大橋は広島県道路公社の管理)
さて,尾道〜向島を渡船利用したので因島大橋が初めての橋である。まず一般県道から自転車専用道への標識があるので,これに従って進むとサイクリングロードが現れ,緩やかな勾配となる。これはさすがに自転車・歩行者道として設計されているので,自転車を降りて押して上がるような勾配ではない。呉〜三原間の国道に比べたら天国。1200mほど勾配を上がると,二階建ての橋梁本体に進む。この構造は上部が自動車道,下部が鉄道の瀬戸大橋を思い浮かべる。
思いのほか風は弱く,目の細かい金網によって海側と隔てられているので高所恐怖も特に感じない。橋梁部の勾配は重荷に感じるほどではなく,ほぼ平坦と言ってもいいくらいのもの。
意外にあっけなく因島大橋を渡り,下りスロープをするすると進むとこれが気持ちいい!上らば下る。
因島側の出口を右手に進むとすぐに大浜崎にたどり着く。ここにキャンプ場があるはずなのだが,広場とトイレと管理小屋みたいなものしか無い。ウロウロしていると「大浜崎キャンプ場駐車場」という標識を見つけるが,どこを以てキャンプ場としているのか全く分からない。
一人でうなっていると,ちょうどいいところにおばちゃんが一人駐車場にやって来たので話を聞いてみることにした。
「すみません。あのうキャンプ場ってどこなんですか?」
「この奧にあるのよ」(駐車場の背後の小高い山の方向)
「この奧ですか」
「でもね,あっちのほうでテント立ててる人をよく見るわよ」(広場の方向)
「そうなんですか…。ひょっとしたらキャンプ場の設備死んでるのかも知れないですね」
「うん分からないけど,あっちでよく見るよ」
キャンパーがすぐそばのキャンプ場を利用しないのには理由があるのだろう。
「まあ,とりあえず荷物置いて見に行ってきますわ。骨折り損になってもあれですし」
「そうよね。フハハ」
「ありがとうございました」
駐車場の奧から続く道を数分上ると草ぼうぼうのキャンプ場が見えてきた。炊事場とトイレはあるものの,管理棟は無人で張り紙がしてあるだけ。シャワーなどもちろん無い。
「なんじゃこりゃあ」
1000円払って使う施設じゃねえや。第一,人っ子一人いなく廃墟みたいで怖い。
丘まで自転車と荷物を上げる労力もバカバカしいので,単なる公園のほうにテントを立てることにした。ここなら草ぼうぼうじゃないし,トイレも近いし自販機もあるし平地だし快適。
設営を終え,まず濡らしたタオルで体を拭いて着替えた。一日中走るとさすがに足くせえよ!よーく拭って満足。
寂しいのでラジオをつけて,昼に買ったハンバーガーと夕方に買ったコールスローをもぐもぐしていると,もぐもぐしている最中から眠くなってくる。
「いま眠ると,夜が明けないうちに起きちゃう」
暗いうちに起きても寒いし,撤収も面倒なので困るのだ。
「何か面白い番組やってないのか!」
AM局を回していると野球中継やクラシックやら訳わかんねえ海外放送ばかり。もしやと思ってFMを入れると広島FMが入るので小喜び。遮蔽物の少ない瀬戸内バンザイ。
さらに眠気と闘いながら,カップ酒を無理矢理流し込む。眠気を最大に溜めて,酒で深い眠りを得て,ずばっと起きる計画。だらだらと浅いまどろみを続けることはかえって休まらなかった経験を活かすのだ。しかし,極度に疲れている身はアルコールを欲していなく,飲み干すのに普段の倍以上の時間が掛かった。
次に眠る体勢を作り,シュラフに体を突っ込むと十数分後に汗だくになっている。「なんだこれ…」体を出してまたまどろむと寒い。体を入れるとまた数分後に汗だく。また出して…入ると普通に眠りに入った。炎天下ずっと体を動かしておまけに酒まで入れたので体がぼうぼうに燃えていたのかも知れない。
久々のテントだが,寝袋には慣れているので心地よい眠りを5時間ほど得て,0500起床。
つづく。
【多々羅大橋 06.09.30】
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